有価証券届出書(新規公開時)
(1) 経営成績等の状況の概要
第37期連結会計年度及び第38期第3四半期連結累計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
第37期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
イ.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて514,956千円増加し、3,428,599千円となりました。これは主として受取手形及び売掛金が115,841千円、仕掛品が82,551千円、その他流動資産が80,234千円それぞれ減少した一方で、現金及び預金が211,401千円、商品及び製品が279,133千円、原材料及び貯蔵品が303,048千円それぞれ増加したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて172,117千円増加し、662,501千円となりました。これは主として有形固定資産が141,325千円、無形固定資産が1,757千円、投資その他の資産が29,033千円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて687,073千円増加し、4,091,101千円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて568,879千円増加し、1,979,504千円となりました。これは主として支払手形及び買掛金が305,554千円、短期借入金が314,774千円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて97,962千円増加し、333,760千円となりました。これは主として長期借入金が9,478千円、退職給付に係る負債が9,321千円、リース債務が29,620千円、その他固定負債が49,541千円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて666,841千円増加し、2,313,264千円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は1,777,836千円と、前連結会計年度末に比べ20,232千円の増加となりました。これは、主として為替換算調整勘定が93,451千円減少した一方で利益剰余金が113,683千円増加したことなどによるものであります。
ロ.経営成績
当連結会計年度における我が国の経済は企業収益や雇用状況の改善により、緩やかな回復基調となったものの、世界経済においては米中貿易摩擦の激化や、欧州の政治情勢等に起因する景気減速懸念により不透明感が高まりました。
このような環境の中、当社グループにおきまして、縫製自動機事業では、主に海外向けを中心に縫製自動機の受注が堅調に推移いたしました。また、縫製品事業では主にカーシートカバー及びエアバッグについて海外拠点での受注が増加しました。しかし、カーシートカバーの新車種の立上げ費用が先行したことで損益が悪化したことやカーシートカバー及びエアバッグの一部の製品について、たな卸資産評価損を計上したこと等により減益となりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高7,517,353千円(前年同期比11.1%増)と、増収となりました。また、利益につきましては、営業利益180,475千円(前年同期比59.4%減)、経常利益223,431千円(前年同期比54.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益113,683千円(前年同期比45.2%減)となりました。
尚、当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりです。
(縫製自動機事業)
縫製自動機事業につきましては、海外向けを中心に大型案件の受注が堅調に推移したことにより、売上高は1,175,288千円(前年同期比61.4%増)となりましたが、機械の大型化による設計費の増加や海外案件の増加により輸送費の増加が利益を圧迫し、セグメント利益は8,747千円(前年同期比73.1%減)となりました。
(縫製品事業)
縫製品事業につきましては、血圧計腕帯については前連結会計年度において松屋国際貿易(大連)有限公司に対する持分を含む松屋科技発展(大連)有限公司の全持分を売却したことにより減収となったものの、カーシートカバー及びエアバッグについては海外拠点での受注が増加し、全体として売上高は6,342,065千円(前年同期比5.0%増)となりました。しかし、カーシートカバーの新車種立ち上げによる費用が先行したことにより損益が悪化したほか、カーシートカバー及びエアバッグの一部の製品についてたな卸資産評価損を計上したことにより、セグメント利益は422,522千円(前年同期比32.3%減)となりました。
第38期第3四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
イ.財政状態
(資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて371,699千円増加し、3,800,299千円となりました。これは主として現金及び預金が29,504千円、受取手形及び売掛金が193,844千円、商品及び製品が19,815千円、仕掛品が131,471千円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて247,173千円増加し、909,675千円となりました。これは主として在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」を適用した影響等により有形固定資産が228,927千円増加、投資その他の資産が20,020千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて618,873千円増加し、4,709,974千円となりました。
(負債の部)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて163,827千円増加し、2,143,331千円となりました。これは主として支払手形及び買掛金が146,827千円減少したことに対して、短期借入金が111,352千円、賞与引当金が18,836千円増加したことに加え、その他で在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」を適用したこと等によるリース債務が81,141千円、前受金が99,620千円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて226,101千円増加し、559,862千円となりました。これは主としてその他で在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」を適用したこと等により、リース債務が221,714千円増加したことによるものであります。
この結果、当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて389,929千円増加し、2,703,193千円となりました。
