有価証券報告書-第14期(2024/09/01-2025/08/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により、緩やかに回復しております。一方で、アメリカの政策動向や金融資本市場の変動、物価上昇及び個人消費の低迷等の影響を受け、国内外における経済的な見通しは不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、各企業においては、持続的成長を実現するために、様々な対策を講じることや先行投資等に注力する傾向がみられております。特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)やAI(人工知能)の活用による事業革新や業務効率化、さらには新たな価値創出に向けた投資は加速しております。加えて、社会課題への対応やステークホルダーとの関係強化に、企業の存在意義や目指す方向性を明確化し、ミッションの再構築に取り組む企業が増加しています。これに伴い、課題解決力やビジネスデザイン、企画を支援する外部パートナーへの需要も一層高まっております。
このような環境の中、当社グループは「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンのもと、「デザインの力を証明する」というミッションを掲げて、「デザイン」を通じて人々の生活がより便利になり、より暮らしやすくなることを目指し事業活動を推進してまいりました。
主要事業であるデザインパートナー事業においては、当社の強みである戦略デザインやUI/UXデザイン(注2)と、連結子会社である株式会社スタジオディテイルズの強みである質の高いクリエイティブとブランディングを融合し、顧客企業のさらなる期待に応えられるよう、デザイン支援の提供を行ってまいりました。また、デザインプラットフォーム事業においては、デザイナー人材紹介サービス「ReDesigner」やオンラインホワイトボードツール「Strap」を中心に、デザインパートナー事業で培ったノウハウやブランドを有効活用しながら、事業を推進しております。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は5,085,553千円(前連結会計年度比29.0%増)、営業利益は557,483千円(前連結会計年度比1,514.7%増)、経常利益は613,021千円(前連結会計年度比1,212.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は407,051千円(前連結会計年度比3,429.5%増)となりました。
報告セグメント別の業績の状況は以下のとおりであります。
a. デザインパートナー事業
デザインパートナー事業は、顧客企業と当社のデザイナーが一体となりプロジェクト形式で包括的なデザインサービスを提供しております。最初に、サービスやブランド等の新たな価値を創出したい顧客企業とともにプロジェクトチームを立ち上げ、プロジェクトで解決する課題を抽出します。プロジェクトが開始されると、本質的な価値の発見が行われ、顧客企業の独自の強みや特徴が明らかにされます。このフェーズでは、プロジェクトチームが顧客企業と緊密に連携し、価値の源泉を特定し、その価値を洗練するための手段・プロセスの検討が行われます。次に、顧客企業の利用者(ユーザー)を特定し、ユーザーにとって利用しやすいものとなるよう、ユーザーの価値観に合致するデザインが開発されます。このフェーズでは、プロジェクトチームはデザインの詳細な要件を抽出し、ユーザーフィードバックを絶えず取り入れて調整を行います。こうして生み出されたデザインは顧客企業の戦略とブランディング活動に統合され、企業のビジョンと目標に紐づく事業活動に一貫性をもたらします。なお、アプリケーションのUI/UXデザイン開発においては、当社のエンジニアリングチームもプロジェクトに参画し、実際のデジタルプロダクトの構築を行うことがあります。これら一連のプロセスを通じて、顧客企業は既存のビジネスプロセスをデジタル化し、イノベーションを促進でき、効率性の向上や新しい価値の提供が可能となります。
近年DXが注目を集め、企業がデジタル領域において変革を求められる状況の中で、デザインの持つ役割の重要性は益々高まっております。そのような状況の中、デザインパートナー事業では、数多くのデジタルデザイン支援の知見を集約し、経験豊富なデザイナーを集め、育成することで、より多くの企業に対して、高品質なデザイン支援を行うことが可能になります。そのため、デザインパートナー事業はデザイナーの採用活動を積極的に行い、提供リソースであるデザイナー人員を拡大するとともに、より幅広い業種業態の顧客企業に対してデザイン支援を実施してまいりました。また、日本国内の正社員デザイン部門及び「Goodpatch Anywhere」における営業リードの共有に加え、プロジェクト獲得やデザイナーリソースの連携を行ってまいりました。
当連結会計年度においては、株式会社スタジオディテイルズ及びGoodpatch Anywhereを含むプロジェクト提供を行った顧客社数(注3)は62.0社(前年同期は51.9社、前年同期比19.4%増、上半期:60.8社、下半期:63.2社)、月額平均顧客単価(注4)は6,075千円(前年同期は5,497千円、前年同期比10.5%増、上半期:6,045千円、下半期:6,105千円)となりました。また、社内デザイン組織のデザイナー数は、当連結会計年度末において149名(前年同期比7.5%減)「Goodpatch Anywhere」の所属デザイナー数は635名(前年同期比7.6%増、うち稼働デザイナー数は50名、前年同期比22.0%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるデザインパートナー事業の外部顧客への売上高は4,696,146千円(前連結会計年度比30.6%増)、営業利益は611,551千円(前連結会計年度比376.4%増)となりました。
(デザインパートナー事業のKPI推移)
※Goodpatch Anywhereを含めた数値を記載しております。
