有価証券報告書-第19期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、消費者マインドが弱含んでいるものの、雇用・所得環境の改善の動きが続く中で、個人消費は持ち直しの動きがみられる等、緩やかな回復基調となりました。また、円安の長期化も相まって、2024年訪日外国人消費動向調査によると、訪日外国人旅行消費額は8兆円を超えて過去最高となっております。一方で、米国の関税政策による海外景気の下押しリスクや金融市場及び為替市場等への影響を注視する必要があり、依然として先行きが不透明な状況は続いております。
当社の対面市場におきましては、サステナビリティ情報や人的資本情報の開示が義務化される等の法令対応の観点からも、従業員の健康管理に取り組む企業が増加傾向にあります。従来までの健康診断や人間ドックに加え、がん検診の受診勧奨や疾病の重症化予防、メンタルヘルス対策等、引き続き、従業員への健康投資が重要視されております。加えて、働き方の多様化やダイバーシティの推進等の観点からも、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業の需要は益々増加すると見込まれます。
このような社会活動・経済活動の状況下において、当社は、2024年3月に策定した「中期経営計画」(2024~2026年度)に基づき、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業における新規顧客の開拓や既存顧客との取引深耕に取り組みながら、健診ソリューション事業の再構築・高付加価値化及び健康管理クラウド事業を起点としたコーポレートウェルネス・バリューチェーンの構築・推進を並行して進めております。
結果、当事業年度の売上高は14,057百万円(前年同期比6.0%増)、営業利益は1,109百万円(前年同期比14.7%増)、経常利益は1,102百万円(前年同期比15.4%増)、当期純利益は776百万円(前年同期比14.1%増)となりました。
(健診ソリューション事業)
健診ソリューション事業におきましては、従業員の健康管理・安全管理を行うことは人的資本経営において不可欠であり、労働安全衛生法に基づく健康診断の実施・記録・届出に関する事務リソースを削減し、受診勧奨による健康診断受診率の向上や有所見者への事後措置の強化等、人的資本へのより一層の投資を目指す顧客による問い合わせが増加しております。例年、健康診断は夏から秋にかけて受診のピークを迎えるため、健康診断結果の出荷及びそれに伴う業績は下期に偏る傾向にありますが、健康診断受診の早期化を図る顧客の増加や当社オペレーションの生産性向上等により、出荷の均等化を図りつつあります。なお、当社オペレーションの生産性向上に関しては、2023年6月にAI-OCR等を活用した情報処理方法及び情独自開発した報処理プログラムについての特許(特許7304604)を取得する等、業務プロセスの見直しや生成AIを活用したシステム化等の投資に注力しております。当事業年度の健康診断結果の出荷数は、388,897件となりました。検査項目数の少ない健康診断の受注案件が増加したこと等により、売上高は計画を下回ったものの、オペレーションの効率化等による売上原価低減に取り組んだ結果、当事業の売上高は12,539百万円(前年同期比5.7%増)、営業利益は292百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
(健康管理クラウド事業)
企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正により、サステナビリティ情報や人的資本情報の開示が義務化される等、企業は引き続き、法令等への対応や社会的責任への要求対応による従業員の健康管理に関する環境整備や体制強化が求められています。また、長時間労働の是正や雇用形態に捉われない公正な待遇、高齢者や女性の就労促進が掲げられる等の価値観も変化しており、大企業を中心に、より一層非財務情報の中核にある人的資本投資や健康経営の推進が重視されております。
健康管理クラウド事業におきましては、このような従業員の健康管理を戦略的な経営資源と捉える企業等からの受注が継続的に拡大しております。また、パートナーセールスの強化戦略による市場獲得の加速化もあり、当事業年度においては新たに37社の企業グループが利用を開始し、堅調な売上で推移いたしました。この結果、当事業における売上高は1,232百万円(前年同期比11.6%増)、営業利益は721百万円(前年同期比21.5%増)となりました。
(医療機関等支援事業)
医療機関等支援事業におきましては、主なサービスであるPET検査関連事業及び健康診断予約手配等を行うBPOサービスは、引き続き堅調に推移いたしました。また、2024年4月以降の医療従事者の働き方改革に向けた医療機関DX推進として、医療機関向けにGrowbaseを提供しております。これらの結果、当事業の売上高は286百万円(前年同期比5.7%減)、営業利益は94百万円(前年同期比2.1%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は、5,182百万円となり、前事業年度末から552百万円増加となりました。
主な要因は健診ソリューション事業の受診者数増加による売上増加と健康診断の早期受診に伴い例年より健診結果の納品が早期化し、売掛金が686百万円減少、現金及び預金が1,202百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、1,725百万円となり、前事業年度末から19百万円減少となりました。
