有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/11/16 15:00
【資料】
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【項目】
132項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、事業が刻々と変化するEC業界において企業価値の持続的な増大を図るには、意思決定の迅速化と経営の透明性を高めていく必要があると考えております。そのために、内部統制システムの整備に注力するとともに、法令・定款の遵守、リスク管理強化、適時かつ公平な情報開示の徹底、執行役員制度の充実など、コーポレート・ガバナンスの充実・向上を経営上の重要な課題として位置付けております。
② 企業統治体制の概要及び当該企業統治体制を採用する理由
当社は、取締役会・取締役の監査・管理監督機能の充実をはじめ、コーポレート・ガバナンスの一層の強化に繋げるとともに、それを通じての中長期での価値の向上を図るため、監査等委員会設置会社の体制を採用しております。監査等委員でない取締役5名及び監査等委員である取締役(以下、「監査等委員」という。)3名の計8名で構成する取締役会と、監査等委員3名(うち、社外取締役3名)で構成する監査等委員会が、経営者たる業務執行取締役の業務執行を監査・監督する二重のチェック体制をとっております。
取締役会が的確な意思決定と迅速な業務執行を行う一方、監査等委員会は取締役会の意思決定及び業務執行の適法性及び妥当性の監査を行い、取締役会においては適宜適切に意見を述べ、またその議決権を行使することで、経営管理の充実を図り、その実効性を高める体制としております。
各機関の具体的な内容は、下記のとおりであります。
a.取締役・取締役会
当社の取締役会は、取締役8名(うち社外取締役でかつ監査等委員3名)で構成され、当社の業務執行を決定し、取締役の職務の執行を監督する権限を有しております。取締役会については、原則として毎月1回の定期開催と、必要に応じて臨時開催を行っております。取締役会においては、経営における機動性と効率性及び透明性を重視し、経営方針等の重要事項を審議の上、決定するとともに業務執行を監督する機能を有しております。
取締役会の構成員は、坂本守(代表取締役)、望月智之(副社長取締役)、関豊(取締役)、杉浦通之(取締役)、五十棲剛史(社外取締役)、有本康隆(常勤監査等委員)、佐藤義幸(監査等委員)、上山亨(監査等委員)となり、議長は、代表取締役である坂本が務めております。
b.監査等委員・監査等委員会
監査等委員会は、常勤の監査等委員1名及び非常勤の監査等委員2名で構成(監査等委員3名全員が社外取締役)されており、定例監査等委員会を毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時監査等委員会を開催しております。
監査等委員会の構成員は、有本康隆(常勤監査等委員)、佐藤義幸(監査等委員)、上山亨(監査等委員)となり、委員長は、常勤監査等委員である有本が務めております。
常勤の監査等委員1名は、リスク・コンプライアンス委員会及びその他の社内の重要な会議に出席し、監査等委員でない取締役、重要な使用人等からの執行状況の聴取、重要な決裁文書や財務諸表等の閲覧等をとおして必要に応じて実査を行い、当社グループの業務の執行に係る情報を効率的に入手し、監査等委員会でこれらの情報を共有し、検討・協議することで、モニタリングを基調とする社外取締役である監査等委員による監査・監督の結果とあわせて、監査等委員会における経営の適法性及び妥当性の監査に資する体制としております。
また、監査等委員のそれぞれが、取締役会における経営の基本方針の決定、内部統制システムの整備に関する決定、及び会社の業務執行の決定等に対し、その適法性及び妥当性に関する監査等委員会による検討・協議をとおして監査意見を形成し、取締役会においてその議決権を行使する等により、監査・監督責任を履行しております。
c.執行役員制度・経営会議
当社は、執行役員制度を導入して業務執行責任の明確化と意思決定の迅速化を図っております。常勤役員と執行役員などで構成される経営会議を月1回開催し、事業運営上の重要事項を審議するほか、執行結果を報告して全社横断的な情報の共有に取り組んでおります。
d.内部監査
当社は、独立した内部監査室を設置しておらず、代表取締役の命を受けた内部監査責任者1名及び内部監査担当者2名(うち1名は専任担当者)により、監査計画に基づいて1年で全部署を監査する内部監査を実施しております。当該結果については、代表取締役に直接報告され、後日、改善状況の確認を行っております。内部監査担当者及び監査等委員は定期的に内部監査の実施状況等について情報交換を行っております。
e.会計監査人
当社は、太陽有限責任監査法人と監査契約を締結し、独立の立場から会計監査を受けております。当社は、会計監査人による会計監査の実効性を確保するため、年4回の頻度で、監査等委員、内部監査担当者及び監査法人からなる三様監査ミーティングを開催し、それぞれの立場で監査の状況を報告し、また意見交換等を行っております。
