有価証券届出書(新規公開時)

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2020/11/12 15:08
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141項目
(1)経営成績等の状況
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
第24期連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
当連結会計年度の国内における景況感は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、緩やかな回復基調にあるものの、一方で長期化する米中貿易摩擦の影響をはじめとする世界経済の下振れ懸念や2019年10月から実施された消費税増税による節約志向の強まり、台風や豪雨災害等の影響など依然として楽観視は出来ない状況となっております。
このような環境のもと当社グループの商品売上高は、「カビトルネード」がホームセンター等で順調に売上高を伸ばしトイレタリー商品売上高が633,308千円(前年同期比138.1%増)となり、猛暑対策の化粧品の「クーリスト」やパーツケアコスメ「himecoto」シリーズの新商品「美ネック姫」などがバラエティストアでヒットし、コスメ(その他)商品売上高も順調に推移し1,445,542千円(前年同期比6.1%増)となりました。また、猛暑対策商品「FREEZE TECH」がワーカー向けに売上高を伸ばし、機能衣料商品売上高が440,167千円(前年同期比21.4%増)となりました。一方、「ベビーフット」が米国のAmazonでの模倣品販売の影響により伸び悩み、コスメ(ピーリングフットケア)商品売上高は998,209千円(前年同期比39.5%減)となりました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は4,203,757千円(前年同期比5.5%減)となり、前年同期に比べ246,064千円減少いたしました。
売上総利益は、売上を伸ばしたトイレタリー商品がコスメ商品と比較して粗利率が低いことなどが要因で1,943,014千円(前年同期比11.0%減)となり、前年同期に比べ240,521千円減少いたしました。
販売費及び一般管理費は、広告販促施策の絞り込みを行い、広告宣伝費、販売促進費を抑えたことなどにより前年同期に比べ41,677千円減少し、1,808,879千円となりました。これらの結果、営業利益は134,134千円(前年同期比59.7%減)、経常利益は118,045千円(前年同期比62.7%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は72,297千円(前年同期比67.3%減)となりました。
当社グループは各種オリジナル商品等の企画販売を行う事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に代えて商品ジャンル毎に販売状況を記載しております。
(コスメ(ピーリングフットケア))
当ジャンルの商品は、販路として国内のみならず海外60か国以上の国々においても幅広く展開しております。当連結会計年度におきましては、国内の売上高は、2019年3月に国民生活センターからの同ジャンル商品に対する注意喚起に伴い、商品取り扱い方法などの商品パッケージを含めた仕様変更を実施した関係で商戦期のプロモーションを見送ったことなどから496,416千円となりました。海外の売上高は、2018年秋頃より米国のAmazonにおける当社グループ商品の模倣品が出回ったことに伴い同模倣品の排除ができました2019年10月までの積極的なプロモーションを実施しなかったことが影響し501,793千円となりました。その結果、当連結会計年度の売上高は998,209千円(前年同期比39.5%減)となりました。
(コスメ(その他))
当ジャンルの商品は、国内においてニッチニーズに特化したパーツケアブランド「himecoto」の新商品のヒットやコスプレイヤー向け“なりたい”を応援するコスメブランド「COSCOS」のヒット、海外においては中東向けに輸出された日焼け止めスプレー「RAIOS」が伸長し当連結会計年度の売上高は1,445,542千円(前年同期比6.1%増)となりました。
(トイレタリー)
当ジャンルの商品は、2018年に発売された高機能洗濯槽クリーナー「カビトルネード」が国内のホームセンターで拡販されたことや、2019年に発売された油落とし洗剤「シュワッチ」などがヒットし当連結会計年度の売上高は633,308千円(前年同期比138.1%増)となりました。
(機能衣料)
当ジャンルの商品は、2017年に発売された猛暑対策衣料「FREEZE TECH」が国内スポーツショップなどでヒットし当連結会計年度の売上高は440,167千円(前年同期比21.4%増)となりました。
(Watch)
当ジャンルの商品は、直営店4店舗のほか時計店舗向けに卸販売をしておりますが、直営店が消費税増税後の年末商戦で振るわず当連結会計年度の売上高は421,600千円(前年同期比8.1%減)となりました。
(健康美容雑貨)
当ジャンルの商品は、テレビショッピング向けに販売しておりましたヘアケア商品「リキャップ」の放映回数が減少したことなどから当連結会計年度の売上高は20,744千円(前年同期比61.5%減)となりました。
(加工食品)
当ジャンルは、2018年より参入した新ジャンルとなっております。2年目となる当ジャンルはアスリート向け高機能食品「アスミール」を取り扱っており、当連結会計年度は、ナチュラルローソンへの展開が始まり当連結会計年度の売上高は7,425千円(前年同期比92.6%増)となりました。
(その他)
当ジャンルの商品は、通販会社向けに販売しておりました「アンパンマン知育玩具」などが振るわず当連結会計年度の売上高は236,760千円(前年同期比18.9%減)となりました。

