有価証券届出書(新規公開時)

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2020/11/12 15:00
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123項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社は、2020年11月12日開催の取締役会において第9期事業年度(2019年10月1日から2020年9月30日まで)の財務諸表を承認しております。その内容については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (3)その他」をご参照下さい。この財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づいて作成しておりますが、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査は未了であり、監査報告書は受領しておりません。以下には、第8期事業年度(2018年10月1日から2019年9月30日まで)及び第9期第3四半期累計期間(2019年10月1日から2020年6月30日まで)に係る経営成績等の状況の概要に加えて、第9期事業年度(2019年10月1日から2020年9月30日まで)に係る経営成績等の状況の概要を、最近の参考情報として記載しております。
① 財政状態の状況
第8期事業年度(自 2018年10月1日 至 2019年9月30日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,892,592千円となり、前事業年度末に比べ571,090千円減少いたしました。これは主に新規顧客拡大のための広告宣伝費や人件費の増加等の先行投資に伴い当期純損失840,933千円を計上したこと等により現金及び預金が787,084千円減少したことによるものであります。固定資産は309,424千円となり、前事業年度末に比べ184,860千円減少いたしました。これは主に減損損失の計上より有形固定資産が133,341千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,202,017千円となり、前事業年度末に比べ755,951千円減少いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は615,442千円となり、前事業年度末に比べ96,185千円増加いたしました。これは主に短期借入金が41,620千円減少した一方で、サービス拡大に伴うサーバー利用料の増加等により未払金が80,027千円増加したことによるものであります。固定負債は397,760千円となり、前事業年度末に比べ111,120千円減少いたしました。これは長期借入金の減少によるものであります。
この結果、負債合計は、1,013,202千円となり、前事業年度に比べ14,934千円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は1,188,815千円となり、前事業年度末に比べ741,017千円減少いたしました。これは主に新株の発行により資本金及び資本準備金がそれぞれ49,987千円増加した一方で、当期純損失の計上により繰越利益剰余金が840,993千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は54.0%(前事業年度末は65.2%)となりました。
第9期第3四半期累計期間(自 2019年10月1日 至 2020年6月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における流動資産は2,760,037千円となり、前事業年度末に比べ867,445千円増加いたしました。これは主に新規顧客拡大のための広告宣伝費や人件費の増加等の先行投資に伴い四半期純損失1,116,088千円を計上した一方で、Google International LLCに対する第三者割当によるD種優先株式の発行により、現金及び預金が848,388千円増加したことによるものであります。固定資産は433,719千円となり、前事業年度末に比べ124,295千円増加いたしました。これは主に投資有価証券を取得したことにより、投資その他の資産が104,492千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は3,193,757千円となり、前事業年度末に比べ991,740千円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期会計期間末における流動負債は1,040,563千円となり、前事業年度末に比べ425,121千円増加いたしました。これは主に新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に備え、手元流動性の確保を目的とした借入れを実行したことによる短期借入金の増加200,000千円、1年内返済予定の長期借入金の増加156,620千円及びサービス拡大に伴うサーバー利用料の増加等による未払金の増加77,621千円によるものであります。固定負債は457,800千円となり、前事業年度末に比べ60,040千円増加いたしました。これは長期借入金の増加によるものであります。
この結果、負債合計は1,498,363千円となり、前事業年度末に比べ485,161千円増加いたしました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は1,695,394千円となり、前事業年度末に比べ506,578千円増加いたしました。これはGoogle International LLCに対する第三者割当によるD種優先株式の発行により、資本金及び資本準備金がそれぞれ811,333千円増加したこと及び四半期純損失1,116,088千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は53.1%(前事業年度末は54.0%)となりました。