f.リスク・コンプライアンス委員会
リスク管理及びコンプライアンス遵守に向けた取り組みを行うための機関として、代表取締役社長を委員長として、常勤役員等を構成員とするリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。同委員会は四半期に1回の定期開催し、事業活動に関連する潜在的なリスクの把握と予防策の立案、顕在化したコンプライアンス違反への対処方針の策定や再発防止策の立案、並びにそれらの取締役会への上程や承認された方針・対策等の推進を主な役割としております。
当社の企業統治の体制の模式図は以下のとおりであります。

③ 企業統治に関するその他の事項
a.内部統制システムの整備の状況
当社は、次のとおり「内部統制システムの構築に関する基本方針」を制定し、コーポレート・ガバナンス体制の整備・充実に取組んでおります。
[内部統制システムの整備に関する基本方針]
取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制、及び株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備に関する事項について、以下のとおり現体制を確認の上、かかる体制を継続的に評価し、適宜改善することを基本方針とする。
ⅰ)取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
当社は、法令・社内規則の遵守及び企業倫理を定めた「行動規範」、並びに重要な社内方針・規則を、社内の情報ネットワークを通じて当社の取締役と使用人へ継続的に周知し、必要に応じて啓発活動や研修を行っています。
また、当社は、法令や社内規則違反の予防・発見のため、通常の指揮命令系統から独立した内部通報制度を構築・維持している。その運営状況については、取締役または使用人が定期的に監査等委員会及びコンプライアンス担当部署へ報告している。当社のコンプライアンス担当部署は、上記の活動に加え、コンプライアンスを確保する体制を活用し、以下の仕組みによる当会社のコンプライアンス体制の維持などを通じて、コンプライアンス活動を継続的に推進する。
a)「決裁権限規程表」で定める権限を超えた権限行使の抑止、内部統制手続きの維持向上活動とモニタリング
b)不正行為に関する役員への報告の義務化
c)コンプライアンスに関する事項の周知徹底、啓発、導入、報告についてのコンプライアンス担当部署による監督の仕組み
ⅱ)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役の職務の執行に係る情報については、法令及び「文書管理規程」等に基づき、適切に保存及び管理を行う。
また、取締役及び監査等委員会は、これらの文書等を常時閲覧できるものとする。
ⅲ)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
リスク・コンプライアンス委員会を設置し、定期的にビジネスリスクを検討・評価し、損失のリスクの管理のため必要な体制(リスクの発見・情報伝達・評価・対応の仕組み等)の整備・運用を行う。管理本部管掌役員は、コンプライアンス、内部監査、その他関連部門による活動を通じて、かかるリスク管理体制の整備・運用を横断的に推進する。
ⅳ)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
定例取締役会を毎月1回原則として全取締役及び全監査等委員出席のもとに開催し、取締役会規程及び関係法令に定められた重要な意思決定を行う。年次事業計画、中期経営計画を定め、会社として達成すべき目標を明確化するとともに、取締役会において目標達成をレビューし、結果をフィードバックすることにより業務の効率性を確保する。
ⅴ)監査等委員会がその職務を補助すべき使用人を求めた場合における当該使用人に関する事項及びその独立性に関する事項
監査等委員会がその職務執行を補佐する使用人を求めた場合は、これを設置できることとしている。この者は、監査等委員会の指示のもと、自ら、あるいは関連部門と連携して、監査の対象となる事項の調査・分析・報告を行うとともに、必要に応じて監査等委員会を補佐して実査・往査を行うこととしている。
また、監査等委員会がその職務執行を補佐する使用人を求めた場合、取締役と監査等委員会が協議の上、当会社の使用人から選任する。またこの者の業績評価は監査等委員会がこれを行う。なお、この者は監査等委員会の監督に服し、当会社の業務の執行にかかわる役職を兼務しない。
ⅵ)取締役及び使用人が監査等委員会に報告をするための体制その他の監査等委員への報告に関する体制
取締役及び使用人は、以下に定めることにつき定期的に監査等委員会に報告する。報告担当者は、監査等委員に対し、重要な会議体への出席を要請し、当該会議体の議事録配信や決裁書類の開示等を行う。また、監査等委員会の求めに応じて必要な情報提供、説明を行う。
