有価証券報告書-第9期(令和1年9月1日-令和2年8月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による経済対策や日本銀行の金融緩和政策を背景に、緩やかに回復していたものの、消費税増税に伴う個人消費の落ち込みなどにより、景気後退感が強まりました。さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大の影響により、あらゆる経済活動が抑制され、景気が急速に減速いたしました。現在も収束の見通しがたたないことから、依然として先行きは不透明な状況が続いております。日本企業は、グローバル化、戦略実現のスピードアップ、イノベーション創発、企業間連携の促進、生産性の向上、また、それらを実現するためのテクノロジーの活用といったテーマに直面し、激しく変化する市場環境における経営のあり方そのものの見直しを迫られております。
特に大手企業を中心に「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に強い関心が寄せられており、既存のビジネスモデルや業界構造を大きく変化させる新たなデジタル化の流れに注目が集まっております。企業は顧客により高い付加価値を提供するため、クラウド等のプラットフォーム、スマートフォンやIoT等の新たなデバイス、AIやブロックチェーン等の新たなテクノロジーを組み合わせたサービスの開発が進められております。
IT専門の調査会社IDCによる調査結果では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の拡大を背景として、全世界におけるデジタルエージェンシー(当社のような顧客企業のデジタル開発/進出を支援する事業を行う企業)の全市場の市場規模は2018年において1,132億USドル(2018年)と推測されています。そのうち、当社がデザインパートナー事業にて提供しているUI/UXデザイン支援に関連した区分は年平均成長率14.4%、市場規模では484億USドル(2018年)から950億USドル(2023年)に拡大すると予測されています。
このような事業環境の中で、当社グループは、顧客のユーザーの根本的なユーザーエクスペリエンス(UX)の価値の創造を支援し、最適なデザインを設計するサービスであるデザインパートナー事業、そして、自社サービスである「Goodpatch Anywhere」、「ReDesigner」及び「Prott」などのサービスで構成されるデザインプラットフォーム事業を主要事業と位置づけ、相互にシナジーを創出することに注力しながら推進してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,143,511千円(前連結会計年度比27.3%増)、営業利益は216,604千円(前連結会計年度比187.3%増)、経常利益は211,950千円(前連結会計年度比153.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は215,734千円(前連結会計年度比275.9%増)となりました。
当社グループのセグメント別の業績は次のとおりであります。
a. デザインパートナー事業
デジタルトランスフォーメーション(DX)にあわせて、スマートフォンのアプリ等の新しいユーザーシーンを捉えて新しいユーザー体験をデザインするUI/UXソリューションを提供しております。スマートフォンの普及に伴い、デジタル領域におけるビジネスが拡大し続けており、各社はこれまで培った競争優位を維持するためにもデザインへの投資を拡大している中で、当社として事業領域の拡大を図っております。この結果、デザインパートナー事業の売上高は1,575,854千円(前連結会計年度比19.0%増)、営業利益は189,973千円(前連結会計年度比42.2%増)となりました。
b. デザインプラットフォーム事業
デザインパートナー事業によって行われるUI/UXデザイン支援を様々な側面からバックアップするデザインプラットフォーム事業は、デザインパートナー事業とのシナジーを追求しながら拡大を続けております。
遠隔地からインターネットを通じてプロジェクトに参加する形態をとったフルリモートのデザインチームによるWebサイトやアプリケーションのデザイン支援を展開する「Goodpatch Anywhere」においては、全国各地からその登録者数が増加しております。デザイン人材の採用支援サービスの「ReDesigner」は、これまでデザインパートナー事業にて培ったブランド力を活かし、採用支援実績を積み上げております。また、リリースして5年目を迎えた「Prott」は、安定した顧客基盤を維持することができております。「Goodpatch Anywhere」及び「ReDesinger」は順調に売上を伸ばし事業成長に大きく貢献している一方で、主に「ReDesigner」における立ち上げ期の人件費等への投資が先行しております。
この結果、デザインプラットフォーム事業の売上高は568,406千円(前連結会計年度比58.1%増)、営業利益は26,630千円(前年同期は営業損失58,198千円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ496,964千円増加し、1,218,622千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加431,004千円であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ192,673千円増加し、292,658千円となりました。主な要因は、在外連結子会社におけるIFRS第16号「リース」の適用に伴う使用権資産の増加82,404千円、投資有価証券の増加52,400千円及び繰延税金資産の増加56,508千円であります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ689,638千円増加し、1,511,281千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ61,321千円増加し、381,704千円となりました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加40,560千円、在外連結子会社におけるIFRS第16号「リース」の適用に伴うリース債務の増加20,129千円、未払消費税等の増加46,721千円及び未払金の減少49,569千円であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ153,219千円増加し、191,082千円となりました。