第25期第3四半期連結累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う2020年4月初旬の緊急事態宣言の発出と5月下旬に宣言が解除されるまで社会経済活動が大幅に抑制され景気は急速に悪化し、解除後も経済活動の停滞が続いており企業収益の悪化と雇用情勢の低迷による先行きの弱さが予想されております。
当社グループが属する化粧品、日用雑貨、機能衣料、腕時計及び加工食品業界におきましても新型コロナウイルス感染拡大の影響により、緊急事態宣言と解除、その後のウイズコロナというライフスタイルの激変により消費者のニーズは安心、安全、衛生、健康へと向かい巣ごもり需要など消費者の購買行動も大きく変わり国内外において市場の変化が進んでおります。
このような事業環境のもと、当社グループは、ファブレスメーカーであることの強みである高い機動性を発揮し、市場の変化を先回りする新商品の企画開発やプロモーション、販売、顧客リレーション活動に取り組んでまいりました。
この結果、前連結会計年度において米国にて発生した当社グループ商品の模倣品販売を排除できたことやコロナ禍における巣ごもり需要により大きく伸長したことにより、主力のコスメ(ピーリングフットケア)商品売上高が966,423千円となり、「カビトルネード」がホームセンターからドラッグストアへと拡販が進み好調に推移したことで、トイレタリー商品売上高が923,781千円、「FREEZE TECH」が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらもウイズコロナという新しいライフスタイルに合わせ発売した「FREEZE TECH氷撃エチケットマスク」がヒットし、機能衣料商品売上高は489,134千円、コンビニエンスストアを中心にアスミールの導入が進み、加工食品商品売上高は9,716千円と好調に推移いたしました。一方、コロナ禍でのテレワークの浸透によりメイクアップ系コスメが低調となりコスメ(その他)商品売上高は921,842千円、緊急事態宣言下における休業の影響によりLuminoxWatch直営4店舗や卸販売先店舗の販売が低調となり、Watch商品売上高は207,852千円、一部緊急事態宣言の影響を受け健康美容雑貨商品売上高は18,065千円、テレビショッピングのオンエア回数の減少によりその他商品売上高は134,028千円となりました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は3,670,847千円となりました。
売上総利益は、上記売上高の増加に伴い1,619,280千円となりました。
販売費及び一般管理費は、売上高の増加に伴い、物流費が増加したことなどにより1,348,786千円となりました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、営業利益270,494千円、経常利益259,278千円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は163,357千円となりました。
当社グループは各種オリジナル商品等の企画販売を行う事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に代えて商品ジャンル毎に販売状況を記載しております。
(コスメ(ピーリングフットケア))
国内の売上高は、巣ごもり需要による売上増加などで295,462千円となりました。海外の売上高は、前年度第4四半期にAmazonで販売されていた「ベビーフット」模倣品排除の効果や巣ごもり需要など好調に推移したことなどにより670,961千円となりました。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は966,423千円となりました。
(コスメ(その他))
新型コロナウイルス感染拡大の影響によりインバウンド需要減少の影響を受けた「つぶぽろん」やステイホームの影響による「himecoto」シリーズなどスキンケア商品の売上が伸び悩みましたが、「デンティス」の底堅い需要による安定した売上やアルコール消毒液による手荒れ防止需要のあった「アレナース」などが大きく伸び、当第3四半期連結累計期間の売上高は921,842千円となりました。
(トイレタリー)
ホームセンターを中心に販売好調だった「カビトルネード」が大手ドラッグストアでの取扱い店舗の拡大により、当第3四半期連結累計期間の売上高は923,781千円となりました。
(機能衣料)
ウイズコロナというライフスタイルの変化に合わせ夏用の冷感マスクとして急遽企画発売した新商品「FREEZE TECH氷撃エチケットマスク」が好調に推移し、当第3四半期連結累計期間の売上高は489,134千円となりました。
(Watch)
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の影響で、直営店4店舗やその他販売店舗が一時的に休業となったことなどで販売機会が減少し、当第3四半期連結累計期間の売上高は207,852千円となりました。
(健康美容雑貨)
テレビショッピング向けに販売しておりましたヘアケア商品「リキャップ」の放映回数が減少したことなどから、当第3四半期連結累計期間の売上高は18,065千円となりました。
(加工食品)
「アスミール」の導入がコンビニエンスストアを中心に拡大したことなどから、当第3四半期連結累計期間の売上高は9,716千円となりました。
(その他)
テレビショッピングのオンエア回数の減少などが影響し、当第3四半期連結累計期間の売上高は134,028千円となりました。
② 財政状態の状況