・当会社の内部統制に関わる部署(内部監査、経理・財務、コンプライアンスその他)の活動報告概要
・重要な会計方針・会計基準及びその変更(変更前に報告)
・経理、財務関連資料
・内部通報制度の運用報告及び受領した通報内容の報告
・会計監査人の、当会社を担当する監査パートナーの交代
取締役は、当社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに当該事実を監査等委員会に報告する。
上記報告事項に加え、当社の社長及び経理・財務を担当する責任者は、以下の事項を監査等委員会へ報告する。また、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保する。
a)当社の財務情報を記録・処理・要約・報告する能力に悪影響を与える合理的可能性のある、財務報告に係る内部統制の設計及び運用における重要な不備若しくは欠陥。
b)重大であるか否かを問わず、当社の財務報告に係る内部統制において重要な役割を果たすマネジメント若しくは従業員による不正行為。
ⅶ)監査等委員会の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査等委員会その職務の執行について必要な費用の前払等の請求をしたときは、速やかにこれに応じることとする。
ⅷ)その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・監査等委員会は、代表取締役と定期的に意見交換を行い、相互の意思疎通を図る。
・監査等委員会は、当社の内部統制システムの有効性について、内部監査を担当するものと連携を図る。
・監査等委員会は、会計監査人を監視するとともに、会計監査人の監査計画、報酬、及び会計監査人とも連携を図り、適切な意思疎通を行っている。
・監査等委員会の職務の執行において必要な場合、監査等委員会は当社の内部監査を担当するもの、その他の部署に所属する使用人と協力してこれを行うことができる。
・監査関連に必要な費用は要請に基づき支払う。
ⅸ)反社会的勢力排除に向けた基本方針及び体制
当社は市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して、組織全体として毅然とした態度で臨み、取引関係その他一切の関係を持たないことを基本方針としている。上記基本方針のもと、「反社会的勢力への対応に関する規程」を制定し、有事の際の対応を定めている。
ⅹ)財務報告の信頼性を確保するための体制
財務報告の信頼性を確保するために、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に従い、財務報告に係る内部統制の有効性の評価、報告する体制を整備し運用している。
b.リスク管理体制の整備の状況
当社は、業務遂行に係るリスクを的確に認識及び評価し、個々のリスクにつき、これを予防するための措置またはその損失を極小にすべく、リスク・コンプライアンス委員会を通じて、会社規程等の整備と検証及び見直しを行うことにより、リスク管理の充実を図っております。なお、内部監査を担当するものによる定期的な業務監査により、法令及び定款違反その他の事由に基づく損失の危険のある業務執行を未然に防止するものとしております。
c.責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
d.取締役の定数
当社の取締役は、監査等委員を除く取締役を10名以内、監査等委員を5名以内とする旨を定款に定めております。
e.取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨も定款に定めております。
f.株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
(取締役の責任免除)
当社は、取締役(監査等委員を含む)が職務にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定款で定めております。
(自己株式の取得)
当社は、自己の株式の取得について、機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己株式を取得することができる旨を定款で定めております。
(剰余金の配当)
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、剰余金の配当等に係る会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定めることとする旨を定款で定めております。
また、剰余金の配当の基準日について、期末配当は毎年3月31日、中間配当は毎年9月30日、その他は基準日を定めて剰余金の配当をすることができる旨を定款で定めております。
g.株主総会の特別決議の要件
当社は、株主総会の円滑な運営を図るため、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めております。