有価証券報告書-第12期(2022/09/01-2023/08/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ及びロシアの情勢による国際情勢の緊迫化や、世界的なインフレの進行リスクに伴う政策金利の引き上げ等、先行き不透明な状況が続いております。日本経済においては、インバウンド需要の増加や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する影響の緩和により社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復の兆しがみられておりますが、円安による輸入価格の高騰が国内物価を上昇させる懸念等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。加えて、日本企業は、グローバル化、戦略実現のスピードアップ、イノベーション創発、企業間連携の促進、生産性の向上、また、それらを実現するためのテクノロジーの活用といったテーマに直面し、激しく変化する市場環境における経営のあり方そのものの見直しを迫られております。
特に大手企業を中心に、デジタルの力で新規事業やビジネスモデルの変革を行うことを余儀なくされており、デジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)に強い関心が寄せられ、既存のビジネスモデルや業界構造を大きく変化させる新たなデジタル化の流れに注目が集まっております。企業はユーザーにより高い付加価値を提供するため、クラウド等のプラットフォーム、スマートフォンやIoT等の新たなデバイス、AIやブロックチェーン等の新たなテクノロジーを組み合わせたプロダクトやサービスの開発に取り組んでおります。そして、これらデジタル技術を活用した取り組みは、従来のビジネスモデルや業界構造を大きく変化させる可能性があります。
このような事業環境の中で、当社グループは「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンのもと、「デザインの力を証明する」というミッションを掲げて、「デザイン」を通じて人々の生活がより便利になり、より暮らしやすくなることを目指し事業活動を推進してきました。主要事業であるデザインパートナー事業においては、当社の強みである戦略デザインやUI/UXデザイン(注2)と、連結子会社である株式会社スタジオディテイルズの強みである質の高いクリエイティブとブランディングを融合し、顧客企業のさらなる期待に応えられるよう、デザイン支援の提供を行ってまいりました。また、自社サービスである「ReDesigner」、「Strap」、「Prott」などのプロダクトで構成されるデザインプラットフォーム事業においては、デザインパートナー事業で培ったノウハウやブランドを有効活用することに注力しながら推進してまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は3,928,524千円(前連結会計年度比5.5%増)、営業利益は298,630千円(前連結会計年度比24.2%減)、経常利益は299,017千円(24.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は216,039千円(前連結会計年度比197.8%増)となりました。
報告セグメント別の業績の状況は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
a. デザインパートナー事業
デザインパートナー事業は、顧客企業と当社のデザイナーが一体となりプロジェクト形式で包括的なデザインサービスを提供しております。最初に、新たな価値を創出したい顧客企業とともにプロジェクトチームを立ち上げ、プロジェクトで解決する課題を抽出します。プロジェクトが開始されると、本質的な価値の発見が行われ、顧客企業の独自の強みや特徴が明らかにされます。このフェーズでは、プロジェクトチームが顧客企業と緊密に連携し、価値の洗練と特定が行われます。次に、ユーザー中心のデザインが進行します。顧客企業のユーザーの価値観に合致するデザインが開発されます。このフェーズでは、プロジェクトチームはデザインの詳細な要件を抽出し、ユーザーフィードバックを絶えず取り入れて調整を行います。こうして生み出されたデザインは顧客企業の戦略とブランディングに統合され、企業のビジョンと目標に一貫性をもたらします。なお、アプリケーションのUI/UXデザイン開発においては、当社のエンジニアリングチームもプロジェクトに参画し、実際のデジタルプロダクトの構築を行うことがあります。これら一連のプロセスを通じて、顧客企業は既存のビジネスプロセスをデジタル化し、イノベーションを促進でき、効率性の向上や新しい価値の提供が可能となります。
近年DXが注目を集め、企業がデジタル領域において変革を求められる状況の中で、デザインの持つ役割の重要性は益々高まっております。そのような状況の中、デザインパートナー事業では、数多くのデジタルデザイン支援の知見を集約し、経験豊富なデザイナーを集め、育成することで、より多くの企業に対して、高品質なデザイン支援を行うことが可能になります。そのため、デザインパートナー事業はデザイナーの採用活動を積極的に行い、提供リソースであるデザイナー人員を拡大するとともに、より幅広い業種業態の顧客企業に対してデザイン支援を実施してまいりました。加えて、日本国内の正社員デザイン部門及び「Goodpatch Anywhere」における営業リードの共有に加え、プロジェクト獲得やデザイナーリソースの連携を行ってまいりました。なお、当連結会計年度より、従来、デザインプラットフォーム事業に含めていた「Goodpatch Anywhere」をデザインパートナー事業に変更しております。
