有価証券報告書-第15期(2023/07/01-2024/06/30)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、世界的な資材価格やエネルギー価格の高騰、ウクライナ情勢の悪化、円安による影響等、景気の先行きの見通しが難しい状況が続いております。
当社グループが事業を行うエネルギー業界においては、2015年の国連による持続可能な開発目標(SDGs)の提唱や、パリ協定締結を契機に、引き続き世界的にエネルギーの脱炭素化に向けた取り組みが加速しております。日本においても、2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、2050年カーボンニュートラルの実現と、2030年度の新たな温室効果ガス排出削減目標(2013年度比46%削減)の達成に向けたエネルギー政策の道筋が示されました。徹底した省エネルギーの更なる追求が求められると共に、2030年には国内電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を36~38%程度(2022年度は21.7%)にする目標が掲げられております。更に、2023年2月にはGX実現に向けた基本方針が閣議決定され、エネルギー安定供給の確保を大前提とした脱炭素への取組方針が示されました。
このような外部環境の中、当社グループは、「Total Energy Saving & Solution」の経営理念のもと、「再生可能エネルギーの主力電源化」「省エネルギーの徹底」及び「エネルギーのスマート化」の3つの事業領域に注力しながら事業を展開しております。
当連結会計年度の経営成績として、売上高は30,643百万円(前年同期比11.0%減)、営業利益は2,370百万円(前年同期比65.5%減)、経常利益は7,660百万円(前年同期比38.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,185百万円(前年同期比67.0%減)となりました。
この内、営業利益につきましては、主にエネルギーサプライ事業の再生可能エネルギー発電所の所有・運営・売電において、前連結会計年度に自社で保有する太陽光発電所9件の売却や、福岡県京都郡みやこ町における大型太陽光発電所の工期短縮に伴う開発報酬による売上高及び利益の計上があった反動減等に加え、人件費や営業活動費等の増加により販売費及び一般管理費が前年同期比で増加したこと等から、前年同期比65.5%減となりました。また、経常利益につきましては、「2)デリバティブ評価益及び法人税等調整額(損)の計上について」に記載のとおり、デリバティブ評価益5,636百万円を営業外収益に計上したこと等から、前年同期比38.8%増となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、「3)特別損失の計上について」に記載のとおり、減損損失3,939百万円を特別損失として計上したこと及び「2)デリバティブ評価益及び法人税等調整額(損)の計上について」に記載のとおり、上記デリバティブ評価益の計上に伴う繰延税金負債の計上により、法人税等調整額(損)1,846百万円を計上したこと等から、前年同期比67.0%減となりました。
1)セグメントごとの経営成績について
(注)セグメント利益又は損失(△)の調整額には、セグメント間取引消去及び全社費用が含まれております。
なお、セグメント間取引には、主に当社の連結子会社であるテス・エンジニアリング株式会社が、同じく当社の連結子会社である合同会社熊本錦グリーンパワーに向けて行った「錦町2MW木質バイオマス発電所(熊本県球磨郡錦町、発電容量約2.0MW)」と株式会社伊万里グリーンパワーに向けて行った「佐賀伊万里バイオマス発電所(佐賀県伊万里市、発電容量約46.0MW)」のEPC(Engineering:設計、Procurement:調達及びConstruction:施工)等が含まれております。
①エンジニアリング事業
(受託型)
省エネルギー系設備における顧客の省エネ、コスト低減、環境対策等のニーズに応じたエンジニアリング、再生可能エネルギー系設備の一部における、顧客取得のFIT認定やFIP認定を活用した発電施設や自家消費用発電設備のエンジニアリング等、顧客からEPCを受託する形態であります。
当連結会計年度においては、脱炭素化への取り組み、BCP対策としての安定電源確保、使用エネルギーの効率化による省エネルギー、再生可能エネルギーへの取り組み等、顧客ニーズに応じたソリューション提案を行った結果、コージェネレーションシステムのEPC、燃料転換設備のEPC、ユーティリティ設備のEPC、国内の産業用太陽光発電システムのEPC、バイオマス発電システムのEPCによる売上を一定の期間にわたり収益を認識する方法に従って計上しております。
なお、これらEPCの内、コージェネレーションシステム及び自家発電設備のEPC2件(発電容量合計約6.0MW)、ユーティリティ設備のEPC2件及び産業用太陽光発電システムのEPC27件(発電容量合計約42.0MW)につきましては、当連結会計年度において工事が完了しております。
(開発型)
当社グループが用地取得(又は賃借)、許認可及び権利等の取得、EPC等を主体的に関与し、開発に関する一連のソリューションを顧客に提供する形態であります。
当連結会計年度においては、当社グループが開発型案件としてEPCを行った福岡みやこメガソーラー発電所について、運開後の保守に関連する工事による売上を計上しております。また、鹿児島県におけるFIT制度を活用した太陽光発電所(発電容量約8.0MW)のEPCについて、売上を一定の期間にわたり収益を認識する方法に従って計上しております。
以上の結果、エンジニアリング事業につきましては、売上高は16,578百万円(前年同期比9.1%増)、セグメント利益は30百万円(前年同期比93.4%減)となりました。
②エネルギーサプライ事業
(再生可能エネルギー発電所の所有・運営・売電)
