有価証券報告書-第24期(令和1年9月1日-令和2年8月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、米中貿易問題や英国のEU離脱問題等を巡る世界経済の先行き不透明感に加え、新型コロナウイルスのパンデミックにより、生産活動の停滞、個人消費の失速、雇用環境の悪化など経済活動は大幅に落ち込み、厳しい状況が続きました。
このような経済環境の悪化により、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、主たる事業分野である自動車関連の組込ソフトウェアが影響を受けた他、下半期においては新たな開発案件の計画縮小や中止、開始時期の延期などが発生しました。
しかし、当社が優位性を発揮するCASE(Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)は、自動車技術変革のキーテクノロジーであり、各種開発の需要は高止まりの状況にあります。そのため、自動運転/先進安全シミュレータ開発や組込セキュリティサービス等の先進・高付加価値な事業分野は好調に推移しておりましたが、他の分野における減収分を吸収しきれず、売上高は前年同期比減収となりました。
一方で、営業利益及び経常利益においては、外注施策の厳格化、不採算案件の発生を防止する体制の強化などによる売上総利益率の改善の他、コロナ禍による研究開発活動の時期調整・出張や採用活動の抑制、前連結会計年度に実施した保険解約による保険料の減少などが寄与し、前年同期比増益となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益においては、前期発生した特別利益(一部取締役から役員退職慰労金の辞退を受けたことによる役員退職慰労金戻入額)がなく前年同期比減益となりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,222,802千円(前年同期比3.4%減)、営業利益336,760千円(前年同期比33.7%増)、経常利益331,091千円(前年同期比8.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益221,977千円(前年同期比3.8%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
a.組込システム事業
当セグメントにおいては、自動車・産業製品向けの制御ソフトウェア、リアルタイムオペレーティングシステムなどのソフトウェアプラットフォーム提供、組込セキュリティなどの受託を行っております。経営成績の状況としましては、前述した経済環境の悪化により、自動車関連の組込ソフトウェアが影響を受けた他、下半期においては新たな開発案件の計画縮小や中止、開始時期の延期などが発生したため、売上高は前年同期比減となりましたが、前期上半期において抱えていた不採算案件が解消されたことや外注施策の厳格化、コロナ禍による研究や出張の抑制などによりセグメント利益は改善されました。
この結果、売上高は1,227,953千円(前年同期比1.7%減)、セグメント利益(営業利益)は314,585千円(前年同期比33.1%増)となりました。
b.システムズエンジニアリング事業
当セグメントにおいては、自動車関連のシミュレーション及びモデルベース開発技術の提案・開発・提供とデジタルコンシューマ機器向けの基盤技術提供を行っております。経営成績の状況としましては、先進・高付加価値な事業分野が好調に推移したものの、期初における人事異動等により当セグメント内の一部のプロジェクトが組込システム事業に移管したため売上高は前年同期比減となりましたが、高付加価値案件の増加による利益率の改善が寄与し増益となりました。 この結果、売上高は748,078千円(前年同期比1.0%減)、セグメント利益(営業利益)は260,520千円(前年同期比7.6%増)となりました。
c.機能安全開発事業
当セグメントにおいては、近年の電子機器装置の安全性を担保するために必要なコンサルティング・安全性分析支援と安全性の高いソフトウェア開発を行うためのソフトウェア開発プロセス作成の支援を行っております。経営成績の状況としましては、当セグメントの事業が市場経済の悪化の影響を先行的に受けやすいことに伴い、受注に至るまでの期間の長期化や受注規模の縮小などの影響を受けたため、前年同期比で減収減益となりました。
この結果、売上高は169,428千円(前年同期比30.6%減)、セグメント利益(営業利益)は55,474千円(前年同期比46.8%減)となりました。
d.その他
当セグメントにおいては、株式会社アトリエ、株式会社ヴィッツ沖縄が含まれております。主に株式会社ヴィッツ沖縄における工作機械向け案件の受注増のため前年同期比で増収となりましたが、一方で、両子会社において、将来のグループ全体の収益性向上に向けて人材の育成・増強や業務体制の改善コストを増加させており減益となりました。