b. デザインプラットフォーム事業
デザインプラットフォーム事業は、デザインパートナー事業によって行われるUI/UXデザイン支援を様々な側面からサポートするサービスを提供しております。具体的には、自社で構築したデザイン人材プールを活用したデザイナー採用支援サービス「ReDesigner」やSaaS型のオンラインホワイトボードツール「Strap」で構成され、それぞれのシナジーを創出し、デザインに関連したビジネスの拡大を行うものとなります。
当連結会計年度においては、「ReDesigner」は、ダイレクトリクルーティング機能が登録者数及び契約社数の増加に貢献しております。また、「Strap」においては、機能開発を進めるとともに、企業の研修ニーズを捉えた導入支援を経て、導入規模の拡大を図っております。
以上の結果、当連結会計年度におけるデザインプラットフォーム事業の外部顧客への売上高は389,406千円(前連結会計年度比12.1%増)、営業損失は54,067千円(前連結会計年度は93,845千円の営業損失)となりました。
(注)1.デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、Digital Transformationの略語で、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること、を意味します。
2.UI(User Interface/ユーザーインターフェース)とは、「ユーザーがPCやスマートフォン等のデバイスとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組み」を意味します。また、UX(User Experience/ユーザーエクスペリエンス)は「サービスなどによって得られるユーザー体験」のことを指します。
3.顧客社数とは、デザインパートナー事業において、当社グループとデザインプロジェクトを進めるために契約した顧客企業の社数を指しており、1か月にデザイン支援を提供した顧客社数の当該期間の平均値を示しています。
4.月額平均顧客単価とは、四半期ごとの売上高を顧客社数で除した数値の平均値を示しています。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ443,596千円減少し、3,395,698千円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少542,011千円、未収還付法人税等の減少48,766千円、前払費用の減少24,347千円があった一方で、売掛金及び契約資産の増加156,553千円があったこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,013,021千円増加し、1,849,729千円となりました。主な要因は、投資有価証券の増加1,108,142千円があった一方で、のれん償却に伴うのれんの減少63,467千円、繰延税金資産の減少22,454千円があったこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ569,424千円増加し、5,245,428千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ423,124千円増加し、956,456千円となりました。主な要因は、未払法人税等の増加204,499千円、賞与引当金の増加98,461千円、未払消費税等の増加78,249千円があった一方で、1年内返済予定の長期借入金の減少31,989千円があったこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ126,497千円減少し、143,793千円となりました。主な要因は、長期借入金の減少130,423千円があったこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ296,627千円増加し、1,100,250千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ272,796千円増加し、4,145,177千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加407,051千円があった一方で、自己株式の取得による減少150,068千円があったこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ542,011千円減少し、2,733,133千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは844,388千円の収入(前連結会計年度は57,122千円の支出)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上621,156千円、賞与引当金の増加98,461千円、のれん償却額65,391千円、未払金の増加56,857千円等の増加要因があった一方で、売上債権及び契約資産の増加156,553千円、法人税等の支払額17,008千円等の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは1,075,915千円の支出(前連結会計年度は58,487千円の支出)となりました。これは、投資有価証券の取得による支出1,077,134千円、有形固定資産の取得による支出2,324千円等の減少要因があった一方で、投資事業組合からの分配による収入4,608千円の増加要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは310,328千円の支出(前連結会計年度は116,901千円の収入)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入4,560千円等の増加要因があった一方で、長期借入金の返済による支出162,412千円及び自己株式の取得による支出151,385千円の減少要因があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
