半期報告書-第18期(2025/09/01-2026/08/31)

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2026/04/14 15:39
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【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当社グループは当中間連結会計期間より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前中間連結会計期間及び前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較・分析を行っております。財務数値に係るIFRSと日本基準との差異については、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 12.初度適用」をご覧ください。
また、2024年7月1日に行われた株式会社BEXとの企業結合について前中間連結会計期間に暫定的な会計処理を行っておりましたが、前第3四半期連結会計期間末に確定したため、前中間連結会計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況
① 経営成績の状況
当中間連結会計期間における世界経済は、米国をはじめとする主要国の金融政策転換や通商政策の変動に加え、中東情勢の緊迫化に伴うホルムズ海峡での緊張高まりを背景としたエネルギー価格のボラティリティ(変動)など、地政学リスクによる不透明感が継続いたしました。こうしたコスト増への懸念が残る一方で、デジタルトランスフォーメーション(DX)投資への意欲は底堅く推移いたしました。わが国経済におきましては、原材料費やエネルギーコストの高騰も相まって、企業においては省人化・自動化が喫緊の課題となっております。これらを解決する手段として、AI(人工知能)技術への期待はかつてない高まりを見せております。
当中間連結会計期間におけるAI業界の動向といたしましては、生成AI(Generative AI)の活用が「実験的導入(PoC)」のフェーズを脱し、具体的な投資対効果(ROI)を追求する「社会実装」のフェーズへと本格的に移行いたしました。特筆すべきは、AIが単なる対話ツールから、自律的にタスクを計画・実行する「AIエージェント(Agentic AI)」へと進化したことです。これにより、サイバー空間のみならず、製造・物流・交通といった物理空間におけるAI活用、すなわち「フィジカルAI」の領域においても市場が急拡大しております。
このような経営環境の下、当社グループは「テクノロジーに想像力を載せる」という経営理念のもと、ビジョン達成に向けた事業基盤の強化に取り組んでまいりました。特に、AIプラットフォームとシステムインテグレーションの融合による「AIの実装」、およびグループシナジーを活かした自動車・GPUインフラ領域での高付加価値サービスの提供に注力いたしました。また、社内においては「テクノロジーファースト」の文化を深化させ、全エンジニアがAI開発ツールを駆使する「AIネイティブ化」を推進することで、開発プロセスの生産性向上と品質の高度化を図っております。
<当社グループの優位性>当社グループが持続的な成長を実現し得る最大の要因は、AIの研究開発からシステム実装、さらにはその稼働基盤となるインフラ(GPU)構築までを一気通貫で完遂できる『社会実装力』にあります。
多くのAI開発プロジェクトが実証実験(PoC)の段階で停滞する『PoCの壁』に直面する中、当社は基礎論文の調査からモデル開発、そして顧客の既存システムへの組み込みまでをワンストップで提供できる稀有な体制を構築しております。特に、世界大会優勝の実績を持つ囲碁AI開発で培った『実践学習』のアプローチは、統計的手法と機械学習をタスクに応じて最適に使い分けることを可能にし、データ解析や特徴量抽出において他社と一線を画す精度の高さを実現しております。加えて、画像認識プラットフォーム『AIZE』は、顧客ニーズを起点とした『マーケットイン』の発想により自社開発されており、柔軟なカスタマイズ性と導入の容易さが、現場レベルでのDX定着を加速させています。

また、当社グループの競争優位性の源泉は、ハードウェアとソフトウェアの双方に精通したハイブリッドなエンジニア組織にもあります。AI・DX領域においては、囲碁AIの研究開発ネットワークを通じて採用・育成された最先端のエンジニア約190名が、顧客のビジネス変革を強力に支援しております。一方、自動車設計領域においては、大手自動車メーカーの設計開発に40年以上にわたり携わり、関与特許実績140件超を有する約160名の熟練エンジニアが在籍しております。この『最先端AI』と『伝統的エンジニアリング』の融合こそが、昨今のトレンドである『フィジカルAI(実世界で機能するAI)』の開発に繋がるものと考えております。
さらに、AI開発に不可欠な計算資源においても、当社グループは高性能GPUサーバーの導入から保守・運用、データセンター構築までを自社で完結できる体制を有しております。半導体不足やクラウドコストの高騰が課題となる中、インフラ層からアプリケーション層までを垂直統合で提供できる当社の強みは、セキュリティとコストパフォーマンスを重視するエンタープライズ顧客からの信頼獲得に直結しております。

