有価証券届出書(新規公開時)

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2020/02/10 15:00
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145項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績及び財政状態の状況
第35期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当事業年度における業績は、前年同期比で減収・増益となりました。
介護事業及び保育事業において、それぞれ利用者数及び園児数が順調に推移したものの、医薬事業において、2018年4月に実施された診療報酬改定による処方箋単価(販売価格)の大幅な低下の影響に加え、当社が門前に薬局を構えている病院の事業継承による患者数の減少が大きく響き、売上高・利益面ともに減収・減益で推移し、介護事業及び保育事業の増益幅を上回りました。
この結果、介護事業・保育事業の増益及び医薬事業の減益により、売上高16,134百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益217百万円(前年同期比42.6%減)、経常利益221百万円(前年同期比40.7%減)となりましたが、特別利益に計上された保育園開設に伴う設備補助金が前年同期比で増加したことに加え、特別損失に計上された減損損失が前年同期比で減少したことで、税引前当期純利益は増加し、当期純利益339百万円(前年同期比10.2%増)となりました。
<セグメントごとの経営成績>セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(医薬事業)
当事業年度において、4店舗開設し、1店舗を閉店いたしました。
当社が多く門前に出店している特定機能病院等の大学病院が地域の医療機関への逆紹介を推進していることにより、患者数が減少している中、当社が長年培ってきた専門的な知識を活かして、地域の方のために健康に関する情報発信などを行いながら処方箋応需枚数の増加に努めて参りました。しかしながら、2018年4月に実施された診療報酬(薬価・調剤報酬)改定による処方箋単価(主に薬剤料単価)の低下、及び当社が門前に薬局を構えている病院の事業継承による患者数の大幅な減少の影響などにより、売上高・利益面ともに厳しい状況で推移いたしました。
この結果、売上高9,197百万円(前年同期比7.1%減)、セグメント利益531百万円(前年同期比36.4%減)となりました。
なお、当事業年度末における調剤薬局店舗数は、40店舗(前事業年度末比+3店舗)となりました。
(介護事業)
当事業年度において、1事業所(定期巡回事業所)開設し、2事業所(訪問看護事業所、居宅介護支援事業所)閉鎖いたしました。
2018年3月期はオアシス柏豊四季(2017年6月開設)の入居者の確保が伸び悩んでおりましたが、入居促進方法を抜本的に改革することにより、入居率が大幅に改善いたしました。デイサービスについては、組織の管理体制の刷新による運営方法の改善の結果、利用者数の純増とサービス提供時間区分の見直し・変更により売上の回復が進みました。
また、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームの既存事業所においても入居率90%超の高水準を維持することができました。
利益面につきましては、利益率の大幅な改善を図るべく、昨年度から継続的にコスト削減に努めてまいりました。
この結果、売上高3,228百万円(前年同期比0.9%増)、セグメント利益130百万円(前年同期は、セグメント損失73百万円)となりました。
なお、当事業年度末における介護事業所数・施設数は、59事業所(前事業年度末比△1事業所)となりました。
(保育事業)
当事業年度において、認可保育園2園(東京都板橋区及び墨田区)開設、委託保育園1園(立川市の独立行政法人国立病院機構災害医療センター内)受託、板橋区の既存保育園1園において規模の拡大を行いました。また、認証保育園1園(東京都北区)を閉園いたしました。
認証保育園において、近隣の環境変化による園児数の減少に伴う売上減少の影響がありましたが、2017年4月開設の認可保育園2園、2018年4月開設の認可保育園2園の園児数が順調に増加したことにより、業績拡大に寄与いたしました。
この結果、売上高2,838百万円(前年同期比14.8%増)、セグメント利益230百万円(前年同期比22.1%増)となりました。
なお、当事業年度末における運営保育園数は、20園(前事業年度末比+2園(うち委託院内保育1園))となりました。
(その他(食品事業))
当事業年度において、学校給食部門及び当社がフランチャイジーとして店舗展開している「銀のさら」(3店舗)の売上が堅調に推移しました。一方で、販売管理体制や本部機能の強化を図ったことで人件費等のコストが増加しました。
この結果、売上高869百万円(前年同期比4.8%増)、セグメント利益18百万円(前年同期比2.7%減)と増収・減益となりました。
<財政状態の状況>(資産)
当事業年度末における流動資産は、3,918百万円となり、前事業年度末に比べ44百万円減少いたしました。これは主に売掛金が147百万円、未収入金が96百万円、商品が79百万円及び、前払費用が59百万円増加したものの、現金及び預金が432百万円減少したため、全体として減少しております。
固定資産は、4,338百万円となり、前事業年度末に比べ125百万円増加いたしました。これは主に保育園の開設に伴い建物附属設備が34百万円、差入保証金が36百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、8,256百万円となり、前事業年度末に比べ80百万円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は、4,635百万円となり、前事業年度末に比べ180百万円増加いたしました。これは主に未払金が66百万円、一年以内返済予定長期借入金が92百万円、買掛金が79百万円及び未払法人税等が76百万円減少したものの、短期借入金が496百万円増加したため、全体として増加しております。
