有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/05/27 15:00
【資料】
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【項目】
128項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社はデジタルマーケティング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
① 財政状態の状況
第9期事業年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)
(資産)
当事業年度末の総資産は645,039千円となり、前事業年度末と比べ169,508千円の増加となりました。
流動資産は152,253千円増加し、590,173千円となりました。主たる要因は、業容の拡大に伴い、売掛金が135,170千円増加したことによるものであります。
固定資産は17,254千円増加し、54,866千円となりました。主たる要因は、本社オフィスの移転に伴い、敷金が20,364千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債は300,587千円となり、前事業年度末に比べ90,084千円の増加となりました。
流動負債は93,756千円増加し、264,104千円となりました。主たる要因は、業容の拡大に伴い、買掛金が101,004千円増加したことによるものであります。
固定負債は3,672千円減少し、36,483千円となりました。この要因は、リース資産売却に伴いリース債務が2,222千円減少したこと及び長期借入金が1,450千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は344,452千円となり、前事業年度末に比べ79,423千円の増加となりました。主たる要因は、当期純利益の計上に伴い繰越利益剰余金が78,759千円増加したことによるものであります。
第10期第2四半期累計期間(自 2021年10月1日 至 2022年3月31日)
(資産)
当第2四半期会計期間末の総資産は937,043千円となり、前事業年度末と比べ292,003千円の増加となりました。
流動資産は266,274千円増加し、856,448千円となりました。主たる要因は、業容の拡大に伴い現金及び預金が78,402千円、売掛金が166,681千円増加したことによるものであります。
固定資産は25,728千円増加し、80,595千円となりました。主たる要因は、敷金の追加差入により22,776千円増加したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期会計期間末の負債は487,832千円となり、前事業年度末に比べ187,244千円の増加となりました。
流動負債は195,195千円増加し、459,300千円となりました。主たる要因は、業容の拡大に伴い、買掛金が37,649千円、前受金が86,703千円増加したことによるものであります。
固定負債は7,951千円減少し、28,532千円となりました。要因は、長期借入金が7,951千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期会計期間末の純資産は449,210千円となり、前事業年度末に比べ104,758千円の増加となりました。主たる要因は、四半期純利益103,174千円の計上に伴い利益剰余金が103,174千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
第9期事業年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機に、あらゆる産業界においてデジタルトランスフォーメーションの流れが強まり、インターネットを用いた販促・マーケティング活動が活発となった結果、当社の所属するデジタルマーケティング業界に対する需要はより一層高まっております。
当社の主要な事業領域であるインターネット広告市場の2020年における市場規模は、前年比5.9%増の2兆2,290億円となり、成長を続けております(出典:株式会社電通「2020年 日本の広告費」)。
こうした環境の下、当社はデジタルマーケティングサービスを提供しており、クライアントの旺盛なインターネットを用いた販促・マーケティングニーズに応えた結果、当社の当事業年度の売上高は1,329,789千円(前年同期比90.9%増)、営業利益は120,372千円(前年同期比0.3%増)、経常利益は111,638千円(前年同期比8.7%減)、当期純利益は78,759千円(前年同期比8.8%減)となりました。売上高が大きく伸長しておりますが、内部管理体制の強化による人員増強、業容拡大に伴うオフィス移転費用の発生や家賃の増加により、各利益は微増・微減となっております。
なお、当社はデジタルマーケティング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
第10期第2四半期累計期間(自 2021年10月1日 至 2022年3月31日)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は引続き収束が見えず、あらゆる産業界においてデジタルトランスフォーメーションのトレンドが継続しており、インターネットを用いた販促・マーケティング活動が前年度比さらに活発となった結果、当社の所属するデジタルマーケティング業界に対する需要はより一層高まっております。株式会社電通「2021年 日本の広告費」によると、インターネット広告の市場規模は2021年に2兆7,052億円となりました。また、株式会社矢野経済研究所「インターネット広告市場に関する調査を実施(2021年)」によると、同市場規模は2024年には3兆2,740億円に成長すると推計されております。
こうした環境の下、当社はデジタルマーケティングサービスを提供しており、クライアントの旺盛なインターネットを用いた販促・マーケティングニーズに応えた結果、当第2四半期累計期間の売上高は561,579千円、営業利益は150,990千円、経常利益は148,676千円、四半期純利益は103,174千円となりました。
