有価証券報告書-第12期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における世界経済は、米国の関税や経済政策をめぐる不確実性、中国経済の内需低迷等の影響に加え、ウクライナにおける戦争の長期化、中東での軍事衝突の本格化等の地政学的リスクの拡大によるエネルギー供給への懸念の高まりから、先行きの不透明な状況が継続しました。一方、AI需要の拡大を背景にデータセンター向けインフラへの投資等が拡大しました。なお、為替相場においては、当連結会計年度の第1四半期に円高が進行しましたが、第2四半期以降は円安基調に転じました。
当社グループにおいては、2018年4月以降、ビジネスモデルの転換、グローバルな大型商談が見込まれる成長分野/先端分野へのシフト、さらに大胆な事業体制の変革等の構造改革を進めてきました(「第一の変革」)。その結果、注力分野であるオートモーティブ、データセンター/ネットワーク、スマートデバイス分野を中心に多くの大型商談を獲得しております。年間の商談獲得金額(1米ドル=120円で換算)は、構造改革以前は1,100億円程度でしたが、構造改革後は拡大し、2023年3月期以降は3,000億円程度へ、2025年3月期は3,600億円程度に達しました。2026年3月期は3,100億円程度と前期を下回る結果となりましたが、データセンター/ネットワーク分野を中心に大型商談を獲得することができました。また、これまでに獲得した商談の量産が段階的に開始され、確実に売上拡大につながってきております。
さらに、競争力のある開発体制の構築やグローバル企業に相応しい組織風土を目指す「第二の変革」を進めております。グローバルな顧客、半導体エコシステムを構成するプレーヤー、投資家等とのコミュニケーションを通じて、社内の体制、組織の構造、従業員の意識を変える取り組みを強化しております。
先端技術分野のカスタムSoCの開発および開発基盤構築に取り組む組織であるグローバルリーディンググループを中心に、「Solution SoC」のビジネスモデルに相応しいコンピューターアーキテクチャーベースの開発基盤と標準的な開発プロセスの構築を進めてきました。当連結会計年度においては、AI処理等のシステム実装を担うエンジニアリングチームや量産技術や品質課題に取り組むエンジニアリングチームを新設・集約する等、グローバルリーディンググループのさらなる強化を図ってきました。また、これと並行して、開発の効率化・可視化、開発マネジメント改革を一体として積極的に推進してきました。
ここ数年の大型先端開発案件の商談獲得に伴い、半導体業界を取り巻くエコシステムを形成するグローバル企業との関係強化を進めてきました。特に、北米や台湾等に拠点を置くグローバル企業とのマネジメントレベルでの関係構築・強化により、これらの企業との先端技術分野での共同開発プロジェクト等の進捗もありました。
当社グループにおける研究開発は、注力分野における商談獲得につなげるための先行開発と、獲得した商談の製品開発から構成されております。当連結会計年度の研究開発費は58,508百万円(前連結会計年度比2.2%減)となりました。先行開発では、日々進化する半導体エコシステムにおいて最新の技術を活用するために、グローバルなエコシステムパートナーとの協業によるプロセステクノロジー、チップレットや先進的なパッケージング技術の開発、また最新設計ツールの実用化および開発プラットフォーム構築にも積極的に取り組んでおります。さらに、先端チップレット開発プラットフォームを構築し、RTL(Register Transfer Level)でカスタマイズ可能なチップレット設計ライブラリーの提供を開始しました。
引き続き、設計開発へのAI導入等にも積極的に取り組んでまいります。
当社グループでは、優先的に取り組むマテリアリティ(重要課題)を特定し、サステナビリティ活動を推進しております。当連結会計年度においては、個々のマテリアリティの実現に向けた取り組みの結果として「脱炭素経営ランキングGX500」への選出、「日経スマートワーク経営企業」および「日経SDGs経営企業」としての認定を受ける等、社外からも一定の評価をいただくことができました。
また、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が採用するサステナビリティインデックス6件のうち、「FTSE Blossom Japan Index」等4件のインデックス構成銘柄に選定されました。
なお、当社グループの事業セグメントは、「Solution SoC」のビジネスモデルで開発するSoCを主とする単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は200,834百万円(前連結会計年度比6.5%増)となりました。当社グループの売上高は主に、量産段階で受領する製品売上と、設計開発に要する費用を段階的に受領するNRE売上から構成されております。当連結会計年度の製品売上は、中国市場における通信機器の需要は減少したものの、第2四半期以降、中国車載向け新規量産品や一部のインダストリアル向けの販売が増加に転じたこと等により、161,792百万円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。NRE売上は、38,325百万円(前連結会計年度比6.6%減)となりました。
また、売上原価は111,057百万円(前連結会計年度比31.2%増)となり、売上総利益は89,777百万円(前連結会計年度比13.6%減)となりました。これは、比較的粗利率の低い新製品の量産が始まったことにより、製品原価率が上昇したことによるものであります。販売費及び一般管理費は77,423百万円(前連結会計年度比1.9%減)となりました。先行開発のための開発投資等が高い水準で継続していることによるものであります。
営業利益は12,354百万円(前連結会計年度比50.6%減)となりました。これに為替差損等を加え、経常利益は11,756百万円(前連結会計年度比53.2%減)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は8,733百万円(前連結会計年度比55.4%減)となりました。
