有価証券報告書-第38期(2022/08/01-2023/07/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産の部)
当事業年度末における資産合計は4,032百万円となり、前事業年度末に比べ28百万円減少いたしました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は2,713百万円となり、前事業年度末に比べ182百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が375百万円増加した一方で、流動資産のその他に含まれる未収消費税等が83百万円、受取手形が75百万円、仕掛品が67百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は1,319百万円となり、前事業年度末に比べ211百万円減少いたしました。これは主に新社屋の稼働開始に伴う建設仮勘定の振替及び旧社屋の売却の結果、建物が514百万円増加した一方で、建設仮勘定が695百万円、土地が94百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における負債合計は1,130百万円となり、前事業年度末に比べ359百万円減少いたしました。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は737百万円となり、前事業年度末に比べ324百万円減少いたしました。これは主に支払手形が204百万円、買掛金が189百万円減少した一方で、未払法人税等が54百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は393百万円となり、前事業年度末に比べ35百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が42百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産合計は、2,902百万円となり、前事業年度末に比べ331百万円増加いたしました。これは、2023年3月31日付での名古屋証券取引所メイン市場への上場に伴い普通株式20,000株の公募増資を実施し、加えて当該公募増資に伴うオーバーアロットメントによる株式売出しに関連して普通株式21,000株の第三者割当増資を実施したことにより、資本金及び資本剰余金がそれぞれ31百万円増加したことに加え、当期純利益の計上及び配当金の支払いにより利益剰余金が268百万円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、社会経済活動の正常化に向けた大きな区切りを迎えました。しかしながら、ウクライナ紛争等地政学リスクの継続を原因としたエネルギー価格や原材料価格の高止まりによる消費マインドの低下や、円安の進行等の影響から、依然として景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
製造業においては、世界的に広まるカーボンニュートラルに向けた潮流をうけ、大手メーカーを中心にCO2排出量削減を実現するための生産設備の更新や改造工事への投資需要の高まりが見受けられました。また、当社の主要顧客である自動車業界ではCASE対応に向けて多額の資金投入が観測されております。
このような状況の中、当社は、主要取引先である自動車業界を中心とした製造業における設備需要の回復の影響を受け、当事業年度の経営成績は、売上高2,381百万円(前年同期比58.7%増)、営業利益243百万円(前年同期比149.1%増)、経常利益228百万円(前年同期比115.0%増)、当期純利益277百万円(前年同期比174.3%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(産業システム事業)
産業システム事業におきましては、自動車業界を中心としたアフターコロナへ向けた増産体制の強化を図るための設備需要の回復が見受けられ、その影響からファーネスプロダクツが好調に推移し売上が増加いたしました。また、業務提携先から移管された新規商材のアニール炉の拡販に努めてまいりました。一方、世界的なインフレーションの進行から、半導体や鋼材不足による製造部材の仕入価格の高騰、代替品の選定などによる人的コストの増加、光熱費の上昇等の影響から製造原価が上昇いたしました。他方で、設計コストが削減できるリピート品等の生産や新規外注委託先を開拓し生産高の向上を図ることにより、売上総利益率を微減に留める結果となりました。
この結果、当事業年度のセグメント売上高は1,687百万円(前年同期比92.7%増)となりました。また、セグメント利益は199百万円(前年同期比293.8%増)となりました。
(保守サービス事業)
保守サービス事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復基調による各業界の生産再開、増産に向けた設備修繕・工事の需要拡大は落ち着きつつあるものの、依然堅調に推移いたしました。また、業務提携先の製品の点検保守や大型工事の獲得に注力してまいりました。加えて、製造業においてカーボンニュートラル達成に向けた取り組みが加速し、省エネルギー改造工事の需要が高まっていることから、その需要の獲得に努めてまいりました。
この結果、当事業年度のセグメント売上高は694百万円(前年同期比10.9%増)となりました。また、セグメント利益は199百万円(前年同期比21.9%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末より375百万円増加し、1,783百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果により獲得した資金は179百万円(前事業年度は9百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益が390百万円であり、未払又は未収消費税等の増減額156百万円があった一方、仕入債務の減少額393百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果により獲得した資金は201百万円(前事業年度は574百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入217百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果により支出した資金は5百万円(前事業年度は243百万円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入63百万円があった一方、長期借入金の返済による支出42百万円及び上場関連費用の支出17百万円があったためであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、当社はセグメント間の取引についてはありません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、当社はセグメント間の取引についてはありません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.当社はセグメント間の取引についてはありません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(売上高)