第24期連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ198,344千円増加し2,408,732千円となりました。これは主として、借入金の増加により現金及び預金が165,441千円増加したこと、掛売り取引である国内向け売上高の増加に伴い受取手形及び売掛金が95,007千円増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ137,289千円増加し、1,720,660千円となりました。これは主として、運転資金確保に向けた長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む。)が184,472千円増加、年末商戦向けの仕入増加に伴い買掛金が34,617千円増加、消費税課税取引増加に伴う未払消費税等が19,395千円増加、中間申告をしたことによる予定納税額減少に伴う未払法人税等が16,378千円増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ61,055千円増加し、688,071千円となりました。これは主に当期純利益計上に伴う利益剰余金の増加49,297千円、増資を行い資本金、資本剰余金がそれぞれ4,980千円増加したことなどによるものであります。
第25期第3四半期連結累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ991,788千円増加し、3,400,520千円となりました。これは主として、子会社の債権の回収が進み受取手形及び売掛金が183,675千円減少した一方、機能衣料ジャンルの「FREEZE TECH」、トイレタリージャンルの新商品「ウイルッシュ 薬用ハンドソープ」の仕入があり商品及び製品が885,485千円増加、現金及び預金が252,211千円増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ834,965千円増加し、2,555,626千円となりました。これは主として、1年内返済予定の長期借入金が166,489千円減少した一方、上記「FREEZE TECH」、「ウイルッシュ 薬用ハンドソープ」の仕入により買掛金が523,948千円増加、新規社債の発行により社債が210,000千円増加、長期借入金が130,381千円増加、未払法人税等が59,014千円増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ156,822千円増加し、844,894千円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が155,533千円増加したことなどによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
第24期連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローが増加、投資活動によるキャッシュ・フローが減少し当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ121,423千円増加の443,620千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、45,527千円となりました。これは、国内向け掛売取引増加に伴う売上債権の増加95,007千円及び広告宣伝費、販売促進費の抑制に伴うその他の流動負債の減少49,196千円により資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益116,188千円の計上、その他の流動資産の減少56,224千円などにより資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、47,526千円となりました。これは、定期預金の満期に伴う払戻による収入23,900千円などにより資金が増加したものの、納税等に備え定期預金の預入による支出67,918千円、有形固定資産の取得による支出3,985千円などにより資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、124,432千円となりました。これは、長期借入金の返済による支出365,528千円、社債の償還による支出50,000千円により資金の減少はあったものの、運転資金確保に向けた長期借入れによる収入550,000千円などにより資金が増加したことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当社グループはファブレスメーカーであり、生産を行っておらず、該当事項はありませんので、記載を省略しております。
(b) 仕入実績
第24期連結会計年度及び第25期第3四半期連結累計期間における仕入実績は次のとおりであります。
なお、当社グループは各種オリジナル商品等の企画販売を行う事業の単一セグメントのためセグメント別の記載は省略しております。
商品ジャンル内訳第24期連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
第25期第3四半期連結累計期間
(自 2020年1月1日
至 2020年9月30日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
コスメ
(ピーリングフットケア)
426,09860.9445,164
コスメ
(その他)
642,17792.6511,735
トイレタリー336,001251.4930,501
機能衣料285,501114.6623,864
Watch158,20187.552,381
健康美容雑貨20,524193.835,214
加工食品8,907185.415,598
その他452,943113.2391,721
合計2,330,35598.33,006,182

(c) 受注実績
一部商品で受注生産を行う他は、大半が見込生産のため記載を省略しております。
(d) 販売実績
第24期連結会計年度及び第25期第3四半期連結累計期間における販売実績は次のとおりであります。
なお、当社グループは各種オリジナル商品等の企画販売を行う事業の単一セグメントのためセグメント別の記載は省略しております。
商品ジャンル内訳第24期連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
第25期第3四半期連結累計期間
(自 2020年1月1日
至 2020年9月30日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
