有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/11/17 15:00
【資料】
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【項目】
150項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況
第21期連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
(資産)
当連結会計年度末における総資産合計は、3,121,427千円となり、前連結会計年度末に比べ872,571千円増加しております。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ938,270千円増加し、2,340,819千円となりました。これは主に、受注好調に伴い営業活動によるキャッシュ・フローが増加したことを主として、現金及び預金が939,475千円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ65,698千円減少し、780,608千円となりました。これは主に、繰越欠損金の解消により繰延税金資産が137,481千円減少したこと、保有する上場株式の時価の上昇により投資有価証券が124,560千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、1,478,210千円となり、前連結会計年度末に比べ538,756千円増加しております。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ555,679千円増加し、1,449,914千円となりました。これは主に、システミック・コーチングTMによる組織開発ビジネスの受注好調に伴い前受金が197,032千円増加したこと、業績好調に伴う社員還元として賞与引当金及び役員賞与引当金が196,891千円増加したこと、売上増加により未払消費税等が87,396千円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ16,923千円減少し、28,296千円となりました。これは主に、在宅勤務の増加を受けた本社オフィスの減床により資産除去債務が15,756千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、1,643,217千円であり、前連結会計年度末に比べて333,814千円増加しております。これは主に、当期純利益の計上に伴い利益剰余金が245,260千円増加したことと、保有する上場株式の時価の上昇によりその他有価証券評価差額金が81,474千円増加したことによるものであります。
以上の結果、主な安全性分析における指標としては、流動比率が161.4%、自己資本比率が52.6%となりました。
第22期第3四半期連結累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、3,439,701千円となり、前連結会計年度末に比べ318,273千円増加しております。これは主に、受注好調に伴い営業活動によるキャッシュ・フローが増加したことを主として、現金及び預金が251,500千円増加したこと、保有する上場株式の時価の上昇により投資有価証券が44,400千円増加したことによるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、1,339,489千円となり、前連結会計年度末に比べ138,721千円減少しております。これは主に、賞与支払により賞与引当金及び役員賞与引当金が170,085千円減少したことによるものです。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、2,100,212千円となり、前連結会計年度末に比べ456,995千円増加しております。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に伴い利益剰余金が452,364千円増加したことによるものです。
以上の結果、主な安全性分析における指標としては、流動比率が200.0%、自己資本比率が61.1%となりました。
② 経営成績の状況
第21期連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当連結会計年度における当社グループの経営環境といたしましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は2年目を迎え、経済活動は低迷を続けるものの、先進国を中心にワクチンが普及し、経済活動の再開が進んだ結果、景気は回復基調へ転じました。一方で、グローバルサプライチェーンや物流の停滞等、資源価格の上昇、半導体をはじめとする部材の供給不足など世界的なインフレ圧力が増しており、各国中央銀行が利上げを検討するなど、マクロ経済環境も大きく変化をしてまいりました。
このような状況のもと、当社におきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、新規受注に向けた営業活動が一部制限されることがございましたが、オンラインセミナーの開催、ビデオ会議システムを活用した社内外とのコミュニケーション、リモートワークの推進などにより事業活動を継続しております。前連結会計年度においては、新型コロナウイルスの影響により、企業の予算縮小等、一時的に需要が減退したものの、当連結会計年度においては、経済活動の再開と同時にEC、DCD等のシステミック・コーチングTMによる組織開発ビジネスは復調致しました。また、コーチング人材育成ビジネスも、前年に引き続き在宅学習需要は高く、堅調に推移しました。
これらの結果、売上高は3,306,541千円(前連結会計年度比35.9%増)、営業利益は361,938千円(前連結会計年度は381,022千円の営業損失)、経常利益は416,650千円(前連結会計年度は395,627千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は245,260千円(前連結会計年度は299,041千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループはコーチング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
第22期第3四半期連結累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
当第3四半期連結累計期間における当社グループの経営環境といたしましては、新型コロナウイルス感染症の拡大下における厳しい行動制限は緩和され、経済活動正常化による個人消費の緩やかな持ち直しは見られるものの、米国の金利上昇による急激な円安の進行やウクライナ情勢の影響による資源価格の高騰を背景とした物価上昇など、先行きは依然として不透明な状況であります。
