有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/11/18 15:00
【資料】
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【項目】
139項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。
①財政状態の状況
第12期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は828,355千円(前連結会計年度末比339,140千円増)となりました。これは主に、現金及び預金が241,503千円増加、売上高増加により受取手形及び売掛金が85,838千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は101,672千円(前連結会計年度末比94,107千円減)となりました。これは主に、のれんが102,449千円減少したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は278,537千円(前連結会計年度末比109,132千円増)となりました。これは主に、未払法人税等が61,095千円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は55,640千円(前連結会計年度末比19,320千円減)となりました。これは主に、社債が償還により17,000千円減少、長期借入金が返済により1,547千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は596,464千円(前連結会計年度末比154,127千円増)となりました。これは利益剰余金が154,127千円増加したことによるものであります。
第13期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
(流動資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産の残高は886,361千円(前連結会計年度末比58,006千円増)となりました。これは主に、現金及び預金が128,171千円増加した一方で、受取手形及び売掛金が57,216千円減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
当第2四半期連結会計期間末における固定資産の残高は107,997千円(前連結会計年度末比6,324千円増)となりました。これは主に、投資その他の資産が7,679千円増加した一方で、有形固定資産が1,002千円減少したこと等によるものであります。
(流動負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債の残高は239,586千円(前連結会計年度末比38,951千円減)となりました。これは主に、買掛金が4,278千円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が1,547千円、未払法人税等が7,533千円、未払消費税等が15,053千円、未払金が12,970千円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当第2四半期連結会計期間末における固定負債の残高は43,578千円(前連結会計年度末比12,062千円減)となりました。これは主に、社債が8,500千円減少、長期借入金が3,574千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産の残高は711,394千円(前連結会計年度末比114,929千円増)となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が114,929千円増加したことによるものであります。
②経営成績の状況
第12期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比して654,860千円増加し1,669,188千円(前年同期比64.6%増)となりました。
これは主に、営業強化により取引社数が増加したことと、サービス強化により取引先各社毎の取引金額も増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、前連結会計年度に比べて267,432千円増加し、842,447千円(前年同期比46.5%増)となりました。これは主に売上高増加に伴う影響によるものであります。また、業務の効率化を推進したことにより、人件費等は大きな増加とならず、その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて387,428千円増加し、826,741千円(前年同期比88.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて55,027千円増加し、518,601千円(前年同期比11.9%増)となりました。これは主に業績拡大による人員増加に伴う人件費の増加やのれん償却額の増加による影響であります。
その結果、営業利益は前連結会計年度に比べて332,400千円増加し308,139千円(前年同期は24,261千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外損失、経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べて2,780千円減少し、1,971千円(前年同期比58.5%減)となりました。これは主に前連結会計年度では還付消費税等を3,660千円計上しているものの、当連結会計年度では助成金収入1,140千円を計上していることによる影響であります。
営業外費用は、537千円増加し2,433千円(前年同期比28,4%増)となり、その結果、前連結会計年度に比べて経常利益は329,082千円増加し、307,678千円(前年同期は21,404千円の経常損失)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益)
前連結会計年度では、特別利益として固定資産売却益3,299千円を計上していたものの、当連結会計年度では特別損失として、のれんの減損損失78,343千円、投資有価証券評価損3,041千円を計上しております。
その結果、前連結会計年度に比べて税金等調整前当期純利益は244,398千円増加し、226,292千円(前年同期は18,105千円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(法人税等、当期純利益)
売上高増加等による課税所得の稼得に伴い、法人税等合計は、72,165千円(前年同期比306.6%増)となりました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて189,979千円増加し、154,127千円(前連結会計年度は35,852千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループの事業は、デジタルコミュニケーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第13期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
(売上高)
当第2四半期連結累計期間の売上高は769,578千円となりました。
これは主に、営業強化により取引社数が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、332,453千円となりました。これは主に売上高増加に伴う影響によるものであります。
その結果、当第2四半期連結累計期間の売上総利益は437,124千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、258,560千円となりました。これは主に業績拡大による人員増加に伴う人件費の増加が主な影響であります。
その結果、当第2四半期連結累計期間の営業利益は178,563千円となりました。
(営業外収益、営業外損失、経常利益)
営業外収益は、585千円となり、これは主に助成金収入570千円によるものであります。
営業外費用は、2,792千円となり、これは主に株式公開費用2,000千円によるものであります。
その結果、当第2四半期連結累計期間の経常利益は176,356千円となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前四半期純利益)
特別利益、特別損失は発生しておらず、税金等調整前四半期純利益は176,356千円となりました。
(法人税等、当期純利益)
売上高増加等による課税所得の稼得に伴い、法人税等合計は、61,426千円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は114,929千円となりました。
なお、当社グループの事業は、デジタルコミュニケーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③キャッシュ・フローの状況
第12期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、505,889千円と前連結会計年度末に比べ241,503千円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、281,214千円(前連結会計年度は43,322千円の支出)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益226,292千円の計上や減損損失78,343千円、のれん償却額34,105千円等があった一方で、売上債権の増加額85,838千円及び法人税等の支払額13,544千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、21,154千円(前連結会計年度は8,801千円の支出)となりました。
これは主に、事業譲受に伴う支出10,000千円、有形固定資産の取得による支出9,466千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、18,556千円(前連結会計年度は18,624千円の支出)となりました。