<当社グループ戦略>当社グループはこの強固な事業基盤をテコに、AIの社会実装を加速させるべく『3つの成長エンジン』を主軸とした成長戦略を推進しております。

第1の戦略は、顔認証・生体認証システムによる『公正・安全』な社会インフラの構築です。当社の顔認証技術は、単なる利便性の提供を超え、スマートフォンの普及だけでは解決できない『本人確認の厳格化』が求められる領域へと展開しております。具体的には、エンターテインメント分野におけるチケット不正転売防止、Web試験での替え玉受験防止、さらには小売業界における特定の顧客層へのサービス提供など、公平性と安全性が価値となる市場において、高単価かつ不可欠なインフラとしての導入を加速させております。

第2の戦略は、製造・印刷業をはじめとするレガシー産業へのAI実装の深化です。クラウド完結型のAIベンダーが多い中、当社は現場のオペレーションに深く入り込む『エッジAI』と『フィジカルAI』を組み合わせることで、顧客固有の課題に合致した実効性の高いソリューションを提供しております。特に、日本の産業基盤である自動車やIP(知的財産)関連産業においては、単なる概念実証(PoC)にとどまらず、工数削減や歩留まり改善といった明確な投資対効果(ROI)を創出する『実益直結型』の提案を行い、顧客企業の収益構造改革に貢献してまいります。

第3の戦略は、産学連携を通じた技術シーズの事業化と人材エコシステムの拡大です。当社は産官学連携のハブとして、大学の先端研究シーズをシステム化し、自治体や公共機関へ展開するモデルを構築しております。この取り組みは、新たな収益機会の創出にとどまらず、共同研究を通じて優秀な学生エンジニアとの接点を強化するリクルーティング・エコシステムとしても機能しており、持続的な技術革新を支える原動力となっております。