固定負債は、2,249百万円となり、前事業年度末に比べ439百万円減少いたしました。これは主に社債が188百万円増加したものの、長期借入金が373百万円及び退職給付引当金が206百万円減少したため、全体として減少しております。
この結果、負債合計は、6,885百万円となり、前事業年度末に比べ258百万円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、1,370百万円となり、前事業年度末に比べ339百万円増加いたしました。これは主に当期純利益を計上したことにより利益剰余金が339百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は16.6%(前事業年度末は12.6%)となりました。
第36期第3四半期累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
当第3四半期累計期間(2019年4月1日~2019年12月31日)の医薬事業では、2019年10月に実施された薬価改定や2%の消費税増税など、事業環境が更に厳しくなりました。そのような状況の中、地域社会から信頼される薬局として「かかりつけ薬剤師」「かかりつけ薬局」の機能の強化に努めたほか、「在宅業務」の推進などにより、収益確保にも取り組んでまいりました。介護事業においては、多様化する介護ニーズに応えるべく、介護人材の育成、強化と定着による介護サービスの質の向上に努めてまいりました。また、保育事業においては、保育士を中心とした研修会の実施や、保育士等の採用活動への注力により、人材の安定確保を行うことで保育サービスの質の向上に努めたほか、来年度開設予定の保育園の開園準備に注力してまいりました。
この結果、売上高12,515百万円、営業利益360百万円、経常利益352百万円、四半期純利益255百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①医薬事業
当第3四半期累計期間では、1店舗開店、1店舗閉店いたしました。
当社が多く展開している総合病院前の調剤薬局では、大病院に集中している患者を地域のクリニックへ紹介するいわゆる「逆紹介」の影響もあり来店数は減少したものの、その他の地域で展開している調剤薬局においては、前期に開設した薬局を中心に新規クリニック開院や総合病院からの逆紹介による来店数の増加により、処方箋枚数は純増しております。
また、抗HIV薬、抗がん剤や肝炎薬等の高額薬品の処方の増加に加え、患者様に選ばれる「かかりつけ薬局」としてサービスの充実による加算取得、および後発医薬品調剤体制加算の取得店舗数を着実に伸ばしたことで、処方箋単価も順調に上昇いたしました。
この結果、売上高は、7,071百万円、セグメント利益は456百万円となりました。
なお、当第3四半期会計期間末における調剤薬局店舗数は、40店舗(前事業年度末比±0店舗)となりました。
②介護事業
当第3四半期累計期間において、福祉用具貸与・販売事業所の閉鎖により売上が減少いたしました。また、通所介護を中心に有資格者の追加配置による体制加算の追加取得等により売上の増加に努めてまいりましたが、度重なる台風によりデイサービスを中心とした通所介護事業所が数日休止となったことや、サービス付き高齢者向け住宅の入居者の自然減による入替等により、利用する介護サービスが一時的に減少したことなども影響し、売上は減少しました。
しかしながら食事サービスの外注による業務の効率化、また、継続的に進めてきたコストの適正化などにより、利益率の改善に努めてまいりました。
この結果、売上高は、2,417百万円、セグメント利益は、134百万円となりました。
なお、当第3四半期会計期間末における介護事業所数・施設数は、57事業所(前事業年度末△2事業所)となりました。
③保育事業
当第3四半期累計期間において、東京都豊島区、葛飾区及び千葉県船橋市に新たに認可保育園3園を開設いたしました。
業績につきましては、2019年3月末に認証保育園を1園閉園したことによる売上の減少がありつつも、2018年4月に開設した認可保育園(2園)と、2019年4月に開設した認可保育園(3園)および2019年4月から定員変更をした認可保育園(3園)の園児数が順調に増加したことにより業績に貢献いたしました。
この結果、売上高は、2,393百万円、セグメント利益262百万円となりました。
なお、当第3四半期会計期間末における運営保育園数は、23園(前事業年度末比+3園)となりました。
④その他(食品事業)
当第3四半期累計期間において、学校給食部門を中心に、効率的な物流体制の構築に注力したほか、営業エリア内にて、新規取引先の確保に努めてまいりました。
業績につきましては、当社がフランチャイジーとして店舗展開している銀のさら(3店舗)が堅調に推移いたしました。学校給食部門では大型連休の影響を受け、配食数が減少したことで売上高は減少いたしましたが、事業部全体で人員配置の見直し等によるコスト削減に努め、利益の確保に努めてまいりました。
この結果、売上高は、634百万円、セグメント利益11百万円となりました。
(資産)
当第3四半期会計期間末における流動資産は、4,143百万円となり、前事業年度末に比べ225百万円増加いたしました。これは主に未収入金が315百万円減少したものの、現金及び預金が372百万円、売掛金が97百万円、及び商品が77百万円増加したため、全体として増加しております。
