有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/11/19 15:00
【資料】
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【項目】
152項目
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社の事業はDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
① 財政状態の状況
第15期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
a.資産
当事業年度末における資産合計は、518,153千円(前事業年度末379,210千円)となり、138,943千円の増加となりました。このうち、流動資産は465,571千円(前事業年度末328,120千円)となり、137,451千円の増加となりました。この主な要因は、現金及び預金が142,869千円増加したことによるものです。また、固定資産は52,581千円(前事業年度末51,089千円)となり、1,492千円の増加となりました。この主な要因は、オフィス集約等により有形固定資産が4,404千円、敷金及び保証金が8,481千円減少した一方で、繰延税金資産が14,418千円増加したことによるものです。
b.負債
当事業年度末における負債合計は、461,379千円(前事業年度末363,020千円)となり、98,358千円の増加となりました。このうち、流動負債は259,849千円(前事業年度末217,776千円)となり、42,072千円の増加となりました。この主な要因は、短期借入金が26,500千円増加したことによるものです。また、固定負債は長期借入金の増加によって、201,530千円(前事業年度末145,244千円)となりました。
c.純資産
当事業年度末における純資産合計は、56,774千円(前事業年度末16,189千円)となり、40,585千円の増加となりました。この主な要因は、当期純利益の計上によって利益剰余金が増加したことによるものです。
第16期第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
a.資産
当第3四半期会計期間末における資産合計は、585,898千円(前事業年度末518,153千円)となり、前事業年度末に比べ67,744千円の増加となりました。このうち、流動資産は513,299千円(前事業年度末465,571千円)となり、47,727千円の増加となりました。この主な要因は、現金及び預金が69,942千円増加した一方で、売掛金が22,927千円減少したことによるものです。また、固定資産は72,599千円(前事業年度末52,581千円)となり、20,017千円の増加となりました。この主な要因は、非連結子会社の清算手続の結了に伴い関係会社株式が7,038千円減少した一方で、無形固定資産が12,346千円、繰延税金資産が15,503千円増加したことによるものです。
b.負債
当第3四半期会計期間末における負債合計は、295,012千円(前事業年度末461,379千円)となり、前事業年度末に比べ166,366千円の減少となりました。このうち、流動負債は142,658千円(前事業年度末259,849千円)となり、117,190千円の減少となりました。この主な要因は、買掛金が69,563千円減少、短期借入金が26,500千円減少したことなどによるものです。また、固定負債は新規の借入を実行したものの長期借入金の返済により49,176千円減少し、152,354千円(前事業年度末201,530千円)となりました。
c.純資産
当第3四半期会計期間末における純資産合計は、290,886千円(前事業年度末56,774千円)となり、前事業年度末に比べ234,111千円の増加となりました。この主な要因は、四半期純利益の計上によって利益剰余金が137,182千円増加したことや、第三者割当増資による新株式の発行によって資本金及び資本剰余金がそれぞれ48,464千円増加したことによるものです。
② 経営成績の状況
第15期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な経済活動の停滞によって景気は急激に落ち込み、社会・経済活動の自粛効果による感染拡大抑制やワクチンの開発、生活・ワークスタイルの変化をとおして、今後徐々に景気の回復が期待されてはいるものの、未だ先行きが不透明な状態にあります。
当社が主に事業展開を行うDX及びデジタルマーケティング関連市場においては、新型コロナウイルス感染症が起因となり新たなライフスタイルの確立や消費のEC化の加速による消費者のメディア接点の多様化に伴い、これらに対応するためのデジタルシフトをはじめとしたDXを推進する取り組みが多くの企業において活発なものとなっており、デジタルマーケティングへのニーズもより一層増加しております。
このような環境のもと、当社では「マーケティングテクノロジーで世界を豊かに」をミッションとして、DXの領域において企業がかかえるマーケティング課題解決を支援するため、コンサルタントによる直接的な人的支援及び、これまでの知見・ノウハウを集約したSaaS型ソフトウェアによるマーケティングツールの提供を中心として事業を展開してまいりました。
当事業年度においては、新規顧客の獲得及び既存顧客の売上拡大のため、積極的な人材採用・育成とソフトウェア開発への投資を進め、事業拡大に努めてまいりました。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高531,528千円(前事業年度比15.8%増)、営業利益31,601千円(前事業年度は60,322千円の営業損失)、経常利益30,940千円(前事業年度は64,412千円の経常損失)、当期純利益40,585千円(前事業年度は39,906千円の当期純損失)となりました。
第16期第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、緊急事態宣言は2021年9月30日付をもって解除されたものの、新型コロナウイルス感染症の変異株の広がりにより、長期間にわたって企業活動をはじめとした経済活動が様々な場面で制限を余儀なくされている状態にあり、収束時期はいまだに不透明な状況にあります。
当社が主に事業展開を行うDX及びデジタルマーケティング関連市場においては、新型コロナウイルス感染症が起因となり新たなライフスタイルの確立や消費のEC化の加速による消費者のメディア接点の多様化に伴い、これらに対応するためのデジタルシフトをはじめとしたDXを推進する取り組みが多くの企業において活発なものとなっており、デジタルマーケティングへのニーズもより一層増加しております。
このような状況の中、当社では前事業年度に引き続き、DXの領域において企業がかかえるマーケティング課題解決を支援するため、コンサルタントによる直接的な人的支援及びこれまでの知見・ノウハウを集約したSaaS型ソフトウェアによるマーケティングツールの提供を軸に、新規顧客の獲得及び既存顧客の売上拡大のため、積極的な人材採用・育成とソフトウェア開発への投資を進め、事業拡大に努めてまいりました。
この結果、当第3四半期累計期間の業績は、売上高477,721千円、営業利益138,451千円、経常利益136,825千円、四半期純利益137,182千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
第15期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
