有価証券報告書-第13期(2024/07/01-2025/06/30)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド消費の拡大や大手企業を中心とした賃上げをはじめとした雇用・所得環境の改善を背景に回復傾向がみられました。一方で、世界的な金融引締めや円安によるコスト負担増加・物価上昇もあり、景気の先行きは不透明な状況が続いています。そのような中、各企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は、データ活用による業務効率化やAIアルゴリズム実装に対する需要を高めていると考えております。また、日本政府による「Society5.0」の提唱やDX推進を目的としたデジタル庁の創設、生成AI等の技術革新・一般社会への普及等もあり、ビッグデータの活用やAIアルゴリズム技術等の社会実装を目指す機運がますます高まっております。
そうした流れの中で、当社グループのデータインフォームド事業が内包されるビッグデータアナリティクス(BDA)・テクノロジー市場、及びそれを含むAI市場は拡大し続けております。この中でも特に関連の深い国内ビッグデータ/アナリティクス市場は、IT専門調査会社 IDC Japan株式会社によると、企業のビジネスの可視化需要によるビジネスインテリジェンス(BI)市場の継続的拡大、データ活用環境整備に即した構造化データウェアハウス/非構造化データストア等の成長を背景として、2027年までの年間平均成長率(CAGR)は14.3%で、2027年には支出額が3兆541億円に達すると予測されています。(出典:2024年3月21日IDC Japan 国内ビッグデータ/アナリティクス市場 ユーザー支出額予測:産業分野セクター別、2022年の実績と2023年~2027年の予測)
このような環境の下、当社グループは「あらゆる判断を、Data-Informed(データインフォームド)に。」をパーパスとして掲げ、業績拡大を目指しております。当社グループの掲げる「データインフォームド」は、データを用いて論理的に考え合理的に判断することで、人間による意思決定の精度を高め、事業運営における再現性を高めることを狙いとしております。データインフォームドな判断をクライアント企業の各種業務に組み込むことで、業務における判断の精度が向上し、経営課題解決及び競争力強化が実現されます。当社グループは、このような“人間が判断の主体となる”ことを前提にしたデータ活用を推進する「データインフォームド市場(DI市場)」をターゲット市場と定義し、クライアント企業のニーズに合わせてDIコンサルティング・DIプラットフォーム・DIプロダクトの3つのサービス(総称:DIサービス)を柔軟に組み合わせて提供しています。
当連結会計年度においては、これまで注力してきた『「4つのケイパビリティ」と「3つのサービス」をベースにした一気通貫のサービス提供』、『既取引部門・取り組み中の領域におけるDIサービスの利用継続・拡大及び同社内の新規領域へのDIサービスの提供(縦横展開)』、『アセット活用の継続的な強化活動』等を継続しました。また同時に、中長期的な成長に向け、新規クライアント開拓及び協業型ビジネスの立ち上げや、顧客理解の深化によるサービスの高付加価値化等を通じ『ビジネスモデルの転換』を推進していくこととし、2024年7月にこれらを目的とした新組織も創設しました。加えて、成長加速に向けたM&Aにも注力しました。
具体的には、2024年10月には、ANAグループの新ブランド「AirJapan」を運航する株式会社エアージャパンに対し「レベニューマネジメント高度化伴走支援」サービスの提供を開始しました。行動データで顧客を理解するマーケティングツール「Mygru」においては、2024年8月に神戸市で導入された都市OSで提供される地域サービス「子育て支援スタンプラリー」に活用されたほか、日本航空株式会社の公式アプリ「JALマイレージバンクアプリ」上で展開するキャンペーンツールとして導入されました。さらに、2025年3月には、ユニバーサル ミュージック合同会社が実施したMrs. GREEN APPLE「MGA DIGITAL STAMP RALLY」にも「Mygru」が採用されるなど、エンターテインメント業界への展開も開始しました。本年3月には、これまで取り組んできた「Data-Informedを企業内に浸透させるための仕組み」に関する活動を、新たなフレームワーク「Adaptable Data System:ADS(アッズ:変化に適応可能な仕組み)」として再構築するとともに、より「顧客理解」領域に適用したサービス「顧客理解のためのADS=ADS for Customer Understanding:CU/ADS(クアッズ)」をリリースしました。インオーガニックな成長を目指したM&Aにおいても、2024年9月にフォトコンテストサービス「Camecon(カメコン)」を譲受しました。さらに、2025年4月には、主にシステム開発事業・労働者派遣事業を営む株式会社メイズの株式取得・子会社化を決定しました。
これらの効果があった一方で、大規模開発案件におけるコスト超過プロジェクトの発生に伴い、当該プロジェクトに割く工数が増加し、他プロジェクトへの投下工数が減少したこと等により、売上高は前期比では小幅な増収となりました。また、コスト超過プロジェクトの直接的・間接的影響が営業利益・経常利益を大きく押し下げることとなりました。加えて、「Camecon」サービスの事業譲受の際に発生したのれんにつき、想定顧客・ターゲット及び今後の事業計画を見直したうえで回収可能性について慎重に検討をした結果、第3四半期連結会計期間において減損損失を計上することとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,398,476千円(前期比13.3%増)、営業損失は99,659千円(前期は133,830千円の利益)、経常損失は101,164千円(前期は132,984千円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は99,975千円(前期は88,195千円の利益)となりました。
