有価証券報告書-第9期(2023/01/01-2023/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社は、がん免疫療法創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
①経営成績の状況
当社は、「がんを克服できる社会の創生に貢献する」という経営理念の下、当社の独自技術であるPRIME(proliferation inducing and migration enhancing)技術を用いた固形がんに対するCAR-TやTCR-Tなどの遺伝子改変免疫細胞療法の研究開発に取り組んでおります。
当事業年度における当社事業の概況としまして、PRIME技術を基盤とした自社創薬及び共同パイプラインを引き続き推進いたしました。自社創薬におきましては、当社パイプラインNIB101について第Ⅰ相臨床試験が進行しており、対象症例の同定を進めております。なお、NIB101について、製造委託先における治験製品の製造及び品質試験の、品質管理上の手順等に解決すべき課題が断続的に複数回生じたことを要因とする治験の遅れが発生しております。現在、製造委託先に対する継続的な監視を行うとともに、バックアップとなる製造委託先の検討を進める等、適切な対応を進めております。また、NIB101に続く新たなパイプラインに関する研究や次世代技術に関する研究を実施しております。2017年より継続している国立大学法人山口大学との共同研究においては、引き続きCAR-TやTCR-Tを中心とした次世代型遺伝子改変細胞療法、他家細胞を利用したがん免疫細胞療法、次世代型PRIME技術に関する研究を実施しております。同じく当社が創製したNIB102及びNIB103については、導出先の武田薬品工業株式会社よりライセンス契約を解消し開発と商業化に関する権利を当社へ返還する旨の通知を受け、ライセンス契約を終了します。今後、当社はNIB102と NIB103の権利を有することになりますが、同社との間で、試験の方針、これまでに得られたデータの移管や知財の取り扱い等に関する協議を進めており、これを踏まえ、今後の開発や新たなパートナリングについて検討してまいります。
共同パイプラインにおきまして、中外製薬株式会社との間で締結しているPRIME技術のライセンス契約に関し、テックトランスファーに関する両者の業務が成功裏に終了した事による早期マイルストンを達成しました。また、従前よりPRIME技術をライセンスしているAdaptimmune Therapeutics plc及びAutolus Therapeutics plcによる研究開発が引き続き進行しております。なお、技術評価に関する契約を締結している第一三共株式会社において評価研究を実施中です。
以上の結果、当事業年度における事業収益は316,818千円(前年同期比308,965千円減少)、営業損失は775,391千円(前事業年度は106,345千円の営業損失)、経常損失は1,127,594千円(前事業年度は384,202千円の経常損失)、当期純損失は1,130,014千円(前事業年度は386,622千円の当期純損失)となりました。
なお、当社は、がん免疫療法創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の総資産は5,778,946千円となり、前事業年度末に比べ1,137,914千円増加しました。これは主に、現金及び預金が上場に伴う有償一般募集増資等により1,034,693千円、自社創薬の研究開発のための試薬等の仕入により貯蔵品が16,975千円増加し、未収消費税等が還付により66,994千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債は91,494千円となり、前事業年度末に比べ248,920千円減少しました。これは主に、当社の上場準備関連費用にかかる支払決済等により未払金が199,099千円、預り金が39,852千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は5,687,452千円となり、前事業年度末に比べ1,386,834千円増加しました。これは主に、上場に伴う有償一般募集増資(ブックビルディング方式による募集)及び第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売り出しに関連した第三者割当増資)の実施により資本金及び資本準備金がそれぞれ1,258,424千円増加した一方、当期純損失の計上により利益剰余金が1,130,014千円減少したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、5,555,691千円となり、前事業年度末に比べ1,034,693千円増加しました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動で使用した資金は、873,076千円(前事業年度は107,176千円の支出)となりました。これは主に、研究開発活動の拡大により事業費用を上回る事業収益の獲得に至らず税引前当期純損失1,127,594千円の発生、営業外費用として上場関連費用343,444千円の発生、貯蔵品16,975千円の増加、未収消費税等70,537千円の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動に使用した資金は、5,316千円(前事業年度は収入・支出ともになし)となりました。これは研究施設増床のための保証金の差入による支出5,316千円が発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で得た資金は、1,913,086千円となりました。これは、上場に伴う有償一般募集増資(ブックビルディング方式による募集)及び第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売り出しに関連した第三者割当増資)による株式の発行による収入2,508,040千円及び上場関連費用の支出594,954千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当社の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はがん免疫療法創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものの内容及び金額は下記「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、がん免疫療法分野において次世代を担うリーディングカンパニーを目指し、事業に取り組んでおります。PRIME技術により固形がんに対するCAR-Tの有効性を高め、様々な固形がんに対するCAR-T細胞療法を創成するとともに開発能力を拡大するため、日々研究開発を進めております。