以上の環境の下、主力のシステミック・コーチングTMによる組織開発ビジネスにおいては、受注・売上ともにEC、DCDを中心に堅調に推移しました。またコーチング人材育成ビジネスにおいては、パンデミックの発生により在宅勤務が増えた影響を受け前期は高い水準で推移しましたが、需要の一巡が見られました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は2,651,032千円、営業利益は493,682千円、経常利益は584,398千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は478,500千円となりました。
なお、当社グループはコーチング事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
第21期連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,146,734千円と前連結会計年度末と比べて939,554千円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは957,440千円の収入(前連結会計年度は131,883千円の支出)となりました。主な収入要因は、税金等調整前当期純利益388,638千円、前受金の増加額192,001千円、賞与引当金の増加額128,834千円、役員賞与引当金の増加額67,760千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは62,115千円の支出(前連結会計年度は57,172千円の支出)となりました。支出要因は無形固定資産の取得による支出58,962千円、有形固定資産の取得による支出46,099千円であり、収入要因は敷金の回収による収入42,946千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは33,109千円の収入(前連結会計年度は26,797千円の支出)となりました。また、主な収入要因は株式発行による収入33,400千円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
第21期連結会計年度及び第22期第3四半期連結累計期間における受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称第21期連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
第22期第3四半期連結累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年9月30日)
受注高
(千円)
前年同期比(%)受注残高
(千円)
前年同期比(%)受注高
(千円)
受注残高
(千円)
コーチング事業3,246,187115.11,157,175101.22,792,8791,326,009

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
第21期連結会計年度及び第22期第3四半期連結累計期間における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称第21期連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
第22期第3四半期連結累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年9月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)販売高(千円)
コーチング事業3,306,541135.92,651,032

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しており、その作成に当たっては、経営者による会計方針の選択と適用を前提として、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。当社グループの連結財務諸表の作成に当たり採用した重要な会計方針と会計上の見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)(重要な会計上の見積り)に記載しております。
なお、引当金の計上や資産の評価等の見積りについては、当社グループにおける過去実績や将来計画を勘案し判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果とは異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産は、過去の税務上の欠損金の発生状況及び中期経営計画に基づく課税所得の発生時期及び金額の見積りにより企業分類を判定した上で、一時差異等の解消年度のスケジューリングを行い、回収可能と見込まれる金額について計上しております。
見積りの基礎となる中期経営計画の仮定は、主要顧客を中心とした将来の受注見込を基に売上高を予測し、サービス提供を実現するための人員計画やシステム投資を考慮して発生が見込まれる費用を予測したものとなります。
当該見積りは、将来の不確実な経済条件の発動などによって影響を受ける可能性があり、課税所得の時期及び金額の見積りに変更が必要となった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります 。
(固定資産の減損)
固定資産の減損に係る回収可能性の評価に当たっては、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
なお、当社グループは、コーチング事業の単一セグメントであり、各社が保有している固定資産は、各社が展開するサービス全体の向上に寄与しており、各サービスに配分すべき性質を有しておりません。従って、各拠点(親会社、各子会社)を概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位とし、グルーピングを行っております。また、回収可能価額については各社の事業計画に基づく将来キャッシュ・フローを使用価値と見なして測定しております。なお、各社の事業計画の仮定は、主要顧客を中心とした将来の受注見込を基に売上高を予測し、サービス提供を実現するための人員計画やシステム投資を考慮して発生が見込まれる費用を予測したものとなります。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたって、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
第21期連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