これは、社債の償還による支出17,000千円及び長期借入金の返済による支出1,556千円によるものであります。
第13期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、634,060千円と前連結会計年度末に比べ128,171千円の増加となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は151,530千円となりました。
これは主に、税金等調整前四半期純利益176,356千円の計上等があった一方で、売上債権の減少額57,216千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は7,737千円となりました。
これは主に、関係会社株式の取得による支出3,400千円、敷金及び保証金の差入による支出3,733千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は15,621千円となりました。
これは主に、社債の償還による支出8,500千円及び長期借入金の返済による支出5,121千円等があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの主たる業務は、インターネットに関する事業であるため、生産に該当する事項はありません。
b.受注実績
当社グループの事業は、受注確定から売上計上の期間は最短5日から2.5ヶ月程度であります。
よって、当連結会計年度末日現在の受注残高は、年間売上高に対して僅かであるため、その記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度及び第13期第2四半期連結累計期間の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはデジタルコミュニケーション事業の単一セグメントであります。
事業の名称第12期連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第13期第2四半期連結累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年9月30日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
デジタルコミュニケーション事業1,669,188164.6769,578
合計1,669,188164.6769,578

(注)1.当社グループはデジタルコミュニケーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度及び第13期第2四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第11期連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
第12期連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第13期第2四半期連結累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社わかさ生活35,7013.5337,76720.265,6248.5
popIn株式会社172,93317.0199,03011.994,22112.2

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債または損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
当社の連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
②経営成績の分析
a.経営成績
第12期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度におけるわが国の経済は、下期にかけて国際情勢の緊迫化の影響は一部あったものの、全般的には国内消費の緩やかな回復基調の継続や為替相場の安定化に伴う輸出産業の持ち直しもあり、緩やかな回復基調で推移しました。広告業界におきましても、「2018年 日本の広告費」(株式会社電通)によると2018年(暦年)のインターネット広告市場は7年連続で成長を遂げ、1兆7,589億円(前年比16.5%増)と1.7兆円を超える市場となるなど、インターネットを中心とした広告市場の拡大は継続しております。
当社グループではこうした市場環境のもと、情報価値の高いインターネットメディアの運営、収益化に努めており、また、アドテクノロジーやパブリックリレーションサービスなどのサービスを提供する事で、多様化するクライアントのコミュニケーションニーズに対応してまいりました。
以上の結果、取引社数も順調に拡大し、各社毎の取引額も増加したことから、当連結会計年度の売上高は1,669,188千円(前年同期比64.6%増)、営業利益308,139千円(前連結会計年度は24,261千円の営業損失)、経常利益307,678千円(前連結会計年度は21,404千円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は154,127千円(前連結会計年度は35,852千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループの事業は、デジタルコミュニケーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第13期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、貿易摩擦や地政学リスクの上昇に端を発した国際情勢の緊迫化の影響は一部あったものの、国内消費に対する影響は現在のところ限定的であり、経済環境全般としては前期と大きな変動はありませんでした。また、「2018年 日本の広告費」(株式会社電通)によればインターネットを中心とした広告市場の拡大は継続しております。
当社グループではこうした市場環境のもと、情報価値の高いインターネットメディアの運営、収益化支援に努めております。また、関連サービス領域としてアドテクノロジーを活用した広告配信サービスの提供や広告プランニングサービスなどを提供する事で、多様化するクライアントのコミュニケーションニーズに対応してまいりました。
以上の結果、取引社数が拡大し、当第2四半期連結累計期間の売上高は769,578千円、営業利益178,563千円、経常利益176,356千円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は114,929千円となりました。
なお、当社グループの事業は、デジタルコミュニケーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金・設備資金については、主に自己資金により充当しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は505,889千円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。
今後の重要な資本的支出としては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり、本社移転による本社内装設備及び基幹システムの開発を予定しており、その調達源については、新規上場に伴う公募増資による調達資金を予定しております。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、景気動向、市場環境、人材採用・育成、法規制等様々なリスクが経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループでは、内部管理体制を強化しつつ、優秀な人材を確保・育成することによって、景気動向、市場環境に留意して市場ニーズにあったサービスを展開し、経営成績に重要な影響を与えるリスクを低減する対策を引き続き行ってまいります。
d.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループでは、運営するそれぞれのインターネットサービスをユーザー接点強化の「場」として展開したうえで、ウェブサービスと親和性の高いビジネスモデルを掛け合わせることで収益構成を多角化し、それらのビジネスモデルを掛け合わせていく事でインターネットサービスの枠を超えた事業展開を行っていく事を計画しています。この事業方針を踏まえ、当社グループの事業基盤をより強固なものとするため、運営又は支援を提供するインターネットサービス数の増加や、それぞれのサービスから創出される収益規模の強化を行っていく予定です。これらの数値を事業KPIとして設定し、事業計画の達成のためにモニタリングを行っております。
当社グループでは、かかる戦略に従い新規取引先の開拓と取引先との取り組み強化を進める事で、第12期において売上高は前連結会計年度に比べて654,860千円増加し1,669,188千円となり、売上総利益は前連結会計年度に比べて387,428千円増加し826,741千円まで拡大いたしました。売上高については、広告運用サービスやプロモーション企画・PRサービスにおいて広告キャンペーン等、プロジェクトの原価構造により大きく上下する事がある為、収益状況を把握するための指標として売上高だけでなく売上総利益も同時にモニタリングしております。販売費及び一般管理費については、役員報酬あるいは給与及び手当等、固定的な要素が強い支出が大半を占めるため、事業規模に対して適切な組織規模が保てているかを随時レビューする事で、営業利益の持続的な拡大を図っております。その結果により、営業利益は前連結会計年度に比べて332,400千円増加し308,139千円となりました。
経営者は、事業を拡大し、持続的な企業価値の向上を実現するために様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、常に事業環境についての情報を入手し、戦略の策定、競合動向の把握、顧客ニーズの把握、提供するソリューションの強化、企業規模の拡大に応じた内部管理体制・組織の整備を進め、企業価値のさらなる向上を目指して取り組んでおります。
なお、経営者の問題認識と今後の方針についての具体的な内容は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。