なお、第1四半期会計期間の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。収益認識会計基準等を適用しなかった場合の当第2四半期累計期間の売上高(取扱高)は、1,421,549千円であり、収益認識会計基準等の適用により、売上高は859,969千円減少しております。
当社はデジタルマーケティング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
③ キャッシュ・フローの状況
第9期事業年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,039千円減少の328,514千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は15,238千円(前年同期は171,460千円の資金増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上111,697千円(前年同期は122,276千円の資金増加)による資金の増加に対し、売上債権の増加額138,140千円(前年同期は33,869千円の資金減少)による資金の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は25,653千円(前年同期は27,884千円の資金減少)となりました。これは主に、敷金の差入による支出45,552千円(前年同期は24,406千円の資金減少)及び敷金の回収による収入24,406千円(前年同期は275千円の資金増加)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は9,375千円(前年同期は146,065千円の資金増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入50,000千円(前年同期は20,000千円の資金増加)及び長期借入金の返済による支出38,850千円(前年同期は11,082千円の資金減少)によるものであります。
第10期第2四半期累計期間(自 2021年10月1日 至 2022年3月31日)
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の四半期末残高は、前事業年度末に比べ78,402千円増加の406,917千円となりました。当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は112,323千円となりました。これは主に、税引前四半期純利益の計上148,709千円による資金の増加に対し、売上債権の増加額175,591千円による資金の減少及び前受金の増加額86,703千円による資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は24,391千円となりました。これは主に、敷金の差入による支出22,776千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は9,528千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入10,000千円及び長期借入金の返済による支出18,683千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当社は、デジタルマーケティング事業の単一セグメントのため、第9期事業年度及び第10期第2四半期累計期間の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。
サービスの名称第9期事業年度
(自 2020年10月1日
至 2021年9月30日)
第10期第2四半期
累計期間
(自 2021年10月1日
至 2022年3月31日)
販売高(千円)前年同期比
(%)
販売高(千円)
インターネット広告994,499197.3336,647
SEOコンサルティング335,290174.2224,932
合計1,329,789190.9561,579

(注)1.最近2事業年度及び第10期第2四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第8期事業年度
(自 2019年10月1日
至 2020年9月30日)
第9期事業年度
(自 2020年10月1日
至 2021年9月30日)
第10期第2四半期累計期間
(自 2021年10月1日
至 2022年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
㈱ネクステージ----56,79110.1
㈱ニューアート・シーマ--145,23110.9--
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム㈱133,56019.2138,57310.4--
㈱メディカルサービス139,82720.1----

(注)2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.第10期事業年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。このため最近2事業年度は収益認識会計基準の適用前、第10期第2四半期累計期間は収益認識会計基準の適用後の実績となっております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」に記載しておりますが、重要な会計上の見積りを要する項目はないと判断しております。
② 経営成績の分析
第9期事業年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)
(売上高、売上原価、売上総利益)
売上高は、営業体制の強化による業容拡大に伴い1,329,789千円(前事業年度比633,211千円増)となりました。
売上原価は、売上高の増加に伴い、965,649千円(前事業年度比558,269千円増)となりました。以上の結果、売上総利益は前事業年度から74,941千円増加して364,139千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、内部管理体制の強化による人員増強、業容拡大を理由としたオフィス移転に伴う家賃の増加により243,767千円(前事業年度比74,621千円増)となりました。