なお、当連結会計年度の1米ドルの平均為替レートは150.8円、前連結会計年度比1.8円の円高となりました。
b.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は122,819百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,471百万円減少しました。これは主に、新製品の量産開始による棚卸資産の購入増加や、当連結会計年度は当期純利益を上回る自己株式の取得や配当金支払等により現金及び現金同等物が減少したことによるものであります。
固定資産は44,804百万円となり、前連結会計年度末に比べ782百万円増加しました。これは主に、獲得した商談の製品開発に係るレチクル、テストボード、評価設備の増強およびIPマクロ等の投資によるものであります。
この結果、総資産は167,623百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,689百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は32,520百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,249百万円増加しました。これは主に、新製品の量産開始等に伴う買掛金の増加によるものであります。
この結果、負債合計は34,567百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,301百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は133,056百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,990百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益8,733百万円、自己株式の取得5,000百万円(2,722,400株)および配当金の支払額8,854百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は79.4%となり、前連結会計年度末から1.1ポイント減少しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は44,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ28,296百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは7,693百万円の収入(前連結会計年度は31,866百万円の収入)となりました。これは主に、比較的粗利益の低い新製品の量産が始まったことにより売上総利益が減少したこと、一方で量産開始に伴い棚卸資産の購入が増加したことから、前連結会計年度に対し収入額が減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは22,884百万円の支出(前連結会計年度は14,552百万円の支出)となりました。これは主に、獲得した商談の製品開発に係るレチクル、テストボードおよび評価設備の増強等のための有形固定資産の取得による支出14,855百万円およびIPマクロ等の無形固定資産の取得による支出8,052百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは14,240百万円の支出(前連結会計年度は13,825百万円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出5,000百万円および配当金の支払額8,854百万円によるものであります。
当社は、コミットメントラインの借入枠を従来20,000百万円としておりましたが、顧客の需要増加に伴う運転資金の増加や、世界景気の減速および地政学リスクの高まり等に対応して、コミットメントラインの借入枠を2025年7月に10,000百万円増額し、30,000百万円といたしました。なお、当連結会計年度においてコミットメントライン契約に基づく借入は行っておりません。
③生産・受注および販売の実績
当連結会計年度における生産実績、受注実績および販売実績は次のとおりであります。
なお、当社グループの事業セグメントは、「Solution SoC」のビジネスモデルで開発するSoCを主とする単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
a.生産実績
当社グループは、ファブレスモデルのビジネス形態となっており、製品の製造については、製造委託先(ファウンドリ、OSAT)へ委託しております。当社グループ製品は、顧客の特定製品向け専用で設計し搭載されるものが主であり、受注生産を行っていることから、生産実績は販売実績と概ね同等の金額となるため、生産実績の記載は省略しております。
b.受注実績
当社グループは、商談獲得後、設計開発業務に係る受注を受けて設計開発を開始し、開発終了後にサンプルを製作の上、顧客に提供し評価を受けます。設計開発開始後、顧客の評価完了までの間、受注した設計開発業務に係る売上が段階的に計上されます。顧客により製品の性能等に問題がないことが確認されると、製品の量産段階に移行し、顧客の買取責任が発生する形で製品の量産に係る受注を受け、当社グループは製造委託先へ製造を委託します。当社グループの当連結会計年度における設計開発および製品の量産に係る受注高および受注残高は以下のとおりです。受注高および受注残高については、量産に入る新商品の受注が入り前年度比増加となりました。なお、下記の受注高および受注残高は、当社グループの経営指標である商談獲得金額および商談獲得残高とは算定方法および基準時点が異なります。
c.販売実績