(売上高)
当連結会計年度における売上高は3,306,541千円(前連結会計年度比35.9%増)となりました。
2021年12月期は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックにおいて、急激な外部環境の変化に伴い、当社サービス需要も一時的に減退し、業績の悪化が見られましたが、オンラインでのサービス提供の強化、対面と同様の品質を担保する取り組みを強化したことで、システミック・コーチングTMによる組織開発ビジネス及びコーチング人材育成ビジネス共に受注が拡大した結果、売上高は大幅に伸長致しました。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、主にコーチの退職に伴う社員人件費の減少、及び在宅勤務の増加を受けてオフィス有効活用を検討した結果の本社フロア減床による地代家賃の減少により1,837,944千円(前連結会計年度比4.0%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、主に業績好調に伴う社員還元としての賞与引当金の増加、及び新たに導入した営業管理システム運用にかかる外注業務委託費の増加により、1,106,658千円(前連結会計年度比23.0%増)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外収益は54,786千円(前連結会計年度比367.0%増)となりました。主な内容は、為替差益50,856千円、受取配当金1,200千円、助成金収入1,570千円であります。
当連結会計年度における営業外費用は73千円(前連結会計年度比99.7%減)となりました。この内容は、雑損失であります。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は1,967千円(前連結会計年度比94.6%減) となりました。主な内容は、資産除去債務履行差額1,520千円であります。
当連結会計年度における特別損失は29,979千円(前連結会計年度比9.5%減)となりました。この内容は、固定資産除却損6,508千円、減損損失9,016千円、事業構造改善費用14,455千円であります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は245,260千円(前連結会計年度は299,041千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
第22期第3四半期連結累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
(売上高)
当第3四半期連結累計期間における売上高は2,651,032千円となりました。コーチング人材育成ビジネスは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う在宅学習需要が一巡したことで低調となったものの、システミック・コーチングTMによる組織開発ビジネスについては、企業の組織開発需要を捉え、堅調に推移したことによります。
(売上原価)
当第3四半期連結累計期間における売上原価は、コーポレート機能強化のための組織変更・人事異動のための社員人件費の減少、及び前年4月に行われた本社フロア減床のための地代家賃の減少により1,179,574千円となりました。
(販売費及び一般管理費)
当第3四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は、主に前述の組織変更・人事異動に伴う社員人件費の増加により、977,775千円となりました。
(営業外損益)
当第3四半期連結累計期間における営業外収益は98,583千円となりました。主な内容は、円安の進行による為替差益94,442千円、受取配当金2,100千円、助成金収入1,100千円であります。
当第3四半期連結累計期間における営業外費用は7,867千円となりました。主な内容は、上場関連費用7,830千円であります。
(特別損益、親会社株主に帰属する四半期純利益)
当第3四半期連結累計期間における特別損失は4,774千円となりました。主な内容は、ゴルフ会員権評価損2,722千円、及び固定資産除却損1,623千円であります。
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は478,500千円となりました。
b. 財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。
c. キャッシュ・フローの状況の分析
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、当社グループは原則、サービス提供開始時に全額一括請求を行う前金受領制を営業取引の条件としており、営業キャッシュ・フローを確保することで投資及び財務キャッシュ・フローを賄っております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の資金需要は、人件費、オフィス家賃等であり、財源については主に営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当しております。 また、当連結会計年度末の現金及び預金は、2,145,943千円であり、十分な短期流動性を確保していると考えております。当社は設立以来無借金経営を継続しており、資本の源泉は営業活動によるキャッシュ・フローを財源としておりますが、大規模投資が必要になった場合又は流動性が悪化した場合には、金融機関からの借入やエクイティファイナンスを実施致します。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社は売上高の先行指標としての受注高、売上高、営業利益及びコーチ人数(委託コーチを除く。)を重要指標としております。当連結会計年度においては、受注高3,246,187千円(前連結会計年度比15.1%増)、売上高3,306,541千円(前連結会計年度比35.9%増)、営業利益361,938千円(前連結会計年度は381,022千円の営業損失)となりました。 前連結会計年度においては、新型コロナウイルスの影響により、企業の予算縮小等、一時的に需要が減退したものの、当連結会計年度においては、経済活動の再開と同時にEC、DCD等のシステミック・コーチングTMによる組織開発ビジネスは復調致しました。また、コーチング人材育成ビジネスも、前年に引き続き在宅学習需要は高く、堅調に推移しました。また、当連結会計年度期末のコーチ人数は119名(前連結会計年度比5名減)となりましたが、引き続き品質の高いサービスを提供するコーチ人数を確保すること努めてまいります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。