当連結会計年度末において、当社連結子会社が所有する再生可能エネルギー発電所は日本全国に93件、発電容量合計約231.8MW(内、オンサイトPPAモデルによる供給先29件、約35.2MW)、グループ出資先(持分法適用関連会社及び匿名組合出資を行う合同会社を営業者とする匿名組合)が所有する再生可能エネルギー発電所は日本全国に12件、発電容量合計約88.1MWであります。
当連結会計年度においては、再生可能エネルギーのFIT制度及びFIP制度を利用するもの、利用しないもの共に、運転開始済みの当社グループの再生可能エネルギー発電所(連結子会社以外が所有する発電所を除く)における売電収入による売上を計上しております。
当連結会計年度においては、FIT制度を利用するものとしては、当社グループが開発及びEPCを行った発電所として、当社の連結子会社である合同会社熊本錦グリーンパワーにおいて「錦町2MW木質バイオマス発電所(熊本県球磨郡錦町、発電容量約2.0MW)」が運転を開始し、FIP制度を利用するものとしては、太陽光発電所1件が新たに運転を開始しております。一方、新たに取得した稼働済み発電所(セカンダリ案件)はありません。
〈当連結会計年度に運転を開始したFIT制度を利用する再生可能エネルギー発電所〉
(注)1.発電容量は、発電端出力ベースの設備容量表記であります。
2.未利用材は40円/kWh、一般木材等は24円/kWh、建設資材廃棄物は13円/kWhであります。
〈当連結会計年度に運転を開始したFIP制度を利用する再生可能エネルギー発電所〉
(注)発電容量はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記であります。
また、FIT制度及びFIP制度を利用しないものとしては、以下のとおりオンサイトPPAモデルにおける電力供給サービスを新たに開始いたしました。
〈当連結会計年度に運転を開始したオンサイトPPAモデルにおける電力供給サービス〉
(注)1.発電容量はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記であります。
2.北房文化センターに設置している太陽光発電システムによりオンサイトPPAモデルにおける電力供給サービスを行います。
3.設置した太陽光発電システムによる発電電力が供給先の電力需要を上回る場合、FIP制度を用いて余剰電力を卸電力取引市場等に売電を行います。
(オペレーション&メンテナンス(O&M))
当連結会計年度においては、メンテナンスサービス、オペレーションサービス、24時間遠隔監視サービス及びエネルギーマネジメントサービスが予定どおりに進捗したことに加え、顧客設備の故障による修理・交換等の突発的なメンテナンス業務が発生したことから、オペレーション&メンテナンス(O&M)全体としての売上は順調に推移いたしました。
(電気の小売供給)
当社グループは、北海道、東北、東京、中部、北陸、関西、中国、四国及び九州の9電力エリアにて法人顧客向けに電気の供給を行っております。当連結会計年度においては、当社グループの期初計画に対して、供給量が減少したことから売上高は減少いたしました。
ERABサービスでは、一般送配電事業者が実施する調整力公募に19件採択されており、リソースアグリゲーター(※)及びアグリゲーションコーディネーターとして調整力の拠出等による売上を計上しております。
(その他)
コージェネレーションシステムを運用する顧客に対して行う燃料供給による売上が順調に推移いたしました。また、日本国内のバイオマス発電所に向けたPKS燃料販売については、当連結会計年度において売上1,912百万円を計上しております。
以上の結果、エネルギーサプライ事業につきましては、売上高は17,479百万円(前年同期比27.1%減)、セグメント利益は1,710百万円(前年同期比70.7%減)となりました。
2)デリバティブ評価益及び法人税等調整額(損)の計上について
当連結会計年度において、デリバティブ評価益5,636百万円を営業外収益に計上いたします。これは、当社の連結子会社である株式会社伊万里グリーンパワーが佐賀県伊万里市において開発を進めている発電容量約46.0MWの大型バイオマス発電事業で使用するPKS燃料調達に係る為替変動リスクをヘッジする目的のために締結している為替予約(以下「本為替予約」といいます。)の時価評価により生じたものです。
本為替予約は、2024年6月末時点で複数の金融機関と総額519百万米国ドルの契約を締結したものであり、予約期間は契約ごとに2025年4月から段階的に開始し、最長2044年8月までとなっております。
デリバティブ評価損益は、キャッシュ・フローの動きの伴わない各四半期末日時点の為替予約未決済残高の時価評価であり、会計処理は、前四半期末日時点に計上された評価損益を洗替処理すると共に、改めて当連結会計年度末日時点での為替予約未決済残高を時価評価し、評価損益として計上いたします。
また、上記デリバティブ評価益の計上に伴う繰延税金負債の計上により、当連結会計年度において法人税等調整額(損)1,846百万円を計上いたします。
3)特別損失の計上について
当社の連結子会社である合同会社熊本錦グリーンパワーにおける木質バイオマス発電事業において、発電所の建設コストの増加や、昨今の木材価格の高騰を背景とした国内の未利用間伐材等のバイオマス燃料の調達価格上昇により収益性が低下いたしました。合同会社熊本錦グリーンパワーの固定資産について、現在の事業環境を踏まえ将来キャッシュ・フローを見積もったところ、減損の兆候が認められたことから、今後の収益計画を考慮した上で、当該固定資産に係る回収可能性を検討した結果、当第4四半期連結会計期間において減損損失3,939百万円を特別損失として計上いたします。
(※)リソースアグリゲーター:
需要家と需給調整契約を締結してエネルギーリソース制御を行う事業者のことであります。