(注)主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
・加賀FEI株式会社への前連結会計年度および当連結会計年度の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、50,169百万円、26.6%および、43,855百万円、21.8%であります。
・Zhaoqing Xiaopeng New Energy Investment Co., Ltd.への当連結会計年度の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、37,203百万円、18.5%であります。
・CRS TECHNOLOGY Co., Ltd.への前連結会計年度および当連結会計年度の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、30,488百万円、16.2%および、24,349百万円、12.1%であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度の売上高は200,834百万円(前連結会計年度比6.5%増)となりました。うち製品売上は161,792百万円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。中国市場における通信機器の需要は減少しておりましたが、第2四半期以降、中国車載向け新規量産品や一部のインダストリアル向けの販売が増加に転じたことにより増加しました。NRE売上は、38,325百万円(前連結会計年度比6.6%減)となりました。その他は知的財産のライセンスによる収入であります。
・財務指標
b.売上原価・販売費及び一般管理費並びに営業利益
①売上原価
当連結会計年度の売上原価は111,057百万円となり、売上総利益は89,777百万円(前連結会計年度比13.6%減)となりました。主に、比較的粗利率の低い新製品の量産が始まったことにより、製品原価率が上昇し、売上総利益が減少しました。
・財務指標
(注)各指標の計算方法は下記のとおりであります。
売上原価率:売上原価/売上高×100
②販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は77,423百万円(前連結会計年度比1,496百万円減)となりました。先行開発のための開発投資等を高い水準で継続していることにより研究開発費はほぼ前連結会計年度並みの58,508百万円(前連結会計年度比1,313百万円減)、研究開発費を除いた販売費及び一般管理費は18,915百万円(前連結会計年度比183百万円減)であります。
③営業利益
当連結会計年度の営業利益は12,354百万円(前連結会計年度比12,646百万円減)となりました。主に、比較的粗利率の低い新製品の量産が始まったことにより、製品原価率が上昇したことによるものであります。当連結会計年度の1米ドルの平均為替レートは150.8円、前連結会計年度に比べて1.8円の円高となりました。
・財務指標
※ EBITDAは、「営業利益」および「減価償却費」を合計して算出しております。
c.税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の第1四半期に円高が進行したことで為替差損が発生したことなどで、営業外収益および営業外費用の差引額は598百万円の損失となりました。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は11,756百万円(前連結会計年度比13,621百万円減)となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税、住民税および事業税の額が1,475百万円、法人税等調整額が1,548百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は8,733百万円(前連結会計年度比10,867百万円減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループは、経営環境が急激に変化したとしても、顧客にとっての基幹部品である当社グループ製品を長期にわたり供給していく責任があることから、内部留保を厚くし資金の流動性を高く維持する方針としております。
当連結会計年度末における総資産は167,623百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,689百万円減少しました。流動資産は122,819百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,471百万円減少しました。これは主に、新製品の量産開始に伴い棚卸資産の購入が増加したことや、当連結会計年度は当期純利益を上回る自己株式の取得や配当金支払等により現金及び現金同等物が減少したことによるものです。当社グループはファブレスによる事業運営のため、資産構成上流動資産の割合が高く、総資産の73.3%を流動資産が占めております。
・財政状態および財務指標
(注)各指標の計算方法は下記のとおりであります。
流動資産比率:流動資産/総資産×100
当連結会計年度末の負債合計は34,567百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,301百万円の増加となりました。これは主に、新製品の量産開始等に伴う買掛金の増加によるものです。
・財政状態および財務指標
(注)各指標の計算方法は下記のとおりであります。
流動比率:流動資産/流動負債×100
当連結会計年度末の純資産は133,056百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,990百万円の減少となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益8,733百万円、自己株式の取得5,000百万円(2,722,400株)および配当金の支払額8,854百万円によるものです。