主な要因は、長期借入金の増加87,121千円及び在外連結子会社におけるIFRS第16号「リース」の適用に伴うリース債務の増加65,610千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ214,540千円増加し、572,787千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ475,097千円増加し、938,493千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加215,734千円及び当社普通株式の東京証券取引所マザーズへの上場に伴う公募による新株発行、オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ129,435千円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ431,004千円増加し、939,913千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは145,898千円の収入(前連結会計年度は126,880千円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上201,720千円や減価償却費48,049千円等の増加要因があった一方で、売上債権の増加54,497千円や未払金の減少51,263千円等の減少要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは77,618千円の支出(前連結会計年度は20,812千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出23,532千円や投資有価証券の取得による支出52,400千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは359,426千円の収入(前連結会計年度は64,388千円の支出)となりました。これは、株式の発行による収入254,779千円や長期借入れによる収入210,864千円があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
当社では受注販売を行っておりますが、受注から売上高計上までの期間が短期であるため、「受注実績」は記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、デザインプラットフォーム事業において、「Goodpatch Anywhere」の受注が増加したことによるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、既存のデザインプロジェクトにおける高品質な役務提供の継続とともに、新規案件の受注にも積極的に取り組むなど、デザインパートナー事業の拡大に努めてまいりました。またデザインプラットフォーム事業は、主に「Goodpatch Anywhere」及び「ReDesigner」の売上獲得に努めてまいりました。
当連結会計年度の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は2,143,511千円(前連結会計年度比27.3%増)となり、前連結会計年度に比べて460,242千円増加いたしました。これは、デザインパートナー事業において、月平均プロジェクト数が22.0件に減少(前連結会計年度比2.6%減 上半期:24.8件、下半期:19.2件)したものの月平均プロジェクト単価が5,551千円に増加(前連結会計年度比28.9%増 上半期:5,094千円、下半期:6,008千円)したこと、デザインプラットフォーム事業においては、主に「Goodpatch Anywhere」の成長が寄与したことによるものであります。
セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は788,736千円(前連結会計年度比27.2%増)となり、前連結会計年度に比べ168,807千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業及びデザインプラットフォーム事業における社員数増加に伴う人件費の増加によるものであります。
以上の結果、売上総利益は1,354,775千円(前連結会計年度比27.4%増)となり、前連結会計年度に比べて291,434千円増加いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,138,171千円(前連結会計年度比15.2%増)となり、前連結会計年度に比べ150,236千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業及びデザインプラットフォーム事業における社員数増加に伴う人件費の増加によるものであります。
以上の結果、営業利益は216,604千円(前連結会計年度比187.3%増)となりました。
(営業外収益・営業外費用、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は13,217千円(前連結会計年度比22.6%減)となり、前連結会計年度に比べ3,853千円減少いたしました。これは主に、在外子会社Goodpatch GmbHにおける補助金収入の減少によるものであります。また、営業外費用は17,871千円(前連結会計年度比103.1%増)となり、前連結会計年度に比べ9,072千円増加いたしました。これは主に、東京証券取引所マザーズへの上場に伴う、第三者割当増資等の費用及びその他の上場関連費用の増加によるものであります。
以上の結果、経常利益は211,950千円(前連結会計年度比153.3%増)となりました。
(特別利益・特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益の発生はありません。当連結会計年度における特別損失は10,230千円となり(前連結会計年度は発生なし)、前連結会計年度に比べ10,230千円増加いたしました。これは、在外子会社Goodpatch GmbHにおけるパリ支店の閉鎖に伴う損失であり、その内訳は主に人員整理費用であります。法人税等(法人税等調整額を含む)は△14,013千円(前年同期は26,288千円)となり、前連結会計年度より40,302千円減少となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は215,734千円(前連結会計年度比275.9%増)となりました。
なお、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析等は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 経営戦略の現状と見通し