(参考)第9期事業年度(自 2019年10月1日 至 2020年9月30日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は2,642,361千円となり、前事業年度末に比べ749,768千円増加いたしました。これは主に新規顧客拡大のための広告宣伝費や人件費の増加等の先行投資に伴い当期純損失1,207,388千円を計上した一方で、Google International LLCに対する第三者割当によるD種優先株式の発行により、現金及び預金が717,262千円増加したことによるものであります。固定資産は426,631千円となり、前事業年度末に比べ117,207千円増加いたしました。これは主に投資有価証券を取得したことにより、投資その他の資産が104,492千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、3,068,993千円となり、前事業年度末に比べ866,975千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は1,084,858千円となり、前事業年度末に比べ469,416千円増加いたしました。これは主に新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に備え、手元流動性の確保を目的とした借入れを実行したことによる短期借入金の増加200,000千円、1年内返済予定の長期借入金の増加206,600千円及びサービス拡大に伴うサーバー利用料の増加等による未払金の増加46,046千円によるものであります。固定負債は380,040千円となり、前事業年度末に比べ17,720千円減少いたしました。これは長期借入金の返済による減少によるものであります。
この結果、負債合計は、1,464,898千円となり、前事業年度末に比べ451,696千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は1,604,094千円となり、前事業年度末に比べ415,278千円増加いたしました。これはGoogle International LLCに対する第三者割当によるD種優先株式の発行により、資本金及び資本準備金がそれぞれ811,333千円増加したこと及び当期純損失1,207,388千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は52.3%(前事業年度末は54.0%)となりました。
② 経営成績の状況
第8期事業年度(自 2018年10月1日 至 2019年9月30日)
当社は、ミッションとして「データによって人の価値を最大化する」を掲げています。当該ミッションの実現に向けて、現在、ウェブサイト運営事業者の中で強いニーズがあると考えられるCX(顧客体験)の改善を実現するサービス「KARTE」を提供し、ウェブサイト運営事業者と事業上の関係性を構築すると同時に、当該事業者からデータを取得し、消費行動のデータとマーケティングに関するプラットフォームを構築することを中長期の事業戦略としています。
当該戦略の実現に向けて、新たな顧客基盤や事業提携先の開拓を行いました。EC領域の顧客開拓が堅調に進捗する一方、金融領域、不動産領域、人材領域を中心に新たな顧客開拓にも成功しました。結果的に、現時点で重点的に取り組んでいる中規模以上の顧客向け料金プランであるEnterpriseプランの導入件数が増加し、EC領域以外の人材や金融、不動産や自動車など、インターネット上の顧客接点を持つ多くの業界及び業種、さらには、デジタル・マーケティング・サービス領域だけでなく、カスタマーサポート領域、営業領域など幅広い市場で顧客基盤を拡大しました。また、中長期の持続的な成長に向けて、新機能の開発や人材の採用、育成等を行い、経営基盤の強化を図りました。
加えて、CXをテーマに、様々なサービスと消費者の間に生まれる「体験(Experience)」にフォーカスしたビジネスメディアである「XD」では、継続して記事を掲載するとともに、「KARTE」で蓄積したマーケティングに関するノウハウや事例等の情報の発信、イベントを開催し、サービスとのシナジーや付加価値向上も推進いたしました。
この結果、当事業年度の売上高は2,937,299千円(前期比84.1%増)となりました。一方で利益面につきましては、「KARTE」の事業拡大に向けて先行投資を行った結果、営業損失は534,218千円(前期は営業損失200,137千円)となりました。これに伴い、経常損失は678,663千円(前期は経常損失228,068千円)、当期純損失も840,993千円(前期は当期純損失230,169千円)となりました。
なお、当社はSaaS事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第9期第3四半期累計期間(自 2019年10月1日 至 2020年6月30日)
当社のSaaS事業が属するデジタル・マーケティング・サービス市場におきましては、引き続き成長を続けております。その一方で、マーケティングの業界においては、各企業で様々なマーケティングツールを導入することにより、結果として「顧客体験の分断」を生み出し、消費者として「どういった体験がうれしいか」という顧客目線に立って体験を考えることが困難になるという課題に直面していると捉えております。この課題は、顧客の存在をデータや数字の塊としてしか認識できない企業環境によって加速しているのが現状であります。
当社は「データによって人の価値を最大化する」をミッションに、デジタル時代の顧客体験において、実店舗における「良質な接客」のような世界観を実現することを目指しております。当社の提供する「KARTE」においては、定量面・定性面を含めて多面的に「一人ひとりの顧客がわかる」機能を大幅に拡張してきており、デジタル・マーケティング・サービス領域だけでなく、カスタマーサポート領域、営業領域など、様々な部署を顧客目線へと導くことのできるプロダクトとして進化を続けており、当社サービスの利用対象ユーザーについても拡大をしております。この結果、当第3四半期累計期間の業績は、売上高2,892,021千円、営業損失994,454千円、経常損失1,114,369千円、四半期純損失1,116,088千円となりました。
なお、当社はSaaS事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(参考)第9期事業年度(自 2019年10月1日 至 2020年9月30日)
当社のSaaS事業が属するデジタル・マーケティング・サービス市場におきましては、引き続き成長を続けております。その一方で、マーケティングの業界においては、各企業で様々なマーケティングツールを導入することにより、結果として「顧客体験の分断」を生み出し、消費者として「どういった体験がうれしいか」という顧客目線に立って体験を考えることが困難になるという課題に直面していると捉えております。この課題は、顧客の存在をデータや数字の塊としてしか認識できない企業環境によって加速しているのが現状であります。