この結果、売上高は156,234千円(前年同期比13.7%増)、セグメント利益(営業利益)は22,280千円(前年同期比30.8%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,594,855千円(前期比34,061千円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は220,571千円(前連結会計年度は244,570千円の獲得)となりました。この主な要因は、保険解約返戻金の計上12,395千円、売上債権の増加額48,560千円、仕入債務の減少額11,859千円、法人税等の支払額88,573千円等による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上324,687千円、減価償却費の計上18,111千円、退職給付に係る負債の増加額13,401千円、賞与引当金の増加額11,860千円、たな卸資産の減少額12,965千円等の資金の増加があったことによるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果減少した資金は214,714千円(前連結会計年度は62,946千円の獲得)となりました。この主な要因は、保険積立金の解約による収入25,283千円等による資金の増加があったものの、定期預金の預入による支出200,000千円、有形固定資産の取得による支出14,631千円、保険積立金の積立による支出22,610千円等による資金の減少があったことによるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果減少した資金は39,918千円(前連結会計年度は953,475千円の獲得)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出1,008千円、市場変更費用の支払額22,157千円、配当金の支払額16,189千円等による資金の減少があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態
a.資産
当連結会計年度末における資産合計は、2,439,164千円(前連結会計年度末比9.2%増)となり、流動資産合計2,161,599千円(前連結会計年度末比9.7%増)、固定資産合計277,565千円(前連結会計年度末比5.8%増)となりました。
流動資産の主な内訳は、現金及び預金1,794,855千円(前連結会計年度末比10.2%増)、受取手形及び売掛金197,135千円(前連結会計年度末比32.7%増)、仕掛品133,832千円(前連結会計年度末比8.8%減)であります。
固定資産の主な内訳は、有形固定資産29,803千円(前連結会計年度末比26.6%増)、無形固定資産10,276千円(前連結会計年度末比26.4%減)、保険積立金121,924千円(前連結会計年度末比16.4%増)、繰延税金資産85,287千円(前連結会計年度末比8.2%増)であります。
b.負債
当連結会計年度末における負債合計は、545,697千円(前連結会計年度末比0.7%減)となり、流動負債合計325,619千円(前連結会計年度末比5.1%減)、固定負債合計220,077千円(前連結会計年度末比6.5%増)となりました。
流動負債の主な内訳は、買掛金50,554千円(前連結会計年度末比19.0%減)、未払法人税等68,901千円(前連結会計年度末比10.8%増)、未払消費税等48,342千円(前連結会計年度末比39.4%増)、賞与引当金102,079千円(前連結会計年度末比13.1%増)であります。
固定負債の主な内訳は、長期未払金91,495千円(前連結会計年度末比7.9%増)、退職給付に係る負債126,500千円(前連結会計年度末比11.8%増)であります。
c.純資産
当連結会計年度末における純資産合計は、1,893,467千円(前連結会計年度末比12.5%増)となりました。主な内訳は、資本金583,789千円(前連結会計年度末同額)、資本剰余金518,278千円(前連結会計年度末同額)、利益剰余金769,914千円(前連結会計年度末比36.5%増)であります。
② 経営成績
a.売上高、売上原価及び売上総利益
当連結会計年度の売上高は2,222,802千円(前年度同期比3.4%減)であり、前連結会計年度より77,790千円減少いたしました。主な要因としましては、、当社が優位性を発揮するCASE(Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)など先進・高付加価値な事業分野が好調に推移したものの、前述したパンデミック等に伴う経済環境の悪化により、自動車関連の組込ソフトウェアの減収、新たな開発案件の計画縮小や中止又は開始時期の延期などが発生したことによるものであります。
また、売上原価は1,477,066千円(前年同期比5.6%減)、売上総利益は、745,736千円(前年同期比1.3%増)となりました。これは、外注施策の厳格化、不採算案件の発生を防止する体制の強化などによる売上総利益率の改善の他、コロナ禍による出張抑制等が寄与したこと等によるものであります。
以上により、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標に掲げている売上総利益率は、前連結会計年度の32.0%に対して当連結会計年度は33.5%と1.5ポイント上昇しており、当社の経営戦略の1つである“収益性の向上”に向けた施策が奏功しているものと認識しております。
なお、当社が認識している経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載したとおりであります。