当社グループをとりまく事業環境については、ユーザーエクスペリエンス(UX)を意識したデジタル化を軸に事業変革を図ろうとする企業ニーズが顕在化しつつあり、ビジネスモデルの変革や新しいビジネスの創出などの実現を目指す投資、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資が拡大しております。IT専門の調査会社IDCによる調査結果では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の拡大を背景として、全世界におけるデジタルエージェンシー(当社のような顧客企業のデジタル開発/進出を支援する事業を行う企業)の全市場の市場規模は2018年において1,132億USドル(2018年)と推測されています。そのうち、当社がデザインパートナー事業にて提供しているUI/UXデザイン支援に関連した区分は年平均成長率14.4%、市場規模では484億USドル(2018年)から950億USドル(2023年)に拡大すると予測されています。
日本企業を中心に、GAFAを始めとするグローバルIT企業やUI/UXデザインを初期から意識してきたベンチャー企業との競争に立ち向かうためには、新たな概念でデジタルへのシフトを加速させ、企業の体質そのものから変革をすすめる必要性が認識されています。そのために「デザイン」を取り入れ、優れたデザインを実現するためのプロジェクトが立ち上がり、関連する投資についても加速させています。
そのような状況の中、当社グループは、ユーザーにフォーカスしたデザインプロセスをもとに、新規サービスの円滑な実装に貢献していきます。デジタルトランスフォーメーション(DX)の流れにあわせて、ユーザー体験を意識した新しい考え方を提供し、収益基盤の拡大に取り組んでおります。
デザインパートナー事業については、引き続き、デジタルトランスフォーメーション(DX)にあわせて、スマートフォンのアプリ等の新しいユーザーシーンを捉えて新しいユーザー体験をデザインするUI/UXソリューションの提供により収益の拡大及び安定化を図ってまいります。また、デザインプラットフォーム事業については、デザインパートナー事業で培ったナレッジの蓄積をもとにしたプロダクトの提供や、自社で構築したデザイン人材プールを活用したサービスを提供することで、収益の拡大を目指します。なお、上記した各事業は、サービス単独での収益拡大のみならず、人材やノウハウの相互共有によるシナジー等の効果を取り込むことによりグループ全体としての収益拡大を目指します。
④ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営者は、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、事業運営に努めてまいります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの資金需要は、事業規模の拡大に係る人件費や採用費が中心となります。財政状態等を勘案しながら、必要に応じて、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等による資金調達を考えております。継続的に流動資産と流動負債のバランスを注視し財政状態の健全性を評価しており、本書提出日現在、健全な財務体制であると判断しております。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による経済対策や日本銀行の金融緩和政策を背景に、緩やかに回復していたものの、消費税増税に伴う個人消費の落ち込みなどにより、景気後退感が強まりました。さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大の影響により、あらゆる経済活動が抑制され、景気が急速に減速いたしました。現在も収束の見通しがたたないことから、依然として先行きは不透明な状況が続いております。日本企業は、グローバル化、戦略実現のスピードアップ、イノベーション創発、企業間連携の促進、生産性の向上、また、それらを実現するためのテクノロジーの活用といったテーマに直面し、激しく変化する市場環境における経営のあり方そのものの見直しを迫られております。
特に大手企業を中心に「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に強い関心が寄せられており、既存のビジネスモデルや業界構造を大きく変化させる新たなデジタル化の流れに注目が集まっております。企業は顧客により高い付加価値を提供するため、クラウド等のプラットフォーム、スマートフォンやIoT等の新たなデバイス、AIやブロックチェーン等の新たなテクノロジーを組み合わせたサービスの開発が進められております。
IT専門の調査会社IDCによる調査結果では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の拡大を背景として、全世界におけるデジタルエージェンシー(当社のような顧客企業のデジタル開発/進出を支援する事業を行う企業)の全市場の市場規模は2018年において1,132億USドル(2018年)と推測されています。そのうち、当社がデザインパートナー事業にて提供しているUI/UXデザイン支援に関連した区分は年平均成長率14.4%、市場規模では484億USドル(2018年)から950億USドル(2023年)に拡大すると予測されています。
このような事業環境の中で、当社グループは、顧客のユーザーの根本的なユーザーエクスペリエンス(UX)の価値の創造を支援し、最適なデザインを設計するサービスであるデザインパートナー事業、そして、自社サービスである「Goodpatch Anywhere」、「ReDesigner」及び「Prott」などのサービスで構成されるデザインプラットフォーム事業を主要事業と位置づけ、相互にシナジーを創出することに注力しながら推進してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,143,511千円(前連結会計年度比27.3%増)、営業利益は216,604千円(前連結会計年度比187.3%増)、経常利益は211,950千円(前連結会計年度比153.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は215,734千円(前連結会計年度比275.9%増)となりました。
当社グループのセグメント別の業績は次のとおりであります。
a. デザインパートナー事業
デジタルトランスフォーメーション(DX)にあわせて、スマートフォンのアプリ等の新しいユーザーシーンを捉えて新しいユーザー体験をデザインするUI/UXソリューションを提供しております。スマートフォンの普及に伴い、デジタル領域におけるビジネスが拡大し続けており、各社はこれまで培った競争優位を維持するためにもデザインへの投資を拡大している中で、当社として事業領域の拡大を図っております。この結果、デザインパートナー事業の売上高は1,575,854千円(前連結会計年度比19.0%増)、営業利益は189,973千円(前連結会計年度比42.2%増)となりました。