(純資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて228,943千円増加し、2,006,780千円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益240,430千円の計上による利益剰余金の増加及び為替換算調整勘定の減少11,486千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の43.5%から42.6%となりました。
ロ.経営成績
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、輸出や生産が減少しており、企業収益は製造業を中心に弱含みで推移しております。また10月からの消費税増税に伴う個人消費の落ち込みも懸念されております。
このような環境の中、当社グループにおける経営成績は、縫製品事業を中心に順調に売上を伸ばしており、血圧計腕帯、カーシートカバー及びエアバッグについて、海外拠点を中心に受注が堅調に推移しました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高6,451,801千円、営業利益310,726千円、経常利益297,897千円、親会社株主に帰属する四半期純利益240,430千円となりました。
尚、当第3四半期連結累計期間における各セグメントの概況は、次のとおりであります。
(縫製自動機事業)
縫製自動機事業につきましては、小規模な受注案件が中心となり、労務費及び経費等の固定費の負担が利益を圧迫した結果、売上高は538,483千円となり、セグメント損失は106,351千円となりました。
(縫製品事業)
縫製品事業につきましては、血圧計腕帯について健康志向の高まりを背景とした受注が堅調に推移したほか、カーシートカバーにおいては北米向けの車種を中心に生産量が増加し、エアバッグについても顧客からの生産移管が進み、生産量が大きく増加しました。以上の結果、売上高は5,913,318千円、セグメント利益は570,119千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
第37期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は528,805千円と、前連結会計年度末に比べ203,777千円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は、8,615千円(前連結会計年度は59,433千円の支出)となりました。
これは主として、たな卸資産の増加額546,570千円、未払消費税等の減少額31,351千円、法人税等の支払額135,566千円があったのに対して、税金等調整前当期純利益が222,578千円、減価償却費が89,693千円、売上債権の減少額が83,643千円、仕入債務の増加額が328,580千円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は119,838千円(前連結会計年度は349,747千円の支出)となりました。
これは主として、連結の範囲の変更を伴う関係会社出資金の売却による収入80,000千円があったのに対して、有形固定資産の取得による支出174,981千円、差入保証金の差入による支出18,188千円があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は330,599千円(前連結会計年度は125,368千円の支出)となりました。
これは主として、長期借入金の返済による支出78,724千円があったのに対して、短期借入金の増加321,186千円、長期借入れによる収入100,000千円があったことなどによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ. 生産実績
第37期連結会計年度及び第38期第3四半期連結累計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.受注実績
第37期連結会計年度及び第38期第3四半期連結累計期間における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ハ. 販売実績
第37期連結会計年度及び第38期第3四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度及び第38期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績
の総販売実績に対する割合
※豊田通商株式会社との取引は2019年4月1日より同社の子会社である豊通マテックス株式会社に移管されました。なお、具体的な商流等に変更はございません。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。尚、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第37期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度においては、縫製自動機の海外向けの大型案件の受注に取り組むなど、縫製自動機事業の拡大に努めてまいりました。また、縫製品事業についてはタカハター株式会社(連結子会社)及び当社グループの海外拠点であるMatsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.(連結子会社)において、中小型車のカーシートカバーの生産拡大を進めてまいりました。その他、エアバッグについても海外拠点での本格的な生産を開始し、生産量の増加に努めてまいりました。
当連結会計年度の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は7,517,353千円(前年同期比11.1%増)となり、前連結会計年度に比べて749,890千円増加いたしました。これは主に縫製品事業における血圧計腕帯の売上について主に松屋国際貿易(大連)有限公司に対する持分を含む松屋科技発展(大連)有限公司の全持分を売却したことにより前連結会計年度に比べ246,756千円減少した半面、縫製自動機事業における売上について海外向けの大型案件が増加したことにより前連結会計年度に比べて447,115千円増加したことや、縫製品事業におけるカーシートカバーの売上について海外拠点を活用した生産委託が増加したことにより前連結会計年度に比べて531,338千円増加したことによるものです。
セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は6,558,019千円(前年同期比18.7%増)となり、前連結会計年度に比べて1,034,246千円増加いたしました。これは主に縫製品事業におけるカーシートカバー及びエアバッグの新ラインの生産開始に向けた立上げ費用の増加によるものであります。以上の結果、売上総利益は959,334千円(前年同期比22.9%減)となり、前連結会計年度に比べて284,356千円減少いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、778,859千円(前年同期比2.5%減)となり、前連結会計年度に比べて19,903千円減少いたしました。これは主に内部管理体制及び本社管理部門の充実化を図るため、社外取締役や監査役の役員報酬の増加、経理部員追加採用による給与手当の増加があったのに対し、連結子会社Matsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.におけるDeloitte Vietnam Co.,Ltd.からの監査証明業務及び非監査業務に基づく報酬の減少によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度における営業利益は180,475千円(前年同期比59.4%減)となり、前連結会計年度に比べて264,452千円減少いたしました。
(営業外収益・営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は52,250千円(前年同期比2.5%減)となり、前連結会計年度に比べ1,358千円減少いたしました。また、営業外費用は9,293千円(前年同期比70.2%増)となり、前連結会計年度に比べ3,834千円増加いたしました。これは借入金残高の増加による支払利息の増加によるものであります。
以上の結果、経常利益は223,431千円(前年同期比54.7%減)となり、前連結会計年度に比べ269,645千円減少いたしました。
(特別利益・特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は231千円(前年同期比373.2%増)となり、前連結会計年度に比べ182千円増加いたしました。特別損失は、1,085千円(前年同期比99.3%減)となり、前連結会計年度に比べ156,928千円減少いたしました。また、法人税等合計は108,894千円(前年同期比13.7%減)となり、前連結会計年度より17,338千円減少いたしました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は113,683千円(前年同期比45.2%減)となり、前連結会計年度に比べ93,587千円減少いたしました。
第38期第3四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
当第3四半期連結累計期間の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
(売上高)
当第3四半期連結累計期間における売上高は6,451,801千円となりました。これは主に縫製品事業におけるエアバッグの売上が997,640千円となり、縫製品事業におけるカーシートカバーの売上について海外拠点を活用した生産委託が増加したことによるものです。
セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期連結累計期間における売上原価は5,550,324千円となりました。これは主に縫製品事業におけるカーシートカバー及びエアバッグの売上増加に伴う費用の増加によるものであります。以上の結果、売上総利益は901,477千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第3四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は、590,751千円となりました。これは主に当社における管理職の増員による人件費の増加のほか、縫製自動機事業での欧州向けの販売が増加したことによる代理店への販売手数料の増加によるものであります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における営業利益は310,726千円となりました。
(営業外収益・営業外費用及び経常利益)
当第3四半期連結累計期間における営業外収益は22,230千円となりました。また、営業外費用は35,059千円となりましたが、これは借入金残高の増加及びIFRS第16号「リース」を適用したことによる支払利息の増加によるものであります。
以上の結果、経常利益は297,897千円となりました。
(特別利益・特別損失及び親会社株主に帰属する四半期純利益)
当第3四半期連結累計期間における特別利益及び特別損失の発生はございません。また、法人税等合計は57,467千円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は240,430千円となりました。
尚、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金について、主に自己資金及び借入金を充当しております。尚、銀行との当座貸越契約を締結しており、大型の縫製自動機の受注や国内・海外の工場における生産量の増加による資金需要への対応を図っております。これにより一定の資金水準を保つことができ、十分な資金の流動性を保持しているものと考えております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
第37期連結会計年度及び第38期第3四半期連結累計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
第37期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
イ.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて514,956千円増加し、3,428,599千円となりました。これは主として受取手形及び売掛金が115,841千円、仕掛品が82,551千円、その他流動資産が80,234千円それぞれ減少した一方で、現金及び預金が211,401千円、商品及び製品が279,133千円、原材料及び貯蔵品が303,048千円それぞれ増加したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて172,117千円増加し、662,501千円となりました。これは主として有形固定資産が141,325千円、無形固定資産が1,757千円、投資その他の資産が29,033千円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて687,073千円増加し、4,091,101千円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて568,879千円増加し、1,979,504千円となりました。これは主として支払手形及び買掛金が305,554千円、短期借入金が314,774千円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて97,962千円増加し、333,760千円となりました。これは主として長期借入金が9,478千円、退職給付に係る負債が9,321千円、リース債務が29,620千円、その他固定負債が49,541千円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて666,841千円増加し、2,313,264千円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は1,777,836千円と、前連結会計年度末に比べ20,232千円の増加となりました。これは、主として為替換算調整勘定が93,451千円減少した一方で利益剰余金が113,683千円増加したことなどによるものであります。