b.販売費及び一般管理費並びに営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は408,975千円(前年同期比15.5%減)であり、前連結会計年度より74,972千円減少いたしました。主な要因としましては、コロナ禍による研究開発活動の時期調整・出張や採用活動の抑制、前連結会計年度に実施した保険解約による保険料の減少などが寄与したことによるものであります。この結果、営業利益は336,760千円(前年同期比33.7%増)となり、前年連結会計年度より84,844千円増加いたしました。
c.営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は16,583千円であります。また、当連結会計年度の営業外費用は22,252千円であります。この結果、経常利益は331,091千円(前年同期比8.8%増)となり、前連結会計年度より26,642千円増加いたしました。主な要因としましては、営業利益が84,844千円増加した一方で、前期計上した営業外収益(役員退職用積立保険等の整理による保険解約返戻金)が発生しなかったことによるものであります。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益にて固定資産売却益を127千円、特別損失にて投資有価証券評価損を6,530千円計上しております。また、法人税等を97,825千円、非支配株主に帰属する当期純利益を4,884千円計上しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は221,977千円(前年同期比3.8%減)となり、前連結会計年度より8,682千円減少いたしました。
主な要因としましては、経常利益が26,642千円増加した一方で、前期計上した特別利益(一部の取締役から役員退職慰労金の辞退を受けたことによる役員退職慰労金戻入額)が発生しなかったこと、また、当期において新たに特別損失(投資有価証券評価損)が発生したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における資金の増減額は34,061千円の減少(前年同期は1,260,992千円の増加)であり、前連結会計年度より1,295,054千円減少いたしました。主な要因としましては、定期預金の預入による支出の増加及び保険積立金の解約による収入の減少等により投資活動によるキャッシュ・フローが277,660千円減少したこと、株式の発行による収入の減少等により財務活動によるキャッシュ・フローが993,393千円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における資金の残高は1,594,855千円(前期比34,061千円減)となりましたが、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。また、当社の経営戦略の1つである“次世代事業の創生”のための研究開発資金を十分に確保できているものと認識しております。
また、当社グループは、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、一部資金を銀行借入等により調達しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件や仮定の変化により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえた会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)」に記載しておりますが、特に次の事項における会計上の見積りの判断が経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社グループは、過去及び当期の課税所得の発生状況と、合理的に見積りをした将来の課税所得をもって回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について、繰延税金資産を計上しております。
見積りの前提とした将来の仮定に変動が生じ課税所得が減少した場合、繰延税金資産の減額が必要となる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、米中貿易問題や英国のEU離脱問題等を巡る世界経済の先行き不透明感に加え、新型コロナウイルスのパンデミックにより、生産活動の停滞、個人消費の失速、雇用環境の悪化など経済活動は大幅に落ち込み、厳しい状況が続きました。
このような経済環境の悪化により、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、主たる事業分野である自動車関連の組込ソフトウェアが影響を受けた他、下半期においては新たな開発案件の計画縮小や中止、開始時期の延期などが発生しました。
しかし、当社が優位性を発揮するCASE(Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)は、自動車技術変革のキーテクノロジーであり、各種開発の需要は高止まりの状況にあります。そのため、自動運転/先進安全シミュレータ開発や組込セキュリティサービス等の先進・高付加価値な事業分野は好調に推移しておりましたが、他の分野における減収分を吸収しきれず、売上高は前年同期比減収となりました。