主な要因は健診ソリューション事業における健康診断の早期受診により、例年より医療機関に対する買掛金の発生が前倒しになり、買掛金が45百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、3,457百万円となり、前事業年度末から571百万円増加となりました。
主な要因は当期純利益の計上により776百万円増加した一方で、期末配当により利益剰余金が204百万円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末から1,202百万円増加し、2,786百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、前事業年度に比較して1,130百万円増加(前年同期は555百万円の資金の獲得)し、1,685百万円となりました。これは主に税引前当期純利益1,102百万円(前年同期比147百万円増加)、減価償却費255百万円(前年同期比28百万円増加)の計上、健診ソリューション事業における健康診断の早期受診に伴い例年より健診結果の納品が早期化し、売上債権686百万円(前年同期比1,334百万円減少)、仕入債務45百万円(前年同期比221百万円減少)が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、前事業年度に比較して156百万円減少(前年同期は426百万円の支出)し、269百万円となりました。これは主に健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業におけるシステム開発等による無形固定資産の取得244百万円(前年同期比171百万円減少)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、前事業年度に比較して34百万円増加(前年同期は178百万円の支出)し、213百万円となりました。これは主に配当金の支払204百万円(前年同期比34百万円増加)によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b 受注実績
当社は、受注生産は行っておりませんので、該当事項はありません。
c 販売実績
第19期事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 1.セグメント間取引については、発生がないため記載しておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
外部顧客への売上高のうち、損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額など開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
繰延税金資産
当社は、繰延税金資産について、将来の事業計画を基礎として将来事業年度の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で計上を行っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積と異なった場合、繰延税金資産の金額が増加又は減少し、税金費用が減少又は増加する可能性があります。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は14,057百万円となり、前事業年度と比較して790百万円増加(前事業年度比6.0%増)しました。
健診ソリューション事業においては、数万人規模の従業員数を抱える大型顧客を含め216社がネットワーク健康診断サービスの利用を開始しました。例年通り夏から秋にかけて受診者が増加する季節的変動要因はありますが、順調な健康診断結果の納品により、出荷数は前事業年度より20,270件増加した388,897件、売上高は12,539百万円(前事業年度比5.7%増)となりました。
健康管理クラウド事業においては、大企業を中心に人的資本投資や健康経営の推進、働き方の多様化等が一層重視される中、Growbaseは、従業員の健康管理体制を強化したい新規顧客からの受注が継続的に拡大しており、当事業年度においては、新たに37社が利用を開始し、ユーザーID数は前事業年度から255,187ID増加した1,744,791ID、売上高は1,232百万円(前事業年度比11.6%増)となりました。
医療機関等支援事業におきましては、特段懸念する事項の発生もなく、PET関連事業、BPOサービスともに引き続き堅調に推移しました。これらの結果、売上高は286百万円(前事業年度比5.7%減)となりました。
健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業においても出荷数・ID数が増加したことに伴い売上高が増加し、前事業年度を上回る水準となりました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は11,251百万円であり、前事業年度と比較して558百万円増加(前事業年度比5.2%増)しました。結果、売上総利益は2,806百万円であり、前事業年度と比較して232百万円増加(前事業年度比9.0%増)しました。
健診ソリューション事業においては、健康診断結果の出荷数が増加したため、医療機関に対して支払う健康診断費用が増加したものの、オペレーションの効率化等による売上原価低減に取り組んだ結果、売上原価は10,863百万円(前事業年度比5.5%増)、売上総利益は1,675百万円(前事業年度比5.7%増)となりました。
健康管理クラウド事業においては、前事業年度に大型個別開発の要望を受け、売上原価が大きく増加したことが影響して、売上原価214百万円(前事業年度比3.3%減)となりました。結果、売上総利益は1,017百万円(前事業年度比15.3%増)となりました。