当事業年度における売上高は、2,381百万円(前年同期比58.7%増)となり、前事業年度に比べて880百万円増加いたしました。
これは、産業システム事業において、アフターコロナを見据えた設備投資への反動需要が集中したことによるものであります。加えて、全世界的な需要の拡大の影響から半導体を始めとした各種部品の長納期化したため、通常6ヶ月を想定している設備製造にかかるリードタイムが長期化し、前事業年度に売上が見込まれていた多くの案件が当事業年度の売上になったことが大きく影響しております。この結果、産業システム事業の売上高は、1,687百万円(前年同期比92.7%増)となりました。
一方、点検、メンテナンスを主とする保守サービス事業においては、業務提携先企業との協調を進め、新規顧客層の獲得に注力することで、堅調に売上を拡大することができました。また、カーボンニュートラルに向けた既存設備の省エネ改造工事の需要を取り込むことができました。この結果、保守サービス事業の売上高は、694百万円(前年同期比10.9%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、1,738百万円(前年同期比66.9%増)となり、前事業年度に比べ696百万円増加いたしました。これは主に産業システム事業における売上高の増加に紐づく、製造原価の増加によるものであります。また、世界的な景気回復基調を受けた半導体や鋼材を中心とした仕入価格の高騰や原油価格の高騰による物流コストの拡大の影響、短納期の代替部品の確保やそれに伴い追加される再設計などによる製造経費の増加により売上原価率が増加したことに起因しております。この結果、売上総利益は643百万円(前年同期比40.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、399百万円(前年同期比10.4%増)となり、前事業年度に比べ37百万円増加いたしました。これは主に新工場の稼働に伴う減価償却費及び管理諸費の増加、株式上場により資本金が増加したことによる外形標準課税が適用されたことに伴う租税公課の増加によるものであります。この結果、営業利益は243百万円(前年同期比149.1%増)となり、前事業年度に比べ145百万円増加いたしました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は5百万円(前年同期比45.0%減)となり、前事業年度に比べ4百万円減少いたしました。これは主に前事業年度に発生した補助金収入や為替差益が減少したことによるものであります。営業外費用は19百万円(前年同期比3,183.1%増)となり、前事業年度に比べ19百万円増加いたしました。これは主に株式上場に伴う上場関連費用が発生したことによるものであります。この結果、経常利益は228百万円(前年同期比115.0%増)となり、前事業年度に比べ122百万円増加いたしました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
特別利益として旧社屋の売却に伴う固定資産売却益96百万円、新工場建設に対する補助金収入57百万円等を計上した結果、税引前当期純利益は390百万円(前年同期比148.9%増)となりました。また、法人税等合計は113百万円となり、前事業年度に比べ57百万円増加いたしました。
以上の結果、当期純利益は277百万円(前年同期比174.3%増)となり、前事業年度に比べ176百万円増加いたしました。
③ 目標とする経営指標の達成状況等
当社の経営指標は変動費率55%以下、売上高総利益率29.5%以上、売上高営業利益率9%以上を目標としております。
当事業年度においては、変動費率、売上高総利益率、売上高営業利益率はそれぞれ57.5%、27.0%、10.2%となり、売上高営業利益率は達成いたしました。これは、アフターコロナを見据えた設備投資需要の回復の影響により、産業システム事業の売上高が大きく増加したことにより、原価高の影響を多大に受けている産業システム事業の売上高に占める割合が増加したことで相対的に製造原価が増加したことにより、変動費率が増加し、売上高総利益率が減少したことによるものと分析しております。一方、売上高自体が新型コロナウイルス感染症の影響から回復したことにより、相対的に販売費及び一般管理費の割合が減少した結果、売上高営業利益率は増加いたしました。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要
当社における資金需要は主に運転資金需要があります。運転資金需要のうち主なものは、当社の産業システム事業の設備製造にかかわる材料費、外注費、労務費及び保守サービス事業のメンテナンスにかかわる材料費、労務費があります。また、各事業に共通するものとして販売費及び一般管理費の人件費があります。その他に設備投資需要としまして、各種固定資産購入費用があります。
財務政策
当社は現在、運転資金については営業キャッシュ・フローで獲得した内部資金を充当しております。不足が生じた場合は金融機関からの短期借入金で調達するために、金融機関に十分な借入枠を有しております。
設備投資需要に係る資金につきましては、原則として自己資本により賄うこととしておりますが、必要に応じて長期借入金により資金調達を行う等、柔軟に対応することとしております。
当事業年度末における長期借入金の残高は、1年内返済予定の長期借入金の残高を含め、235百万円の借入であります。
手元資金の流動性について