一方で、営業利益及び経常利益においては、外注施策の厳格化、不採算案件の発生を防止する体制の強化などによる売上総利益率の改善の他、コロナ禍による研究開発活動の時期調整・出張や採用活動の抑制、前連結会計年度に実施した保険解約による保険料の減少などが寄与し、前年同期比増益となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益においては、前期発生した特別利益(一部取締役から役員退職慰労金の辞退を受けたことによる役員退職慰労金戻入額)がなく前年同期比減益となりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,222,802千円(前年同期比3.4%減)、営業利益336,760千円(前年同期比33.7%増)、経常利益331,091千円(前年同期比8.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益221,977千円(前年同期比3.8%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
a.組込システム事業
当セグメントにおいては、自動車・産業製品向けの制御ソフトウェア、リアルタイムオペレーティングシステムなどのソフトウェアプラットフォーム提供、組込セキュリティなどの受託を行っております。経営成績の状況としましては、前述した経済環境の悪化により、自動車関連の組込ソフトウェアが影響を受けた他、下半期においては新たな開発案件の計画縮小や中止、開始時期の延期などが発生したため、売上高は前年同期比減となりましたが、前期上半期において抱えていた不採算案件が解消されたことや外注施策の厳格化、コロナ禍による研究や出張の抑制などによりセグメント利益は改善されました。
この結果、売上高は1,227,953千円(前年同期比1.7%減)、セグメント利益(営業利益)は314,585千円(前年同期比33.1%増)となりました。
b.システムズエンジニアリング事業
当セグメントにおいては、自動車関連のシミュレーション及びモデルベース開発技術の提案・開発・提供とデジタルコンシューマ機器向けの基盤技術提供を行っております。経営成績の状況としましては、先進・高付加価値な事業分野が好調に推移したものの、期初における人事異動等により当セグメント内の一部のプロジェクトが組込システム事業に移管したため売上高は前年同期比減となりましたが、高付加価値案件の増加による利益率の改善が寄与し増益となりました。 この結果、売上高は748,078千円(前年同期比1.0%減)、セグメント利益(営業利益)は260,520千円(前年同期比7.6%増)となりました。
c.機能安全開発事業
当セグメントにおいては、近年の電子機器装置の安全性を担保するために必要なコンサルティング・安全性分析支援と安全性の高いソフトウェア開発を行うためのソフトウェア開発プロセス作成の支援を行っております。経営成績の状況としましては、当セグメントの事業が市場経済の悪化の影響を先行的に受けやすいことに伴い、受注に至るまでの期間の長期化や受注規模の縮小などの影響を受けたため、前年同期比で減収減益となりました。
この結果、売上高は169,428千円(前年同期比30.6%減)、セグメント利益(営業利益)は55,474千円(前年同期比46.8%減)となりました。
d.その他
当セグメントにおいては、株式会社アトリエ、株式会社ヴィッツ沖縄が含まれております。主に株式会社ヴィッツ沖縄における工作機械向け案件の受注増のため前年同期比で増収となりましたが、一方で、両子会社において、将来のグループ全体の収益性向上に向けて人材の育成・増強や業務体制の改善コストを増加させており減益となりました。
この結果、売上高は156,234千円(前年同期比13.7%増)、セグメント利益(営業利益)は22,280千円(前年同期比30.8%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,594,855千円(前期比34,061千円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は220,571千円(前連結会計年度は244,570千円の獲得)となりました。この主な要因は、保険解約返戻金の計上12,395千円、売上債権の増加額48,560千円、仕入債務の減少額11,859千円、法人税等の支払額88,573千円等による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上324,687千円、減価償却費の計上18,111千円、退職給付に係る負債の増加額13,401千円、賞与引当金の増加額11,860千円、たな卸資産の減少額12,965千円等の資金の増加があったことによるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果減少した資金は214,714千円(前連結会計年度は62,946千円の獲得)となりました。この主な要因は、保険積立金の解約による収入25,283千円等による資金の増加があったものの、定期預金の預入による支出200,000千円、有形固定資産の取得による支出14,631千円、保険積立金の積立による支出22,610千円等による資金の減少があったことによるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果減少した資金は39,918千円(前連結会計年度は953,475千円の獲得)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出1,008千円、市場変更費用の支払額22,157千円、配当金の支払額16,189千円等による資金の減少があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) | 前年同期比(%) |