医療機関等支援事業においては、特段懸念する事項の発生もなく、売上原価は172百万円(前事業年度比2.5%減)、売上総利益は113百万円(前事業年度比5.7%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,697百万円であり、前事業年度と比較して90百万円増加(前事業年度比5.6%増)となりました。当事業年度においては、事業規模の拡大及び採用強化により人件費や人材派遣費が前事業年度と比較して100百万円増加、さらに生成AI活用を目的としたSaaS基盤活用のPoC実行により、システム費用が前事業年度と比較して26百万円増加しました。一方で広告宣伝費の最適化を行い、前事業年度比で33百万円減少しております。
結果、営業利益は1,109百万円となり、前事業年度と比較して142百万円増加(前事業年度比14.7%増)しました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外費用は10百万円であり、前事業年度と比較して4百万円減少しました。これは主に上場準備に伴うものです。
結果、経常利益は1,102百万円となり、前事業年度と比較して146百万円増加(前事業年度比15.4%増)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別利益は0百万円、特別損失は発生しておらず、結果、当期純利益は776百万円であり、前事業年度と比較して95百万円増加(前年同期比14.1%増)しました。
c.キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.資本の財源及び資金の流動性の分析
当社の所要資金は、システム開発等の設備投資、ならびにネットワーク健康診断サービスのオペレーション費用を含めた運転資金となっております。これら資金については、全額、営業活動によるキャッシュ・フロー(自己資金)にて対応しております。現状、当社では必要な事業資金は充分に確保していると認識しており、さらに取引銀行と当座借越契約を締結し、急な資金需要や不測の事態にも備えております。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「3.事業等のリスク」に記載の通りであります。
f.経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営上の目標達成状況を判断するために、セグメント毎に客観的な指標を設けております。事業全体としては、健診ソリューション事業における健康診断結果の出荷数、健康管理クラウド事業におけるユーザーID数、BPOサービスにおけるサービス対象者数をIDとして合算したものを客観的な指標として判断しております。
第19期事業年度のID数は前事業年度から275,457ID増加した2,185,688IDとなりました。
これらのID数の対象となる顧客及びその先の皆様に満足いただけるよう、引き続き、顧客に寄り添い、要望に応じたサービスを開発・提供してまいります。
各セグメントの指標については、下記のとおりであります。
(健診ソリューション事業)
第19期事業年度の健診ソリューション事業においては、数万人規模の従業員数を抱える大型顧客を含め216社がネットワーク健康診断サービスの利用を開始し、当事業年度の出荷数は前事業年度比105.5%の388,897件となりました。平均売上単価については、検査項目数の少ない健康診断の受注案件が増加した影響があるものの、一部顧客への健康診断受診料の適正化が影響し、売上単価が改善しました。
健康診断の予約や顧客や提携医療機関との連携協力により概ね計画通りの結果となったと評価をしております。
(健康管理クラウド事業)
第19期事業年度の健康管理クラウド事業においては、当事業年度から新規で利用開始となった契約企業グループは37社あり、顧客企業同士の統合等を含めた解約は、7社となったため、30社の純増となりました。ユーザーID数については、前事業年度比117.1%の1,744,791IDとなりました。新規顧客の利用開始によりユーザーが255,187IDの純増したことが影響しております。また、当事業年度のチャーンレートについては、解約が7社あったため、0.28%となりました。
既存顧客の対象ユーザーの増加や、営業部隊による直販及び販売代理店による再販強化により、順調に新規顧客を獲得し、堅調に進捗していると評価しております。
(医療機関等支援事業)
第19期事業年度の医療機関等支援事業においては、前事業年度に引き続き、52,000IDを維持し、堅調に推移しております。 医療機関等支援事業においては、当事業年度においても堅調に推移していると評価しております。
g.経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、消費者マインドが弱含んでいるものの、雇用・所得環境の改善の動きが続く中で、個人消費は持ち直しの動きがみられる等、緩やかな回復基調となりました。また、円安の長期化も相まって、2024年訪日外国人消費動向調査によると、訪日外国人旅行消費額は8兆円を超えて過去最高となっております。一方で、米国の関税政策による海外景気の下押しリスクや金融市場及び為替市場等への影響を注視する必要があり、依然として先行きが不透明な状況は続いております。
当社の対面市場におきましては、サステナビリティ情報や人的資本情報の開示が義務化される等の法令対応の観点からも、従業員の健康管理に取り組む企業が増加傾向にあります。従来までの健康診断や人間ドックに加え、がん検診の受診勧奨や疾病の重症化予防、メンタルヘルス対策等、引き続き、従業員への健康投資が重要視されております。加えて、働き方の多様化やダイバーシティの推進等の観点からも、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業の需要は益々増加すると見込まれます。