当連結会計年度においては、株式会社スタジオディテイルズ及びGoodpatch Anywhereを含むプロジェクト提供を行った顧客社数(注3)は52.7社(前年同期は45.4社、前年同期比16.0%増、上半期:46.8社、下半期:58.5社)、月額平均顧客単価(注4)は5,474千円(前年同期は6,011千円、前年同期比8.9%減、上半期:5,681千円、下半期:5,267千円)となりました。また、社内デザイン組織のデザイナー数は、当連結会計年度末において136名(前年同期比13.9%減)「Goodpatch Anywhere」の所属デザイナー数は528名(前年同期比23.7%、うち稼働デザイナー数は95名、前年同期比97.9%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるデザインパートナー事業の外部顧客への売上高は3,605,659千円(前連結会計年度比4.7%増)、営業利益は395,281千円(前連結会計年度比26.8%減)となりました。
(デザインパートナー事業のKPI推移)
※2022年8月期第3四半期連結会計期間より、顧客社数及び月額平均顧客単価は、連結子会社の株式会社スタジオディテイルズの数値を含めております。
※()内は、Goodpatch Anywhereを除いた数値を記載しております。
b. デザインプラットフォーム事業
デザインプラットフォーム事業は、デザインパートナー事業によって行われるUI/UXデザイン支援を様々な側面からサポートするサービスを提供しております。具体的には、自社で構築したデザイン人材プールを活用したデザイナー採用支援サービス「ReDesigner」、SaaS型のオンラインホワイトボードツール「Strap」及びデザインパートナー事業で培ったナレッジの蓄積をもとにしたプロトタイピングツール(注5)「Prott」で構成され、それぞれのシナジーを創出し、デザインに関連したビジネスの拡大を行うものとなります。
当連結会計年度においては、「ReDesigner」は、内定者数が増加し、採用支援実績を積み上げております。「Strap」並びに「Prott」においては、「Prott」のリソースを有効に活用し、「Strap」の機能開発を推進しております。
以上の結果、当連結会計年度におけるデザインプラットフォーム事業の外部顧客への売上高は322,864千円(前連結会計年度比14.6%増)、営業損失は96,284千円(前連結会計年度は146,038千円の営業損失)となりました。
(注)1.デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、Digital Transformationの略語で、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること、を意味します。
2.UI(User Interface/ユーザーインターフェース)とは、「ユーザーがPCやスマートフォン等のデバイスとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組み」を意味します。また、UX(User Experience/ユーザーエクスペリエンス)は「サービスなどによって得られるユーザー体験」のことを指します。
3.顧客社数とは、デザインパートナー事業において、当社グループとデザインプロジェクトを進めるために契約した顧客企業の社数を指しており、1か月にデザイン支援を提供した顧客社数の当該期間の平均値を示しています。
4.月額平均顧客単価とは、四半期ごとの売上高を顧客社数で除した数値の平均値を示しています。
5.プロトタイピングとは、最終成果物の試作品を早い段階から作り、改善を繰り返す手法のことを意味します。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ487,768千円増加し、3,799,840千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加363,325千円、売掛金及び契約資産の増加106,709千円があったこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ13,839千円増加し、871,709千円となりました。主な要因は、のれん償却に伴うのれんの減少63,467千円、減価償却による工具、器具及び備品の減少8,329千円、顧客関連資産の減少8,222千円等があった一方で、デザインパートナー投資の実行等による投資有価証券の増加91,119千円があったこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ501,607千円増加し、4,671,549千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ100,771千円減少し、608,499千円となりました。主な要因は、未払消費税等の減少44,942千円、未払法人税等の減少34,958千円及び未払金の減少15,110千円があった一方で、買掛金の増加24,036千円があったこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ131,896千円減少し、119,423千円となりました。主な要因は、借入金の返済による長期借入金の減少106,488千円及び連結子会社Goodpatch GmbHにおけるリース債務の減少22,686千円であります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ232,668千円減少し、727,923千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ734,276千円増加し、3,943,626千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加216,039千円、第三者割当による新株式の発行等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ256,480千円増加したこと等であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ363,325千円増加し、3,273,786千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは78,666千円の収入(前連結会計年度は410,646千円の収入)となりました。