有価証券報告書-第36期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益は高い水準にあることなどから、景気は緩やかに回復いたしました。一方で、通商問題を巡る動向等の海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響、また新型コロナウイルス感染症が内外経済に与える影響などにより、先行きは不透明な状況が続いております。
警備業界におきましては、近年の放火殺人事件などの凶悪事件等を背景とした危機管理意識の高まりを背景に、業界市場5年間(2014~2018年)のCAGR(年平均成長率)は1.4%と、市場規模は緩やかに拡大しております。一方で、警備業における人手不足は深刻であり、採用コストや人件費の増加等、依然として厳しい経営環境が続いております。
このような経営環境の中、当社グループは、ストック型ビジネスとして安定的に収益貢献する「施設警備」が好調に推移しており、受注を着実に積み上げております。また、20カ国・地域(G20)首脳会議関連の臨時警備やラグビー国際大会の臨時警備を実施いたしました。一方で、期末の就業人員数は1,830名(うち年間平均の臨時従業員数1,431名)となりました。
これらの結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は6,415,809千円、営業利益は445,700千円、経常利益は496,634千円、親会社株主に帰属する当期純利益は325,596千円となりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度より733,506千円(12.9%)増加し、6,415,809千円となりました。この増収は、施設・巡回警備分野の大幅な増収があったことなどによるものであります。売上高の内訳の詳細については、後述の「分野別の状況について」をご参照ください。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度より545,100千円(12.9%)増加して4,763,980千円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度の74.3%から変動はなく74.3%となりました。これは、主に前連結会計年度に新幹線事件対応及び西日本豪雨対応といった高利益率案件受注による業績寄与があったものの、当連結会計年度において第3四半期から第4四半期にかけて料金改定を行ったことによるもの及び長期、臨時警備ともに高利益率案件の受注が一定量あったことによるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より146,354千円(13.8%)増加して1,206,128千円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度の18.6%から18.8%となりました。これは、主に内部体制強化に伴う管理スタッフの人員増、警備員教育訓練用映像ツールの制作費用、事業所の移転費用、採用強化及び定着率上昇のための社員寮の設置費用によるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度より42,051千円((10.4%)増加して445,700千円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度の7.1%から6.9%となりました。これは、主に前述のとおり管理スタッフ増員、映像ツール制作、事業所移転費用、社員寮設置費用などによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度より、69,766千円(16.3%)増加して496,634千円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度の7.5%から7.7%となりました。これは、主に前連結会計年度における上場関連費用の減少によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より48,586千円(17.5%)増加して325,596千円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度の4.8%から5.1%となりました。
なお、当社グループは警備事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、分野別の業績は以下の通りであります。
分野別の状況について
施設・巡回警備分野
当連結会計年度の施設・巡回警備分野の売上高は、前連結会計年度比676,753千円(17.6%)増加し、4,528,855千円となりました。この増加は、主に、新規対応領域を含む施設警備の受注が好調に推移したこと、4~6月における20カ国・地域(G20)首脳会議開催に伴う公共交通機関及び関連施設の警備を実施したこと、9~11月におけるラグビー国際大会の臨時警備を実施したことによるものであります。これらの臨時警備は、会場等における施設警備であるため、施設・巡回警備分野に含まれております。
なお、施設警備の受注については、当第3四半期連結会計年度に新規開始した案件が比較的多く、これらの売上高は来期通期で寄与する見込みであります。
雑踏・交通誘導警備分野
当連結会計年度の雑踏・交通誘導警備分野の売上高は、前連結会計年度比37,197千円(2.4%)増加し、1,595,431千円となりました。この増加は、主にハイウェイ・セキュリティーの対応エリアを拡大したことによるものであります。
その他の分野
当連結会計年度のその他の分野の売上高は、前連結会計年度比19,555千円(7.2%)増加し、291,522千円となりました。この増加は、マンション代行管理の規模拡大などによるものであります。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、次のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ228,821千円(5.2%)増加し、4,588,206千円となりました。この増加は、現金及び預金の増加などによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ21,539千円(2.7%)増加し、819,416千円となりました。この増加は、未払金の増加などによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ207,281千円(5.8%)増加して3,768,789千円となり、自己資本比率は82.1%(前連結会計年度末は81.7%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ138,370千円増加し、2,115,117千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動から得られた資金は、前連結会計年度比155,328千円減少し、234,258千円(前連結会計年度は、389,587千円の収入)となりました。これは主として、法人税等の支払179,379千円、売上債権の増加74,703千円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動から得られた資金は、前連結会計年度比47,824千円減少し、21,515千円(前連結会計年度は、69,339千円の収入)となりました。これは主として、保険積立金の解約による収入が減少したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動から得られた資金は、前連結会計年度比1,010,675千円減少し、117,403千円(前連結会計年度は、893,272千円の収入)となりました。これは主として、前期生じていた新規上場に伴う株式の発行による収入がなかったことなどによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは警備事業の単一セグメントであります。
| 警備分野の名称 | 第36期連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比 (%) | |
| 施設・巡回警備分野 | (千円) | 4,528,855 | 117.6 |
| 雑踏・交通誘導警備分野 | (千円) | 1,595,431 | 102.4 |
| その他 | (千円) | 291,522 | 107.2 |
| 合計 | (千円) | 6,415,809 | 112.9 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 第35期連結会計年度 | 第36期連結会計年度 | ||
| 販売高 (千円) | 割合 (%) | 販売高 (千円) | 割合 (%) | |
| ㈱サン総合メンテナンス | 661,717 | 11.6 | 631,239 | 9.8 |
| ㈱アサヒファシリティズ | 593,895 | 10.5 | 501,658 | 7.8 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、売上高は6,415,809千円と前年同期と比べ733,506千円(12.9%)の増収、営業利益は445,700千円と前年同期と比べ42,051千円(10.4%)の増益、経常利益は496,634千円と前年同期と比べ69,766千円(16.3%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は325,596千円と前年同期と比べ48,586千円(17.5%)の増益となりました。
この増収増益は、主に、施設警備の受注が好調に推移したことによるものであり、特に当第3四半期連結会計年度に新規開始した案件が比較的多く、これらの売上高は来期通期で寄与する見込みであります。また、4~6月における20カ国・地域(G20)首脳会議開催に伴う公共交通機関及び関連施設の警備実施、9~11月おけるラグビー国際競技大会の臨時警備の実施による増収が寄与していると分析しております。
売上総利益率については、料金改定や高利益率案件の受注による改善はあるものの、人件費の増加による原価上昇の影響もあり、25.7%となり、前年同期と比べ概ね横ばいで推移しております。また、営業利益率については、主に、営業所新設・移転等による地代家賃負担の増加、人員採用のための募集採用費の増加及び教育研修に関する費用増加の影響により、6.9%となり、前年同期に比べ、0.2%低下しております。経常利益率については、前連結会計年度における上場関連費用が減少したことにより、7.7%となり、前年同期と比べ0.2%上昇しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、人件費を主とする営業費用(売上原価、販売費及び一般管理費)に用いる運転資金は自己資金を基本としております。なお、当連結会計年度末における金融機関からの借入金はありません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。