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有価証券報告書-第11期(2025/07/01-2026/06/30)

【提出】
2026/09/29 15:30
【資料】
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【項目】
114項目
(1) 経営成績等の状況
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社は、治療用アプリ開発及び製造販売を行う「DTx(デジタル治療:Digital Therapeutics)プロダクト事業」、並びに汎用臨床試験システム、機械学習自動分析システムの提供及びこれらシステムを活用したDTx開発支援から構成される「DTxプラットフォーム事業」の2つの事業を展開し、ブロックチェーン技術やAI(人工知能)技術の応用で業界に新たな価値を生み出し社会課題を解決することを目指して事業を推進しています。
DTxプロダクト事業では、不眠障害の治療支援を行うプログラム医療機器として開発しておりました不眠障害用アプリについて、2026年6月1日より保険適用となり、同日より販売を開始しております。本アプリに関しては、2026年8月26日付で、塩野義製薬株式会社との間で締結しておりました販売提携契約に基づく保険収載に伴うマイルストン収入の額を2億円とすることで合意するとともに、当該販売提携契約の終了に関する合意書を締結しました。今後は、当社単独で本アプリの販売を推進してまいります。また、杏林製薬株式会社と共同開発を行っている耳鳴治療用アプリにおいては、検証的試験を開始し、最初の被験者により本アプリの使用が開始されたことによるマイルストン2.4億円を受領いたしました。今後は、共同研究開発及び販売に関する契約に基づき、開発進展などに応じたマイルストン収入の受領を予定するとともに、製品上市後はその販売額に応じたロイヤリティを受領する予定です。さらに、あすか製薬株式会社と共同開発を行っている月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリでは、特定臨床研究で期待する有効な結果が確認されたことに伴い、マイルストン1億円を受領いたしました。今後は開発段階などに応じたマイルストン収入として総額最大23億円の受領を予定するとともに、製品上市後はその販売額に応じたロイヤリティを受領する予定です。進行がん患者向けのアドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリでは、企業治験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を行っております。本アプリについては、東京慈恵会医科大学と産学連携講座を開設し、社会実装を目指していくこととしています。その他のパイプラインにつきましても、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリでは、探索的試験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を完了し、次の試験に向けて準備を進めております。さらに、国立大学法人新潟大学と共同開発を行っている持続性知覚性姿勢誘発めまいに対する治療用アプリについては、臨床研究を完了し、その結果が「第127回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会」において発表されるなど、開発は順調に進捗しております。今後も長期的視点での収益の最大化のために、財務指標に先行する開発パイプラインの件数や、臨床試験の進捗を重要な経営指標と位置付けて事業運営を行ってまいります。
DTxプラットフォーム事業では、当社のブロックチェーン技術を活用した治験管理システム(SUSMED SourceDataSync®)を利用し、アキュリスファーマ株式会社(現 ヴィアトリス製薬合同会社)において、ナルコレプシー患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験及び閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気が残存する患者を対象としたヒスタミン H3 受容体拮抗薬/逆作動薬 Pitolisant の国内第Ⅲ相臨床試験が実施され、本書提出日現在、当該医薬品の製造販売承認が取得されたことが報告されております。また、国立大学法人東北大学と進めていたSUSMED SourceDataSync®の活用による統合型静脈疾患レジストリシステムの構築が完了し、企業へ提供しております。本レジストリシステムを医療機器の使用成績調査で利活用することにより、効率的に医療機器の使用成績の評価や適正使用の推進が可能となり、医療現場での作業負荷が大幅に軽減することが期待されます。さらに、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターが実施する筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を対象とした医師主導治験、Heartseed株式会社が実施する虚血性心疾患及び拡張型心筋症による重症心不全を対象にした企業治験並びに杏林製薬株式会社と共同開発を行っている耳鳴治療用アプリの検証的試験においても、SUSMED SourceDataSync®を活用しております。今後も医療分野においてブロックチェーン技術を活用することで、医療データの信頼性向上及び臨床開発コストの適正化の実現を目指してまいります。
アカデミアとの取り組みにつきましては、今後もアンメットニーズや医療の持続可能性に寄与する研究開発活動を引き続き強化してまいります。
こうした事業活動の結果、当事業年度における業績は、事業収益497,211千円(前事業年度比7.4%増)、営業損失330,161千円(前事業年度は299,479千円の損失)、経常損失325,530千円(前事業年度は294,673千円の損失)、当期純損失382,691千円(前事業年度は298,404千円の損失)となりました。