これは、法人税等の支払額176,361千円、売上高増加に伴う売上債権及び契約資産の増加107,608千円、連結子会社Goodpatch GmbHの清算手続きに伴う事業整理益の計上46,481千円等の減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上345,498千円、のれん償却額63,467千円、業務用PC及び事務所内装費用等にかかる減価償却費22,913千円等の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは97,200千円の支出(前連結会計年度は673,685千円の支出)となりました。これは、連結子会社Goodpatch GmbHの清算手続きに伴う敷金及び保証金の回収による収入2,546千円等の増加要因があったものの、投資有価証券の取得による支出84,000千円等の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは373,913千円の収入(前連結会計年度は389,549千円の収入)となりました。これは、長期借入金の返済による支出125,816千円や連結子会社Goodpatch GmbHにおけるリース債務の返済による支出4,989千円の減少要因があった一方で、第三者割当による新株式の発行による収入491,879千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入12,839千円の増加要因があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
当社では受注販売を行っておりますが、受注から売上高計上までの期間が短期であるため、また、当社グループのうち一部の連結子会社においても受注販売を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、「受注実績」は記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の報告額並びに開示に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。経営者は、これらの見積り及び仮定について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、既存のデザインプロジェクトにおける高品質な役務提供の継続とともに、新規案件の受注にも積極的に取り組むなど、デザインパートナー事業の拡大に努めてまいりました。また、デザインプラットフォーム事業は、「ReDesigner」及び「Strap」の売上獲得に努めてまいりました。
当連結会計年度の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は3,928,524千円(前連結会計年度比5.5%増)となり、前連結会計年度に比べて204,011千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業において、マーケティング及びセールスの体制強化により、新規デザインプロジェクト獲得が伸長し、また、既存のデザインプロジェクトの継続を強化したこと、デザインプラットフォーム事業において、「ReDesigner」の、契約企業数や内定者数が増加し、採用支援実績を積み上げたことによるものであります。
セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は1,656,414千円(前連結会計年度比14.4%増)となり、前連結会計年度に比べ207,996千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業において、株式会社スタジオディテイルズの売上高の増加に伴い人件費、業務委託費が増加したこと、並びに「Goodpatch Anywhere」における業務委託契約者が増加したことによるものであります。
以上の結果、売上総利益は2,272,109千円(前連結会計年度比0.2%減)となり、前連結会計年度に比べて3,985千円減少いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,973,479千円(前連結会計年度比4.9%増)となり、前連結会計年度に比べ91,538千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業において、マーケティング及びセールスの体制を強化したことに伴い人件費及び広告宣伝費が増加したこと、当社における採用活動の積極的な実施により採用費が増加したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は298,630千円(前連結会計年度比24.2%減)となりました。
(営業外収益・営業外費用、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は11,954千円(前連結会計年度比2.1%減)となり、前連結会計年度に比べ256千円減少いたしました。また、営業外費用は11,568千円(前連結会計年度比5.7%増)となり、前連結会計年度に比べ627千円増加いたしました。