前事業年度は連結財務諸表を作成しているため、個別キャッシュ・フロー計算書を作成しておらず、従って、前年同期比較の記載は行っておりません。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ142,869千円増加し、325,207千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果得られた資金は、53,338千円となりました。これは主に、売上債権の増加額9,869千円による減少要因があったものの、税引前当期純利益26,457千円及び減価償却費4,222千円による増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果得られた資金は、2,893千円となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入8,956千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果得られた資金は、86,906千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出39,594千円があったものの、長期借入れによる収入100,000千円があったためであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は、DXの領域における各種サービスを主たる事業としており、生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。
b 受注実績
当社は、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c 販売実績
第15期事業年度及び第16期第3四半期累計期間における販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
サービス別の名称第15期事業年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
第16期第3四半期累計期間
(自 2021年1月1日
至 2021年9月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)販売高(千円)
デジタル顧客獲得支援サービス270,532118.1272,984
デジタル顧客育成支援サービス260,995113.5204,737

(注)1.最近2事業年度及び第16期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売
実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第14期事業年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
第15期事業年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
第16期第3四半期累計期間
(自 2021年1月1日
至 2021年9月30日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社リヴァンプ16,0713.055,53411.6

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、財務諸表作成時に入手可能な情報及び合理的な基準に基づき判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
なお、以下の重要な会計方針が財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社は繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社は固定資産について、減損の兆候があり、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する方針です。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第15期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
a.売上高
当事業年度における売上高は531,528千円(前事業年度比15.8%増)となりました。これは主に継続型の案件受注の成長及び継続型の案件における解約率の抑制によって、収益基盤が拡大とともに安定したことによるものであります。
b.売上原価、売上総利益
当事業年度における売上原価は221,587千円(前事業年度比25.4%増)となりました。これは主に、サービスの制作・提供においてアウトソース活用場面が増加したことで外注取引先数が増加したことによるものであります。結果として、売上総利益は309,940千円(前事業年度比9.8%増)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損益
当事業年度における販売費及び一般管理費は278,339千円(前事業年度比18.8%減)となりました。
この結果、営業利益は31,601千円(前事業年度は営業損失60,322千円)となりました。これは主に、外部リソースの効率的な活用による人件費の減少、オフィス集約による事業所費用の抑制や研究開発活動の一部が完了したことにより研究開発費が減少したことによるものであります。
d.経常損益
当事業年度において営業外収益が1,611千円(前事業年度は営業外収益427千円)、営業外費用が2,271千
円(前事業年度は営業外費用4,517千円)発生しております。これは主に支払利息によるものであります。この結果、経常利益は30,940千円(前事業年度は経常損失64,412千円)となりました。
e.当期純損益
当事業年度において特別損失が4,483千円(前事業年度は未発生)発生しております。これは主にオフィス集約に伴い発生した固定資産除却損によるものであります。また、法人税等△14,128千円を計上した結果、当期純利益は40,585千円(前事業年度は当期純損失39,906千円)となりました。
第16期第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
a.売上高
当第3四半期累計期間における売上高は477,721千円となりました。これは主に、デジタル顧客獲得支援サービスにおいて高単価の案件受注が増加したことによるものであります。
b.売上原価、売上総利益
当第3四半期累計期間における売上原価は173,824千円となりました。これは主に、受注案件数の増加に伴いアウトソース活用が増えたことによるものであります。結果として、売上総利益は303,897千円となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損益
当第3四半期累計期間における販売費及び一般管理費は165,445千円となりました。
この結果、営業利益は138,451千円となりました。これは主に、第15期事業年度に実施したオフィス集約による事業所費用の減少や、第15期事業年度に新規研究開発の一部が完了したことに伴い研究開発費が減少したことによるものであります。 d.経常損益
当第3四半期累計期間において営業外収益が664千円、営業外費用が2,291千円発生しております。これは主に為替差益、支払利息、株式交付費によるものであります。この結果、経常利益は136,825千円となりました。
e.四半期純損益
当第3四半期累計期間において特別利益が312千円発生しております。これは、非連結子会社の清算手続の結了に伴う子会社清算益によるものであります。また、法人税等合計△45千円を計上した結果、四半期純利益は137,182千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社では、より高い成長性及び収益性を確保する観点から、客観的な経営指標として売上高及び営業利益を重視しております。
当該指標につきましては、第14期事業年度(2019年12月期)は売上高458,986千円、営業損失60,322千円、第15期事業年度(2020年12月期)は売上高531,528千円、営業利益31,601千円、第16期第3四半期累計期間(2021年9月30日)は売上高477,721千円、営業利益138,451千円となっております。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性について
当社の資金需要が生じるものとしては、人件費、広告宣伝費、地代家賃等の運転資金のほか、事業拡大に伴う採用活動のための採用費やプロダクトの開発費であります。財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は営業活動により得られたキャッシュ・フロー、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。