b.財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ8,640百万円増加し、36,022百万円となりました。主な要因は現金及び預金の増加2,980百万円、契約資産の増加3,415百万円及び前渡金の増加2,374百万円によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ16,398百万円増加し、83,106百万円となりました。主な要因は建設仮勘定の増加9,217百万円及びデリバティブ債権の増加5,676百万円によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ4,246百万円増加し、23,249百万円となりました。主な要因は短期借入金の増加3,150百万円及び契約負債の増加1,188百万円によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ7,336百万円増加し、54,082百万円となりました。主な要因は長期借入金の増加3,654百万円及び繰延税金負債の増加1,994百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ13,456百万円増加し、41,796百万円となりました。主な要因は資本金の増加6,733百万円及び資本剰余金の増加6,025百万円によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は14,098百万円と前連結会計年度末と比べ3,071百万円(27.9%)の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローの支出は、42百万円(前連結会計年度は13,827百万円の収入)となりました。営業活動による資金減少の主な要因は、契約資産の増加額3,415百万円、デリバティブ評価益5,636百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローの支出は、15,490百万円(前連結会計年度は16,029百万円の支出)となりました。投資活動による資金減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出15,142百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローの収入は、18,436百万円(前連結会計年度は5,192百万円の支出)となりました。財務活動による資金増加の主な要因は、長期借入れによる収入8,389百万円、株式の発行による収入13,467百万円等であります。財務活動による資金減少の主な要因は、長期借入金の返済による支出4,598百万円等であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。エネルギーサプライ事業につきましては、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。エネルギーサプライ事業につきましては、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満の相手先につきましては、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。経営者は、債権、棚卸資産、投資、繰延税金資産、引当金等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、上記期間における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要」も併せてご参照ください。
a.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3,771百万円減少し、30,643百万円(前年同期比11.0%減)となりました。エンジニアリング事業においては、脱炭素ニーズの高まり等により省エネ・再エネにおける受託型EPCが増加し、エネルギーサプライ事業においては、自社再生可能エネルギー発電所による発電、オペレーション&メンテナンス(O&M)及びバイオマス燃料販売が計画通りに推移いたしました。しかしながら、前連結会計年度において、自社で保有する太陽光発電所9件の売却や、福岡県京都郡みやこ町における大型太陽光発電所の工期短縮に伴う開発報酬による売上高の計上があった反動減により、当連結会計年度の売上高は前年同期比減収となりました。
(売上原価・売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ286百万円増加し、24,089百万円(前年同期比1.2%増)となりました。売上総利益は、前連結会計年度に比べ4,058百万円減少し、6,553百万円(前年同期比38.2%減)となりました。これは主に、当連結会計年度の売上高の減少に伴うものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ436百万円増加し、4,183百万円(前年同期比11.6%増)となりました。営業利益は、前連結会計年度に比べ4,494百万円減少し、2,370百万円(前年同期比65.5%減)となりました。これは主に、人件費や営業活動費の増加によるものであります。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外損益としては、営業外収益は前連結会計年度に比べ5,685百万円増加し、6,496百万円(前年同期比701.2%増)となり、営業外費用は前連結会計年度に比べ951百万円減少し、1,205百万円(前年同期比44.1%減)となりました。経常利益は前連結会計年度に比べ2,142百万円増加し、7,660百万円(前年同期比38.8%増)となりました。これは主に、営業外収益においてデリバティブ評価益5,636百万円を計上したこと等によるものであります。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損益は特別損失3,939百万円となりました。これは、当社の連結子会社である合同会社熊本錦グリーンパワーに係る減損損失3,939百万円を計上したことによるものであります。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2,406百万円減少し、1,185百万円(前年同期比67.0%減)となりました。これは主に、上記の特別損失及びデリバティブ評価益に伴う繰延税金負債の計上による法人税等調整額(損)1,846百万円を計上したことによるものであります。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)資金の調達方針