以上の結果、経常利益は299,017千円(前連結会計年度比24.4%減)となりました。
(特別利益・特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は46,481千円となりました。これは、連結子会社Goodpatch GmbHの清算手続きに伴う利益であり、主に、オフィスビル等に係るリース契約の中途解約によるものであります。
特別損失の発生はありません。また、法人税等(法人税等調整額を含む)は129,459千円(前連結会計年度は76,639千円)となり、前連結会計年度に比べ、52,819千円増加いたしました。これは、法人税等調整額が増加したことによるものであります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は216,039千円(前連結会計年度比197.8%増)となりました。
③ 経営戦略の現状と見通し
当社グループをとりまく事業環境については、ユーザーエクスペリエンス(UX)を意識したデジタル化を軸に事業変革を図ろうとする企業ニーズが顕在化しつつあり、ビジネスモデルの変革や新しいビジネスの創出などの実現を目指す投資、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資が拡大しております。
日本の市場調査会社の株式会社富士キメラ総研による調査結果では、デジタルトランスフォーメーション(DX)は企業価値向上を実現する重要な経営課題の一つと位置付けられるとともに、全社戦略として各部門や現場に合わせた具体的なDX施策に向けた投資が本格化し、2030年度のDXの国内市場規模は年平均成長率10.2%、市場規模では2兆7,277億円(2022年)から6兆5,195億円(2025年)に拡大すると予測されております。
日本企業を中心に、GAFAを始めとするグローバルIT企業やUI/UXデザインを初期から意識してきたベンチャー企業との競争に立ち向かうためには、新たな概念でデジタルへのシフトを加速させ、企業の体質そのものから変革をすすめる必要性が認識されています。日本企業は、グローバル化、戦略実現のスピードアップ、イノベーション創発、企業間連携の促進、生産性の向上、また、それらを実現するためのテクノロジーの活用といったテーマに直面し、激しく変化する市場環境における経営のあり方そのものまでをデジタルの力で見直しを図っております。
そのような状況の中、当社グループでは、顧客企業の変革を促進するために、UI/UX領域を中心に強みを持つ当社の事業領域を拡大し、事業ポートフォリオの拡張や提供ソリューションの拡充を目指してまいります。加えて、企業の変革やイノベーションの支援に向けて、顧客企業とより深いパートナーシップを構築してまいります。
デザインパートナー事業においては、マーケティング活動への投資を拡大させ、アライアンスによる新規案件の創出、事例発信の強化、ナーチャリングの強化等を通してプロジェクト提案機会の増加に取り組んでまいります。また獲得した顧客との長期的な関係を築き、顧客企業との継続強化やLTV(顧客生涯価値)の拡大を目指してまいります。加えて、顧客とより長期的に関係性を継続するために、デザインパートナー事業とシナジーがある企業との業務提携やM&Aを通して、バリューチェーンの拡大を目指してまいります。
デザインプラットフォーム事業においては、コア事業であるデザインパートナー事業周辺の人材・ソフトウェア領域を深耕し、事業の拡大を図ってまいります。具体的には、人材紹介サービス「ReDesigner」において、全てのデザイナーのためのキャリア支援プラットフォームを目指しビジネス領域を広げ、デザイン人材のダイレクトリクルーティングのプラットフォームへと拡大させていきます。そして、オンラインホワイトボードツール「Strap」は中長期的な事業の柱として、着実にユーザーを積み上げ、機能充実を図ってまいります。
なお、上記した各事業は、サービス単独での収益拡大のみならず、人材やノウハウの相互共有によるシナジー等の効果を取り込むことによりグループ全体としての収益拡大を目指します。
④ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営者は、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、事業運営に努めてまいります。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資金需要は、事業拡大・機能拡充のための人材確保に係る採用及び人件費、将来の買収及び戦略的投資のための資金、新たな自社製開発の新規事業への投資資金が中心となります。
当連結会計年度においては、第三者割当増資により資金調達を行っております。
当該資金調達により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は3,273,786千円(前連結会計年度末は2,910,461千円)となりました。また、流動比率(流動資産 / 流動負債)は624.5%と十分な流動性を確保しております。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ及びロシアの情勢による国際情勢の緊迫化や、世界的なインフレの進行リスクに伴う政策金利の引き上げ等、先行き不透明な状況が続いております。日本経済においては、インバウンド需要の増加や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する影響の緩和により社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復の兆しがみられておりますが、円安による輸入価格の高騰が国内物価を上昇させる懸念等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。加えて、日本企業は、グローバル化、戦略実現のスピードアップ、イノベーション創発、企業間連携の促進、生産性の向上、また、それらを実現するためのテクノロジーの活用といったテーマに直面し、激しく変化する市場環境における経営のあり方そのものの見直しを迫られております。