当社では受注販売を行っておりますが、受注から売上高計上までの期間が短期であるため、また、当社グループのうち一部の連結子会社においても受注販売を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、「受注実績」は記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の報告額並びに開示に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。経営者は、これらの見積り及び仮定について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、既存のデザインプロジェクトにおける高品質な役務提供の継続とともに、新規案件の受注にも積極的に取り組むなど、デザインパートナー事業の拡大に努めてまいりました。また、デザインプラットフォーム事業は、「ReDesigner」及び「Strap」の売上獲得に努めてまいりました。
当連結会計年度の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は5,085,553千円(前連結会計年度比29.0%増)となり、前連結会計年度に比べて1,142,585千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業における売上高が伸長したことによるものであります。
セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は2,143,028千円(前連結会計年度比21.8%増)となり、前連結会計年度に比べ383,182千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業において、業務委託費が増加したことによるものであります。
以上の結果、売上総利益は2,942,524千円(前連結会計年度比34.8%増)となり、前連結会計年度に比べて759,403千円増加いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,385,040千円(前連結会計年度比11.0%増)となり、前連結会計年度に比べ236,445千円増加いたしました。これは主に、業務委託費並びに賞与引当金繰入額が増加したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は557,483千円(前連結会計年度比1,514.7%増)となりました。
(営業外収益・営業外費用、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は63,558千円(前連結会計年度比239.6%増)となり、前連結会計年度に比べ44,840千円増加いたしました。また、営業外費用は8,021千円(前連結会計年度比22.6%増)となり、前連結会計年度に比べ1,476千円増加いたしました。
以上の結果、経常利益は613,021千円(前連結会計年度比1,212.7%増)となりました。
(特別利益・特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は8,135千円となりました。これは主に、新株予約権戻入益の計上によるものであります。
特別損失の発生はありません。また、法人税等(法人税等調整額を含む)は220,660千円(前連結会計年度は35,896千円)となり、前連結会計年度に比べ、184,763千円増加いたしました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加に伴い、法人税、住民税及び事業税が増加したことによるものであります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は407,051千円(前連結会計年度比3,429.5%増)となりました。
③ 経営戦略の現状と見通し
当社グループをとりまく事業環境については、ユーザーエクスペリエンス(UX)を意識したデジタル化を軸に事業変革を図ろうとする企業ニーズが顕在化しつつあり、ビジネスモデルの変革や新しいビジネスの創出等の実現を目指す投資、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資が拡大しております。また、生成AIをはじめとする人工知能(AI)技術の急速な進展を背景に、DXの一環としてAI関連分野への投資も拡大傾向にあります。
日本の市場調査会社の株式会社富士キメラ総研による調査結果では、デジタルトランスフォーメーション(DX)は企業価値向上を実現する重要な経営課題の一つと位置付けられるとともに、全社戦略として各部門や現場に合わせた具体的なDX施策に向けた投資が本格化し、2030年度のDXの国内市場規模は年平均成長率10.8%、市場規模では4兆5,309億円(2023年)から9兆2,666億円(2030年)に拡大すると予測されております。
このような状況の中、当社グループでは、企業はデジタルの力でビジネスの変革を行うことが必要と考え、顧客企業の変革を促進するために、UI/UX領域を中心に強みを持つ当社の事業領域を拡大し、AI領域を含めた事業ポートフォリオの拡張や提供ソリューションの拡充を目指してまいります。加えて、企業の変革やイノベーションの支援に向けて、顧客企業とより深いパートナーシップを構築してまいります。
当社グループの事業セグメントにおける状況は次のとおりであります。
デザインパートナー事業においては、プロジェクト受注獲得数の増加および長期的なプロジェクト継続、事業領域の拡大が課題となっております。
まずは、営業組織の強化とマーケティング活動への投資を通じて、商談数を増加させ、プロジェクト受注獲得数の増加に繋げることを目指します。加えて、デザイン部門に設置したプロデューサーチームを活用し、顧客との長期的な関係を築くことで、顧客企業とのプロジェクトの継続を図ります。