b. デザインプラットフォーム事業
デザインパートナー事業によって行われるUI/UXデザイン支援を様々な側面からバックアップするデザインプラットフォーム事業は、デザインパートナー事業とのシナジーを追求しながら拡大を続けております。
遠隔地からインターネットを通じてプロジェクトに参加する形態をとったフルリモートのデザインチームによるWebサイトやアプリケーションのデザイン支援を展開する「Goodpatch Anywhere」においては、全国各地からその登録者数が増加しております。デザイン人材の採用支援サービスの「ReDesigner」は、これまでデザインパートナー事業にて培ったブランド力を活かし、採用支援実績を積み上げております。また、リリースして5年目を迎えた「Prott」は、安定した顧客基盤を維持することができております。「Goodpatch Anywhere」及び「ReDesinger」は順調に売上を伸ばし事業成長に大きく貢献している一方で、主に「ReDesigner」における立ち上げ期の人件費等への投資が先行しております。
この結果、デザインプラットフォーム事業の売上高は568,406千円(前連結会計年度比58.1%増)、営業利益は26,630千円(前年同期は営業損失58,198千円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ496,964千円増加し、1,218,622千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加431,004千円であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ192,673千円増加し、292,658千円となりました。主な要因は、在外連結子会社におけるIFRS第16号「リース」の適用に伴う使用権資産の増加82,404千円、投資有価証券の増加52,400千円及び繰延税金資産の増加56,508千円であります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ689,638千円増加し、1,511,281千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ61,321千円増加し、381,704千円となりました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加40,560千円、在外連結子会社におけるIFRS第16号「リース」の適用に伴うリース債務の増加20,129千円、未払消費税等の増加46,721千円及び未払金の減少49,569千円であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ153,219千円増加し、191,082千円となりました。主な要因は、長期借入金の増加87,121千円及び在外連結子会社におけるIFRS第16号「リース」の適用に伴うリース債務の増加65,610千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ214,540千円増加し、572,787千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ475,097千円増加し、938,493千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加215,734千円及び当社普通株式の東京証券取引所マザーズへの上場に伴う公募による新株発行、オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ129,435千円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ431,004千円増加し、939,913千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは145,898千円の収入(前連結会計年度は126,880千円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上201,720千円や減価償却費48,049千円等の増加要因があった一方で、売上債権の増加54,497千円や未払金の減少51,263千円等の減少要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは77,618千円の支出(前連結会計年度は20,812千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出23,532千円や投資有価証券の取得による支出52,400千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは359,426千円の収入(前連結会計年度は64,388千円の支出)となりました。これは、株式の発行による収入254,779千円や長期借入れによる収入210,864千円があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
当社では受注販売を行っておりますが、受注から売上高計上までの期間が短期であるため、「受注実績」は記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前連結会計年度比(%) |
| デザインパートナー事業 | 1,575,104 | 119.0 |
| デザインプラットフォーム事業 | 568,406 | 158.1 |
| 合計 | 2,143,511 | 127.3 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、デザインプラットフォーム事業において、「Goodpatch Anywhere」の受注が増加したことによるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、既存のデザインプロジェクトにおける高品質な役務提供の継続とともに、新規案件の受注にも積極的に取り組むなど、デザインパートナー事業の拡大に努めてまいりました。またデザインプラットフォーム事業は、主に「Goodpatch Anywhere」及び「ReDesigner」の売上獲得に努めてまいりました。