また、これらの事業戦略を支える基盤として、当社は全社員がAIスキルを高め、業務プロセスそのものを変革する『AIネイティブな組織』への進化を遂げています。『テクノロジーで社会課題を解決するSIパートナー』として、既存事業の有機的な成長に加え、M&Aや資本業務提携による非連続な成長も視野に入れ、成長を加速してまいります。
これらの結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上収益は2,809,958千円(前年同期比2.7%増)、営業利益は70,309千円(前年同期は営業損失49,924千円)、親会社の所有者に帰属する中間利益は36,201千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する中間損失53,196千円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(AIソリューション事業)
当セグメントは、AI/システム開発を行うAIインテグレーション、AI搭載の自社プロダクトサービスを行うAIプロダクト、自動車設計を行うエンジニアリングの3つのサブセグメントにより構成されています。
・AIインテグレーションにおきましては、商流の見直しやエンジニア単価の上昇施策が奏功し、社員1人当たり月平均売上高は前年同四半期の1,296千円から当第2四半期は1,647千円へと大幅に増加しました。また、ビジネスパートナー粗利率も同13.4%から15.8%へと上昇基調にあります。需要面では、生成AI関連の開発ニーズが引き続き安定的に拡大しており、特に企業の社内データを活用したRAG(検索拡張生成)開発、AI駆動開発、図面見積AI、車両異常検知AIなど、多岐にわたる案件を受注いたしました。また、単発のAI開発契約から継続的なAI請負案件へと繋がる事例が増加しており、収益基盤の安定化が進んでおります。大手商社系列物流会社から基幹システム開発を受注し、4月より案件がスタートすることとなっており、物流分野へのAI社会実装を加速させております。
・AIプロダクトにおきましては、顔認証勤怠アプリ「アルろく for LINE WORKS」が順調に導入数を伸ばし、利用ID数は4,000IDを突破いたしました。LINE WORKS株式会社との共同販促も本格化しており、大手製薬会社、大手カーディーラーでの導入が今期スタートを予定しております。また、AIZE Bizについては大手食品卸グループの導入が今期よりスタートを予定しており、国産タブレットシェアトップであるLIMNO社とソフトウエア開発における協力がスタートいたしました。このような事業進捗を背景に当社AIプロダクトにおける累計ID数が15万IDを突破し、AI社会実装が進行しております。
・エンジニアリングにおきましては、エンジニア人数減が収束し、現在では新卒・中途採用を強化するフェーズへと移行しております。案件増により請負工数が増加傾向にあり、第1四半期から引き続き第2四半期は順調に業績が進捗しました。また、新たな付加価値創出の取り組みとして、AIソフトウエア開発プロジェクトチームが開発した自動車設計業務効率化ソフトの導入により年間4000時間の工数削減を見込んでおります。機密性の高い設計書データを扱うための「ローカルLLM(大規模言語モデル)」を活用したナレッジ検索システムの実装に向けた研究開発も引き続き進捗しております。
以上の結果、当中間連結会計期間において、売上収益は2,427,878千円(前年同期比4.3%増)となり、セグメント利益は122,416千円(前年同期比16.9%増)となりました。
(GPUサーバー事業)
当セグメントにおきましては、AI市場の拡大に伴う計算資源への需要変化を的確に捉え、事業構造の転換を推進しております。
当中間連結会計期間においては、3月末決算企業へのAI開発用途向けGPUサーバーの販売が進捗し、売上総利益が前期比113.2%で着地しました。暗号資産マイニング収入は市場価格の悪化を受けて低迷し、また、当中間連結会計期間末の暗号資産相場の影響を受けて暗号資産評価損を23,019千円計上しております。事業面では、第1四半期より「AI開発支援サービス」を開始し、ゼロフィールド社とトリプルアイズ社のAI開発ノウハウと連携することで、「GPUサーバー導入からAIモデル開発まで」を一気通貫で支援する体制を整え、実績獲得を狙っております。また、電力・脱炭素領域の第一人者である柏崎氏を顧問に招聘し、電力活用としてのマイニング事業の展開や、環境配慮型データセンターの構築に向けた事業戦略を促進しております。
以上の結果、当中間連結会計期間において、売上収益は388,325千円(前年同期比6.5%減)となり、セグメント損失は52,106千円(前年同期はセグメント損失154,654千円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における資産合計は4,779,296千円となり、前連結会計年度末に比べ523,800千円減少いたしました。流動資産は2,517,387千円(前連結会計年度末比404,139千円減)となりました。主な減少要因は、現金及び現金同等物が420,204千円減少したことによるものであります。また、非流動資産は2,261,908千円(前連結会計年度末比119,661千円減)となりました。主な減少要因は、使用権資産が61,913千円、無形資産が54,352千円減少したことによるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は3,412,519千円となり、前連結会計年度末に比べ555,846千円減少いたしました。主な減少要因は、営業債務及びその他の債務が47,821千円、社債及び借入金(流動)が38,048千円、未払法人所得税が37,539千円、契約負債が188,178千円、社債及び借入金(非流動)が176,840千円、リース負債(非流動)が49,413千円減少したことによるものであります。
(資本)
当中間連結会計期間末における資本合計は1,366,776千円となり、前連結会計年度末に比べ32,045千円増加いたしました。主な増加要因は、利益剰余金が36,201千円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して260,163千円減少し、1,493,975千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において営業活動の結果支出した資金は149,788千円(前年同期は59,065千円の獲得)となりました。主な要因は、税引前中間利益の計上54,710千円(前年同期は税引前中間損失55,927千円)、減価償却費及び償却費の計上110,456千円(前年同期は225,721千円)、営業債務及びその他の債務の減少52,883千円(前年同期は123,818千円の減少)、契約負債の減少188,178千円(前年同期は127,520千円の増加)、法人所得税の支払43,351千円(前年同期は32,581千円)等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において投資活動の結果獲得した資金は175,608千円(前年同期は85,309千円の支出)となりました。主な要因は、定期預金の解約による収入160,041千円(前年同期はなし)等であります。また、前年同期は長期貸付けによる支出121,835千円等がございました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において財務活動の結果支出した資金は285,983千円(前年同期は873,558千円の獲得)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出210,180千円(前年同期は204,846千円)、リース負債の返済による支出70,803千円(前年同期は32,379千円)等であります。また、前年同期は株式の発行による収入1,101,319千円等がございました。
(2) 研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費の総額は41,522千円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

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