以上の結果、当事業年度の営業利益は120,372千円(前事業年度比320千円増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外損益については、営業外収益は補助金収入があり4,514千円(前事業年度比1,329千円増)、営業外費用は本社移転費用等による支出があり13,248千円(前事業年度比12,288千円増)となりました。
以上の結果、当事業年度の経常利益は111,638千円(前事業年度比10,638千円減)となりました。
(特別利益、特別損失、税引前当期純利益)
特別損益については、特別利益は59千円(前事業年度は発生なし)となりました。特別損失は発生しませんでした。
以上の結果、税引前当期純利益は111,697千円(前事業年度比10,579千円減)となりました。
(法人税等、当期純利益)
法人税・住民税及び事業税は30,809千円(前事業年度比3,658千円減)となりました。
以上の結果、当事業年度の当期純利益は78,759千円(前事業年度比7,632千円減)となりました。
第10期第2四半期累計期間(自 2021年10月1日 至 2022年3月31日)
(売上高、売上原価、売上総利益)
売上高は、営業体制の強化による業容拡大があったものの、第1四半期会計期間の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用したことに伴い、適用しなかった場合と比べて859,969千円減少したことから、561,579千円となりました。
売上原価についても、当該会計基準等を適用したことに伴い、適用しなかった場合と比べて859,969千円減少したことから、261,888千円となりました。
以上の結果、売上総利益は299,691千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、業容拡大に伴う人員の強化により148,701千円となりました。
以上の結果、営業利益は150,990千円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外損益については、営業外収益は受取利息の発生により36千円、営業外費用は上場関連費用の発生により2,349千円となりました。
以上の結果、経常利益は148,676千円となりました。
(特別利益、特別損失、税引前四半期純利益)
特別損益については、特別利益は33千円となりました。特別損失は発生しませんでした。
以上の結果、税引前四半期純利益は148,709千円となりました。
(法人税等、四半期純利益)
法人税・住民税及び事業税は45,535千円となりました。
以上の結果、四半期純利益は103,174千円となりました。
③ 財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載の通りであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社事業の資金需要の主なものは、広告枠の購入のほか、当社従業員に支払う給与手当などの販売費及び一般管理費等の営業資金によるものです。投資を目的とした資金需要は、主に、社内の業務システムの構築などのシステム改修によるものです。これらの資金需要については、内部資金で不足する場合には、借入金等による調達を行う方針です。
なお、キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等の分析
経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、社員1人当たりの生産性及び社員数を経営指標として重視しております。
社員1人当たりの生産性については、受注案件の採算性の精査・確保、適切な工数・品質管理、業務委託の積極的な活用、育成システムを機能させることによる従業員の能力開発、マーケティングDXツールの活用等を継続して実施したことで、2021年9月期において、42,896千円(前期比29.3%増)となっております。これは、予定通りの進捗となっており、堅調に推移しているものと認識しております。なお、2018年9月期は7,609千円、2019年9月期は23,630千円(前期比210.5%増)、2020年9月期は33,170千円(前期比40.4%増)となっております。
社員数については、積極的な採用活動により、2021年9月期において、31人となっております。これは、予定通りの進捗となっており、堅調に推移しているものと認識しております。なお、2018年9月期は5人、2019年9月期は10人、2020年9月期は21人となっております。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、人材の確保・育成によるリスクを認識しております。
これらのリスクに対応するため、当社では、積極的な新卒採用や社員の定着率の高まるような健全な組織作りに取組んでまいります。
⑦ 売上高に係る参考情報
当社は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を、第10期の期首から適用している影響で、当社の役割が代理人に該当する取引について総額表示から純額表示に変更を行った結果、第9期から第10期にかけて売上高が大きく減少しております。なお、売上総利益、営業利益、経常利益及び税引前当期純利益には影響ありません。
各期の売上高に係る比較可能性を担保するための参考情報として、以下をご参照ください。
(単位:千円)
第5期第6期第7期第8期第9期第10期
第2四半期
累計期間
決算年月2017年9月2018年9月2019年9月2020年9月2021年9月2022年3月
取扱高(注)4.11,19538,049236,302696,5771,329,7891,421,549
売上高(注)5.11,19538,049236,302696,5771,329,789561,579
売上高(注)6.11,19538,049150,517431,558687,320561,579

(注)4.収益認識会計基準等を適用しないと仮定した場合の売上高であります。
5.収益認識会計基準等を第10期の期首より適用した財務諸表上の売上高であります。
6.収益認識会計基準等を第5期の期首より適用したと仮定した場合の売上高であります。
7.(注)4.及び(注)6.の数値に関しては、ひびき監査法人の監査を受けておりません。