このような社会活動・経済活動の状況下において、当社は、2024年3月に策定した「中期経営計画」(2024~2026年度)に基づき、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業における新規顧客の開拓や既存顧客との取引深耕に取り組みながら、健診ソリューション事業の再構築・高付加価値化及び健康管理クラウド事業を起点としたコーポレートウェルネス・バリューチェーンの構築・推進を並行して進めております。
結果、当事業年度の売上高は14,057百万円(前年同期比6.0%増)、営業利益は1,109百万円(前年同期比14.7%増)、経常利益は1,102百万円(前年同期比15.4%増)、当期純利益は776百万円(前年同期比14.1%増)となりました。
(健診ソリューション事業)
健診ソリューション事業におきましては、従業員の健康管理・安全管理を行うことは人的資本経営において不可欠であり、労働安全衛生法に基づく健康診断の実施・記録・届出に関する事務リソースを削減し、受診勧奨による健康診断受診率の向上や有所見者への事後措置の強化等、人的資本へのより一層の投資を目指す顧客による問い合わせが増加しております。例年、健康診断は夏から秋にかけて受診のピークを迎えるため、健康診断結果の出荷及びそれに伴う業績は下期に偏る傾向にありますが、健康診断受診の早期化を図る顧客の増加や当社オペレーションの生産性向上等により、出荷の均等化を図りつつあります。なお、当社オペレーションの生産性向上に関しては、2023年6月にAI-OCR等を活用した情報処理方法及び情独自開発した報処理プログラムについての特許(特許7304604)を取得する等、業務プロセスの見直しや生成AIを活用したシステム化等の投資に注力しております。当事業年度の健康診断結果の出荷数は、388,897件となりました。検査項目数の少ない健康診断の受注案件が増加したこと等により、売上高は計画を下回ったものの、オペレーションの効率化等による売上原価低減に取り組んだ結果、当事業の売上高は12,539百万円(前年同期比5.7%増)、営業利益は292百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
(健康管理クラウド事業)
企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正により、サステナビリティ情報や人的資本情報の開示が義務化される等、企業は引き続き、法令等への対応や社会的責任への要求対応による従業員の健康管理に関する環境整備や体制強化が求められています。また、長時間労働の是正や雇用形態に捉われない公正な待遇、高齢者や女性の就労促進が掲げられる等の価値観も変化しており、大企業を中心に、より一層非財務情報の中核にある人的資本投資や健康経営の推進が重視されております。
健康管理クラウド事業におきましては、このような従業員の健康管理を戦略的な経営資源と捉える企業等からの受注が継続的に拡大しております。また、パートナーセールスの強化戦略による市場獲得の加速化もあり、当事業年度においては新たに37社の企業グループが利用を開始し、堅調な売上で推移いたしました。この結果、当事業における売上高は1,232百万円(前年同期比11.6%増)、営業利益は721百万円(前年同期比21.5%増)となりました。
(医療機関等支援事業)
医療機関等支援事業におきましては、主なサービスであるPET検査関連事業及び健康診断予約手配等を行うBPOサービスは、引き続き堅調に推移いたしました。また、2024年4月以降の医療従事者の働き方改革に向けた医療機関DX推進として、医療機関向けにGrowbaseを提供しております。これらの結果、当事業の売上高は286百万円(前年同期比5.7%減)、営業利益は94百万円(前年同期比2.1%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は、5,182百万円となり、前事業年度末から552百万円増加となりました。
主な要因は健診ソリューション事業の受診者数増加による売上増加と健康診断の早期受診に伴い例年より健診結果の納品が早期化し、売掛金が686百万円減少、現金及び預金が1,202百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、1,725百万円となり、前事業年度末から19百万円減少となりました。
主な要因は健診ソリューション事業における健康診断の早期受診により、例年より医療機関に対する買掛金の発生が前倒しになり、買掛金が45百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、3,457百万円となり、前事業年度末から571百万円増加となりました。
主な要因は当期純利益の計上により776百万円増加した一方で、期末配当により利益剰余金が204百万円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末から1,202百万円増加し、2,786百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、前事業年度に比較して1,130百万円増加(前年同期は555百万円の資金の獲得)し、1,685百万円となりました。これは主に税引前当期純利益1,102百万円(前年同期比147百万円増加)、減価償却費255百万円(前年同期比28百万円増加)の計上、健診ソリューション事業における健康診断の早期受診に伴い例年より健診結果の納品が早期化し、売上債権686百万円(前年同期比1,334百万円減少)、仕入債務45百万円(前年同期比221百万円減少)が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、前事業年度に比較して156百万円減少(前年同期は426百万円の支出)し、269百万円となりました。これは主に健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業におけるシステム開発等による無形固定資産の取得244百万円(前年同期比171百万円減少)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、前事業年度に比較して34百万円増加(前年同期は178百万円の支出)し、213百万円となりました。これは主に配当金の支払204百万円(前年同期比34百万円増加)によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b 受注実績