また、顧客のビジネスフェーズに合わせたデザイン組織の体制構築を行い、顧客の状況に応じた適切なソリューションを提供します。具体的には、立ち上げフェーズの事業に対してビジネス全体の成功・成長を見据え、新規事業特有の不確実性を低減し、成功確度が高い事業へと導く「Incubation」、成長フェーズにあるプロダクト・サービスの事業成長に伴う顧客課題を解決し、事業を成功に導く「Growth」、そして、成熟期にある事業やプロダクトに対して再成長のための課題を発見・解決し、成長フェーズへと移行させる「Transformation」の3つのフェーズに合わせて、顧客への価値提供を行います。
さらに、デジタルプロダクトのUI/UXデザインを強みとして顧客起点の体験設計やビジネスの課題解決を行ってきた当社の実績と知見を生かし、AI領域・HR領域・マーケティング領域・事業戦略領域をそれぞれ重要テーマと掲げて、事業領域のさらなる拡大を目指します。
デザインプラットフォーム事業においては、コア事業であるデザインパートナー事業周辺の人材・ソフトウェア領域を深耕し、事業の拡大を図ってまいります。具体的には、人材紹介サービス「ReDesigner」において、全てのデザイナーのためのキャリア支援プラットフォームを目指しビジネス領域を広げ、デザイン人材のダイレクトリクルーティングのプラットフォームへと拡大させていきます。そして、オンラインホワイトボードツール「Strap」は機能開発を進めるとともに、企業の研修ニーズを捉えた導入支援を経て、導入規模の拡大を図ってまいります。そのほか、AIデザインツール「Layermate」・採用AIエージェント「HRmony AI」等のAIプロダクト機能開発を進め、事業拡大を図ってまいります。
④ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営者は、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、事業運営に努めてまいります。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資金需要は、事業拡大・機能拡充のための人材確保に係る採用及び人件費、将来の買収及び戦略的投資のための資金、新たな自社製開発の新規事業への投資資金が中心となります。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,733,133千円(前連結会計年度末は3,275,145千円)となりました。また、流動比率(流動資産 / 流動負債)は355.0%と十分な流動性を確保しております。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により、緩やかに回復しております。一方で、アメリカの政策動向や金融資本市場の変動、物価上昇及び個人消費の低迷等の影響を受け、国内外における経済的な見通しは不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、各企業においては、持続的成長を実現するために、様々な対策を講じることや先行投資等に注力する傾向がみられております。特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)やAI(人工知能)の活用による事業革新や業務効率化、さらには新たな価値創出に向けた投資は加速しております。加えて、社会課題への対応やステークホルダーとの関係強化に、企業の存在意義や目指す方向性を明確化し、ミッションの再構築に取り組む企業が増加しています。これに伴い、課題解決力やビジネスデザイン、企画を支援する外部パートナーへの需要も一層高まっております。
このような環境の中、当社グループは「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンのもと、「デザインの力を証明する」というミッションを掲げて、「デザイン」を通じて人々の生活がより便利になり、より暮らしやすくなることを目指し事業活動を推進してまいりました。
主要事業であるデザインパートナー事業においては、当社の強みである戦略デザインやUI/UXデザイン(注2)と、連結子会社である株式会社スタジオディテイルズの強みである質の高いクリエイティブとブランディングを融合し、顧客企業のさらなる期待に応えられるよう、デザイン支援の提供を行ってまいりました。また、デザインプラットフォーム事業においては、デザイナー人材紹介サービス「ReDesigner」やオンラインホワイトボードツール「Strap」を中心に、デザインパートナー事業で培ったノウハウやブランドを有効活用しながら、事業を推進しております。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は5,085,553千円(前連結会計年度比29.0%増)、営業利益は557,483千円(前連結会計年度比1,514.7%増)、経常利益は613,021千円(前連結会計年度比1,212.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は407,051千円(前連結会計年度比3,429.5%増)となりました。
報告セグメント別の業績の状況は以下のとおりであります。
a. デザインパートナー事業
デザインパートナー事業は、顧客企業と当社のデザイナーが一体となりプロジェクト形式で包括的なデザインサービスを提供しております。最初に、サービスやブランド等の新たな価値を創出したい顧客企業とともにプロジェクトチームを立ち上げ、プロジェクトで解決する課題を抽出します。プロジェクトが開始されると、本質的な価値の発見が行われ、顧客企業の独自の強みや特徴が明らかにされます。このフェーズでは、プロジェクトチームが顧客企業と緊密に連携し、価値の源泉を特定し、その価値を洗練するための手段・プロセスの検討が行われます。次に、顧客企業の利用者(ユーザー)を特定し、ユーザーにとって利用しやすいものとなるよう、ユーザーの価値観に合致するデザインが開発されます。このフェーズでは、プロジェクトチームはデザインの詳細な要件を抽出し、ユーザーフィードバックを絶えず取り入れて調整を行います。こうして生み出されたデザインは顧客企業の戦略とブランディング活動に統合され、企業のビジョンと目標に紐づく事業活動に一貫性をもたらします。なお、アプリケーションのUI/UXデザイン開発においては、当社のエンジニアリングチームもプロジェクトに参画し、実際のデジタルプロダクトの構築を行うことがあります。これら一連のプロセスを通じて、顧客企業は既存のビジネスプロセスをデジタル化し、イノベーションを促進でき、効率性の向上や新しい価値の提供が可能となります。