固定資産は、4,578百万円となり、前事業年度末に比べ239百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が269百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、8,722百万円となり、前事業年度末に比べ465百万円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期会計期間末における流動負債は、5,258百万円となり、前事業年度末に比べ622百万円増加いたしました。これは主に賞与引当金が108百万円、1年内返済予定の長期借入金等が75百万円減少したものの、短期借入金が467百万円、未払金が138百万円、及び買掛金が90百万円増加したため、全体として増加しております。
固定負債は、1,837百万円となり、前事業年度末に比べ412百万円減少いたしました。これは主に資産除去債務が25百万円増加したものの、長期借入金が322百万円、長期未払金が72百万円、及び社債が20百万円が減少したため、全体として減少しております。
この結果、負債合計は、7,096百万円となり、前事業年度末に比べ210百万円増加いたしました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産は、1,626百万円となり、前事業年度末に比べ255百万円増加いたしました。これは主に四半期純利益を計上したことにより利益剰余金が255百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は18.6%(前事業年度末は16.6%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
第35期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前事業年度末と比較して208百万円減少し、1,187百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は95百万円(前年同期は995百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益452百万円、減価償却費300百万円であり、主な減少要因は、退職給付引当金の減少額206百万円、法人税等の支払額193百万円、売上債権の増加額147百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は206百万円(前年同期は178百万円の使用)となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入266百万円であり、主な減少要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出391百万円、定期預金の預入による支出54百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は92百万円(前年同期は230百万円の使用)となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加額496百万円、社債の発行による収入245百万円、長期借入による収入150百万円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出615百万円、割賦債務の返済による支出100百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.仕入実績
第35期事業年度及び第36期第3四半期累計期間における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第35期事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)第36期第3四半期累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年12月31日)
医薬事業(千円)6,252,55795.04,797,343
介護事業(千円)194,94297.9120,184
保育事業(千円)78,771117.862,908
その他(千円)540,044103.3404,616
合計7,066,31595.95,385,053

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.「その他」には食品事業が含まれます。
b.販売実績
第35期事業年度及び第36期第3四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第35期事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)第36期第3四半期累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年12月31日)
医薬事業(千円)9,197,50492.97,071,376
介護事業(千円)3,228,969100.92,417,281
保育事業(千円)2,838,845114.82,393,023
その他(千円)869,223104.8634,210
合計16,134,54398.312,515,892

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.「その他」には食品事業が含まれます。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。詳細については、「第5 経理の状況1.財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
② 経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
第35期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(売上高)