以上の結果、当連結会計年度の自己資本は133,056百万円となり、自己資本比率は79.38%に、ROEは6.47%となりました。引き続き、経営環境の変化に柔軟に対応できるよう、収益力と財務体質の改善に取り組んでまいります。
・財政状態および財務指標
(注)各指標の計算方法は下記のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
ROE(自己資本利益率):親会社株主に帰属する当期純利益/((前連結会計年度末自己資本+当連結会計年度末自己資本)/2)
当社は、コミットメントラインの借入枠を従来20,000百万円としておりましたが、顧客の需要増加に伴う運転資金の増加や、世界景気の減速および地政学リスクの高まり等に対応して、コミットメントラインの借入枠を2025年7月に10,000百万円増額し、30,000百万円といたしました。なお、当連結会計年度においてコミットメントライン契約に基づく借入は行っておりません。
b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループは、売掛債権の回収期間および棚卸資産の滞留日数の短縮に取り組んでおり、運転資金および成長に必要な資金を、営業キャッシュ・フローから確実に確保できるよう努めております。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは前年度比24,173百万円減少の7,693百万円のプラス(前連結会計年度は31,866百万円のプラス)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少および、新製品の量産開始に伴い棚卸資産の購入が増加したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは22,884百万円のマイナス(前連結会計年度は14,552百万円のマイナス)となりました。これは主に、獲得した商談の製品開発に係るレチクル、テストボード、IPマクロ等の取得による支出が増加したことによるものです。
以上の結果、フリー・キャッシュ・フローは15,191百万円のマイナス(前連結会計年度は17,314百万円のプラス)となりました。
・当社グループのキャッシュ・フロー関連指標
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは14,240百万円のマイナス(前連結会計年度は13,825
百万円のマイナス)となりました。これは主に、自己株式の取得5,000百万円および配当金の支払額8,854百万円によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は44,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ28,296百万円減少しております。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えられる特に重要な会計方針は以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産に関して、将来の業績予測やタックス・プランニングを基に将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。経営環境等の悪化により、その見積りに変更が生じた場合は、繰延税金資産が取り崩されることにより税金費用を計上する可能性があります。
b.棚卸資産の評価
棚卸資産に関して、正味売却価額が取得原価より下落した場合に簿価の切下げを行います。また、一定期間を超えて滞留する棚卸資産について、将来の需要や市場動向を反映した正味実現可能価額まで簿価の切下げを行います。
c.固定資産の減損
固定資産に関して、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討し、固定資産に減損が見込まれる場合は、将来キャッシュ・フローの現在価値又は正味売却価額に基づいて減損損失を計上いたします。将来の事業計画の変更や経営環境等の悪化による将来キャッシュ・フローの見積りが著しく減少する場合は、減損損失を計上する可能性があります。
当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における世界経済は、米国の関税や経済政策をめぐる不確実性、中国経済の内需低迷等の影響に加え、ウクライナにおける戦争の長期化、中東での軍事衝突の本格化等の地政学的リスクの拡大によるエネルギー供給への懸念の高まりから、先行きの不透明な状況が継続しました。一方、AI需要の拡大を背景にデータセンター向けインフラへの投資等が拡大しました。なお、為替相場においては、当連結会計年度の第1四半期に円高が進行しましたが、第2四半期以降は円安基調に転じました。
当社グループにおいては、2018年4月以降、ビジネスモデルの転換、グローバルな大型商談が見込まれる成長分野/先端分野へのシフト、さらに大胆な事業体制の変革等の構造改革を進めてきました(「第一の変革」)。その結果、注力分野であるオートモーティブ、データセンター/ネットワーク、スマートデバイス分野を中心に多くの大型商談を獲得しております。年間の商談獲得金額(1米ドル=120円で換算)は、構造改革以前は1,100億円程度でしたが、構造改革後は拡大し、2023年3月期以降は3,000億円程度へ、2025年3月期は3,600億円程度に達しました。2026年3月期は3,100億円程度と前期を下回る結果となりましたが、データセンター/ネットワーク分野を中心に大型商談を獲得することができました。また、これまでに獲得した商談の量産が段階的に開始され、確実に売上拡大につながってきております。
さらに、競争力のある開発体制の構築やグローバル企業に相応しい組織風土を目指す「第二の変革」を進めております。グローバルな顧客、半導体エコシステムを構成するプレーヤー、投資家等とのコミュニケーションを通じて、社内の体制、組織の構造、従業員の意識を変える取り組みを強化しております。