なお、当社グループはData-Informed事業のみの単一セグメントであることから、セグメントごとの記載を省略しております。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,873,027千円となり、前連結会計年度末に比べ353,589千円減少いたしました。これは、売掛金及び契約資産が228,163千円増加した一方で、現金及び預金が587,508千円減少したこと等によるものであります。固定資産は237,898千円となり、前連結会計年度末に比べ112,066千円増加いたしました。これは、投資有価証券が50,000千円、繰延税金資産が32,086千円増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、2,110,925千円となり、前連結会計年度末に比べ241,522千円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は250,116千円となり、前連結会計年度末に比べ55,268千円減少いたしました。これは、1年内返済予定の長期借入金が45,817千円減少したこと等によるものであります。固定負債は44,168千円となり、前連結会計年度末に比べ8,928千円増加いたしました。これは、資産除去債務が8,928千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、294,284千円となり、前連結会計年度末に比べ46,340千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,816,640千円となり、前連結会計年度末に比べ195,182千円減少いたしました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純損失99,975千円及び剰余金の配当114,754千円によるもの等であります。
この結果、自己資本比率は83.7%(前連結会計年度末は84.1%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ587,508千円減少し、1,184,841千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は319,688千円(前期は62,514千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失を123,247千円計上したこと及び売掛金及び契約資産の増加が228,163千円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は107,434千円(前期は14,407千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出50,000千円及び有形固定資産の取得による支出32,393千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は160,384千円(前期は50,074千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額114,525千円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループはData-Informed事業を営んでおり、該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を示すと、次のとおりであります。なお、当社グループはData-Informed事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(注)金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。なお、当社グループはData-Informed事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状況を目指し、安定的なキャッシュ・フローの創出に努めております。運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービス提供のための人件費や外注費等の営業費用によるものの他、納税資金等であります。運転資金は、手持資金、銀行借入及び新株発行により資金調達を行っております。今後も事業活動を支える資金調達については、低コストかつ安定的・機動的な資金の確保を主眼にして多様な資金調達方法に取り組んでまいります。なお、事業拡大に伴う研究開発投資の増大や人件費投資の増大といった多額の先行投資が見込まれる場合、これら資金需要に対応するため、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で調達することを予定しております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠し作成しております。この財務諸表作成における見積りにつきましては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で行われている部分があります。これらの見積りにつきましては、継続して検証し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。なお、この財務諸表の作成に関する重要な会計方針につきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
⑦経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高の成長と利益ボラティリティの抑制を可能とする体制の構築を推進しています。この実現に向け、3種類の指標を開示することといたします。
a.単体売上高:年間取引高区分別顧客・売上構成
b.単体コア営業利益率:費用内訳・1人当たり売上高情報
c.子会社売上高:各プロセス実施件数
これらの指標の推移は以下の通りです。
※ただし、2025年4月に、株式会社メイズの株式譲受について2025年10月にクロージングすることを決定済み
a.単体売上高:年間取引高区分別顧客・売上構成
当社単体の売上高を拡大するために必要な一気通貫支援の実現やクライアント企業内における縦横展開(部内展開・社内展開)の推進等により、クライアント単価の上昇・取引高の高いクライアントの増加を目指します。なお、協業提携先を介した取引の場合は、エンドクライアントを「取引先」としてカウントすることとします。