当社グループの所要資金調達は、主に運転資金及び設備資金需要によるものであります。運転資金については主にエンジニアリング事業における設備工事及びシステム工事の用途として調達しており、原則として完工時一括入金の工事については銀行借入により資金の調達を行っていく方針であります。設備投資については、主にエネルギーサプライ事業において、当社グループでFIT制度に基づく再生可能エネルギー発電所等の設備を所有するためのSPCを設立し、プロジェクトファイナンスによる資金調達を行っております。プロジェクトファイナンスでは、プロジェクトの工事期間にわたり分割して資金調達を実施し、発生費用に対応する借入金額が確定した時点で利息等の条件を確定し、返済は借入金額が借入限度額まで達した後又は借入金額が確定した後に行います。FIT制度の固定買取期間は20年間のため、プロジェクト期間に応じて主に10年から18年の長期借入契約を締結していく方針であります。
2)資金調達の方法
当社グループは、運転資金及び設備資金について長期借入金及び短期借入金により調達しており、手元流動性預金と合わせ、緊急な支出にも対応可能な体制を整えております。現在、社債の発行は行っておりません。
グループ各社の資金調達方法については、基本的には各社で金融機関から資金調達を行っており、合同会社の一部の子会社は、他のグループ会社より資金調達を行っております。
当連結会計年度末における有利子負債残高は65,646百万円となっております。
③経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループでは、2024年8月14日に「TX2030 TESS Transformation 2030 / TESSグループ 中期経営計画(2025-2030)」(以下、中期経営計画(2025-2030)という。)を発表いたしました。中期経営計画(2025-2030)では、企業価値の向上に向けた方針として「ROE/ROIC重視経営」「成長投資と株主還元」及び「ESG経営の推進」を掲げております。なお、2022年8月14日発表の「TESSグループ 中期経営方針」にて経営指標等を定めておりましたが、この度、中期経営計画(2025-2030)の策定に伴い当該指標等について見直しを行った結果、以下のとおり新たに計画を定めております。
<企業価値の向上に向けた方針>・ROE/ROIC重視経営
・成長投資と株主還元
・ESG経営の推進
<経営指標>
(※)再エネ発電容量は、当社の連結子会社の保有分であります。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、世界的な資材価格やエネルギー価格の高騰、ウクライナ情勢の悪化、円安による影響等、景気の先行きの見通しが難しい状況が続いております。
当社グループが事業を行うエネルギー業界においては、2015年の国連による持続可能な開発目標(SDGs)の提唱や、パリ協定締結を契機に、引き続き世界的にエネルギーの脱炭素化に向けた取り組みが加速しております。日本においても、2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、2050年カーボンニュートラルの実現と、2030年度の新たな温室効果ガス排出削減目標(2013年度比46%削減)の達成に向けたエネルギー政策の道筋が示されました。徹底した省エネルギーの更なる追求が求められると共に、2030年には国内電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を36~38%程度(2022年度は21.7%)にする目標が掲げられております。更に、2023年2月にはGX実現に向けた基本方針が閣議決定され、エネルギー安定供給の確保を大前提とした脱炭素への取組方針が示されました。
このような外部環境の中、当社グループは、「Total Energy Saving & Solution」の経営理念のもと、「再生可能エネルギーの主力電源化」「省エネルギーの徹底」及び「エネルギーのスマート化」の3つの事業領域に注力しながら事業を展開しております。
当連結会計年度の経営成績として、売上高は30,643百万円(前年同期比11.0%減)、営業利益は2,370百万円(前年同期比65.5%減)、経常利益は7,660百万円(前年同期比38.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,185百万円(前年同期比67.0%減)となりました。
この内、営業利益につきましては、主にエネルギーサプライ事業の再生可能エネルギー発電所の所有・運営・売電において、前連結会計年度に自社で保有する太陽光発電所9件の売却や、福岡県京都郡みやこ町における大型太陽光発電所の工期短縮に伴う開発報酬による売上高及び利益の計上があった反動減等に加え、人件費や営業活動費等の増加により販売費及び一般管理費が前年同期比で増加したこと等から、前年同期比65.5%減となりました。また、経常利益につきましては、「2)デリバティブ評価益及び法人税等調整額(損)の計上について」に記載のとおり、デリバティブ評価益5,636百万円を営業外収益に計上したこと等から、前年同期比38.8%増となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、「3)特別損失の計上について」に記載のとおり、減損損失3,939百万円を特別損失として計上したこと及び「2)デリバティブ評価益及び法人税等調整額(損)の計上について」に記載のとおり、上記デリバティブ評価益の計上に伴う繰延税金負債の計上により、法人税等調整額(損)1,846百万円を計上したこと等から、前年同期比67.0%減となりました。
1)セグメントごとの経営成績について
| (単位:百万円) | |||||