当社は当事業年度末において、1,817百万円の現金及び預金を保有し、そのうち334百万円の定期預金を保有しておりますが、これは短期の定期預金のため、十分な手元流動性を確保しております。また、今後、必要に応じて金融機関との間で資金調達を検討するとともに、新規投資の時期を慎重に見極め、経費抑制によりキャッシュ・フロー管理を徹底し、十分な手元流動性の確保に努めてまいります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、景気変動、海外情勢等、海外業務、大規模災害、情報漏洩、品質管理等様々なリスクが存在するものと認識しております。そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化や、人材の確保と育成等に力を入れ、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切な対応に努め、改善に取り組みます。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
当社が今後、事業を拡大し、継続的な成長を実現するためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環
境及び対処すべき課題等」に記載しておりますとおり、「カーボンニュートラル実現」に向けた加熱技術の省エネルギー・省CO2化、インフレによる材料価格の高騰に対する対応、工業炉業界での市場規模の拡大等の課題について適切に対処していく必要があると認識しております。
それらの課題に対応するための経営者の方針として、経営者は、常に市場のニーズや内部環境並びに外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に行い、当社経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
加えて、外部企業とのアライアンスを積極的に推進し、当社の強みを活かし、弱みを補う形で業務の拡大及び
事業補完を目指して取り組んでまいります。また、新規販路拡大や必要な人材を安定的に確保するため企業のブ
ランド力の強化を図ります。併せて、若い世代への技術継承をシステマティックに行う土壌を作成し、人材育
成・定着に注力し、基幹事業の継続体制の盤石化に注力してまいります。
さらには、IoT技術(DX)を活用したリモートメンテナンスシステムの構築、省エネ環境デバイスの開発を推進し、予防メンテナンスや省エネルギーに貢献できる商材を提供することで保守サービス事業の拡充に努めてまいります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産の部)
当事業年度末における資産合計は4,032百万円となり、前事業年度末に比べ28百万円減少いたしました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は2,713百万円となり、前事業年度末に比べ182百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が375百万円増加した一方で、流動資産のその他に含まれる未収消費税等が83百万円、受取手形が75百万円、仕掛品が67百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は1,319百万円となり、前事業年度末に比べ211百万円減少いたしました。これは主に新社屋の稼働開始に伴う建設仮勘定の振替及び旧社屋の売却の結果、建物が514百万円増加した一方で、建設仮勘定が695百万円、土地が94百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における負債合計は1,130百万円となり、前事業年度末に比べ359百万円減少いたしました。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は737百万円となり、前事業年度末に比べ324百万円減少いたしました。これは主に支払手形が204百万円、買掛金が189百万円減少した一方で、未払法人税等が54百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は393百万円となり、前事業年度末に比べ35百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が42百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産合計は、2,902百万円となり、前事業年度末に比べ331百万円増加いたしました。これは、2023年3月31日付での名古屋証券取引所メイン市場への上場に伴い普通株式20,000株の公募増資を実施し、加えて当該公募増資に伴うオーバーアロットメントによる株式売出しに関連して普通株式21,000株の第三者割当増資を実施したことにより、資本金及び資本剰余金がそれぞれ31百万円増加したことに加え、当期純利益の計上及び配当金の支払いにより利益剰余金が268百万円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、社会経済活動の正常化に向けた大きな区切りを迎えました。しかしながら、ウクライナ紛争等地政学リスクの継続を原因としたエネルギー価格や原材料価格の高止まりによる消費マインドの低下や、円安の進行等の影響から、依然として景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
製造業においては、世界的に広まるカーボンニュートラルに向けた潮流をうけ、大手メーカーを中心にCO2排出量削減を実現するための生産設備の更新や改造工事への投資需要の高まりが見受けられました。また、当社の主要顧客である自動車業界ではCASE対応に向けて多額の資金投入が観測されております。
このような状況の中、当社は、主要取引先である自動車業界を中心とした製造業における設備需要の回復の影響を受け、当事業年度の経営成績は、売上高2,381百万円(前年同期比58.7%増)、営業利益243百万円(前年同期比149.1%増)、経常利益228百万円(前年同期比115.0%増)、当期純利益277百万円(前年同期比174.3%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(産業システム事業)