特に大手企業を中心に、デジタルの力で新規事業やビジネスモデルの変革を行うことを余儀なくされており、デジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)に強い関心が寄せられ、既存のビジネスモデルや業界構造を大きく変化させる新たなデジタル化の流れに注目が集まっております。企業はユーザーにより高い付加価値を提供するため、クラウド等のプラットフォーム、スマートフォンやIoT等の新たなデバイス、AIやブロックチェーン等の新たなテクノロジーを組み合わせたプロダクトやサービスの開発に取り組んでおります。そして、これらデジタル技術を活用した取り組みは、従来のビジネスモデルや業界構造を大きく変化させる可能性があります。
このような事業環境の中で、当社グループは「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンのもと、「デザインの力を証明する」というミッションを掲げて、「デザイン」を通じて人々の生活がより便利になり、より暮らしやすくなることを目指し事業活動を推進してきました。主要事業であるデザインパートナー事業においては、当社の強みである戦略デザインやUI/UXデザイン(注2)と、連結子会社である株式会社スタジオディテイルズの強みである質の高いクリエイティブとブランディングを融合し、顧客企業のさらなる期待に応えられるよう、デザイン支援の提供を行ってまいりました。また、自社サービスである「ReDesigner」、「Strap」、「Prott」などのプロダクトで構成されるデザインプラットフォーム事業においては、デザインパートナー事業で培ったノウハウやブランドを有効活用することに注力しながら推進してまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は3,928,524千円(前連結会計年度比5.5%増)、営業利益は298,630千円(前連結会計年度比24.2%減)、経常利益は299,017千円(24.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は216,039千円(前連結会計年度比197.8%増)となりました。
報告セグメント別の業績の状況は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
a. デザインパートナー事業
デザインパートナー事業は、顧客企業と当社のデザイナーが一体となりプロジェクト形式で包括的なデザインサービスを提供しております。最初に、新たな価値を創出したい顧客企業とともにプロジェクトチームを立ち上げ、プロジェクトで解決する課題を抽出します。プロジェクトが開始されると、本質的な価値の発見が行われ、顧客企業の独自の強みや特徴が明らかにされます。このフェーズでは、プロジェクトチームが顧客企業と緊密に連携し、価値の洗練と特定が行われます。次に、ユーザー中心のデザインが進行します。顧客企業のユーザーの価値観に合致するデザインが開発されます。このフェーズでは、プロジェクトチームはデザインの詳細な要件を抽出し、ユーザーフィードバックを絶えず取り入れて調整を行います。こうして生み出されたデザインは顧客企業の戦略とブランディングに統合され、企業のビジョンと目標に一貫性をもたらします。なお、アプリケーションのUI/UXデザイン開発においては、当社のエンジニアリングチームもプロジェクトに参画し、実際のデジタルプロダクトの構築を行うことがあります。これら一連のプロセスを通じて、顧客企業は既存のビジネスプロセスをデジタル化し、イノベーションを促進でき、効率性の向上や新しい価値の提供が可能となります。
近年DXが注目を集め、企業がデジタル領域において変革を求められる状況の中で、デザインの持つ役割の重要性は益々高まっております。そのような状況の中、デザインパートナー事業では、数多くのデジタルデザイン支援の知見を集約し、経験豊富なデザイナーを集め、育成することで、より多くの企業に対して、高品質なデザイン支援を行うことが可能になります。そのため、デザインパートナー事業はデザイナーの採用活動を積極的に行い、提供リソースであるデザイナー人員を拡大するとともに、より幅広い業種業態の顧客企業に対してデザイン支援を実施してまいりました。加えて、日本国内の正社員デザイン部門及び「Goodpatch Anywhere」における営業リードの共有に加え、プロジェクト獲得やデザイナーリソースの連携を行ってまいりました。なお、当連結会計年度より、従来、デザインプラットフォーム事業に含めていた「Goodpatch Anywhere」をデザインパートナー事業に変更しております。
当連結会計年度においては、株式会社スタジオディテイルズ及びGoodpatch Anywhereを含むプロジェクト提供を行った顧客社数(注3)は52.7社(前年同期は45.4社、前年同期比16.0%増、上半期:46.8社、下半期:58.5社)、月額平均顧客単価(注4)は5,474千円(前年同期は6,011千円、前年同期比8.9%減、上半期:5,681千円、下半期:5,267千円)となりました。また、社内デザイン組織のデザイナー数は、当連結会計年度末において136名(前年同期比13.9%減)「Goodpatch Anywhere」の所属デザイナー数は528名(前年同期比23.7%、うち稼働デザイナー数は95名、前年同期比97.9%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるデザインパートナー事業の外部顧客への売上高は3,605,659千円(前連結会計年度比4.7%増)、営業利益は395,281千円(前連結会計年度比26.8%減)となりました。