| 報告セグメント | 調整額 (注) | 合計 | |||
| エンジニアリング事業 | エネルギー サプライ事業 | 計 | |||
| 売上高 | |||||
| 一時点で移転される財 | 891 | 13,964 | 14,856 | - | 14,856 |
| 一定の期間にわたり移転される財 | 12,271 | 3,515 | 15,787 | - | 15,787 |
| 顧客との契約から生じる収益 | 13,163 | 17,479 | 30,643 | - | 30,643 |
| 外部顧客への売上高 | 13,163 | 17,479 | 30,643 | - | 30,643 |
| セグメント間の内部売上高又は振替高 | 3,414 | - | 3,414 | △3,414 | - |
| 計 | 16,578 | 17,479 | 34,058 | △3,414 | 30,643 |
| セグメント利益又は損失(△) | 30 | 1,710 | 1,740 | 629 | 2,370 |
(注)セグメント利益又は損失(△)の調整額には、セグメント間取引消去及び全社費用が含まれております。
なお、セグメント間取引には、主に当社の連結子会社であるテス・エンジニアリング株式会社が、同じく当社の連結子会社である合同会社熊本錦グリーンパワーに向けて行った「錦町2MW木質バイオマス発電所(熊本県球磨郡錦町、発電容量約2.0MW)」と株式会社伊万里グリーンパワーに向けて行った「佐賀伊万里バイオマス発電所(佐賀県伊万里市、発電容量約46.0MW)」のEPC(Engineering:設計、Procurement:調達及びConstruction:施工)等が含まれております。
①エンジニアリング事業
(受託型)
省エネルギー系設備における顧客の省エネ、コスト低減、環境対策等のニーズに応じたエンジニアリング、再生可能エネルギー系設備の一部における、顧客取得のFIT認定やFIP認定を活用した発電施設や自家消費用発電設備のエンジニアリング等、顧客からEPCを受託する形態であります。
当連結会計年度においては、脱炭素化への取り組み、BCP対策としての安定電源確保、使用エネルギーの効率化による省エネルギー、再生可能エネルギーへの取り組み等、顧客ニーズに応じたソリューション提案を行った結果、コージェネレーションシステムのEPC、燃料転換設備のEPC、ユーティリティ設備のEPC、国内の産業用太陽光発電システムのEPC、バイオマス発電システムのEPCによる売上を一定の期間にわたり収益を認識する方法に従って計上しております。
なお、これらEPCの内、コージェネレーションシステム及び自家発電設備のEPC2件(発電容量合計約6.0MW)、ユーティリティ設備のEPC2件及び産業用太陽光発電システムのEPC27件(発電容量合計約42.0MW)につきましては、当連結会計年度において工事が完了しております。
(開発型)
当社グループが用地取得(又は賃借)、許認可及び権利等の取得、EPC等を主体的に関与し、開発に関する一連のソリューションを顧客に提供する形態であります。
当連結会計年度においては、当社グループが開発型案件としてEPCを行った福岡みやこメガソーラー発電所について、運開後の保守に関連する工事による売上を計上しております。また、鹿児島県におけるFIT制度を活用した太陽光発電所(発電容量約8.0MW)のEPCについて、売上を一定の期間にわたり収益を認識する方法に従って計上しております。
以上の結果、エンジニアリング事業につきましては、売上高は16,578百万円(前年同期比9.1%増)、セグメント利益は30百万円(前年同期比93.4%減)となりました。
②エネルギーサプライ事業
(再生可能エネルギー発電所の所有・運営・売電)
当連結会計年度末において、当社連結子会社が所有する再生可能エネルギー発電所は日本全国に93件、発電容量合計約231.8MW(内、オンサイトPPAモデルによる供給先29件、約35.2MW)、グループ出資先(持分法適用関連会社及び匿名組合出資を行う合同会社を営業者とする匿名組合)が所有する再生可能エネルギー発電所は日本全国に12件、発電容量合計約88.1MWであります。
当連結会計年度においては、再生可能エネルギーのFIT制度及びFIP制度を利用するもの、利用しないもの共に、運転開始済みの当社グループの再生可能エネルギー発電所(連結子会社以外が所有する発電所を除く)における売電収入による売上を計上しております。
当連結会計年度においては、FIT制度を利用するものとしては、当社グループが開発及びEPCを行った発電所として、当社の連結子会社である合同会社熊本錦グリーンパワーにおいて「錦町2MW木質バイオマス発電所(熊本県球磨郡錦町、発電容量約2.0MW)」が運転を開始し、FIP制度を利用するものとしては、太陽光発電所1件が新たに運転を開始しております。一方、新たに取得した稼働済み発電所(セカンダリ案件)はありません。
〈当連結会計年度に運転を開始したFIT制度を利用する再生可能エネルギー発電所〉
| 発電所名称 | 発電者名称 | 発電容量 (MW) (注)1 | 発電種別 | 固定買取価格 (1kWh当たり) (円) | 発電開始年月 |
| 錦町2MW 木質バイオマス 発電所 | 合同会社熊本錦グリーンパワー | 2.0 | 木質バイオマス 発電 | (注)2 | 2023年9月 |
(注)1.発電容量は、発電端出力ベースの設備容量表記であります。
2.未利用材は40円/kWh、一般木材等は24円/kWh、建設資材廃棄物は13円/kWhであります。
〈当連結会計年度に運転を開始したFIP制度を利用する再生可能エネルギー発電所〉
| 発電所名称 | 所在地 | 発電者名称 | 発電容量 (MW) | 発電種別 | 発電開始年月 |
| 非公表 | 非公表 | テス・エンジニアリング株式会社 | 1.8 | 太陽光発電 | 2024年3月 |
(注)発電容量はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記であります。
また、FIT制度及びFIP制度を利用しないものとしては、以下のとおりオンサイトPPAモデルにおける電力供給サービスを新たに開始いたしました。