先端技術分野のカスタムSoCの開発および開発基盤構築に取り組む組織であるグローバルリーディンググループを中心に、「Solution SoC」のビジネスモデルに相応しいコンピューターアーキテクチャーベースの開発基盤と標準的な開発プロセスの構築を進めてきました。当連結会計年度においては、AI処理等のシステム実装を担うエンジニアリングチームや量産技術や品質課題に取り組むエンジニアリングチームを新設・集約する等、グローバルリーディンググループのさらなる強化を図ってきました。また、これと並行して、開発の効率化・可視化、開発マネジメント改革を一体として積極的に推進してきました。
ここ数年の大型先端開発案件の商談獲得に伴い、半導体業界を取り巻くエコシステムを形成するグローバル企業との関係強化を進めてきました。特に、北米や台湾等に拠点を置くグローバル企業とのマネジメントレベルでの関係構築・強化により、これらの企業との先端技術分野での共同開発プロジェクト等の進捗もありました。
当社グループにおける研究開発は、注力分野における商談獲得につなげるための先行開発と、獲得した商談の製品開発から構成されております。当連結会計年度の研究開発費は58,508百万円(前連結会計年度比2.2%減)となりました。先行開発では、日々進化する半導体エコシステムにおいて最新の技術を活用するために、グローバルなエコシステムパートナーとの協業によるプロセステクノロジー、チップレットや先進的なパッケージング技術の開発、また最新設計ツールの実用化および開発プラットフォーム構築にも積極的に取り組んでおります。さらに、先端チップレット開発プラットフォームを構築し、RTL(Register Transfer Level)でカスタマイズ可能なチップレット設計ライブラリーの提供を開始しました。
引き続き、設計開発へのAI導入等にも積極的に取り組んでまいります。
当社グループでは、優先的に取り組むマテリアリティ(重要課題)を特定し、サステナビリティ活動を推進しております。当連結会計年度においては、個々のマテリアリティの実現に向けた取り組みの結果として「脱炭素経営ランキングGX500」への選出、「日経スマートワーク経営企業」および「日経SDGs経営企業」としての認定を受ける等、社外からも一定の評価をいただくことができました。
また、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が採用するサステナビリティインデックス6件のうち、「FTSE Blossom Japan Index」等4件のインデックス構成銘柄に選定されました。
なお、当社グループの事業セグメントは、「Solution SoC」のビジネスモデルで開発するSoCを主とする単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は200,834百万円(前連結会計年度比6.5%増)となりました。当社グループの売上高は主に、量産段階で受領する製品売上と、設計開発に要する費用を段階的に受領するNRE売上から構成されております。当連結会計年度の製品売上は、中国市場における通信機器の需要は減少したものの、第2四半期以降、中国車載向け新規量産品や一部のインダストリアル向けの販売が増加に転じたこと等により、161,792百万円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。NRE売上は、38,325百万円(前連結会計年度比6.6%減)となりました。
また、売上原価は111,057百万円(前連結会計年度比31.2%増)となり、売上総利益は89,777百万円(前連結会計年度比13.6%減)となりました。これは、比較的粗利率の低い新製品の量産が始まったことにより、製品原価率が上昇したことによるものであります。販売費及び一般管理費は77,423百万円(前連結会計年度比1.9%減)となりました。先行開発のための開発投資等が高い水準で継続していることによるものであります。
営業利益は12,354百万円(前連結会計年度比50.6%減)となりました。これに為替差損等を加え、経常利益は11,756百万円(前連結会計年度比53.2%減)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は8,733百万円(前連結会計年度比55.4%減)となりました。
なお、当連結会計年度の1米ドルの平均為替レートは150.8円、前連結会計年度比1.8円の円高となりました。
b.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は122,819百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,471百万円減少しました。これは主に、新製品の量産開始による棚卸資産の購入増加や、当連結会計年度は当期純利益を上回る自己株式の取得や配当金支払等により現金及び現金同等物が減少したことによるものであります。
固定資産は44,804百万円となり、前連結会計年度末に比べ782百万円増加しました。これは主に、獲得した商談の製品開発に係るレチクル、テストボード、評価設備の増強およびIPマクロ等の投資によるものであります。
この結果、総資産は167,623百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,689百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は32,520百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,249百万円増加しました。これは主に、新製品の量産開始等に伴う買掛金の増加によるものであります。