(デザインパートナー事業のKPI推移)
| 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | ||||||||
| 上半期 | 下半期 | 通期 | 上半期 | 下半期 | 通期 | 上半期 | 下半期 | 通期 | ||
| 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 前年同期比 | |
| 顧客社数 | 34.8 | 34.3 | 34.6 | 44.2 | 46.7 | 45.4 | 46.8 | 58.5 | 52.7 | 16.0% |
| (社) | (25.0) | (25.0) | (25.0) | (28.0) | (35.8) | (31.9) | (36.0) | (45.5) | (40.7) | (27.6%) |
| 月額平均顧客単価 | 5,576 | 5,987 | 5,781 | 6,230 | 5,791 | 6,011 | 5,681 | 5,267 | 5,474 | △8.9% |
| (千円) | (5,977) | (6,674) | (6,326) | (7,099) | (5,856) | (6,478) | (5,742) | (5,061) | (5,401) | (△16.6%) |
※2022年8月期第3四半期連結会計期間より、顧客社数及び月額平均顧客単価は、連結子会社の株式会社スタジオディテイルズの数値を含めております。
※()内は、Goodpatch Anywhereを除いた数値を記載しております。
b. デザインプラットフォーム事業
デザインプラットフォーム事業は、デザインパートナー事業によって行われるUI/UXデザイン支援を様々な側面からサポートするサービスを提供しております。具体的には、自社で構築したデザイン人材プールを活用したデザイナー採用支援サービス「ReDesigner」、SaaS型のオンラインホワイトボードツール「Strap」及びデザインパートナー事業で培ったナレッジの蓄積をもとにしたプロトタイピングツール(注5)「Prott」で構成され、それぞれのシナジーを創出し、デザインに関連したビジネスの拡大を行うものとなります。
当連結会計年度においては、「ReDesigner」は、内定者数が増加し、採用支援実績を積み上げております。「Strap」並びに「Prott」においては、「Prott」のリソースを有効に活用し、「Strap」の機能開発を推進しております。
以上の結果、当連結会計年度におけるデザインプラットフォーム事業の外部顧客への売上高は322,864千円(前連結会計年度比14.6%増)、営業損失は96,284千円(前連結会計年度は146,038千円の営業損失)となりました。
(注)1.デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、Digital Transformationの略語で、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること、を意味します。
2.UI(User Interface/ユーザーインターフェース)とは、「ユーザーがPCやスマートフォン等のデバイスとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組み」を意味します。また、UX(User Experience/ユーザーエクスペリエンス)は「サービスなどによって得られるユーザー体験」のことを指します。
3.顧客社数とは、デザインパートナー事業において、当社グループとデザインプロジェクトを進めるために契約した顧客企業の社数を指しており、1か月にデザイン支援を提供した顧客社数の当該期間の平均値を示しています。
4.月額平均顧客単価とは、四半期ごとの売上高を顧客社数で除した数値の平均値を示しています。
5.プロトタイピングとは、最終成果物の試作品を早い段階から作り、改善を繰り返す手法のことを意味します。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ487,768千円増加し、3,799,840千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加363,325千円、売掛金及び契約資産の増加106,709千円があったこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ13,839千円増加し、871,709千円となりました。主な要因は、のれん償却に伴うのれんの減少63,467千円、減価償却による工具、器具及び備品の減少8,329千円、顧客関連資産の減少8,222千円等があった一方で、デザインパートナー投資の実行等による投資有価証券の増加91,119千円があったこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ501,607千円増加し、4,671,549千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ100,771千円減少し、608,499千円となりました。主な要因は、未払消費税等の減少44,942千円、未払法人税等の減少34,958千円及び未払金の減少15,110千円があった一方で、買掛金の増加24,036千円があったこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ131,896千円減少し、119,423千円となりました。