当事業年度の売上高は、16,134百万円と、前事業年度に比べ1.7%、272百万円の減収となりました。これは、主に介護事業における新規開設による増加及び保育事業における既存園の補助金の増加、新規保育園の園児数が順調に増加したものの、医薬事業において、2018年4月に実施された診療報酬改定による処方箋単価(販売価格)の大幅な低下の影響に加え、当社が門前に薬局を構えている病院の事業承継による患者数の減少の影響を受けたことによるものです。
以下、各事業における経営指標(KPI)の分析です。
(医薬事業)
以下の5つをKPIとしております。
(a) 処方箋枚数、(b) 処方単価は外部環境・行政方針に影響を受けるものであり、(c) 後発品調剤率、(d) かかりつけ薬剤師指導料(件数)、(e) 在宅処方件数は企業努力により向上が図れる指標です。
処方箋枚数、処方単価においては、応需先の病院の影響と薬価改定によるマイナスの影響を受けました。しかし、計画的出店を進め、その影響を最小限にとどめました。
併せて、後発品調剤率、かかりつけ薬剤師指導料(件数)、在宅処方件数については、それぞれの計画を立案し、全店舗にその目標を共有し、毎月実績を掌握し効果測定を行い、向上についての対策を実施してまいりました。その結果、これらの指標については前事業年度を上回る実績を収めることができました。
(a) 処方箋枚数
当事業年度の処方箋枚数は640,702枚と、前事業年度の645,514枚に比べて△4,812枚となりました。
これは、当社が門前に薬局を構えている病院の事業承継による患者数の減少が、新規店舗開設による処方箋枚数増加を上回ったことによるものです。
(b) 処方単価
当事業年度の処方単価は13,803円と、前事業年度の14,793円に比べて△990円となりました。
これは、2018年4月に実施された診療報酬改定(薬価改定)により、主に薬剤料単価(医薬品の売価)が低下したことと、ジェネリック医薬品の処方(後発品調剤率)が増加したことによるものです。
(c) 後発品調剤率
当事業年度の後発品調剤率(年間平均)は70.1%と、前事業年度の65.3%に比べて+4.8%となりました。
(d) かかりつけ薬剤師指導料(件数)
当事業年度のかかりつけ薬剤師指導料の算定件数は5,813件と、前事業年度の3,825件に比べて+1,988件となりました。
(e) 在宅処方件数
当事業年度の在宅処方件数は18,424件と、前事業年度の14,379件に比べて+4,045件となりました。
(介護事業)
以下の3つをKPIとしております。
これらの内容については、全て当社の営業努力で改善が図れるものであります。
それぞれの計画を立案し、該当の事業所とその目標を共有し、毎月実績を掌握し効果測定を行い、向上についての対策を実施してまいりました。その結果、前事業年度を上回る実績を収めることができました。
(a) サービス付き高齢者向け住宅の入居率
当事業年度のサービス付き高齢者向け住宅(特定施設含む)の平均入居率は94.3%と、前事業年度の85.2%に比べて+9.1%となりました。
これは主に、2017年6月に開設したサービス付き高齢者向け住宅のオアシス柏豊四季の入居率が大きく改善したことによるものです。
(b) 平均要介護度
当事業年度のサービス付き高齢者向け住宅(特定施設含む)の平均介護度は2.1と、前事業年度の2.0とほぼ同水準となっております。
(c) デイサービス(通所介護)の利用者数
当事業年度のデイサービス(認知症対応型含む)の利用者数は113,910人と、前事業年度の104,858人に比べて+9,052人となりました。
これは主に、2016年10月に開設したデイサービス赤羽台、及び2017年6月に開設したデイサービス柏豊四季(オアシス柏豊四季に併設)の利用者数が増加したことによるものです。
(保育事業)
以下の2つをKPIとしております。
(a) 受入児童数は、自治体からの園児の受け入れに影響を受けるものです。
人材確保が保育所運営に大きな影響を及ぼすため、(b) 保育士採用におけるエントリー数、園見学数、選考面接数という指標を設けて、企業努力により人材の確保を行っております。
受入児童数については、開園数に合わせて堅調に伸びております。
また、保育士採用におけるエントリー数、園見学数、選考面接数は、前事業年度を上回る実績を収めることにより、人材の確保ができました。
(a) 受入児童数
当事業年度の受入児童数は15,965人と、前事業年度の14,510人に比べて+1,455人となりました。
これは主に、2018年4月に新規開園した保育園の園児数の増加によるものであります。
(b) 保育士採用におけるエントリー数、園見学数、選考面接数
当事業年度の保育士採用におけるエントリー数(中途採用)は2,200名(前期比+1,217名)、園見学数(新卒)は137名(前期比+21名)、選考面接数(新卒)は55名(前期比+5名)となり、保育士の採用に寄与しました。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
売上原価は、14,664百万円と、前事業年度に比べ1.4%、211百万円の減少となりました。これは、主に保育事業において、新規保育園開設に伴うコスト増加の要因があったものの、医薬事業において、診療報酬改定による薬価の下落に加え、当社が門前に薬局を構えている病院の事業承継による患者数の減少の影響を受けて減少いたしました。また、介護事業において、前事業年度に閉鎖した事業所(定期巡回等)の効果に加え、コスト削減に努めたことで減少となりました。
販売費及び一般管理費は、1,252百万円と、前事業年度に比べ8.8%、100百万円増加しました。これは主に、社名変更に伴うブランディング費用を中心に外注費が41百万円増加したほか、各事業本部及び本社部門の人員強化による人件費が16百万円増加したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は、217百万円と前事業年度に比べ42.6%、161百万円の減益となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は、117百万円と、前事業年度に比べ6.2%、6百万円増加しました。これは主に、雑収入(助成金収入等)の増加によるものです。