〈当連結会計年度に運転を開始したオンサイトPPAモデルにおける電力供給サービス〉
| 供給先 | 所在地 | 発電者名称 | 発電容量 (MW) (注)1 | 発電種別 | 供給開始年月 |
| DMG森精機株式会社様 奈良事業所(第1期) | 奈良県 大和郡山市 | テス・エンジニアリング株式会社 | 0.4 | 太陽光発電 | 2024年1月 |
| THK株式会社様 山形工場(第2期) | 山形県 東根市 | テス・エンジニアリング株式会社 | 1.8 | 太陽光発電 | 2024年2月 |
| 非公表 | 非公表 | テス・エンジニアリング株式会社 | 0.6 | 太陽光発電 | 2024年2月 |
| DMG森精機株式会社様 伊賀事業所(第2期) | 三重県 伊賀市 | テス・エンジニアリング株式会社 | 5.2 | 太陽光発電 | 2024年3月 |
| 三菱地所株式会社様/ 日本生命保険相互会社様 ロジクロス相模原 | 相模原市 中央区 | テス・エンジニアリング株式会社 | 2.3 | 太陽光発電 | 2024年3月 |
| 株式会社ナンチク様 本社工場 | 鹿児島県 曽於市 | テス・エンジニアリング株式会社 | 0.7 | 太陽光発電 | 2024年3月 |
| THKリズム株式会社様 九州工場(第2期) | 大分県 中津市 | テス・エンジニアリング株式会社 | 0.6 | 太陽光発電 | 2024年4月 |
| 岡山県真庭市様 北房文化センター | 岡山県 真庭市 | テス・エンジニアリング株式会社 | 0.1 | 太陽光発電 | 2024年4月 |
| 岡山県真庭市様 北房振興局 | 岡山県 真庭市 | テス・エンジニアリング株式会社 | (注)2 | 太陽光発電 | 2024年4月 |
| 岡山県真庭市様 真庭中央食育センター | 岡山県 真庭市 | テス・エンジニアリング株式会社 | 0.1 | 太陽光発電 | 2024年4月 |
| 生活協同組合コープおおいた様 コープ南春日 | 大分県 大分市 | テス・エンジニアリング株式会社 | 0.3 | 太陽光発電 | 2024年5月 |
| TOPPAN株式会社様 滝野工場 | 兵庫県 加東市 | テス・エンジニアリング株式会社 | 0.6 | 太陽光発電 | 2024年6月 |
| 非公表 | 非公表 | テス・エンジニアリング株式会社 | 0.6 | 太陽光発電 | 2024年6月 |
| 株式会社湖池屋様 九州阿蘇工場 | 熊本県 上益城郡 益城町 | テス・エンジニアリング株式会社 | 0.9 | 太陽光発電 (注)3 | 2024年6月 |
| 非公表 | 非公表 | テス・エンジニアリング株式会社 | 1.1 | 太陽光発電 | 2024年6月 |
| 株式会社 ライフドリンク カンパニー様 御殿場工場 | 静岡県 御殿場市 | テス・エンジニアリング株式会社 | 1.5 | 太陽光発電 | 非公表 |
(注)1.発電容量はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記であります。
2.北房文化センターに設置している太陽光発電システムによりオンサイトPPAモデルにおける電力供給サービスを行います。
3.設置した太陽光発電システムによる発電電力が供給先の電力需要を上回る場合、FIP制度を用いて余剰電力を卸電力取引市場等に売電を行います。
(オペレーション&メンテナンス(O&M))
当連結会計年度においては、メンテナンスサービス、オペレーションサービス、24時間遠隔監視サービス及びエネルギーマネジメントサービスが予定どおりに進捗したことに加え、顧客設備の故障による修理・交換等の突発的なメンテナンス業務が発生したことから、オペレーション&メンテナンス(O&M)全体としての売上は順調に推移いたしました。
(電気の小売供給)
当社グループは、北海道、東北、東京、中部、北陸、関西、中国、四国及び九州の9電力エリアにて法人顧客向けに電気の供給を行っております。当連結会計年度においては、当社グループの期初計画に対して、供給量が減少したことから売上高は減少いたしました。
ERABサービスでは、一般送配電事業者が実施する調整力公募に19件採択されており、リソースアグリゲーター(※)及びアグリゲーションコーディネーターとして調整力の拠出等による売上を計上しております。
(その他)
コージェネレーションシステムを運用する顧客に対して行う燃料供給による売上が順調に推移いたしました。また、日本国内のバイオマス発電所に向けたPKS燃料販売については、当連結会計年度において売上1,912百万円を計上しております。
以上の結果、エネルギーサプライ事業につきましては、売上高は17,479百万円(前年同期比27.1%減)、セグメント利益は1,710百万円(前年同期比70.7%減)となりました。
2)デリバティブ評価益及び法人税等調整額(損)の計上について
当連結会計年度において、デリバティブ評価益5,636百万円を営業外収益に計上いたします。これは、当社の連結子会社である株式会社伊万里グリーンパワーが佐賀県伊万里市において開発を進めている発電容量約46.0MWの大型バイオマス発電事業で使用するPKS燃料調達に係る為替変動リスクをヘッジする目的のために締結している為替予約(以下「本為替予約」といいます。)の時価評価により生じたものです。
本為替予約は、2024年6月末時点で複数の金融機関と総額519百万米国ドルの契約を締結したものであり、予約期間は契約ごとに2025年4月から段階的に開始し、最長2044年8月までとなっております。
デリバティブ評価損益は、キャッシュ・フローの動きの伴わない各四半期末日時点の為替予約未決済残高の時価評価であり、会計処理は、前四半期末日時点に計上された評価損益を洗替処理すると共に、改めて当連結会計年度末日時点での為替予約未決済残高を時価評価し、評価損益として計上いたします。
また、上記デリバティブ評価益の計上に伴う繰延税金負債の計上により、当連結会計年度において法人税等調整額(損)1,846百万円を計上いたします。
3)特別損失の計上について