なお、東京都の働くパパママ育業応援奨励金制度に係る交付額確定などによる「助成金等収入」4,736千円を営業外収益に計上しております。
また、当社は、営業キャッシュ・フローが継続してマイナスとなり、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回ることが見込まれるため、全社資産について「減損損失」67,471千円を特別損失に計上しております。減損損失の金額の内訳は工具器具備品3,449千円、建設仮勘定64,021千円となります。
セグメント別の概況は、以下のとおりです。
(DTxプロダクト事業)
当セグメントは、治療用アプリ開発及び製造販売で構成されております。治療用アプリ開発では、杏林製薬株式会社と共同開発を行っている耳鳴治療用アプリにおいて、特定臨床研究が完了し、その結果を踏まえて開始した検証的試験において、最初の被験者により本アプリの使用が開始されたことによるマイルストン2.4億円を受領いたしました。さらに、あすか製薬株式会社と共同開発を行っている月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリでは、特定臨床研究で期待する有効な結果が確認されたことに伴い、マイルストン1億円を受領いたしました。進行がん患者向けのアドバンス・ケア・プランニングを支援するアプリでは、企業治験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を行っております。その他のパイプラインにつきましても、慢性腎臓病患者向けの腎臓リハビリアプリでは、探索的試験(第Ⅱ相臨床試験に相当)を完了し、次の試験に向けて準備を進めております。また、国立大学法人新潟大学と共同開発を行っている持続性知覚性姿勢誘発めまいに対する治療用アプリにおいては、臨床研究を完了し、その結果が「第127回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会」において発表されました。治療用アプリの製造販売では、不眠障害の治療支援を行うプログラム医療機器として開発しておりました不眠障害用アプリについて、2026年6月1日より保険適用となり、同日より販売を開始しております。
この結果、本事業の事業収益は340,234千円(前年同期は300,000千円)、セグメント利益は103,418千円(前年同期は118,092千円)となりました。
(DTxプラットフォーム事業)
当セグメントは、汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの提供、並びにこれらシステムを活用したDTx開発の支援で構成されております。汎用臨床試験システムの提供に関しては、アキュリスファーマ株式会社との間で締結した、治験実施に関する契約に基づき、企業治験としては世界初となるブロックチェーン技術を活用した治験を実施しました。その他、SUSMED SourceDataSync®を活用した臨床試験の実施に関する提案活動を積極的に展開しております。機械学習自動分析システムの提供に関する活動につきましては、継続利用に支えられ、収益は安定的に推移しております。
この結果、本事業の事業収益は156,977千円(前年同期は162,988千円)、セグメント利益は76,958千円(前年同期は33,133千円)となりました。
(資産)
当事業年度末における流動資産合計は、4,027,580千円となり、前事業年度末に比べ435,048千円減少いたしました。これは主に売掛金及び契約資産が258,359千円、前払費用が1,781千円増加した一方、現金及び預金が699,836千円減少したこと等によるものであります。
当事業年度末における固定資産合計は、190,526千円となり、前事業年度末に比べ150,182千円増加いたしました。これは無形固定資産が72,424千円、投資その他の資産が71,356千円、有形固定資産が6,402千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における流動負債合計は、147,943千円となり、前事業年度末に比べ22,002千円増加いたしました。これは主に未払消費税等が10,124千円減少した一方、未払金が17,172千円、未払費用が6,269千円、契約負債が5,561千円増加したこと等によるものであります。
当事業年度末における固定負債合計は、零となり、前事業年度末に比べ6,390千円減少いたしました。これは、資産除去債務の減少によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は4,070,163千円となり、前事業年度末に比べ300,478千円減少いたしました。これは主に譲渡制限付株式報酬としての新株発行等により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ17,876千円、新株予約権が46,553千円増加した一方、当期純損失の計上に伴い利益剰余金が382,691千円減少したこと等によるものであります。なお、2026年5月25日効力発生の減資により、資本金が107,104千円減少し、資本剰余金が107,104千円増加しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は3,698,300千円(前事業年度は4,398,137千円)となりました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は474,454千円(前事業年度は432,477千円の支出)となりました。これは主に、減少要因として、税引前当期純損失378,891千円、売上債権及び契約資産の増加額258,359千円、未払消費税等の減少額10,124千円があった一方、増加要因として、株式報酬費用84,074千円、減損損失67,471千円、未払金の増加額17,077千円、減価償却費10,174千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は228,130千円(前事業年度は19,970千円の支出)となりました。これは、無形固定資産の取得による支出82,334千円、有形固定資産の取得による支出74,042千円、敷金及び保証金の差入による支出71,753千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は2,747千円(前事業年度は3,665千円の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入3,167千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は受注生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b 受注実績