当社の提供する「KARTE」においては、定量面・定性面を含めて多面的に「一人ひとりの顧客がわかる」機能、分析や施策アクション機能の強化を継続的に実施しており、デジタル・マーケティング・サービス領域だけでなく、カスタマーサポート領域、営業領域など、あらゆる部署を顧客目線へと導くことのできるプロダクトとして様々な部署で活用いただいており、当社サービスの利用企業の業界も広がっております。
この結果、当事業年度の売上高は4,007,850千円(前期比36.4%増)となりました。一方で利益面につきましては、「KARTE」の事業拡大に向けて先行投資を行った結果、営業損失は1,079,316千円(前期は営業損失534,218千円)となりました。これに伴い、経常損失は1,205,095千円(前期は経常損失678,663千円)、当期純損失も1,207,388千円(前期は当期純損失840,993千円)となりました。
なお、当社はSaaS事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
第8期事業年度(自 2018年10月1日 至 2019年9月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、本③において「資金」という。)は、税引前当期純損失、売上債権の増加額、前払費用の増加額、有形固定資産の取得による支出及び長期借入金の返済による支出等の要因により、前事業年度末に比べ787,084千円減少し、1,374,435千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は623,276千円となりました。これは主に、減損損失160,037千円の計上及び上場関連費用134,579千円の計上があったものの、主に新規顧客開拓のための広告宣伝費や人件費の増加等の先行投資を実施したことに伴う税引前当期純損失838,700千円の計上、サービス拡大に伴う売上債権の増加額135,686千円及び前払費用の増加額113,294千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は19,854千円となりました。これは主に、社員用のPCやオフィス備品の購入に伴う有形固定資産の取得による支出15,530千円があったものの、旧オフィスの退去に伴う敷金及び保証金の回収による収入35,040千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は183,663千円となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入99,625千円があったものの、上場関連費用の支出130,549千円及び長期借入金の返済による支出111,120千円等によるものであります。
(参考)第9期事業年度(自 2019年10月1日 至 2020年9月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、本「(参考)第9期事業年度(自 2019年10月1日 至 2020年9月30日)」において「資金」という。)は、税引前当期純損失、売上債権の増加、投資有価証券の取得による支出及び長期借入金の返済による支出等があった一方で、株式の発行による収入、短期借入れによる収入、長期借入れによる収入等の要因により、前事業年度末に比べ717,262千円増加し、2,091,698千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,012,751千円となりました。これは主に、上場関連費用107,813千円の計上や前払費用の減少額73,312千円等があったものの、前事業年度に引き続き、新規顧客開拓のための広告宣伝費や人件費の増加等の先行投資を実施したことに伴う税引前当期純損失1,205,095千円の計上、売上債権の増加額106,553千円等による支出が発生したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金167,437千円となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出104,492千円、社員用のPCやオフィス備品の購入に伴う有形固定資産の取得による支出62,946千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,897,450千円となりました。これは主に、上場関連費用の支出105,590千円及び長期借入金の返済による支出111,120千円があったものの、Google International LLCに対する第三者割当によるD種優先株式の発行に伴う株式の発行による収入1,614,161千円、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に備え、手元流動性の確保を目的とした借入れを実行したことに伴う短期借入れによる収入200,000千円及び長期借入れによる収入300,000千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、インターネット上での各種サービスを主たる事業としており、生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
当社は、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c.販売実績
当社は、SaaS事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
なお、第8期事業年度及び第9期第3四半期累計期間における販売実績は次のとおりであります。
事業分野別の名称第8期事業年度
(自 2018年10月1日
至 2019年9月30日)
第9期第3四半期
累計期間
(自 2019年10月1日
至 2020年6月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)販売高(千円)
SaaS事業2,937,299184.12,892,021

(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.(参考)第9期事業年度における販売実績