産業システム事業におきましては、自動車業界を中心としたアフターコロナへ向けた増産体制の強化を図るための設備需要の回復が見受けられ、その影響からファーネスプロダクツが好調に推移し売上が増加いたしました。また、業務提携先から移管された新規商材のアニール炉の拡販に努めてまいりました。一方、世界的なインフレーションの進行から、半導体や鋼材不足による製造部材の仕入価格の高騰、代替品の選定などによる人的コストの増加、光熱費の上昇等の影響から製造原価が上昇いたしました。他方で、設計コストが削減できるリピート品等の生産や新規外注委託先を開拓し生産高の向上を図ることにより、売上総利益率を微減に留める結果となりました。
この結果、当事業年度のセグメント売上高は1,687百万円(前年同期比92.7%増)となりました。また、セグメント利益は199百万円(前年同期比293.8%増)となりました。
(保守サービス事業)
保守サービス事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復基調による各業界の生産再開、増産に向けた設備修繕・工事の需要拡大は落ち着きつつあるものの、依然堅調に推移いたしました。また、業務提携先の製品の点検保守や大型工事の獲得に注力してまいりました。加えて、製造業においてカーボンニュートラル達成に向けた取り組みが加速し、省エネルギー改造工事の需要が高まっていることから、その需要の獲得に努めてまいりました。
この結果、当事業年度のセグメント売上高は694百万円(前年同期比10.9%増)となりました。また、セグメント利益は199百万円(前年同期比21.9%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末より375百万円増加し、1,783百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果により獲得した資金は179百万円(前事業年度は9百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益が390百万円であり、未払又は未収消費税等の増減額156百万円があった一方、仕入債務の減少額393百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果により獲得した資金は201百万円(前事業年度は574百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入217百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果により支出した資金は5百万円(前事業年度は243百万円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入63百万円があった一方、長期借入金の返済による支出42百万円及び上場関連費用の支出17百万円があったためであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 産業システム事業 | 1,549,241 | 141.8 |
| 保守サービス事業 | 682,983 | 107.1 |
| 合 計 | 2,232,224 | 129.0 |
(注)金額は販売価格によっており、当社はセグメント間の取引についてはありません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) | |||
| 受注高 (千円) | 前年同期比(%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比(%) | |
| 産業システム事業 | 1,489,946 | 70.3 | 1,447,233 | 88.0 |
| 保守サービス事業 | 657,593 | 101.0 | 162,915 | 81.7 |
| 合 計 | 2,147,540 | 77.5 | 1,610,148 | 87.3 |
(注)金額は販売価格によっており、当社はセグメント間の取引についてはありません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 産業システム事業 | 1,687,682 | 192.7 |
| 保守サービス事業 | 694,171 | 110.9 |
| 合 計 | 2,381,854 | 158.7 |
(注)1.当社はセグメント間の取引についてはありません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2021年8月1日 至 2022年7月31日) | 当事業年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社キャタラー | 241,894 | 16.1 | 474,942 | 19.9 |
| 明和テクノス株式会社 | 50,463 | 3.4 | 278,422 | 11.7 |
| 草野産業株式会社 | 215,745 | 14.4 | 80,419 | 3.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(売上高)
当事業年度における売上高は、2,381百万円(前年同期比58.7%増)となり、前事業年度に比べて880百万円増加いたしました。
これは、産業システム事業において、アフターコロナを見据えた設備投資への反動需要が集中したことによるものであります。加えて、全世界的な需要の拡大の影響から半導体を始めとした各種部品の長納期化したため、通常6ヶ月を想定している設備製造にかかるリードタイムが長期化し、前事業年度に売上が見込まれていた多くの案件が当事業年度の売上になったことが大きく影響しております。この結果、産業システム事業の売上高は、1,687百万円(前年同期比92.7%増)となりました。