コスメ
(ピーリングフットケア)
998,20960.5966,423
コスメ
(その他)
1,445,542106.1921,842
トイレタリー633,308238.1923,781
機能衣料440,167121.4489,134
Watch421,60091.9207,852
健康美容雑貨20,74438.518,065
加工食品7,425192.69,716
その他236,76081.1134,028
合計4,203,75794.53,670,847

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先第23期連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
第24期連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
第25期第3四半期連結累計期間
(自 2020年1月1日
至 2020年9月30日)
販売高
(千円)
割合(%)販売高
(千円)
割合(%)販売高
(千円)
割合(%)
株式会社あらた254,8835.7547,11713.0777,16021.2
株式会社井田両国堂923,35120.8913,54021.7554,45415.1
KSSM, LLC525,38511.8179,6034.3486,48513.3
株式会社ネイチャーラボ451,60810.1375,0088.9262,9947.2

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としており、商品の陳腐化、廃棄に備えた商品評価、将来の貸倒損失に備えた貸倒引当金、予想される商品の返品に備えた返品調整引当金、販売した商品の保証契約伴う無償保証に備えた製品保証引当金及び繰延税金資産の回収可能性の判断等について会計上の見積もりを行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績の状況の分析
第24期連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
当連結会計年度の国内における景況感は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、緩やかな回復基調にあるものの、一方で長期化する米中貿易摩擦の影響をはじめとする世界経済の下振れ懸念により、依然として楽観視は出来ない状況となっております。また、2019年10月から実施された消費税増税による節約志向の強まりや関税引き上げによる物価上昇、台風災害等の影響も懸念されます。
このような環境のもと当社グループの商品売上高は、「カビトルネード」がホームセンター等で順調に売上高を伸ばしトイレタリー商品売上高が633,308千円(前年同期比138.1%増)となり、猛暑対策の化粧品の「クーリスト」やパーツケアコスメ「himecoto」シリーズの新商品「美ネック姫」などがバラエティストアでヒットし、コスメ(その他)商品売上高も順調に推移し1,445,542千円(前年同期比6.1%増)となりました。また、猛暑対策商品「FREEZE TECH」がワーカー向けに売上高を伸ばし、機能衣料商品売上高が440,167千円(前年同期比21.4%増)となりました。一方、「ベビーフット」が米国のAmazonでの模倣品販売の影響により伸び悩み、コスメ(ピーリングフットケア)商品売上高は998,209千円(前年同期比39.5%減)となりました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は4,203,757千円(前年同期比5.5%減)となり、前年同期に比べ246,064千円減少いたしました。
売上総利益は、売上を伸ばしたトイレタリー商品がコスメ商品と比較して粗利率が低いことなどが要因で1,943,014千円(前年同期比11.0%減)となり、前年同期に比べ240,521千円減少いたしました。
販売費及び一般管理費は、広告販促施策の絞り込みを行い、広告宣伝費、販売促進費を抑えたことなどにより前年同期に比べ41,677千円減少し、1,808,879千円となりました。これらの結果、営業利益は134,134千円(前年同期比59.7%減)、経常利益は118,045千円(前年同期比62.7%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は72,297千円(前年同期比67.3%減)となりました。
第25期第3四半期連結累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う2020年4月初旬の緊急事態宣言の発出と5月下旬に宣言が解除されるまで社会経済活動が大幅に抑制され景気は急速に悪化し、解除後も経済活動の停滞が続いており企業収益の悪化と雇用情勢の低迷による先行きの弱さが予想されております。
当社グループが属する化粧品、日用雑貨、機能衣料、腕時計及び加工食品業界におきましても新型コロナウイルス感染拡大の影響により、緊急事態宣言と解除、その後のウイズコロナというライフスタイルの激変により消費者のニーズは安心、安全、衛生、健康へと向かい巣ごもり需要など消費者の購買行動も大きく変わり国内外において市場の変化が進んでおります。
このような事業環境のもと、当社グループは、ファブレスメーカーであることの強みである高い機動性を発揮し、市場の変化を先回りする新商品の企画開発やプロモーション、販売、顧客リレーション活動に取り組んでまいりました。