当社は、受注生産は行っておりませんので、該当事項はありません。
c 販売実績
第19期事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
| セグメントの名称 | 第19期事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前事業年度比(%) |
| 健診ソリューション事業 | 12,539,257 | 105.7 |
| 健康管理クラウド事業 | 1,232,160 | 111.6 |
| 医療機関等支援事業 | 286,187 | 94.3 |
| 合計 | 14,057,605 | 106.0 |
(注) 1.セグメント間取引については、発生がないため記載しておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
外部顧客への売上高のうち、損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額など開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
繰延税金資産
当社は、繰延税金資産について、将来の事業計画を基礎として将来事業年度の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で計上を行っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積と異なった場合、繰延税金資産の金額が増加又は減少し、税金費用が減少又は増加する可能性があります。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は14,057百万円となり、前事業年度と比較して790百万円増加(前事業年度比6.0%増)しました。
健診ソリューション事業においては、数万人規模の従業員数を抱える大型顧客を含め216社がネットワーク健康診断サービスの利用を開始しました。例年通り夏から秋にかけて受診者が増加する季節的変動要因はありますが、順調な健康診断結果の納品により、出荷数は前事業年度より20,270件増加した388,897件、売上高は12,539百万円(前事業年度比5.7%増)となりました。
健康管理クラウド事業においては、大企業を中心に人的資本投資や健康経営の推進、働き方の多様化等が一層重視される中、Growbaseは、従業員の健康管理体制を強化したい新規顧客からの受注が継続的に拡大しており、当事業年度においては、新たに37社が利用を開始し、ユーザーID数は前事業年度から255,187ID増加した1,744,791ID、売上高は1,232百万円(前事業年度比11.6%増)となりました。
医療機関等支援事業におきましては、特段懸念する事項の発生もなく、PET関連事業、BPOサービスともに引き続き堅調に推移しました。これらの結果、売上高は286百万円(前事業年度比5.7%減)となりました。
健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業においても出荷数・ID数が増加したことに伴い売上高が増加し、前事業年度を上回る水準となりました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は11,251百万円であり、前事業年度と比較して558百万円増加(前事業年度比5.2%増)しました。結果、売上総利益は2,806百万円であり、前事業年度と比較して232百万円増加(前事業年度比9.0%増)しました。
健診ソリューション事業においては、健康診断結果の出荷数が増加したため、医療機関に対して支払う健康診断費用が増加したものの、オペレーションの効率化等による売上原価低減に取り組んだ結果、売上原価は10,863百万円(前事業年度比5.5%増)、売上総利益は1,675百万円(前事業年度比5.7%増)となりました。
健康管理クラウド事業においては、前事業年度に大型個別開発の要望を受け、売上原価が大きく増加したことが影響して、売上原価214百万円(前事業年度比3.3%減)となりました。結果、売上総利益は1,017百万円(前事業年度比15.3%増)となりました。
医療機関等支援事業においては、特段懸念する事項の発生もなく、売上原価は172百万円(前事業年度比2.5%減)、売上総利益は113百万円(前事業年度比5.7%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,697百万円であり、前事業年度と比較して90百万円増加(前事業年度比5.6%増)となりました。当事業年度においては、事業規模の拡大及び採用強化により人件費や人材派遣費が前事業年度と比較して100百万円増加、さらに生成AI活用を目的としたSaaS基盤活用のPoC実行により、システム費用が前事業年度と比較して26百万円増加しました。一方で広告宣伝費の最適化を行い、前事業年度比で33百万円減少しております。