第9期事業年度における販売実績は、販売高4,007,850千円(前年同期比136.4%)であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、財務諸表作成時に入手可能な情報及び合理的な基準に基づき判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、2020年11月12日開催の取締役会において第9期事業年度(2019年10月1日から2020年9月30日まで)の財務諸表を承認しております。以下には、第8期事業年度(2018年10月1日から2019年9月30日まで)及び第9期第3四半期累計期間(2019年10月1日から2020年6月30日まで)に係る経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容に加えて、第9期事業年度(2019年10月1日から2020年9月30日まで)に係る経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容を、最近の参考情報として記載しております。
第8期事業年度(自 2018年10月1日 至 2019年9月30日)
当社は、安定的な収益獲得を実現し、持続的な成長を達成するために、経常的に獲得される収益としてARRを重要な経営指標として掲げており、その拡大のために、サブスクリプション売上高、サブスクリプション売上高比率、導入企業数を特に経営成績に影響を与える主要な経営指標と捉えております。
当事業年度においても、主要な経営指標の推移を定期的に把握し、向上させるための施策を立案、実施いたしました。この結果、主要な経営指標の推移は以下のとおりとなっております。
当事業年度におけるARRは3,305,991千円(前事業年度末は1,987,348千円)、サブスクリプション売上高は2,768,237千円(前年同期は1,420,069千円)、サブスクリプション売上高比率は94.2%(前年同期は89.0%)となりました。これは主に、従前は主に口コミ等による当社ホームページへの問い合わせをきっかけとした見込み顧客の獲得が中心であったところ、テレマーケティングでの営業の実施など、アウトバウンドマーケティング活動を強化し、さらに、金融業界など、特定の業界に特化した営業活動の強化による新規顧客開拓に努めた結果、「KARTE (for Web)」の利用領域が拡大したこと、2018年3月に提供を開始した「KARTE for App」の導入が進んだことによる導入企業数の増加や顧客当たり単価の上昇によるものであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は2,937,299千円(前事業年度比84.1%増)となりました。これは、前述のとおり、「KARTE (for Web)」の利用領域の拡大や2018年3月に提供を開始した「KARTE for App」の導入が進んだこと等により、導入企業数が増加し397社(前事業年度末比15.7%増)となったこと、2018年12月に提供を開始したオプションである「KARTE Datahub」の既存顧客への導入が進んだこと等により、顧客あたり単価が693千円(前事業年度末比
43.7%増)まで上昇したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は794,017千円(前事業年度比102.0%増)となりました。これは、導入企業数の増加に伴い、サーバー利用料が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は2,143,282千円(前事業年度比78.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当事業年度の販売費及び一般管理費は2,677,501千円(前事業年度比90.9%増)となりました。これは主に、人員増強に伴い従業員数が122名(前事業年度末比43.5%増)となったことによる人件費の増加、広告宣伝費の増加、地代家賃の増加によるものであります。この結果、営業損失は534,218千円(前事業年度は営業損失200,137千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常損失)
当事業年度の営業外損益は主に雑収入等による営業外収益785千円、支払利息及び上場関連費用等による営業外費用145,230千円を計上いたしました。この結果、経常損失は678,663千円(前事業年度は経常損失228,068千円)となりました。
(特別損益、当期純損失)
当事業年度において特別利益は発生しませんでしたが、特別損失は160,037千円となりました。これは、事業用資産について、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなったため、減損損失を計上したことによるものであります。この結果、法人税等2,292千円計上後の当期純損失は840,993千円(前事業年度は当期純損失230,169千円)となりました。
第9期第3四半期累計期間(自 2019年10月1日 至 2020年6月30日)
当社は、安定的な収益獲得を実現し、持続的な成長を達成するために、経常的に獲得される収益としてARRを重要な経営指標として掲げており、その拡大のために、サブスクリプション売上高、サブスクリプション売上高比率、導入企業数を特に経営成績に影響を与える主要な経営指標と捉えております。
当第3四半期累計期間においても、主要な経営指標の推移を定期的に把握し、向上させるための施策を立案、実施いたしました。この結果、主要な経営指標の推移は以下のとおりとなっております。
当第3四半期累計期間におけるARRは4,091,264千円(前事業年度末は3,305,991千円)、サブスクリプション売上高は2,744,694千円、サブスクリプション売上高比率は94.9%となりました。これは主に、CX(顧客体験)及び「KARTE」の認知拡大のための動画の制作及び交通広告、大規模なイベントの開催、積極的なWebマーケティングの実施など、積極的に実施したマーケティング活動による新規顧客開拓並びにパートナー企業と連携した「KARTE」の活用支援や当社カスタマーサクセスチームによるサポート体制の強化により、「KARTE」の利用領域の拡大が進み導入企業数及び導入ウェブサイト数等の件数が拡大するとともに、「KARTE Datahub」をはじめとしたオプションの付帯などにより、顧客当たり単価が上昇したことによるものであります。
(売上高)