この結果、前連結会計年度において米国にて発生した当社グループ商品の模倣品販売を排除できたことやコロナ禍における巣ごもり需要により大きく伸長したことにより、主力のコスメ(ピーリングフットケア)商品売上高が966,423千円となり、「カビトルネード」がホームセンターからドラッグストアへと拡販が進み好調に推移したことで、トイレタリー商品売上高が923,781千円、「FREEZE TECH」が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらもウイズコロナという新しいライフスタイルに合わせ発売した「FREEZE TECH氷撃エチケットマスク」がヒットし、機能衣料商品売上高は489,134千円、コンビニエンスストアを中心にアスミールの導入が進み、加工食品商品売上高は9,716千円と好調に推移いたしました。一方、コロナ禍でのテレワークの浸透によりメイクアップ系コスメが低調となりコスメ(その他)商品売上高は921,842千円、緊急事態宣言下における休業の影響によりLuminoxWatch直営4店舗や卸販売先店舗の販売が低調となり、Watch商品売上高は207,852千円、一部緊急事態宣言の影響を受け健康美容雑貨商品売上高は18,065千円、テレビショッピングのオンエア回数の減少によりその他商品売上高は134,028千円となりました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は3,670,847千円となりました。
売上総利益は、上記売上高の増加に伴い1,619,280千円となりました。
販売費及び一般管理費は、売上高の増加に伴い、物流費が増加したことなどにより1,348,786千円となりました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、営業利益270,494千円、経常利益259,278千円となりました。
また、親会社株主に帰属する四半期純利益は163,357千円となりました。
b キャッシュ・フローの状況の分析
第24期連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローが増加、投資活動によるキャッシュ・フローが減少し当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ121,423千円増加の443,620千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、45,527千円となりました。これは、売上債権の増加95,007千円及びその他流動負債の減少49,196千円により資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益116,188千円の計上、その他の流動資産の減少56,224千円などにより資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、47,526千円となりました。これは、定期預金の払戻による収入23,900千円などにより資金が増加したものの、定期預金の預入による支出67,918千円、有形固定資産の取得による支出3,985千円などにより資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、124,432千円となりました。これは、長期借入金の返済による支出365,528千円、社債の償還による支出50,000千円により資金の減少はあったものの、長期借入れによる収入550,000千円などにより資金が増加したことによるものであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、売上原価に係るもののほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金については、基本方針に基づき、主に自己資金により充当する予定でありますが、必要に応じて金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。なお、事業拡大により有利子負債の依存度が上昇していることから、内部留保による現預金を確保しつつ、借入金の返済や条件変更等による財務体質の強化を努めるとともに、新規上場に伴う公募増資資金を充当することにより有利子負債の依存度を低下させていく予定であります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、事業環境、法的規制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化や、人材の確保と育成等に力を入れ、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切な対応に努めてまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、今後収益を拡大するためには、既存の事業の更なる拡大、新たなジャンルの商品の開発、事業規模の拡大に合わせた人材の確保等が必要であると認識しており、これらの課題に対して最善の事業戦略を立案するよう、努めてまいります。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (6) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、売上高、売上総利益率、経常利益及び売上高経常利益率を重要な経営指標として位置付けております。 第23期連結会計年度及び第24期連結会計年度並びに第25期第3四半期連結累計期間の経営指標は、次の通りであります。売上総利益率は第25期第3四半期連結累計期間が44.1%となり、第23期連結会計年度及び第24期連結会計年度を下回ることとなりました。売上高経常利益率は第25期第3四半期連結累計期間が7.1%となり、第23期連結会計年度と同水準となり、第24期連結会計年度を上回ることとなりました。
第23期連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
第24期連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
第25期第3四半期連結累計期間
(自 2020年1月1日
至 2020年9月30日)
金額(千円)金額
(千円)
前年同期比金額(千円)
売上高4,449,8224,203,75794.5%3,670,847
売上総利益率49.1%46.2%44.1%
経常利益316,381118,04537.3%259,278
売上高経常利益率7.1%2.8%7.1%