| 組込システム事業 (千円) | 879,832 | 92.1 |
| システムズエンジニアリング事業 (千円) | 482,191 | 98.5 |
| 機能安全開発事業 (千円) | 78,283 | 72.2 |
| 報告セグメント計 (千円) | 1,440,307 | 92.7 |
| その他 (千円) | 37,011 | 167.3 |
| 合計 (千円) | 1,477,318 | 93.8 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) | |||
| 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 組込システム事業 (千円) | 1,165,630 | 102.6 | 88,473 | 58.7 |
| システムズエンジニアリング事業 (千円) | 755,402 | 100.9 | 177,275 | 104.3 |
| 機能安全開発事業 (千円) | 165,241 | 66.7 | 22,995 | 84.6 |
| 報告セグメント計 (千円) | 2,086,274 | 97.8 | 288,744 | 83.0 |
| その他 (千円) | 83,342 | 140.8 | 14,000 | 175.0 |
| 合計 (千円) | 2,169,617 | 99.0 | 302,744 | 85.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) | 前年同期比(%) |
| 組込システム事業 (千円) | 1,227,953 | 98.3 |
| システムズエンジニアリング事業 (千円) | 748,078 | 99.0 |
| 機能安全開発事業 (千円) | 169,428 | 69.4 |
| 報告セグメント計 (千円) | 2,145,460 | 95.4 |
| その他 (千円) | 77,342 | 151.0 |
| 合計 (千円) | 2,222,802 | 96.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年9月1日 至 2019年8月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| トヨタ自動車㈱ | 291,737 | 12.7 | 424,350 | 19.1 |
| アイシン精機㈱ | 369,784 | 16.1 | 280,563 | 12.6 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態
a.資産
当連結会計年度末における資産合計は、2,439,164千円(前連結会計年度末比9.2%増)となり、流動資産合計2,161,599千円(前連結会計年度末比9.7%増)、固定資産合計277,565千円(前連結会計年度末比5.8%増)となりました。
流動資産の主な内訳は、現金及び預金1,794,855千円(前連結会計年度末比10.2%増)、受取手形及び売掛金197,135千円(前連結会計年度末比32.7%増)、仕掛品133,832千円(前連結会計年度末比8.8%減)であります。
固定資産の主な内訳は、有形固定資産29,803千円(前連結会計年度末比26.6%増)、無形固定資産10,276千円(前連結会計年度末比26.4%減)、保険積立金121,924千円(前連結会計年度末比16.4%増)、繰延税金資産85,287千円(前連結会計年度末比8.2%増)であります。
b.負債
当連結会計年度末における負債合計は、545,697千円(前連結会計年度末比0.7%減)となり、流動負債合計325,619千円(前連結会計年度末比5.1%減)、固定負債合計220,077千円(前連結会計年度末比6.5%増)となりました。
流動負債の主な内訳は、買掛金50,554千円(前連結会計年度末比19.0%減)、未払法人税等68,901千円(前連結会計年度末比10.8%増)、未払消費税等48,342千円(前連結会計年度末比39.4%増)、賞与引当金102,079千円(前連結会計年度末比13.1%増)であります。
固定負債の主な内訳は、長期未払金91,495千円(前連結会計年度末比7.9%増)、退職給付に係る負債126,500千円(前連結会計年度末比11.8%増)であります。
c.純資産
当連結会計年度末における純資産合計は、1,893,467千円(前連結会計年度末比12.5%増)となりました。主な内訳は、資本金583,789千円(前連結会計年度末同額)、資本剰余金518,278千円(前連結会計年度末同額)、利益剰余金769,914千円(前連結会計年度末比36.5%増)であります。
② 経営成績
a.売上高、売上原価及び売上総利益
当連結会計年度の売上高は2,222,802千円(前年度同期比3.4%減)であり、前連結会計年度より77,790千円減少いたしました。主な要因としましては、、当社が優位性を発揮するCASE(Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)など先進・高付加価値な事業分野が好調に推移したものの、前述したパンデミック等に伴う経済環境の悪化により、自動車関連の組込ソフトウェアの減収、新たな開発案件の計画縮小や中止又は開始時期の延期などが発生したことによるものであります。