当連結会計年度においては、新規クライアントの開拓をミッションとして持つ専任組織を立ち上げました。加えて、既存クライアントとの関係強化にも注力したことにより、B区分のクライアントを増加させながら、同時にC区分のクライアントを大幅に増加させることができました。これを足掛かりに、翌連結会計年度においてはさらにA区分・B区分のクライアントを増やしていく予定です。
b.単体コア営業利益率:費用内訳・1人当たり売上高情報
当社単体のコア営業利益(事業活動により生み出される本業の営業利益)を拡大させるために、各費用が適正な水準となるようコントロールすることで、単体コア営業利益率を確保する方針としております。具体的には、当社がこれまで培ってきたアルゴリズムや「ゾクセイ」といったアセットを活用することにより生産性を改善してまいります。その指標として、社内人件費・外注費の売上高比率を四半期単位で継続的に把握するとともに、1人当たり売上高の改善を目指します。
当連結会計年度においては、主に中途採用を推進したことにより一時的な社内人件費比率の上昇・1人当たり売上高の低下が発生しております。これについては将来的な売上高拡大、採用者の育成・成長による貢献度上昇により、社内人件費比率の低下・1人当たり売上高の上昇が可能と考えております。また、外注費比率につきましても、前連結会計年度から大きく改善しておりませんが、今後コスト統制を強化することによる低減を目指します。
c.子会社売上高:各プロセス実施件数
子会社の売上高の拡大を目指してM&Aを強力に推進してまいります。すでに社内には専門のM&Aチームを立ち上げており、常に複数の案件を精査・検討しております。
当連結会計年度におきましては、前連結会計年度の1.5倍以上の案件を検討したうえで、フォトコンテストサービス「Camecon」の事業譲受をクロージングし、また、2025年10月に株式会社メイズの株式を取得することについても決定しております。
なお、当該指標に関する有限責任監査法人トーマツの監査及びレビューは受けておりません。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド消費の拡大や大手企業を中心とした賃上げをはじめとした雇用・所得環境の改善を背景に回復傾向がみられました。一方で、世界的な金融引締めや円安によるコスト負担増加・物価上昇もあり、景気の先行きは不透明な状況が続いています。そのような中、各企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は、データ活用による業務効率化やAIアルゴリズム実装に対する需要を高めていると考えております。また、日本政府による「Society5.0」の提唱やDX推進を目的としたデジタル庁の創設、生成AI等の技術革新・一般社会への普及等もあり、ビッグデータの活用やAIアルゴリズム技術等の社会実装を目指す機運がますます高まっております。
そうした流れの中で、当社グループのデータインフォームド事業が内包されるビッグデータアナリティクス(BDA)・テクノロジー市場、及びそれを含むAI市場は拡大し続けております。この中でも特に関連の深い国内ビッグデータ/アナリティクス市場は、IT専門調査会社 IDC Japan株式会社によると、企業のビジネスの可視化需要によるビジネスインテリジェンス(BI)市場の継続的拡大、データ活用環境整備に即した構造化データウェアハウス/非構造化データストア等の成長を背景として、2027年までの年間平均成長率(CAGR)は14.3%で、2027年には支出額が3兆541億円に達すると予測されています。(出典:2024年3月21日IDC Japan 国内ビッグデータ/アナリティクス市場 ユーザー支出額予測:産業分野セクター別、2022年の実績と2023年~2027年の予測)
このような環境の下、当社グループは「あらゆる判断を、Data-Informed(データインフォームド)に。」をパーパスとして掲げ、業績拡大を目指しております。当社グループの掲げる「データインフォームド」は、データを用いて論理的に考え合理的に判断することで、人間による意思決定の精度を高め、事業運営における再現性を高めることを狙いとしております。データインフォームドな判断をクライアント企業の各種業務に組み込むことで、業務における判断の精度が向上し、経営課題解決及び競争力強化が実現されます。当社グループは、このような“人間が判断の主体となる”ことを前提にしたデータ活用を推進する「データインフォームド市場(DI市場)」をターゲット市場と定義し、クライアント企業のニーズに合わせてDIコンサルティング・DIプラットフォーム・DIプロダクトの3つのサービス(総称:DIサービス)を柔軟に組み合わせて提供しています。
当連結会計年度においては、これまで注力してきた『「4つのケイパビリティ」と「3つのサービス」をベースにした一気通貫のサービス提供』、『既取引部門・取り組み中の領域におけるDIサービスの利用継続・拡大及び同社内の新規領域へのDIサービスの提供(縦横展開)』、『アセット活用の継続的な強化活動』等を継続しました。また同時に、中長期的な成長に向け、新規クライアント開拓及び協業型ビジネスの立ち上げや、顧客理解の深化によるサービスの高付加価値化等を通じ『ビジネスモデルの転換』を推進していくこととし、2024年7月にこれらを目的とした新組織も創設しました。加えて、成長加速に向けたM&Aにも注力しました。
具体的には、2024年10月には、ANAグループの新ブランド「AirJapan」を運航する株式会社エアージャパンに対し「レベニューマネジメント高度化伴走支援」サービスの提供を開始しました。行動データで顧客を理解するマーケティングツール「Mygru」においては、2024年8月に神戸市で導入された都市OSで提供される地域サービス「子育て支援スタンプラリー」に活用されたほか、日本航空株式会社の公式アプリ「JALマイレージバンクアプリ」上で展開するキャンペーンツールとして導入されました。さらに、2025年3月には、ユニバーサル ミュージック合同会社が実施したMrs. GREEN APPLE「MGA DIGITAL STAMP RALLY」にも「Mygru」が採用されるなど、エンターテインメント業界への展開も開始しました。本年3月には、これまで取り組んできた「Data-Informedを企業内に浸透させるための仕組み」に関する活動を、新たなフレームワーク「Adaptable Data System:ADS(アッズ:変化に適応可能な仕組み)」として再構築するとともに、より「顧客理解」領域に適用したサービス「顧客理解のためのADS=ADS for Customer Understanding:CU/ADS(クアッズ)」をリリースしました。インオーガニックな成長を目指したM&Aにおいても、2024年9月にフォトコンテストサービス「Camecon(カメコン)」を譲受しました。さらに、2025年4月には、主にシステム開発事業・労働者派遣事業を営む株式会社メイズの株式取得・子会社化を決定しました。