ロ.経営成績
当連結会計年度における我が国の経済は企業収益や雇用状況の改善により、緩やかな回復基調となったものの、世界経済においては米中貿易摩擦の激化や、欧州の政治情勢等に起因する景気減速懸念により不透明感が高まりました。
このような環境の中、当社グループにおきまして、縫製自動機事業では、主に海外向けを中心に縫製自動機の受注が堅調に推移いたしました。また、縫製品事業では主にカーシートカバー及びエアバッグについて海外拠点での受注が増加しました。しかし、カーシートカバーの新車種の立上げ費用が先行したことで損益が悪化したことやカーシートカバー及びエアバッグの一部の製品について、たな卸資産評価損を計上したこと等により減益となりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高7,517,353千円(前年同期比11.1%増)と、増収となりました。また、利益につきましては、営業利益180,475千円(前年同期比59.4%減)、経常利益223,431千円(前年同期比54.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益113,683千円(前年同期比45.2%減)となりました。
尚、当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりです。
(縫製自動機事業)
縫製自動機事業につきましては、海外向けを中心に大型案件の受注が堅調に推移したことにより、売上高は1,175,288千円(前年同期比61.4%増)となりましたが、機械の大型化による設計費の増加や海外案件の増加により輸送費の増加が利益を圧迫し、セグメント利益は8,747千円(前年同期比73.1%減)となりました。
(縫製品事業)
縫製品事業につきましては、血圧計腕帯については前連結会計年度において松屋国際貿易(大連)有限公司に対する持分を含む松屋科技発展(大連)有限公司の全持分を売却したことにより減収となったものの、カーシートカバー及びエアバッグについては海外拠点での受注が増加し、全体として売上高は6,342,065千円(前年同期比5.0%増)となりました。しかし、カーシートカバーの新車種立ち上げによる費用が先行したことにより損益が悪化したほか、カーシートカバー及びエアバッグの一部の製品についてたな卸資産評価損を計上したことにより、セグメント利益は422,522千円(前年同期比32.3%減)となりました。
第38期第3四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
イ.財政状態
(資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて371,699千円増加し、3,800,299千円となりました。これは主として現金及び預金が29,504千円、受取手形及び売掛金が193,844千円、商品及び製品が19,815千円、仕掛品が131,471千円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて247,173千円増加し、909,675千円となりました。これは主として在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」を適用した影響等により有形固定資産が228,927千円増加、投資その他の資産が20,020千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて618,873千円増加し、4,709,974千円となりました。
(負債の部)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて163,827千円増加し、2,143,331千円となりました。これは主として支払手形及び買掛金が146,827千円減少したことに対して、短期借入金が111,352千円、賞与引当金が18,836千円増加したことに加え、その他で在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」を適用したこと等によるリース債務が81,141千円、前受金が99,620千円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて226,101千円増加し、559,862千円となりました。これは主としてその他で在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」を適用したこと等により、リース債務が221,714千円増加したことによるものであります。
この結果、当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて389,929千円増加し、2,703,193千円となりました。
(純資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて228,943千円増加し、2,006,780千円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益240,430千円の計上による利益剰余金の増加及び為替換算調整勘定の減少11,486千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の43.5%から42.6%となりました。
ロ.経営成績
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、輸出や生産が減少しており、企業収益は製造業を中心に弱含みで推移しております。また10月からの消費税増税に伴う個人消費の落ち込みも懸念されております。
このような環境の中、当社グループにおける経営成績は、縫製品事業を中心に順調に売上を伸ばしており、血圧計腕帯、カーシートカバー及びエアバッグについて、海外拠点を中心に受注が堅調に推移しました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高6,451,801千円、営業利益310,726千円、経常利益297,897千円、親会社株主に帰属する四半期純利益240,430千円となりました。
尚、当第3四半期連結累計期間における各セグメントの概況は、次のとおりであります。
(縫製自動機事業)
縫製自動機事業につきましては、小規模な受注案件が中心となり、労務費及び経費等の固定費の負担が利益を圧迫した結果、売上高は538,483千円となり、セグメント損失は106,351千円となりました。
(縫製品事業)
縫製品事業につきましては、血圧計腕帯について健康志向の高まりを背景とした受注が堅調に推移したほか、カーシートカバーにおいては北米向けの車種を中心に生産量が増加し、エアバッグについても顧客からの生産移管が進み、生産量が大きく増加しました。以上の結果、売上高は5,913,318千円、セグメント利益は570,119千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