当社は受注生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
c 販売実績
当事業年度における販売実績は、以下のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
DTxプロダクト事業340,234113.4
DTxプラットフォーム事業156,97796.3
合計497,211107.4

(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2024年7月1日
至 2025年6月30日)
当事業年度
(自 2025年7月1日
至 2026年6月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
杏林製薬株式会社--240,00048.3
あすか製薬株式会社300,00064.8100,00020.1
株式会社コラボスクエア92,32519.973,23014.7

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成において、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を及ぼす見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは固定資産の減損損失であり、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (損益計算書関係) ※4 減損損失」に記載しております。
② 経営成績等に関する分析
(事業収益)
当事業年度の事業収益は、497,211千円(前事業年度は462,988千円)となりました。これは主に、DTxプロダクト事業において、耳鳴治療用アプリの検証的試験において当該アプリの利用が開始されたことによるマイルストン収入及び月経前症候群・月経前不快気分障害を対象とした治療用アプリの特定臨床研究において期待する有効な結果が確認されたことに伴うマイルストン収入を収益計上したこと、並びにDTxプラットフォーム事業における汎用臨床試験システムに係る収益が順調に推移したこと等によるものです。
(事業費用、営業損失)
当事業年度の事業原価については17,387千円(前事業年度は12,264千円)となりました。これは主に、DTxプラットフォーム事業における臨床試験システムの提供・利用による事業収益の増加に伴い事業原価が増加したこと等によるものです。当事業年度の研究開発費は247,459千円(前事業年度は273,634千円)となりました。これは主に、DTxプロダクト事業における既存パイプラインの開発に係る人件費が増加した一方で、DTxプラットフォーム事業における汎用臨床試験システムのソフトウェア開発に係る人件費を資産計上したこと等によるものです。当事業年度の販売費及び一般管理費は、562,525千円(前事業年度は476,569千円)となりました。これは主に、事業規模の拡大による人件費の増加等によるものです。
その結果、営業損失は330,161千円(前事業年度は299,479千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
当事業年度の営業外収益は、5,026千円(前事業年度は11,815千円)となりました。これは主に、助成金等収入4,736千円等によるものです。また、当事業年度の営業外費用は395千円(前事業年度は7,009千円)となりました。これは主に、株式交付費338千円等によるものです。
その結果、経常損失は325,530千円(前事業年度は294,673千円)となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等合計、当期純損失)
当事業年度の特別利益は、14,137千円(前事業年度は2,234千円)となりました。これは、新株予約権戻入益7,747千円、資産除去債務戻入益6,389千円によるものです。また、当事業年度の特別損失は、67,498千円(前事業年度は4,755千円)となりました。これは主に、固定資産の減損損失67,471千円等によるものです。当事業年度における法人税等合計は3,800千円(前事業年度は1,210千円)となりました。
その結果、当期純損失は382,691千円(前事業年度は298,404千円)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因に関しては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性について
当社の最重要課題は、販売を開始した不眠障害用アプリの普及及び収益拡大を図ることです。また、治療用アプリ開発のプラットフォームを活用して複数のパイプラインを組成し、治療用アプリの開発に取り組むとともに、汎用臨床試験システム及び機械学習自動分析システムの開発も継続してまいります。これらの研究開発に必要な資金については、自己資金を充当する方針です。加えて、今後、不眠障害用アプリの販売拡大により得られる収益を研究開発へ再投資することで、企業価値の最大化を目指してまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

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