当事業年度の経営成績及び財政状態に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
③キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
上記「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社はがん免疫療法に特化した研究開発型ベンチャー企業であり、資金需要の主なものは、研究人員にかかる人件費、研究用設備費用や研究開発のための外部委託費用などの研究開発費や、経営管理にかかる販売費及び一般管理費などの運転資金(事業費用)であります。
当社は、今後の外部環境の変化に備えて、事業上必要な資金については手元資金で賄う方針としており、事業収益が限定される現在では、事業収益による資金の獲得のほか、第三者割当増資による調達を行っております。手元資金については、資金需要に迅速かつ確実に対応するため、流動性の高い銀行預金により管理しております。
今後は、さらなる新規パイプラインの獲得に向けて一時的に資金を要する場合や、急激な景気変動等により手元資金が不足する場合には、経費コントロールによる支出の抑制や第三者割当増資に伴う新株発行によるエクイティファイナンスを含めた多様な調達方法を、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に活用し、対応していく予定であります。
⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析
上記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を把握するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社は、がん免疫療法創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
①経営成績の状況
当社は、「がんを克服できる社会の創生に貢献する」という経営理念の下、当社の独自技術であるPRIME(proliferation inducing and migration enhancing)技術を用いた固形がんに対するCAR-TやTCR-Tなどの遺伝子改変免疫細胞療法の研究開発に取り組んでおります。
当事業年度における当社事業の概況としまして、PRIME技術を基盤とした自社創薬及び共同パイプラインを引き続き推進いたしました。自社創薬におきましては、当社パイプラインNIB101について第Ⅰ相臨床試験が進行しており、対象症例の同定を進めております。なお、NIB101について、製造委託先における治験製品の製造及び品質試験の、品質管理上の手順等に解決すべき課題が断続的に複数回生じたことを要因とする治験の遅れが発生しております。現在、製造委託先に対する継続的な監視を行うとともに、バックアップとなる製造委託先の検討を進める等、適切な対応を進めております。また、NIB101に続く新たなパイプラインに関する研究や次世代技術に関する研究を実施しております。2017年より継続している国立大学法人山口大学との共同研究においては、引き続きCAR-TやTCR-Tを中心とした次世代型遺伝子改変細胞療法、他家細胞を利用したがん免疫細胞療法、次世代型PRIME技術に関する研究を実施しております。同じく当社が創製したNIB102及びNIB103については、導出先の武田薬品工業株式会社よりライセンス契約を解消し開発と商業化に関する権利を当社へ返還する旨の通知を受け、ライセンス契約を終了します。今後、当社はNIB102と NIB103の権利を有することになりますが、同社との間で、試験の方針、これまでに得られたデータの移管や知財の取り扱い等に関する協議を進めており、これを踏まえ、今後の開発や新たなパートナリングについて検討してまいります。
共同パイプラインにおきまして、中外製薬株式会社との間で締結しているPRIME技術のライセンス契約に関し、テックトランスファーに関する両者の業務が成功裏に終了した事による早期マイルストンを達成しました。また、従前よりPRIME技術をライセンスしているAdaptimmune Therapeutics plc及びAutolus Therapeutics plcによる研究開発が引き続き進行しております。なお、技術評価に関する契約を締結している第一三共株式会社において評価研究を実施中です。
以上の結果、当事業年度における事業収益は316,818千円(前年同期比308,965千円減少)、営業損失は775,391千円(前事業年度は106,345千円の営業損失)、経常損失は1,127,594千円(前事業年度は384,202千円の経常損失)、当期純損失は1,130,014千円(前事業年度は386,622千円の当期純損失)となりました。