この結果、負債合計は34,567百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,301百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は133,056百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,990百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益8,733百万円、自己株式の取得5,000百万円(2,722,400株)および配当金の支払額8,854百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は79.4%となり、前連結会計年度末から1.1ポイント減少しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は44,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ28,296百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは7,693百万円の収入(前連結会計年度は31,866百万円の収入)となりました。これは主に、比較的粗利益の低い新製品の量産が始まったことにより売上総利益が減少したこと、一方で量産開始に伴い棚卸資産の購入が増加したことから、前連結会計年度に対し収入額が減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは22,884百万円の支出(前連結会計年度は14,552百万円の支出)となりました。これは主に、獲得した商談の製品開発に係るレチクル、テストボードおよび評価設備の増強等のための有形固定資産の取得による支出14,855百万円およびIPマクロ等の無形固定資産の取得による支出8,052百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは14,240百万円の支出(前連結会計年度は13,825百万円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出5,000百万円および配当金の支払額8,854百万円によるものであります。
当社は、コミットメントラインの借入枠を従来20,000百万円としておりましたが、顧客の需要増加に伴う運転資金の増加や、世界景気の減速および地政学リスクの高まり等に対応して、コミットメントラインの借入枠を2025年7月に10,000百万円増額し、30,000百万円といたしました。なお、当連結会計年度においてコミットメントライン契約に基づく借入は行っておりません。
③生産・受注および販売の実績
当連結会計年度における生産実績、受注実績および販売実績は次のとおりであります。
なお、当社グループの事業セグメントは、「Solution SoC」のビジネスモデルで開発するSoCを主とする単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
a.生産実績
当社グループは、ファブレスモデルのビジネス形態となっており、製品の製造については、製造委託先(ファウンドリ、OSAT)へ委託しております。当社グループ製品は、顧客の特定製品向け専用で設計し搭載されるものが主であり、受注生産を行っていることから、生産実績は販売実績と概ね同等の金額となるため、生産実績の記載は省略しております。
b.受注実績
当社グループは、商談獲得後、設計開発業務に係る受注を受けて設計開発を開始し、開発終了後にサンプルを製作の上、顧客に提供し評価を受けます。設計開発開始後、顧客の評価完了までの間、受注した設計開発業務に係る売上が段階的に計上されます。顧客により製品の性能等に問題がないことが確認されると、製品の量産段階に移行し、顧客の買取責任が発生する形で製品の量産に係る受注を受け、当社グループは製造委託先へ製造を委託します。当社グループの当連結会計年度における設計開発および製品の量産に係る受注高および受注残高は以下のとおりです。受注高および受注残高については、量産に入る新商品の受注が入り前年度比増加となりました。なお、下記の受注高および受注残高は、当社グループの経営指標である商談獲得金額および商談獲得残高とは算定方法および基準時点が異なります。
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年度比 | |
| 受注高 (百万円) | 171,045 | 229,696 | 34.3% |
| 受注残高(百万円) | 156,802 | 197,056 | 25.7% |
c.販売実績
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年度比 | |
| 売上高 (百万円) | 188,535 | 200,834 | 6.5% |
(注)主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
・加賀FEI株式会社への前連結会計年度および当連結会計年度の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、50,169百万円、26.6%および、43,855百万円、21.8%であります。
・Zhaoqing Xiaopeng New Energy Investment Co., Ltd.への当連結会計年度の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、37,203百万円、18.5%であります。
・CRS TECHNOLOGY Co., Ltd.への前連結会計年度および当連結会計年度の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、30,488百万円、16.2%および、24,349百万円、12.1%であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度の売上高は200,834百万円(前連結会計年度比6.5%増)となりました。うち製品売上は161,792百万円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。中国市場における通信機器の需要は減少しておりましたが、第2四半期以降、中国車載向け新規量産品や一部のインダストリアル向けの販売が増加に転じたことにより増加しました。NRE売上は、38,325百万円(前連結会計年度比6.6%減)となりました。その他は知的財産のライセンスによる収入であります。