主な要因は、借入金の返済による長期借入金の減少106,488千円及び連結子会社Goodpatch GmbHにおけるリース債務の減少22,686千円であります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ232,668千円減少し、727,923千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ734,276千円増加し、3,943,626千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加216,039千円、第三者割当による新株式の発行等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ256,480千円増加したこと等であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ363,325千円増加し、3,273,786千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは78,666千円の収入(前連結会計年度は410,646千円の収入)となりました。これは、法人税等の支払額176,361千円、売上高増加に伴う売上債権及び契約資産の増加107,608千円、連結子会社Goodpatch GmbHの清算手続きに伴う事業整理益の計上46,481千円等の減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上345,498千円、のれん償却額63,467千円、業務用PC及び事務所内装費用等にかかる減価償却費22,913千円等の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは97,200千円の支出(前連結会計年度は673,685千円の支出)となりました。これは、連結子会社Goodpatch GmbHの清算手続きに伴う敷金及び保証金の回収による収入2,546千円等の増加要因があったものの、投資有価証券の取得による支出84,000千円等の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは373,913千円の収入(前連結会計年度は389,549千円の収入)となりました。これは、長期借入金の返済による支出125,816千円や連結子会社Goodpatch GmbHにおけるリース債務の返済による支出4,989千円の減少要因があった一方で、第三者割当による新株式の発行による収入491,879千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入12,839千円の増加要因があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
当社では受注販売を行っておりますが、受注から売上高計上までの期間が短期であるため、また、当社グループのうち一部の連結子会社においても受注販売を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、「受注実績」は記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前連結会計年度比(%) |
| デザインパートナー事業 | 3,605,659 | 104.7 |
| デザインプラットフォーム事業 | 322,864 | 114.6 |
| 合計 | 3,928,524 | 105.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の報告額並びに開示に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。経営者は、これらの見積り及び仮定について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、既存のデザインプロジェクトにおける高品質な役務提供の継続とともに、新規案件の受注にも積極的に取り組むなど、デザインパートナー事業の拡大に努めてまいりました。また、デザインプラットフォーム事業は、「ReDesigner」及び「Strap」の売上獲得に努めてまいりました。
当連結会計年度の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は3,928,524千円(前連結会計年度比5.5%増)となり、前連結会計年度に比べて204,011千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業において、マーケティング及びセールスの体制強化により、新規デザインプロジェクト獲得が伸長し、また、既存のデザインプロジェクトの継続を強化したこと、デザインプラットフォーム事業において、「ReDesigner」の、契約企業数や内定者数が増加し、採用支援実績を積み上げたことによるものであります。
セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は1,656,414千円(前連結会計年度比14.4%増)となり、前連結会計年度に比べ207,996千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業において、株式会社スタジオディテイルズの売上高の増加に伴い人件費、業務委託費が増加したこと、並びに「Goodpatch Anywhere」における業務委託契約者が増加したことによるものであります。
以上の結果、売上総利益は2,272,109千円(前連結会計年度比0.2%減)となり、前連結会計年度に比べて3,985千円減少いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,973,479千円(前連結会計年度比4.9%増)となり、前連結会計年度に比べ91,538千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業において、マーケティング及びセールスの体制を強化したことに伴い人件費及び広告宣伝費が増加したこと、当社における採用活動の積極的な実施により採用費が増加したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は298,630千円(前連結会計年度比24.2%減)となりました。