営業外費用は、113百万円と、前事業年度に比べ2.0%、2百万円減少しました。これは主に、社債発行に伴う資金調達時の社債発行費が4百万円増加したものの、長期借入金の残高減少に伴う支払利息が6百万円減少したことによるものです。
以上の結果、経常利益は221百万円と、前事業年度に比べ40.7%、152百万円の減益となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等、当期純利益)
特別利益は、292百万円と、前事業年度に比べ27.6%、63百万円増加しました。
これは主に、新規保育園開設に伴う設備等補助金収入が前事業年度に比べ42百万円増加したことによるものです。また、調剤薬局1店舗を他社に譲渡したことによる店舗譲渡益が19百万円計上されたことによるものです。
特別損失は、61百万円と、前事業年度に比べ62.6%、102百万円減少しました。これは主に、減損損失の計上額が前事業年度に比べて、80百万円減少したことによるものです。
法人税等は、112百万円となり、税引前当期純利益に対する負担税率は、24.9%となりました。
以上の結果、当期純利益は、339百万円と、前事業年度に比べ10.2%、31百万円増加いたしました。
第36期第3四半期累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
(売上高)
売上高は、12,515百万円となりました。これは主に、医薬事業において、高額薬品の処方の増加に加え、患者様に選ばれる「かかりつけ薬局」としてサービスの充実による加算取得及び後発医薬品調剤体制加算の取得店舗数を着実に伸ばしたことで、処方箋単価が順調に上昇したことによるものです。また、介護事業においては、通所介護を中心に有資格者の追加配置による体制加算の追加算定等により売上の増加に努めてまいりましたが、台風による通所介護事業所の休止や、サービス付き高齢者向け住宅の入居者の自然減による入替等により、利用する介護サービスが一時的に減少したことなども影響し、売上は減少しております。保育事業においては2019年4月に認可保育園3園の開園を行うとともに、既存園の園児数が順調に推移したことが売上高の増加に寄与しております。
なお、当第3四半期累計期間末における調剤薬局店舗数は40店舗(前事業年度末比±0店舗)、介護事業所数・施設数は57事業所(前事業年度末△2事業所)、運営保育園数は23園(前事業年度末比+3園)となっております。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
売上原価は、11,248百万円となりました。これは、主に医薬事業における医薬品の仕入原価であります。なお、売上原価率は前事業年度が90.9%であったところ、当第3四半期累計期間は89.9%となりました。
販売費及び一般管理費は、906百万円となりました。主なものは、給料手当315百万円、役員報酬122百万円、法定福利費63百万円、賞与引当金繰入49百万円、外注費53百万円、地代家賃48百万円であります。なお、売上高販管費率は前事業年度が7.8%であったところ、当第3四半期累計期間は7.2%となりました。
以上の結果、営業利益は、360百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は、61百万円となりました。主なものは、賃貸収入50百万円であります。
営業外費用は、70百万円となりました。主なものは、賃貸原価46百万円、支払利息17百万円であります。
以上の結果、経常利益は352百万円となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等、四半期純利益)
特別利益は、43百万円となりました。これは、主に当社所有の投資不動産について、換地に応じたことに伴う行政からの移転補償金を42百万円計上したことによるものです。
また、特別損失は、0百万円となりました。内訳は、備品等の固定資産除却損であります。
税引前四半期純利益につきましては396百万円となり、法人税等140百万円を計上した結果、四半期純利益は255百万円となりました。
b.財政状態の分析
第35期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当事業年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。
第36期第3四半期累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
当第3四半期累計期間の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの分析
第35期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d. 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
e.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、原価に係る人件費、商品の仕入れ、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、薬局・介護施設・保育園等の開設に伴う設備投資によるものであります。
当社の基本的な資金調達手段は、短期の運転資金ニーズについては、金融機関からの短期借入で行い、設備投資や長期の運転資金ニーズについては、金融機関からの長期借入で行う方針です。また、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行4行と当座貸越契約(極度額1,200百万円(本書提出日現在))を締結しております。