近年DXが注目を集め、企業がデジタル領域において変革を求められる状況の中で、デザインの持つ役割の重要性は益々高まっております。そのような状況の中、デザインパートナー事業では、数多くのデジタルデザイン支援の知見を集約し、経験豊富なデザイナーを集め、育成することで、より多くの企業に対して、高品質なデザイン支援を行うことが可能になります。そのため、デザインパートナー事業はデザイナーの採用活動を積極的に行い、提供リソースであるデザイナー人員を拡大するとともに、より幅広い業種業態の顧客企業に対してデザイン支援を実施してまいりました。また、日本国内の正社員デザイン部門及び「Goodpatch Anywhere」における営業リードの共有に加え、プロジェクト獲得やデザイナーリソースの連携を行ってまいりました。
当連結会計年度においては、株式会社スタジオディテイルズ及びGoodpatch Anywhereを含むプロジェクト提供を行った顧客社数(注3)は62.0社(前年同期は51.9社、前年同期比19.4%増、上半期:60.8社、下半期:63.2社)、月額平均顧客単価(注4)は6,075千円(前年同期は5,497千円、前年同期比10.5%増、上半期:6,045千円、下半期:6,105千円)となりました。また、社内デザイン組織のデザイナー数は、当連結会計年度末において149名(前年同期比7.5%減)「Goodpatch Anywhere」の所属デザイナー数は635名(前年同期比7.6%増、うち稼働デザイナー数は50名、前年同期比22.0%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度におけるデザインパートナー事業の外部顧客への売上高は4,696,146千円(前連結会計年度比30.6%増)、営業利益は611,551千円(前連結会計年度比376.4%増)となりました。
(デザインパートナー事業のKPI推移)
| 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 | ||||||||
| 上半期 | 下半期 | 通期 | 上半期 | 下半期 | 通期 | 上半期 | 下半期 | 通期 | ||
| 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 前年同期比 | |
| 顧客社数(社) | 46.8 | 58.5 | 52.7 | 53.8 | 50.0 | 51.9 | 60.8 | 63.2 | 62.0 | 19.4% |
| 月額平均顧客単価(千円) | 5,681 | 5,267 | 5,474 | 5,601 | 5,394 | 5,497 | 6,045 | 6,105 | 6,075 | 10.5% |
※Goodpatch Anywhereを含めた数値を記載しております。
b. デザインプラットフォーム事業
デザインプラットフォーム事業は、デザインパートナー事業によって行われるUI/UXデザイン支援を様々な側面からサポートするサービスを提供しております。具体的には、自社で構築したデザイン人材プールを活用したデザイナー採用支援サービス「ReDesigner」やSaaS型のオンラインホワイトボードツール「Strap」で構成され、それぞれのシナジーを創出し、デザインに関連したビジネスの拡大を行うものとなります。
当連結会計年度においては、「ReDesigner」は、ダイレクトリクルーティング機能が登録者数及び契約社数の増加に貢献しております。また、「Strap」においては、機能開発を進めるとともに、企業の研修ニーズを捉えた導入支援を経て、導入規模の拡大を図っております。
以上の結果、当連結会計年度におけるデザインプラットフォーム事業の外部顧客への売上高は389,406千円(前連結会計年度比12.1%増)、営業損失は54,067千円(前連結会計年度は93,845千円の営業損失)となりました。
(注)1.デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、Digital Transformationの略語で、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること、を意味します。
2.UI(User Interface/ユーザーインターフェース)とは、「ユーザーがPCやスマートフォン等のデバイスとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組み」を意味します。また、UX(User Experience/ユーザーエクスペリエンス)は「サービスなどによって得られるユーザー体験」のことを指します。
3.顧客社数とは、デザインパートナー事業において、当社グループとデザインプロジェクトを進めるために契約した顧客企業の社数を指しており、1か月にデザイン支援を提供した顧客社数の当該期間の平均値を示しています。