第37期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は528,805千円と、前連結会計年度末に比べ203,777千円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は、8,615千円(前連結会計年度は59,433千円の支出)となりました。
これは主として、たな卸資産の増加額546,570千円、未払消費税等の減少額31,351千円、法人税等の支払額135,566千円があったのに対して、税金等調整前当期純利益が222,578千円、減価償却費が89,693千円、売上債権の減少額が83,643千円、仕入債務の増加額が328,580千円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は119,838千円(前連結会計年度は349,747千円の支出)となりました。
これは主として、連結の範囲の変更を伴う関係会社出資金の売却による収入80,000千円があったのに対して、有形固定資産の取得による支出174,981千円、差入保証金の差入による支出18,188千円があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は330,599千円(前連結会計年度は125,368千円の支出)となりました。
これは主として、長期借入金の返済による支出78,724千円があったのに対して、短期借入金の増加321,186千円、長期借入れによる収入100,000千円があったことなどによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ. 生産実績
第37期連結会計年度及び第38期第3四半期連結累計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 第37期 連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 第38期第3四半期 連結累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年12月31日) | |
生産高(千円) | 前年同期比(%) | 生産高(千円) | |
縫製自動機事業 | 1,029,659 | 217.1 | 394,706 |
縫製品事業 | 5,807,493 | 118.0 | 5,175,434 |
合計 | 6,837,153 | 126.7 | 5,570,140 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.受注実績
第37期連結会計年度及び第38期第3四半期連結累計期間における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 第37期 連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 第38期第3四半期 連結累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年12月31日) | ||||
受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注高 (千円) | 受注残高 (千円) | |
縫製自動機事業 | 1,218,327 | 199.8 | 116,780 | 145.7 | 457,871 | 33,878 |
縫製品事業 | 6,618,735 | 110.4 | 449,146 | 243.6 | 6,017,149 | 562,021 |
合計 | 7,837,063 | 118.6 | 565,926 | 214.0 | 6,475,021 | 595,900 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ハ. 販売実績
第37期連結会計年度及び第38期第3四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 第37期 連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 第38期第3四半期 連結累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年12月31日) | |
販売高(千円) | 前年同期比(%) | 販売高(千円) | |
縫製自動機事業 | 1,175,288 | 161.4 | 538,483 |
縫製品事業 | 6,342,065 | 105.0 | 5,913,318 |
血圧計腕帯 | 3,007,840 | 92.4 | 2,457,609 |
カーシートカバー | 2,791,792 | 123.5 | 2,397,670 |
エアバッグ | 471,107 | 102.8 | 997,640 |
その他 | 71,323 | 108.3 | 60,397 |
合計 | 7,517,353 | 111.1 | 6,451,801 |
(注) 1. セグメント間取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度及び第38期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績
の総販売実績に対する割合
相手先 | 第36期連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 第37期連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 第38期第3四半期 連結累計期間 (自 2019年4月1日 至 2019年12月31日) | |||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
OMRON Healthcare Manufacturing Vietnam CO.,LTD. | 1,688,901 | 25.0 | 1,841,318 | 24.5 | 1,639,344 | 25.4 |
豊田通商株式会社※ | 1,271,491 | 18.8 | 1,549,519 | 20.6 | - | - |
豊通マテックス株式会社※ | - | - | - | - | 1,455,170 | 22.6 |
トヨタ紡織東北株式会社 | 885,788 | 13.1 | 1,295,915 | 17.2 | 919,029 | 14.2 |
住商エアバッグ・システムズ株式会社 | - | - | - | - | 997,640 | 15.5 |
高力科技発展(大連)有限公司 | - | - | 983,645 | 13.1 | 687,459 | 10.7 |