・財務指標
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年度比 | |
| 製品売上 (百万円) | 146,578 | 161,792 | 10.4% |
| NRE売上(百万円) | 41,019 | 38,325 | △6.6% |
| その他 (百万円) | 938 | 717 | △23.6% |
| 売上高合計(百万円) | 188,535 | 200,834 | 6.5% |
b.売上原価・販売費及び一般管理費並びに営業利益
①売上原価
当連結会計年度の売上原価は111,057百万円となり、売上総利益は89,777百万円(前連結会計年度比13.6%減)となりました。主に、比較的粗利率の低い新製品の量産が始まったことにより、製品原価率が上昇し、売上総利益が減少しました。
・財務指標
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年度比 | |
| 売上原価率 | 44.9% | 55.3% | 10.4ポイント |
| 売上総利益(百万円) | 103,919 | 89,777 | △13.6% |
(注)各指標の計算方法は下記のとおりであります。
売上原価率:売上原価/売上高×100
②販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は77,423百万円(前連結会計年度比1,496百万円減)となりました。先行開発のための開発投資等を高い水準で継続していることにより研究開発費はほぼ前連結会計年度並みの58,508百万円(前連結会計年度比1,313百万円減)、研究開発費を除いた販売費及び一般管理費は18,915百万円(前連結会計年度比183百万円減)であります。
③営業利益
当連結会計年度の営業利益は12,354百万円(前連結会計年度比12,646百万円減)となりました。主に、比較的粗利率の低い新製品の量産が始まったことにより、製品原価率が上昇したことによるものであります。当連結会計年度の1米ドルの平均為替レートは150.8円、前連結会計年度に比べて1.8円の円高となりました。
・財務指標
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年度比 | |
| 営業利益(百万円) | 25,000 | 12,354 | △50.6% |
| 営業利益率 | 13.3% | 6.2% | △7.1ポイント |
| EBITDA(百万円) ※ | 41,237 | 29,256 | △29.1% |
※ EBITDAは、「営業利益」および「減価償却費」を合計して算出しております。
c.税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の第1四半期に円高が進行したことで為替差損が発生したことなどで、営業外収益および営業外費用の差引額は598百万円の損失となりました。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は11,756百万円(前連結会計年度比13,621百万円減)となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税、住民税および事業税の額が1,475百万円、法人税等調整額が1,548百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は8,733百万円(前連結会計年度比10,867百万円減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループは、経営環境が急激に変化したとしても、顧客にとっての基幹部品である当社グループ製品を長期にわたり供給していく責任があることから、内部留保を厚くし資金の流動性を高く維持する方針としております。
当連結会計年度末における総資産は167,623百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,689百万円減少しました。流動資産は122,819百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,471百万円減少しました。これは主に、新製品の量産開始に伴い棚卸資産の購入が増加したことや、当連結会計年度は当期純利益を上回る自己株式の取得や配当金支払等により現金及び現金同等物が減少したことによるものです。当社グループはファブレスによる事業運営のため、資産構成上流動資産の割合が高く、総資産の73.3%を流動資産が占めております。
・財政状態および財務指標
| 前連結会計年度末 (2025年3月31日) | 当連結会計年度末 (2026年3月31日) | 前年度比 | |
| 総資産(百万円) | 170,312 | 167,623 | △2,689 |
| 流動資産(百万円) | 126,290 | 122,819 | △3,471 |
| 流動資産比率(%) | 74.2 | 73.3 | △0.9ポイント |
(注)各指標の計算方法は下記のとおりであります。
流動資産比率:流動資産/総資産×100
当連結会計年度末の負債合計は34,567百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,301百万円の増加となりました。これは主に、新製品の量産開始等に伴う買掛金の増加によるものです。
・財政状態および財務指標
| 前連結会計年度末 (2025年3月31日) | 当連結会計年度末 (2026年3月31日) | 前年度比 | |