(営業外収益・営業外費用、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は11,954千円(前連結会計年度比2.1%減)となり、前連結会計年度に比べ256千円減少いたしました。また、営業外費用は11,568千円(前連結会計年度比5.7%増)となり、前連結会計年度に比べ627千円増加いたしました。
以上の結果、経常利益は299,017千円(前連結会計年度比24.4%減)となりました。
(特別利益・特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は46,481千円となりました。これは、連結子会社Goodpatch GmbHの清算手続きに伴う利益であり、主に、オフィスビル等に係るリース契約の中途解約によるものであります。
特別損失の発生はありません。また、法人税等(法人税等調整額を含む)は129,459千円(前連結会計年度は76,639千円)となり、前連結会計年度に比べ、52,819千円増加いたしました。これは、法人税等調整額が増加したことによるものであります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は216,039千円(前連結会計年度比197.8%増)となりました。
③ 経営戦略の現状と見通し
当社グループをとりまく事業環境については、ユーザーエクスペリエンス(UX)を意識したデジタル化を軸に事業変革を図ろうとする企業ニーズが顕在化しつつあり、ビジネスモデルの変革や新しいビジネスの創出などの実現を目指す投資、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資が拡大しております。
日本の市場調査会社の株式会社富士キメラ総研による調査結果では、デジタルトランスフォーメーション(DX)は企業価値向上を実現する重要な経営課題の一つと位置付けられるとともに、全社戦略として各部門や現場に合わせた具体的なDX施策に向けた投資が本格化し、2030年度のDXの国内市場規模は年平均成長率10.2%、市場規模では2兆7,277億円(2022年)から6兆5,195億円(2025年)に拡大すると予測されております。
日本企業を中心に、GAFAを始めとするグローバルIT企業やUI/UXデザインを初期から意識してきたベンチャー企業との競争に立ち向かうためには、新たな概念でデジタルへのシフトを加速させ、企業の体質そのものから変革をすすめる必要性が認識されています。日本企業は、グローバル化、戦略実現のスピードアップ、イノベーション創発、企業間連携の促進、生産性の向上、また、それらを実現するためのテクノロジーの活用といったテーマに直面し、激しく変化する市場環境における経営のあり方そのものまでをデジタルの力で見直しを図っております。
そのような状況の中、当社グループでは、顧客企業の変革を促進するために、UI/UX領域を中心に強みを持つ当社の事業領域を拡大し、事業ポートフォリオの拡張や提供ソリューションの拡充を目指してまいります。加えて、企業の変革やイノベーションの支援に向けて、顧客企業とより深いパートナーシップを構築してまいります。
デザインパートナー事業においては、マーケティング活動への投資を拡大させ、アライアンスによる新規案件の創出、事例発信の強化、ナーチャリングの強化等を通してプロジェクト提案機会の増加に取り組んでまいります。また獲得した顧客との長期的な関係を築き、顧客企業との継続強化やLTV(顧客生涯価値)の拡大を目指してまいります。加えて、顧客とより長期的に関係性を継続するために、デザインパートナー事業とシナジーがある企業との業務提携やM&Aを通して、バリューチェーンの拡大を目指してまいります。
デザインプラットフォーム事業においては、コア事業であるデザインパートナー事業周辺の人材・ソフトウェア領域を深耕し、事業の拡大を図ってまいります。具体的には、人材紹介サービス「ReDesigner」において、全てのデザイナーのためのキャリア支援プラットフォームを目指しビジネス領域を広げ、デザイン人材のダイレクトリクルーティングのプラットフォームへと拡大させていきます。そして、オンラインホワイトボードツール「Strap」は中長期的な事業の柱として、着実にユーザーを積み上げ、機能充実を図ってまいります。
なお、上記した各事業は、サービス単独での収益拡大のみならず、人材やノウハウの相互共有によるシナジー等の効果を取り込むことによりグループ全体としての収益拡大を目指します。
④ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営者は、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、事業運営に努めてまいります。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資金需要は、事業拡大・機能拡充のための人材確保に係る採用及び人件費、将来の買収及び戦略的投資のための資金、新たな自社製開発の新規事業への投資資金が中心となります。
当連結会計年度においては、第三者割当増資により資金調達を行っております。
当該資金調達により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は3,273,786千円(前連結会計年度末は2,910,461千円)となりました。また、流動比率(流動資産 / 流動負債)は624.5%と十分な流動性を確保しております。