なお、当社は、がん免疫療法創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の総資産は5,778,946千円となり、前事業年度末に比べ1,137,914千円増加しました。これは主に、現金及び預金が上場に伴う有償一般募集増資等により1,034,693千円、自社創薬の研究開発のための試薬等の仕入により貯蔵品が16,975千円増加し、未収消費税等が還付により66,994千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債は91,494千円となり、前事業年度末に比べ248,920千円減少しました。これは主に、当社の上場準備関連費用にかかる支払決済等により未払金が199,099千円、預り金が39,852千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は5,687,452千円となり、前事業年度末に比べ1,386,834千円増加しました。これは主に、上場に伴う有償一般募集増資(ブックビルディング方式による募集)及び第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売り出しに関連した第三者割当増資)の実施により資本金及び資本準備金がそれぞれ1,258,424千円増加した一方、当期純損失の計上により利益剰余金が1,130,014千円減少したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、5,555,691千円となり、前事業年度末に比べ1,034,693千円増加しました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動で使用した資金は、873,076千円(前事業年度は107,176千円の支出)となりました。これは主に、研究開発活動の拡大により事業費用を上回る事業収益の獲得に至らず税引前当期純損失1,127,594千円の発生、営業外費用として上場関連費用343,444千円の発生、貯蔵品16,975千円の増加、未収消費税等70,537千円の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動に使用した資金は、5,316千円(前事業年度は収入・支出ともになし)となりました。これは研究施設増床のための保証金の差入による支出5,316千円が発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で得た資金は、1,913,086千円となりました。これは、上場に伴う有償一般募集増資(ブックビルディング方式による募集)及び第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売り出しに関連した第三者割当増資)による株式の発行による収入2,508,040千円及び上場関連費用の支出594,954千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当社の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はがん免疫療法創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 前年同期比(%) |
| がん免疫療法創薬事業 (千円) | 316,818 | 49.37 |
| 合計 (千円) | 316,818 | 49.37 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 当事業年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 中外製薬 | 601,594 | 96.1 | 301,405 | 95.1 |
| Janssen Biotech, Inc. | 12,189 | 2.0 | - | - |
| 第一三共 | 12,000 | 1.9 | 10,499 | 3.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものの内容及び金額は下記「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、がん免疫療法分野において次世代を担うリーディングカンパニーを目指し、事業に取り組んでおります。PRIME技術により固形がんに対するCAR-Tの有効性を高め、様々な固形がんに対するCAR-T細胞療法を創成するとともに開発能力を拡大するため、日々研究開発を進めております。
当事業年度の経営成績及び財政状態に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
③キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
上記「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社はがん免疫療法に特化した研究開発型ベンチャー企業であり、資金需要の主なものは、研究人員にかかる人件費、研究用設備費用や研究開発のための外部委託費用などの研究開発費や、経営管理にかかる販売費及び一般管理費などの運転資金(事業費用)であります。
当社は、今後の外部環境の変化に備えて、事業上必要な資金については手元資金で賄う方針としており、事業収益が限定される現在では、事業収益による資金の獲得のほか、第三者割当増資による調達を行っております。手元資金については、資金需要に迅速かつ確実に対応するため、流動性の高い銀行預金により管理しております。
今後は、さらなる新規パイプラインの獲得に向けて一時的に資金を要する場合や、急激な景気変動等により手元資金が不足する場合には、経費コントロールによる支出の抑制や第三者割当増資に伴う新株発行によるエクイティファイナンスを含めた多様な調達方法を、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に活用し、対応していく予定であります。
⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析
上記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を把握するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。