| 流動負債(百万円) | 31,271 | 32,520 | 1,249 |
| 流動比率(%) | 403.9 | 377.7 | △26.2ポイント |
(注)各指標の計算方法は下記のとおりであります。
流動比率:流動資産/流動負債×100
当連結会計年度末の純資産は133,056百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,990百万円の減少となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益8,733百万円、自己株式の取得5,000百万円(2,722,400株)および配当金の支払額8,854百万円によるものです。
以上の結果、当連結会計年度の自己資本は133,056百万円となり、自己資本比率は79.38%に、ROEは6.47%となりました。引き続き、経営環境の変化に柔軟に対応できるよう、収益力と財務体質の改善に取り組んでまいります。
・財政状態および財務指標
| 前連結会計年度末 (2025年3月31日) | 当連結会計年度末 (2026年3月31日) | 前年度比 | |
| 自己資本(百万円) | 137,046 | 133,056 | △3,990 |
| 自己資本比率(%) | 80.47 | 79.38 | △1.09ポイント |
| ROE(%) | 14.62 | 6.47 | △8.15ポイント |
(注)各指標の計算方法は下記のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
ROE(自己資本利益率):親会社株主に帰属する当期純利益/((前連結会計年度末自己資本+当連結会計年度末自己資本)/2)
当社は、コミットメントラインの借入枠を従来20,000百万円としておりましたが、顧客の需要増加に伴う運転資金の増加や、世界景気の減速および地政学リスクの高まり等に対応して、コミットメントラインの借入枠を2025年7月に10,000百万円増額し、30,000百万円といたしました。なお、当連結会計年度においてコミットメントライン契約に基づく借入は行っておりません。
b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループは、売掛債権の回収期間および棚卸資産の滞留日数の短縮に取り組んでおり、運転資金および成長に必要な資金を、営業キャッシュ・フローから確実に確保できるよう努めております。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは前年度比24,173百万円減少の7,693百万円のプラス(前連結会計年度は31,866百万円のプラス)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少および、新製品の量産開始に伴い棚卸資産の購入が増加したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは22,884百万円のマイナス(前連結会計年度は14,552百万円のマイナス)となりました。これは主に、獲得した商談の製品開発に係るレチクル、テストボード、IPマクロ等の取得による支出が増加したことによるものです。
以上の結果、フリー・キャッシュ・フローは15,191百万円のマイナス(前連結会計年度は17,314百万円のプラス)となりました。
・当社グループのキャッシュ・フロー関連指標
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年度比 | |
| Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 31,866 | 7,693 | △24,173 |
| Ⅱ 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △14,552 | △22,884 | △8,332 |
| Ⅰ+Ⅱ フリー・キャッシュ・フロー(百万円) | 17,314 | △15,191 | △32,505 |
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは14,240百万円のマイナス(前連結会計年度は13,825
百万円のマイナス)となりました。これは主に、自己株式の取得5,000百万円および配当金の支払額8,854百万円によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は44,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ28,296百万円減少しております。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えられる特に重要な会計方針は以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産に関して、将来の業績予測やタックス・プランニングを基に将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。経営環境等の悪化により、その見積りに変更が生じた場合は、繰延税金資産が取り崩されることにより税金費用を計上する可能性があります。
b.棚卸資産の評価
棚卸資産に関して、正味売却価額が取得原価より下落した場合に簿価の切下げを行います。また、一定期間を超えて滞留する棚卸資産について、将来の需要や市場動向を反映した正味実現可能価額まで簿価の切下げを行います。
c.固定資産の減損
固定資産に関して、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討し、固定資産に減損が見込まれる場合は、将来キャッシュ・フローの現在価値又は正味売却価額に基づいて減損損失を計上いたします。将来の事業計画の変更や経営環境等の悪化による将来キャッシュ・フローの見積りが著しく減少する場合は、減損損失を計上する可能性があります。