当第3四半期累計期間の売上高は2,892,021千円となりました。主な要因は、「KARTE」の利用領域の拡大が進み導入企業数が453社(前事業年度末比14.1%増)となるとともに、「KARTE Datahub」をはじめとしたオプションの付帯による顧客当たり単価が752千円(前事業年度末比8.5%増)となったことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期累計期間の売上原価は840,657千円となりました。主な要因は、導入企業数の増加に伴い、サーバー利用料が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は2,051,363千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当第3四半期累計期間の販売費及び一般管理費は3,045,818千円となりました。主な要因は、人員増強に伴う人件費の増加、広告宣伝費の増加によるものであります。この結果、営業損失は994,454千円となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常損失)
当第3四半期累計期間の営業外損益は主に受取手数料等による営業外収益1,302千円、支払利息及び上場関連費用等による営業外費用121,218千円を計上いたしました。この結果、経常損失は1,114,369千円となりました。
(特別損益、四半期純損失)
当第3四半期累計期間において特別損益は発生しませんでした。この結果、法人税等1,718千円計上後の四半期純損失は1,116,088千円となりました。
(参考)第9期事業年度(自 2019年10月1日 至 2020年9月30日)
当社は、安定的な収益獲得を実現し、持続的な成長を達成するために、経常的に獲得される収益としてARRを重要な経営指標として掲げており、その拡大のために、サブスクリプション売上高、サブスクリプション売上高比率、導入企業数を特に経営成績に影響を与える主要な経営指標と捉えております。
当事業年度においても、主要な経営指標の推移を定期的に把握し、向上させるための施策を立案、実施いたしました。この結果、主要な経営指標の推移は以下のとおりとなっております。
当事業年度におけるARRは4,390,499千円(前事業年度末は3,305,991千円)、サブスクリプション売上高は3,819,632千円(前事業年度は2,768,237千円)、サブスクリプション売上高比率は95.3%(前事業年度は94.2%)となりました。これは主に、CX(顧客体験)及び「KARTE」の認知拡大のための動画の制作及び交通広告、大規模なイベントの開催、積極的なWebマーケティングの実施など、積極的に実施したマーケティング活動による新規顧客開拓並びにパートナー企業と連携した「KARTE」の活用支援や当社カスタマーサクセスチームによるサポート体制の強化により、「KARTE」の利用領域の拡大が進み導入企業数及び導入ウェブサイト数等の件数が拡大するとともに、「KARTE Datahub」をはじめとしたオプションの付帯などにより、顧客当たり単価が上昇したことによるものであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は4,007,850千円(前事業年度比36.4%増)となりました。主な要因は、「KARTE」の利用領域の拡大が進み導入企業数が474社(前事業年度末比19.4%増)となるとともに、「KARTE Datahub」をはじめとしたオプションの付帯などにより、顧客当たり単価が771千円(前事業年度末比11.2%増)となったことによるものであります。これは、顧客基盤の拡大、特にEC領域以外の顧客開拓によるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は1,153,096千円(前事業年度比45.2%増)となりました。これは、導入企業数の増加に伴い、サーバー利用料が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は2,854,754千円(前事業年度比33.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当事業年度の販売費及び一般管理費は3,934,070千円(前事業年度比46.9%増)となりました。これは主に、人員増強に伴う人件費の増加、広告宣伝費の増加等によるものであります。この結果、営業損失は1,079,316千円(前事業年度は営業損失534,218千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常損失)
当事業年度の営業外損益は主に受取手数料等による営業外収益1,832千円、支払利息及び上場関連費用等による営業外費用127,612千円を計上いたしました。この結果、経常損失は1,205,095千円(前事業年度は経常損失678,663千円)となりました。
(特別損益、当期純損失)
当事業年度において特別損益は発生しませんでした。この結果、法人税等2,292千円計上後の当期純損失は1,207,388千円(前事業年度は当期純損失840,993千円)となりました。
なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③資本の財源及び資金の流動性の分析
当社の運転資金需要のうちの主なものは、サーバー利用料、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、金融機関に信用枠を設けており、第8期事業年度末(2019年9月30日)の信用枠の合計は500,000千円、信用枠を設けている借入金の残高は388,880千円となっております。また、参考情報として、第9期事業年度末(2020年9月30日)の信用枠の合計は500,000千円、信用枠を設けている借入金の残高は277,760千円となっております。
なお、第8期事業年度末(2019年9月30日)における借入金の残高は508,880千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,374,435千円となっております。なお、参考情報として、第9期事業年度末(2020年9月30日)における借入金の残高は897,760千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,091,698千円となっております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与えるおそれがあることを認識しております。
これらリスク要因の発生を回避するためにも、提供するサービスの機能強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。
⑤経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。