結果、営業利益は1,109百万円となり、前事業年度と比較して142百万円増加(前事業年度比14.7%増)しました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外費用は10百万円であり、前事業年度と比較して4百万円減少しました。これは主に上場準備に伴うものです。
結果、経常利益は1,102百万円となり、前事業年度と比較して146百万円増加(前事業年度比15.4%増)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別利益は0百万円、特別損失は発生しておらず、結果、当期純利益は776百万円であり、前事業年度と比較して95百万円増加(前年同期比14.1%増)しました。
c.キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.資本の財源及び資金の流動性の分析
当社の所要資金は、システム開発等の設備投資、ならびにネットワーク健康診断サービスのオペレーション費用を含めた運転資金となっております。これら資金については、全額、営業活動によるキャッシュ・フロー(自己資金)にて対応しております。現状、当社では必要な事業資金は充分に確保していると認識しており、さらに取引銀行と当座借越契約を締結し、急な資金需要や不測の事態にも備えております。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「3.事業等のリスク」に記載の通りであります。
f.経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営上の目標達成状況を判断するために、セグメント毎に客観的な指標を設けております。事業全体としては、健診ソリューション事業における健康診断結果の出荷数、健康管理クラウド事業におけるユーザーID数、BPOサービスにおけるサービス対象者数をIDとして合算したものを客観的な指標として判断しております。
第19期事業年度のID数は前事業年度から275,457ID増加した2,185,688IDとなりました。
これらのID数の対象となる顧客及びその先の皆様に満足いただけるよう、引き続き、顧客に寄り添い、要望に応じたサービスを開発・提供してまいります。
| 項目 | 単位 | 第18期 事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 第19期 事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
| ID数 | ID | 1,910,231 | 2,185,688 |
各セグメントの指標については、下記のとおりであります。
(健診ソリューション事業)
第19期事業年度の健診ソリューション事業においては、数万人規模の従業員数を抱える大型顧客を含め216社がネットワーク健康診断サービスの利用を開始し、当事業年度の出荷数は前事業年度比105.5%の388,897件となりました。平均売上単価については、検査項目数の少ない健康診断の受注案件が増加した影響があるものの、一部顧客への健康診断受診料の適正化が影響し、売上単価が改善しました。
健康診断の予約や顧客や提携医療機関との連携協力により概ね計画通りの結果となったと評価をしております。
| 項目 | 単位 | 第18期 事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 第19期 事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
| 出荷数 | 件 | 368,627 | 388,897 |
| 平均売上単価 | 円 | 31,608 | 31,729 |
(健康管理クラウド事業)
第19期事業年度の健康管理クラウド事業においては、当事業年度から新規で利用開始となった契約企業グループは37社あり、顧客企業同士の統合等を含めた解約は、7社となったため、30社の純増となりました。ユーザーID数については、前事業年度比117.1%の1,744,791IDとなりました。新規顧客の利用開始によりユーザーが255,187IDの純増したことが影響しております。また、当事業年度のチャーンレートについては、解約が7社あったため、0.28%となりました。
既存顧客の対象ユーザーの増加や、営業部隊による直販及び販売代理店による再販強化により、順調に新規顧客を獲得し、堅調に進捗していると評価しております。
| 項目 | 単位 | 第18期 事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 第19期 事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
| 契約企業グループ数 | 社 | 202 | 232 |
| ユーザーID数 | ID | 1,489,604 | 1,744,791 |
| チャーンレート | % | 0.10 | 0.28 |
(医療機関等支援事業)
第19期事業年度の医療機関等支援事業においては、前事業年度に引き続き、52,000IDを維持し、堅調に推移しております。 医療機関等支援事業においては、当事業年度においても堅調に推移していると評価しております。
| 項目 | 単位 | 第18期 事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 第19期 事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
| BPOサービス対象者数 | ID | 52,000 | 52,000 |
g.経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。