4.月額平均顧客単価とは、四半期ごとの売上高を顧客社数で除した数値の平均値を示しています。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ443,596千円減少し、3,395,698千円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少542,011千円、未収還付法人税等の減少48,766千円、前払費用の減少24,347千円があった一方で、売掛金及び契約資産の増加156,553千円があったこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,013,021千円増加し、1,849,729千円となりました。主な要因は、投資有価証券の増加1,108,142千円があった一方で、のれん償却に伴うのれんの減少63,467千円、繰延税金資産の減少22,454千円があったこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ569,424千円増加し、5,245,428千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ423,124千円増加し、956,456千円となりました。主な要因は、未払法人税等の増加204,499千円、賞与引当金の増加98,461千円、未払消費税等の増加78,249千円があった一方で、1年内返済予定の長期借入金の減少31,989千円があったこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ126,497千円減少し、143,793千円となりました。主な要因は、長期借入金の減少130,423千円があったこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ296,627千円増加し、1,100,250千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ272,796千円増加し、4,145,177千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加407,051千円があった一方で、自己株式の取得による減少150,068千円があったこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ542,011千円減少し、2,733,133千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは844,388千円の収入(前連結会計年度は57,122千円の支出)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上621,156千円、賞与引当金の増加98,461千円、のれん償却額65,391千円、未払金の増加56,857千円等の増加要因があった一方で、売上債権及び契約資産の増加156,553千円、法人税等の支払額17,008千円等の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは1,075,915千円の支出(前連結会計年度は58,487千円の支出)となりました。これは、投資有価証券の取得による支出1,077,134千円、有形固定資産の取得による支出2,324千円等の減少要因があった一方で、投資事業組合からの分配による収入4,608千円の増加要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは310,328千円の支出(前連結会計年度は116,901千円の収入)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入4,560千円等の増加要因があった一方で、長期借入金の返済による支出162,412千円及び自己株式の取得による支出151,385千円の減少要因があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
当社では受注販売を行っておりますが、受注から売上高計上までの期間が短期であるため、また、当社グループのうち一部の連結子会社においても受注販売を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、「受注実績」は記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前連結会計年度比(%) |
| デザインパートナー事業 | 4,696,146 | 130.6 |
| デザインプラットフォーム事業 | 389,406 | 112.1 |
| 合計 | 5,085,553 | 129.0 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の報告額並びに開示に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。経営者は、これらの見積り及び仮定について過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、既存のデザインプロジェクトにおける高品質な役務提供の継続とともに、新規案件の受注にも積極的に取り組むなど、デザインパートナー事業の拡大に努めてまいりました。また、デザインプラットフォーム事業は、「ReDesigner」及び「Strap」の売上獲得に努めてまいりました。
当連結会計年度の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は5,085,553千円(前連結会計年度比29.0%増)となり、前連結会計年度に比べて1,142,585千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業における売上高が伸長したことによるものであります。
セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は2,143,028千円(前連結会計年度比21.8%増)となり、前連結会計年度に比べ383,182千円増加いたしました。これは主に、デザインパートナー事業において、業務委託費が増加したことによるものであります。
以上の結果、売上総利益は2,942,524千円(前連結会計年度比34.8%増)となり、前連結会計年度に比べて759,403千円増加いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,385,040千円(前連結会計年度比11.0%増)となり、前連結会計年度に比べ236,445千円増加いたしました。これは主に、業務委託費並びに賞与引当金繰入額が増加したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は557,483千円(前連結会計年度比1,514.7%増)となりました。