これらの効果があった一方で、大規模開発案件におけるコスト超過プロジェクトの発生に伴い、当該プロジェクトに割く工数が増加し、他プロジェクトへの投下工数が減少したこと等により、売上高は前期比では小幅な増収となりました。また、コスト超過プロジェクトの直接的・間接的影響が営業利益・経常利益を大きく押し下げることとなりました。加えて、「Camecon」サービスの事業譲受の際に発生したのれんにつき、想定顧客・ターゲット及び今後の事業計画を見直したうえで回収可能性について慎重に検討をした結果、第3四半期連結会計期間において減損損失を計上することとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,398,476千円(前期比13.3%増)、営業損失は99,659千円(前期は133,830千円の利益)、経常損失は101,164千円(前期は132,984千円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は99,975千円(前期は88,195千円の利益)となりました。
なお、当社グループはData-Informed事業のみの単一セグメントであることから、セグメントごとの記載を省略しております。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,873,027千円となり、前連結会計年度末に比べ353,589千円減少いたしました。これは、売掛金及び契約資産が228,163千円増加した一方で、現金及び預金が587,508千円減少したこと等によるものであります。固定資産は237,898千円となり、前連結会計年度末に比べ112,066千円増加いたしました。これは、投資有価証券が50,000千円、繰延税金資産が32,086千円増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、2,110,925千円となり、前連結会計年度末に比べ241,522千円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は250,116千円となり、前連結会計年度末に比べ55,268千円減少いたしました。これは、1年内返済予定の長期借入金が45,817千円減少したこと等によるものであります。固定負債は44,168千円となり、前連結会計年度末に比べ8,928千円増加いたしました。これは、資産除去債務が8,928千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、294,284千円となり、前連結会計年度末に比べ46,340千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,816,640千円となり、前連結会計年度末に比べ195,182千円減少いたしました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純損失99,975千円及び剰余金の配当114,754千円によるもの等であります。
この結果、自己資本比率は83.7%(前連結会計年度末は84.1%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ587,508千円減少し、1,184,841千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は319,688千円(前期は62,514千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失を123,247千円計上したこと及び売掛金及び契約資産の増加が228,163千円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は107,434千円(前期は14,407千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出50,000千円及び有形固定資産の取得による支出32,393千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は160,384千円(前期は50,074千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額114,525千円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループはData-Informed事業を営んでおり、該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を示すと、次のとおりであります。なお、当社グループはData-Informed事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
| 当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) | |||
| 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 2,453,758 | 110.6 | 637,579 | 109.5 |
(注)金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。なお、当社グループはData-Informed事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
| 当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 2,398,476 | 113.3 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) | 当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) | ||