当社の連結子会社である合同会社熊本錦グリーンパワーにおける木質バイオマス発電事業において、発電所の建設コストの増加や、昨今の木材価格の高騰を背景とした国内の未利用間伐材等のバイオマス燃料の調達価格上昇により収益性が低下いたしました。合同会社熊本錦グリーンパワーの固定資産について、現在の事業環境を踏まえ将来キャッシュ・フローを見積もったところ、減損の兆候が認められたことから、今後の収益計画を考慮した上で、当該固定資産に係る回収可能性を検討した結果、当第4四半期連結会計期間において減損損失3,939百万円を特別損失として計上いたします。
(※)リソースアグリゲーター:
需要家と需給調整契約を締結してエネルギーリソース制御を行う事業者のことであります。
b.財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ8,640百万円増加し、36,022百万円となりました。主な要因は現金及び預金の増加2,980百万円、契約資産の増加3,415百万円及び前渡金の増加2,374百万円によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ16,398百万円増加し、83,106百万円となりました。主な要因は建設仮勘定の増加9,217百万円及びデリバティブ債権の増加5,676百万円によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ4,246百万円増加し、23,249百万円となりました。主な要因は短期借入金の増加3,150百万円及び契約負債の増加1,188百万円によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ7,336百万円増加し、54,082百万円となりました。主な要因は長期借入金の増加3,654百万円及び繰延税金負債の増加1,994百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ13,456百万円増加し、41,796百万円となりました。主な要因は資本金の増加6,733百万円及び資本剰余金の増加6,025百万円によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は14,098百万円と前連結会計年度末と比べ3,071百万円(27.9%)の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローの支出は、42百万円(前連結会計年度は13,827百万円の収入)となりました。営業活動による資金減少の主な要因は、契約資産の増加額3,415百万円、デリバティブ評価益5,636百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローの支出は、15,490百万円(前連結会計年度は16,029百万円の支出)となりました。投資活動による資金減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出15,142百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローの収入は、18,436百万円(前連結会計年度は5,192百万円の支出)となりました。財務活動による資金増加の主な要因は、長期借入れによる収入8,389百万円、株式の発行による収入13,467百万円等であります。財務活動による資金減少の主な要因は、長期借入金の返済による支出4,598百万円等であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。エネルギーサプライ事業につきましては、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| エンジニアリング事業 | 13,163 | 126.3 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。エネルギーサプライ事業につきましては、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) | |||
| 受注高 (百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比(%) | |
| エンジニアリング事業 | 21,117 | 159.0 | 17,025 | 187.7 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| エンジニアリング事業 | 13,163 | 126.3 |
| エネルギーサプライ事業 | 17,479 | 72.9 |
| 合計 | 30,643 | 89.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満の相手先につきましては、記載を省略しております。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) | 当連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ベスト・ソーラー合同会社 | 4,835 | 14.0 | - | - |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。経営者は、債権、棚卸資産、投資、繰延税金資産、引当金等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、上記期間における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要」も併せてご参照ください。