また、売上原価は1,477,066千円(前年同期比5.6%減)、売上総利益は、745,736千円(前年同期比1.3%増)となりました。これは、外注施策の厳格化、不採算案件の発生を防止する体制の強化などによる売上総利益率の改善の他、コロナ禍による出張抑制等が寄与したこと等によるものであります。
以上により、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標に掲げている売上総利益率は、前連結会計年度の32.0%に対して当連結会計年度は33.5%と1.5ポイント上昇しており、当社の経営戦略の1つである“収益性の向上”に向けた施策が奏功しているものと認識しております。
なお、当社が認識している経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載したとおりであります。
b.販売費及び一般管理費並びに営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は408,975千円(前年同期比15.5%減)であり、前連結会計年度より74,972千円減少いたしました。主な要因としましては、コロナ禍による研究開発活動の時期調整・出張や採用活動の抑制、前連結会計年度に実施した保険解約による保険料の減少などが寄与したことによるものであります。この結果、営業利益は336,760千円(前年同期比33.7%増)となり、前年連結会計年度より84,844千円増加いたしました。
c.営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は16,583千円であります。また、当連結会計年度の営業外費用は22,252千円であります。この結果、経常利益は331,091千円(前年同期比8.8%増)となり、前連結会計年度より26,642千円増加いたしました。主な要因としましては、営業利益が84,844千円増加した一方で、前期計上した営業外収益(役員退職用積立保険等の整理による保険解約返戻金)が発生しなかったことによるものであります。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益にて固定資産売却益を127千円、特別損失にて投資有価証券評価損を6,530千円計上しております。また、法人税等を97,825千円、非支配株主に帰属する当期純利益を4,884千円計上しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は221,977千円(前年同期比3.8%減)となり、前連結会計年度より8,682千円減少いたしました。
主な要因としましては、経常利益が26,642千円増加した一方で、前期計上した特別利益(一部の取締役から役員退職慰労金の辞退を受けたことによる役員退職慰労金戻入額)が発生しなかったこと、また、当期において新たに特別損失(投資有価証券評価損)が発生したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における資金の増減額は34,061千円の減少(前年同期は1,260,992千円の増加)であり、前連結会計年度より1,295,054千円減少いたしました。主な要因としましては、定期預金の預入による支出の増加及び保険積立金の解約による収入の減少等により投資活動によるキャッシュ・フローが277,660千円減少したこと、株式の発行による収入の減少等により財務活動によるキャッシュ・フローが993,393千円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における資金の残高は1,594,855千円(前期比34,061千円減)となりましたが、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。また、当社の経営戦略の1つである“次世代事業の創生”のための研究開発資金を十分に確保できているものと認識しております。
また、当社グループは、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、一部資金を銀行借入等により調達しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件や仮定の変化により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえた会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)」に記載しておりますが、特に次の事項における会計上の見積りの判断が経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社グループは、過去及び当期の課税所得の発生状況と、合理的に見積りをした将来の課税所得をもって回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について、繰延税金資産を計上しております。
見積りの前提とした将来の仮定に変動が生じ課税所得が減少した場合、繰延税金資産の減額が必要となる可能性があります。