一方、点検、メンテナンスを主とする保守サービス事業においては、業務提携先企業との協調を進め、新規顧客層の獲得に注力することで、堅調に売上を拡大することができました。また、カーボンニュートラルに向けた既存設備の省エネ改造工事の需要を取り込むことができました。この結果、保守サービス事業の売上高は、694百万円(前年同期比10.9%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、1,738百万円(前年同期比66.9%増)となり、前事業年度に比べ696百万円増加いたしました。これは主に産業システム事業における売上高の増加に紐づく、製造原価の増加によるものであります。また、世界的な景気回復基調を受けた半導体や鋼材を中心とした仕入価格の高騰や原油価格の高騰による物流コストの拡大の影響、短納期の代替部品の確保やそれに伴い追加される再設計などによる製造経費の増加により売上原価率が増加したことに起因しております。この結果、売上総利益は643百万円(前年同期比40.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、399百万円(前年同期比10.4%増)となり、前事業年度に比べ37百万円増加いたしました。これは主に新工場の稼働に伴う減価償却費及び管理諸費の増加、株式上場により資本金が増加したことによる外形標準課税が適用されたことに伴う租税公課の増加によるものであります。この結果、営業利益は243百万円(前年同期比149.1%増)となり、前事業年度に比べ145百万円増加いたしました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は5百万円(前年同期比45.0%減)となり、前事業年度に比べ4百万円減少いたしました。これは主に前事業年度に発生した補助金収入や為替差益が減少したことによるものであります。営業外費用は19百万円(前年同期比3,183.1%増)となり、前事業年度に比べ19百万円増加いたしました。これは主に株式上場に伴う上場関連費用が発生したことによるものであります。この結果、経常利益は228百万円(前年同期比115.0%増)となり、前事業年度に比べ122百万円増加いたしました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
特別利益として旧社屋の売却に伴う固定資産売却益96百万円、新工場建設に対する補助金収入57百万円等を計上した結果、税引前当期純利益は390百万円(前年同期比148.9%増)となりました。また、法人税等合計は113百万円となり、前事業年度に比べ57百万円増加いたしました。
以上の結果、当期純利益は277百万円(前年同期比174.3%増)となり、前事業年度に比べ176百万円増加いたしました。
③ 目標とする経営指標の達成状況等
当社の経営指標は変動費率55%以下、売上高総利益率29.5%以上、売上高営業利益率9%以上を目標としております。
当事業年度においては、変動費率、売上高総利益率、売上高営業利益率はそれぞれ57.5%、27.0%、10.2%となり、売上高営業利益率は達成いたしました。これは、アフターコロナを見据えた設備投資需要の回復の影響により、産業システム事業の売上高が大きく増加したことにより、原価高の影響を多大に受けている産業システム事業の売上高に占める割合が増加したことで相対的に製造原価が増加したことにより、変動費率が増加し、売上高総利益率が減少したことによるものと分析しております。一方、売上高自体が新型コロナウイルス感染症の影響から回復したことにより、相対的に販売費及び一般管理費の割合が減少した結果、売上高営業利益率は増加いたしました。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要
当社における資金需要は主に運転資金需要があります。運転資金需要のうち主なものは、当社の産業システム事業の設備製造にかかわる材料費、外注費、労務費及び保守サービス事業のメンテナンスにかかわる材料費、労務費があります。また、各事業に共通するものとして販売費及び一般管理費の人件費があります。その他に設備投資需要としまして、各種固定資産購入費用があります。
財務政策
当社は現在、運転資金については営業キャッシュ・フローで獲得した内部資金を充当しております。不足が生じた場合は金融機関からの短期借入金で調達するために、金融機関に十分な借入枠を有しております。
設備投資需要に係る資金につきましては、原則として自己資本により賄うこととしておりますが、必要に応じて長期借入金により資金調達を行う等、柔軟に対応することとしております。
当事業年度末における長期借入金の残高は、1年内返済予定の長期借入金の残高を含め、235百万円の借入であります。
手元資金の流動性について
当社は当事業年度末において、1,817百万円の現金及び預金を保有し、そのうち334百万円の定期預金を保有しておりますが、これは短期の定期預金のため、十分な手元流動性を確保しております。また、今後、必要に応じて金融機関との間で資金調達を検討するとともに、新規投資の時期を慎重に見極め、経費抑制によりキャッシュ・フロー管理を徹底し、十分な手元流動性の確保に努めてまいります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、景気変動、海外情勢等、海外業務、大規模災害、情報漏洩、品質管理等様々なリスクが存在するものと認識しております。そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化や、人材の確保と育成等に力を入れ、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切な対応に努め、改善に取り組みます。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
当社が今後、事業を拡大し、継続的な成長を実現するためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環
境及び対処すべき課題等」に記載しておりますとおり、「カーボンニュートラル実現」に向けた加熱技術の省エネルギー・省CO2化、インフレによる材料価格の高騰に対する対応、工業炉業界での市場規模の拡大等の課題について適切に対処していく必要があると認識しております。
それらの課題に対応するための経営者の方針として、経営者は、常に市場のニーズや内部環境並びに外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に行い、当社経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
加えて、外部企業とのアライアンスを積極的に推進し、当社の強みを活かし、弱みを補う形で業務の拡大及び
事業補完を目指して取り組んでまいります。また、新規販路拡大や必要な人材を安定的に確保するため企業のブ
ランド力の強化を図ります。併せて、若い世代への技術継承をシステマティックに行う土壌を作成し、人材育
成・定着に注力し、基幹事業の継続体制の盤石化に注力してまいります。
さらには、IoT技術(DX)を活用したリモートメンテナンスシステムの構築、省エネ環境デバイスの開発を推進し、予防メンテナンスや省エネルギーに貢献できる商材を提供することで保守サービス事業の拡充に努めてまいります。