当連結会計年度の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は2,143,511千円(前連結会計年度比27.3%増)となり、前連結会計年度に比べて460,242千円増加いたしました。これは、デザインパートナー事業において、月平均プロジェクト数が22.0件に減少(前連結会計年度比2.6%減 上半期:24.8件、下半期:19.2件)したものの月平均プロジェクト単価が5,551千円に増加(前連結会計年度比28.9%増 上半期:5,094千円、下半期:6,008千円)したこと、デザインプラットフォーム事業においては、主に「Goodpatch Anywhere」の成長が寄与したことによるものであります。
セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は788,736千円(前連結会計年度比27.2%増)となり、前連結会計年度に比べ168,807千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業及びデザインプラットフォーム事業における社員数増加に伴う人件費の増加によるものであります。
以上の結果、売上総利益は1,354,775千円(前連結会計年度比27.4%増)となり、前連結会計年度に比べて291,434千円増加いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,138,171千円(前連結会計年度比15.2%増)となり、前連結会計年度に比べ150,236千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業及びデザインプラットフォーム事業における社員数増加に伴う人件費の増加によるものであります。
以上の結果、営業利益は216,604千円(前連結会計年度比187.3%増)となりました。
(営業外収益・営業外費用、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は13,217千円(前連結会計年度比22.6%減)となり、前連結会計年度に比べ3,853千円減少いたしました。これは主に、在外子会社Goodpatch GmbHにおける補助金収入の減少によるものであります。また、営業外費用は17,871千円(前連結会計年度比103.1%増)となり、前連結会計年度に比べ9,072千円増加いたしました。これは主に、東京証券取引所マザーズへの上場に伴う、第三者割当増資等の費用及びその他の上場関連費用の増加によるものであります。
以上の結果、経常利益は211,950千円(前連結会計年度比153.3%増)となりました。
(特別利益・特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益の発生はありません。当連結会計年度における特別損失は10,230千円となり(前連結会計年度は発生なし)、前連結会計年度に比べ10,230千円増加いたしました。これは、在外子会社Goodpatch GmbHにおけるパリ支店の閉鎖に伴う損失であり、その内訳は主に人員整理費用であります。法人税等(法人税等調整額を含む)は△14,013千円(前年同期は26,288千円)となり、前連結会計年度より40,302千円減少となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は215,734千円(前連結会計年度比275.9%増)となりました。
なお、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析等は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 経営戦略の現状と見通し
当社グループをとりまく事業環境については、ユーザーエクスペリエンス(UX)を意識したデジタル化を軸に事業変革を図ろうとする企業ニーズが顕在化しつつあり、ビジネスモデルの変革や新しいビジネスの創出などの実現を目指す投資、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資が拡大しております。IT専門の調査会社IDCによる調査結果では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の拡大を背景として、全世界におけるデジタルエージェンシー(当社のような顧客企業のデジタル開発/進出を支援する事業を行う企業)の全市場の市場規模は2018年において1,132億USドル(2018年)と推測されています。そのうち、当社がデザインパートナー事業にて提供しているUI/UXデザイン支援に関連した区分は年平均成長率14.4%、市場規模では484億USドル(2018年)から950億USドル(2023年)に拡大すると予測されています。
日本企業を中心に、GAFAを始めとするグローバルIT企業やUI/UXデザインを初期から意識してきたベンチャー企業との競争に立ち向かうためには、新たな概念でデジタルへのシフトを加速させ、企業の体質そのものから変革をすすめる必要性が認識されています。そのために「デザイン」を取り入れ、優れたデザインを実現するためのプロジェクトが立ち上がり、関連する投資についても加速させています。
そのような状況の中、当社グループは、ユーザーにフォーカスしたデザインプロセスをもとに、新規サービスの円滑な実装に貢献していきます。デジタルトランスフォーメーション(DX)の流れにあわせて、ユーザー体験を意識した新しい考え方を提供し、収益基盤の拡大に取り組んでおります。
デザインパートナー事業については、引き続き、デジタルトランスフォーメーション(DX)にあわせて、スマートフォンのアプリ等の新しいユーザーシーンを捉えて新しいユーザー体験をデザインするUI/UXソリューションの提供により収益の拡大及び安定化を図ってまいります。また、デザインプラットフォーム事業については、デザインパートナー事業で培ったナレッジの蓄積をもとにしたプロダクトの提供や、自社で構築したデザイン人材プールを活用したサービスを提供することで、収益の拡大を目指します。なお、上記した各事業は、サービス単独での収益拡大のみならず、人材やノウハウの相互共有によるシナジー等の効果を取り込むことによりグループ全体としての収益拡大を目指します。
④ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営者は、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、事業運営に努めてまいります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの資金需要は、事業規模の拡大に係る人件費や採用費が中心となります。財政状態等を勘案しながら、必要に応じて、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等による資金調達を考えております。継続的に流動資産と流動負債のバランスを注視し財政状態の健全性を評価しており、本書提出日現在、健全な財務体制であると判断しております。