| 金額 (千円) | 割合 (%) | 金額 (千円) | 割合 (%) | |
| 西日本旅客鉄道㈱ | 1,121,143 | 52.9 | 1,049,843 | 43.8 |
| ㈱TRAILBLAZER | 139,400 | 6.5 | 527,642 | 22.0 |
| アサヒグループジャパン㈱ | 452,361 | 21.4 | 284,596 | 11.9 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状況を目指し、安定的なキャッシュ・フローの創出に努めております。運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービス提供のための人件費や外注費等の営業費用によるものの他、納税資金等であります。運転資金は、手持資金、銀行借入及び新株発行により資金調達を行っております。今後も事業活動を支える資金調達については、低コストかつ安定的・機動的な資金の確保を主眼にして多様な資金調達方法に取り組んでまいります。なお、事業拡大に伴う研究開発投資の増大や人件費投資の増大といった多額の先行投資が見込まれる場合、これら資金需要に対応するため、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で調達することを予定しております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠し作成しております。この財務諸表作成における見積りにつきましては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で行われている部分があります。これらの見積りにつきましては、継続して検証し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。なお、この財務諸表の作成に関する重要な会計方針につきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
⑦経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高の成長と利益ボラティリティの抑制を可能とする体制の構築を推進しています。この実現に向け、3種類の指標を開示することといたします。
a.単体売上高:年間取引高区分別顧客・売上構成
b.単体コア営業利益率:費用内訳・1人当たり売上高情報
c.子会社売上高:各プロセス実施件数
これらの指標の推移は以下の通りです。
| 各種指標 | 前連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) | 当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
| a.単体売上高: | ||
| 年間取引高区分別顧客(社)、売上構成 | ||
| A区分(1億円以上) | 3社 (84%) | 3社 (81%) |
| B区分(10,000千円以上1億円未満) | 7社 (13%) | 13社 (14%) |
| C区分(10,000千円未満) | 45社 (4%) | 65社 (5%) |
| b.単体コア営業利益率: | ||
| 費用内訳・1人当たり売上高情報 | ||
| 社内人件費売上高比率 | 17.5% | 24.6% |
| 外注費売上高比率 | 40.4% | 38.3% |
| 1人当たり売上高(期末のフロント人員数で算出) | 46.7百万円 | 33.0百万円 |
| c.子会社売上高: | ||
| 各プロセス実施件数 | ||
| IM(情報取得) | 54件 | 86社 |
| TOP面談 | 3社 | 13社 |
| LOI(意思表示) | 1件 | 5件 |
| クロージング | 1件 | 1件※ |
※ただし、2025年4月に、株式会社メイズの株式譲受について2025年10月にクロージングすることを決定済み
a.単体売上高:年間取引高区分別顧客・売上構成
当社単体の売上高を拡大するために必要な一気通貫支援の実現やクライアント企業内における縦横展開(部内展開・社内展開)の推進等により、クライアント単価の上昇・取引高の高いクライアントの増加を目指します。なお、協業提携先を介した取引の場合は、エンドクライアントを「取引先」としてカウントすることとします。
当連結会計年度においては、新規クライアントの開拓をミッションとして持つ専任組織を立ち上げました。加えて、既存クライアントとの関係強化にも注力したことにより、B区分のクライアントを増加させながら、同時にC区分のクライアントを大幅に増加させることができました。これを足掛かりに、翌連結会計年度においてはさらにA区分・B区分のクライアントを増やしていく予定です。
b.単体コア営業利益率:費用内訳・1人当たり売上高情報
当社単体のコア営業利益(事業活動により生み出される本業の営業利益)を拡大させるために、各費用が適正な水準となるようコントロールすることで、単体コア営業利益率を確保する方針としております。具体的には、当社がこれまで培ってきたアルゴリズムや「ゾクセイ」といったアセットを活用することにより生産性を改善してまいります。その指標として、社内人件費・外注費の売上高比率を四半期単位で継続的に把握するとともに、1人当たり売上高の改善を目指します。
当連結会計年度においては、主に中途採用を推進したことにより一時的な社内人件費比率の上昇・1人当たり売上高の低下が発生しております。これについては将来的な売上高拡大、採用者の育成・成長による貢献度上昇により、社内人件費比率の低下・1人当たり売上高の上昇が可能と考えております。また、外注費比率につきましても、前連結会計年度から大きく改善しておりませんが、今後コスト統制を強化することによる低減を目指します。
c.子会社売上高:各プロセス実施件数
子会社の売上高の拡大を目指してM&Aを強力に推進してまいります。すでに社内には専門のM&Aチームを立ち上げており、常に複数の案件を精査・検討しております。
当連結会計年度におきましては、前連結会計年度の1.5倍以上の案件を検討したうえで、フォトコンテストサービス「Camecon」の事業譲受をクロージングし、また、2025年10月に株式会社メイズの株式を取得することについても決定しております。
なお、当該指標に関する有限責任監査法人トーマツの監査及びレビューは受けておりません。