a.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3,771百万円減少し、30,643百万円(前年同期比11.0%減)となりました。エンジニアリング事業においては、脱炭素ニーズの高まり等により省エネ・再エネにおける受託型EPCが増加し、エネルギーサプライ事業においては、自社再生可能エネルギー発電所による発電、オペレーション&メンテナンス(O&M)及びバイオマス燃料販売が計画通りに推移いたしました。しかしながら、前連結会計年度において、自社で保有する太陽光発電所9件の売却や、福岡県京都郡みやこ町における大型太陽光発電所の工期短縮に伴う開発報酬による売上高の計上があった反動減により、当連結会計年度の売上高は前年同期比減収となりました。
(売上原価・売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ286百万円増加し、24,089百万円(前年同期比1.2%増)となりました。売上総利益は、前連結会計年度に比べ4,058百万円減少し、6,553百万円(前年同期比38.2%減)となりました。これは主に、当連結会計年度の売上高の減少に伴うものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ436百万円増加し、4,183百万円(前年同期比11.6%増)となりました。営業利益は、前連結会計年度に比べ4,494百万円減少し、2,370百万円(前年同期比65.5%減)となりました。これは主に、人件費や営業活動費の増加によるものであります。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外損益としては、営業外収益は前連結会計年度に比べ5,685百万円増加し、6,496百万円(前年同期比701.2%増)となり、営業外費用は前連結会計年度に比べ951百万円減少し、1,205百万円(前年同期比44.1%減)となりました。経常利益は前連結会計年度に比べ2,142百万円増加し、7,660百万円(前年同期比38.8%増)となりました。これは主に、営業外収益においてデリバティブ評価益5,636百万円を計上したこと等によるものであります。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損益は特別損失3,939百万円となりました。これは、当社の連結子会社である合同会社熊本錦グリーンパワーに係る減損損失3,939百万円を計上したことによるものであります。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2,406百万円減少し、1,185百万円(前年同期比67.0%減)となりました。これは主に、上記の特別損失及びデリバティブ評価益に伴う繰延税金負債の計上による法人税等調整額(損)1,846百万円を計上したことによるものであります。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)資金の調達方針
当社グループの所要資金調達は、主に運転資金及び設備資金需要によるものであります。運転資金については主にエンジニアリング事業における設備工事及びシステム工事の用途として調達しており、原則として完工時一括入金の工事については銀行借入により資金の調達を行っていく方針であります。設備投資については、主にエネルギーサプライ事業において、当社グループでFIT制度に基づく再生可能エネルギー発電所等の設備を所有するためのSPCを設立し、プロジェクトファイナンスによる資金調達を行っております。プロジェクトファイナンスでは、プロジェクトの工事期間にわたり分割して資金調達を実施し、発生費用に対応する借入金額が確定した時点で利息等の条件を確定し、返済は借入金額が借入限度額まで達した後又は借入金額が確定した後に行います。FIT制度の固定買取期間は20年間のため、プロジェクト期間に応じて主に10年から18年の長期借入契約を締結していく方針であります。
2)資金調達の方法
当社グループは、運転資金及び設備資金について長期借入金及び短期借入金により調達しており、手元流動性預金と合わせ、緊急な支出にも対応可能な体制を整えております。現在、社債の発行は行っておりません。
グループ各社の資金調達方法については、基本的には各社で金融機関から資金調達を行っており、合同会社の一部の子会社は、他のグループ会社より資金調達を行っております。
当連結会計年度末における有利子負債残高は65,646百万円となっております。
③経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループでは、2024年8月14日に「TX2030 TESS Transformation 2030 / TESSグループ 中期経営計画(2025-2030)」(以下、中期経営計画(2025-2030)という。)を発表いたしました。中期経営計画(2025-2030)では、企業価値の向上に向けた方針として「ROE/ROIC重視経営」「成長投資と株主還元」及び「ESG経営の推進」を掲げております。なお、2022年8月14日発表の「TESSグループ 中期経営方針」にて経営指標等を定めておりましたが、この度、中期経営計画(2025-2030)の策定に伴い当該指標等について見直しを行った結果、以下のとおり新たに計画を定めております。
<企業価値の向上に向けた方針>・ROE/ROIC重視経営
・成長投資と株主還元
・ESG経営の推進
<経営指標>
| 2024年6月期実績 | 2027年6月期計画 | 2030年6月期計画 | |
| 売上総利益 | 65億円 | 132億円 | 215億円 |
| 営業利益 | 23億円 | 64億円 | 134億円 |
| ROE | 3.4% | 5.8% | 11.7% |
| ROIC | 1.6% | 3.0% | 5.7% |
| 自社FIP転再エネ容量 | 0MW | 75MW | 113MW |
| 累積施工容量(系統用蓄電所) | 0MW | 100MW | 700MW |
| 累積施工容量(系統用以外蓄電所) | 0MW | 120MW | 150MW |
| バイオマス燃料供給量 | 10.4万t/年 | 35万t/年 | 50万t/年 |
| 再エネ発電容量(※) | 231.8MW | 380MW | 470MW |
(※)再エネ発電容量は、当社の連結子会社の保有分であります。