※豊田通商株式会社との取引は2019年4月1日より同社の子会社である豊通マテックス株式会社に移管されました。なお、具体的な商流等に変更はございません。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。尚、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第37期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度においては、縫製自動機の海外向けの大型案件の受注に取り組むなど、縫製自動機事業の拡大に努めてまいりました。また、縫製品事業についてはタカハター株式会社(連結子会社)及び当社グループの海外拠点であるMatsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.(連結子会社)において、中小型車のカーシートカバーの生産拡大を進めてまいりました。その他、エアバッグについても海外拠点での本格的な生産を開始し、生産量の増加に努めてまいりました。
当連結会計年度の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は7,517,353千円(前年同期比11.1%増)となり、前連結会計年度に比べて749,890千円増加いたしました。これは主に縫製品事業における血圧計腕帯の売上について主に松屋国際貿易(大連)有限公司に対する持分を含む松屋科技発展(大連)有限公司の全持分を売却したことにより前連結会計年度に比べ246,756千円減少した半面、縫製自動機事業における売上について海外向けの大型案件が増加したことにより前連結会計年度に比べて447,115千円増加したことや、縫製品事業におけるカーシートカバーの売上について海外拠点を活用した生産委託が増加したことにより前連結会計年度に比べて531,338千円増加したことによるものです。
セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は6,558,019千円(前年同期比18.7%増)となり、前連結会計年度に比べて1,034,246千円増加いたしました。これは主に縫製品事業におけるカーシートカバー及びエアバッグの新ラインの生産開始に向けた立上げ費用の増加によるものであります。以上の結果、売上総利益は959,334千円(前年同期比22.9%減)となり、前連結会計年度に比べて284,356千円減少いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、778,859千円(前年同期比2.5%減)となり、前連結会計年度に比べて19,903千円減少いたしました。これは主に内部管理体制及び本社管理部門の充実化を図るため、社外取締役や監査役の役員報酬の増加、経理部員追加採用による給与手当の増加があったのに対し、連結子会社Matsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.におけるDeloitte Vietnam Co.,Ltd.からの監査証明業務及び非監査業務に基づく報酬の減少によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度における営業利益は180,475千円(前年同期比59.4%減)となり、前連結会計年度に比べて264,452千円減少いたしました。
(営業外収益・営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は52,250千円(前年同期比2.5%減)となり、前連結会計年度に比べ1,358千円減少いたしました。また、営業外費用は9,293千円(前年同期比70.2%増)となり、前連結会計年度に比べ3,834千円増加いたしました。これは借入金残高の増加による支払利息の増加によるものであります。
以上の結果、経常利益は223,431千円(前年同期比54.7%減)となり、前連結会計年度に比べ269,645千円減少いたしました。
(特別利益・特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は231千円(前年同期比373.2%増)となり、前連結会計年度に比べ182千円増加いたしました。特別損失は、1,085千円(前年同期比99.3%減)となり、前連結会計年度に比べ156,928千円減少いたしました。また、法人税等合計は108,894千円(前年同期比13.7%減)となり、前連結会計年度より17,338千円減少いたしました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は113,683千円(前年同期比45.2%減)となり、前連結会計年度に比べ93,587千円減少いたしました。
第38期第3四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
当第3四半期連結累計期間の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
(売上高)
当第3四半期連結累計期間における売上高は6,451,801千円となりました。これは主に縫製品事業におけるエアバッグの売上が997,640千円となり、縫製品事業におけるカーシートカバーの売上について海外拠点を活用した生産委託が増加したことによるものです。
セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期連結累計期間における売上原価は5,550,324千円となりました。これは主に縫製品事業におけるカーシートカバー及びエアバッグの売上増加に伴う費用の増加によるものであります。以上の結果、売上総利益は901,477千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第3四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は、590,751千円となりました。これは主に当社における管理職の増員による人件費の増加のほか、縫製自動機事業での欧州向けの販売が増加したことによる代理店への販売手数料の増加によるものであります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における営業利益は310,726千円となりました。
(営業外収益・営業外費用及び経常利益)
当第3四半期連結累計期間における営業外収益は22,230千円となりました。また、営業外費用は35,059千円となりましたが、これは借入金残高の増加及びIFRS第16号「リース」を適用したことによる支払利息の増加によるものであります。
以上の結果、経常利益は297,897千円となりました。
(特別利益・特別損失及び親会社株主に帰属する四半期純利益)
当第3四半期連結累計期間における特別利益及び特別損失の発生はございません。また、法人税等合計は57,467千円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は240,430千円となりました。
尚、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金について、主に自己資金及び借入金を充当しております。尚、銀行との当座貸越契約を締結しており、大型の縫製自動機の受注や国内・海外の工場における生産量の増加による資金需要への対応を図っております。これにより一定の資金水準を保つことができ、十分な資金の流動性を保持しているものと考えております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。