(営業外収益・営業外費用、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は63,558千円(前連結会計年度比239.6%増)となり、前連結会計年度に比べ44,840千円増加いたしました。また、営業外費用は8,021千円(前連結会計年度比22.6%増)となり、前連結会計年度に比べ1,476千円増加いたしました。
以上の結果、経常利益は613,021千円(前連結会計年度比1,212.7%増)となりました。
(特別利益・特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は8,135千円となりました。これは主に、新株予約権戻入益の計上によるものであります。
特別損失の発生はありません。また、法人税等(法人税等調整額を含む)は220,660千円(前連結会計年度は35,896千円)となり、前連結会計年度に比べ、184,763千円増加いたしました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加に伴い、法人税、住民税及び事業税が増加したことによるものであります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は407,051千円(前連結会計年度比3,429.5%増)となりました。
③ 経営戦略の現状と見通し
当社グループをとりまく事業環境については、ユーザーエクスペリエンス(UX)を意識したデジタル化を軸に事業変革を図ろうとする企業ニーズが顕在化しつつあり、ビジネスモデルの変革や新しいビジネスの創出等の実現を目指す投資、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資が拡大しております。また、生成AIをはじめとする人工知能(AI)技術の急速な進展を背景に、DXの一環としてAI関連分野への投資も拡大傾向にあります。
日本の市場調査会社の株式会社富士キメラ総研による調査結果では、デジタルトランスフォーメーション(DX)は企業価値向上を実現する重要な経営課題の一つと位置付けられるとともに、全社戦略として各部門や現場に合わせた具体的なDX施策に向けた投資が本格化し、2030年度のDXの国内市場規模は年平均成長率10.8%、市場規模では4兆5,309億円(2023年)から9兆2,666億円(2030年)に拡大すると予測されております。
このような状況の中、当社グループでは、企業はデジタルの力でビジネスの変革を行うことが必要と考え、顧客企業の変革を促進するために、UI/UX領域を中心に強みを持つ当社の事業領域を拡大し、AI領域を含めた事業ポートフォリオの拡張や提供ソリューションの拡充を目指してまいります。加えて、企業の変革やイノベーションの支援に向けて、顧客企業とより深いパートナーシップを構築してまいります。
当社グループの事業セグメントにおける状況は次のとおりであります。
デザインパートナー事業においては、プロジェクト受注獲得数の増加および長期的なプロジェクト継続、事業領域の拡大が課題となっております。
まずは、営業組織の強化とマーケティング活動への投資を通じて、商談数を増加させ、プロジェクト受注獲得数の増加に繋げることを目指します。加えて、デザイン部門に設置したプロデューサーチームを活用し、顧客との長期的な関係を築くことで、顧客企業とのプロジェクトの継続を図ります。
また、顧客のビジネスフェーズに合わせたデザイン組織の体制構築を行い、顧客の状況に応じた適切なソリューションを提供します。具体的には、立ち上げフェーズの事業に対してビジネス全体の成功・成長を見据え、新規事業特有の不確実性を低減し、成功確度が高い事業へと導く「Incubation」、成長フェーズにあるプロダクト・サービスの事業成長に伴う顧客課題を解決し、事業を成功に導く「Growth」、そして、成熟期にある事業やプロダクトに対して再成長のための課題を発見・解決し、成長フェーズへと移行させる「Transformation」の3つのフェーズに合わせて、顧客への価値提供を行います。
さらに、デジタルプロダクトのUI/UXデザインを強みとして顧客起点の体験設計やビジネスの課題解決を行ってきた当社の実績と知見を生かし、AI領域・HR領域・マーケティング領域・事業戦略領域をそれぞれ重要テーマと掲げて、事業領域のさらなる拡大を目指します。
デザインプラットフォーム事業においては、コア事業であるデザインパートナー事業周辺の人材・ソフトウェア領域を深耕し、事業の拡大を図ってまいります。具体的には、人材紹介サービス「ReDesigner」において、全てのデザイナーのためのキャリア支援プラットフォームを目指しビジネス領域を広げ、デザイン人材のダイレクトリクルーティングのプラットフォームへと拡大させていきます。そして、オンラインホワイトボードツール「Strap」は機能開発を進めるとともに、企業の研修ニーズを捉えた導入支援を経て、導入規模の拡大を図ってまいります。そのほか、AIデザインツール「Layermate」・採用AIエージェント「HRmony AI」等のAIプロダクト機能開発を進め、事業拡大を図ってまいります。
④ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営者は、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、事業運営に努めてまいります。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資金需要は、事業拡大・機能拡充のための人材確保に係る採用及び人件費、将来の買収及び戦略的投資のための資金、新たな自社製開発の新規事業への投資資金が中心となります。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,733,133千円(前連結会計年度末は3,275,145千円)となりました。また、流動比率(流動資産 / 流動負債)は355.0%と十分な流動性を確保しております。