半期報告書-第9期(2024/04/01-2025/03/31)
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、当社は、前中間連結会計期間については、中間連結財務諸表を作成していないため、前中間連結会計期間との比較分析は行っておりません。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間における経済情勢は、春闘による大幅な賃上げや日銀の金融政策正常化の動きがあり、国内景気は一部で足踏みするも緩やかに回復しました。また、米国においてはFRBが利下げを開始したこともあり、2024年9月末にかけて歴史的な円安水準の修正が進みました。しかしながら、国内における物価上昇や地政学リスクの高まり等もあり、当社グループを取り巻く経営環境は依然として不透明な状況が続いております。
PJ1 ヒトiPS細胞由来心筋細胞シート(対象疾患:虚血性心疾患(国内))
当社は、虚血性心疾患(ICM)による重症心不全を適応症とするヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの製造販売承認の取得に向け、国立大学法人大阪大学(以下、大阪大学)が実施する医師主導治験を支援しております。当医師主導治験は、2020年1月に1症例目の被験者に移植が行われ、2023年3月には予定した8症例の被験者に対する移植が完了しております。
当中間連結会計期間においては、役員及び従業員が一丸となって承認申請業務に取り組みました。承認申請資料の作成においては、当医師主導治験が対象とする、重症度の高い心不全患者の病態を踏まえ、適切な評価及び承認を得られる可能性を高めるため、長期間データを承認申請資料に組み込む対応を行っております。今後はPMDAとの協議を重ねながら、適切なタイミングで申請を行ってまいります。
PJ2 ヒトiPS細胞由来心筋細胞シート(対象疾患:拡張型心疾患(国内))
大阪大学はヒトiPS細胞由来心筋細胞シートに拡張型心疾患(DCM)を効能追加するための研究開発を進めています。拡張型心疾患(DCM)の研究開発は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和5年度「再生医療等実用化研究事業」として採択されています(公募課題「拡張型心筋症に対するヒト(同種)iPS細胞由来心筋細胞シートを用いた臨床試験」)。当社は分担機関として、その一部の研究開発の再委託を大阪大学から受けており、大阪大学が進める臨床試験を支援しております。
当中間連結会計期間では、大阪大学でDCMの医師主導治験が開始され、2症例の移植が行われました。当社は被験者に移植するヒトiPS細胞由来心筋細胞シートを作製し、大阪大学に提供いたしました。
PJ3 ヒトiPS細胞由来心筋細胞シート(対象疾患:虚血性心疾患(海外))
ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートについては、日本だけでなく海外でも製造販売承認の取得を計画しております。
当中間連結会計期間において、米国での事業化に向け、現地研究機関と共同研究契約及び研究開発計画について協議を進めました。また、米国における当社製品の研究開発及び事業化、また将来のパートナー探索等の現地活動を強化することを目的に、経済産業省が米国カリフォルニア州パロアルトに設立したビジネス拠点「ジャパン・イノベーション・キャンパス」に当社米国子会社としてiReheart Inc.を設立いたしました。米国での開発を進めるにあたり、来年度の上半期にFDA相談の実施を目指してまいります。
PJ4 カテーテル
ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートと比べ、軽度の心疾患に対応するパイプラインとして、カテーテルによる新たな血管内アプローチによりヒトiPS細胞由来心筋細胞を心臓へ移植する治療技術の開発を、朝日インテック株式会社(本社:愛知県瀬戸市)との共同開発により進めております。同社が有するカテーテル製品開発技術と当社のヒトiPS 細胞由来心筋細胞を組み合わせることにより、新しい治療技術を創出します。
本製品は、循環器内科医が急性心筋梗塞(AMI)(※1)・慢性完全閉塞性病変(CTO)(※2)等の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)(※3)と併用することによって、開胸等の新たな侵襲を患者に加えることなく、心機能の回復を高める治療技術の開発を目指しております。
当中間連結会計期間において、朝日インテック株式会社との共同研究開発では、大動物実験を行いました。
(※1)急性心筋梗塞(AMI):心臓の血管が詰まり血流が止まることで、心筋に酸素と栄養が十分に供給されず、心筋が壊死した状態となる病気。体内に酸素等が十分に供給されなくなることで、致死的な状態となる可能性がある。Acute Myocardial Infarctionの略。
(※2)慢性完全閉塞性病変(CTO):心臓の冠動脈が3か月以上にわたり完全に閉塞し、血流が止まっている状態。Chronic Total Occlusionの略。
(※3)経皮的冠動脈インターベンション(PCI):虚血性心疾患に対して、冠動脈内腔の狭窄部分にカテーテルを使用して拡張する治療法。Percutaneous Coronary Interventionの略。
PJ5 体内再生因子誘導剤
オキシム誘導体(YS-1301)の低用量使用により体内再生因子(HGF、VEGF、SDF-1、HMGB1等)が誘導される薬理作用に基づき、細胞保護、抗線維化、抗炎症作用による血管新生、組織再生が期待されます。肝硬変・非アルコール性脂肪肝炎(NASH)(※4)、閉塞性動脈硬化症(ASO)(※5)、慢性腎不全(CKD)(※6)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(※7)等への治療薬としての研究開発を行っております。小野薬品工業株式会社及び株式会社カルディオより各種特許・ノウハウ等の承継を完了しており、対象疾患の薬効メカニズム検証・製剤開発を進めております。
当中間連結会計期間においては、大阪大学と肝硬変・肝切除等を対象とする共同研究を継続しております。
(※4)肝硬変・非アルコール性脂肪肝炎(NASH):非アルコール性脂肪性疾患の一部。脂肪変性、炎症、肝細胞障害等を伴う。病状が進行した場合、肝硬変や肝臓がんにもつながる。Nonalcoholic Steatohepatitisの略。
(※5)閉塞性動脈硬化症(ASO):手足の血管動脈の硬化が進行し、狭窄や閉塞が発生することにより、血流が悪化する病気。手足に酸素、栄養分の供給が不足することとなり、冷感、しびれ感、間歇性跛行(歩行中の足の痛み)、疼痛、潰瘍、壊疽等の症状が発生し、症状が進行した場合には、手足の切断に至る場合もある。Arteriosclerosis Obliteransの略。
(※6)慢性腎不全(CKD):腎臓の機能が低下し、老廃物を十分に排泄できなくなった状態。病状が進行した場合、定期的な透析や腎臓移植が必要となる。Chronic Kidney Diseaseの略。
(※7)慢性閉塞性肺疾患(COPD):タバコ等の有害物質を長期吸引することで発症する病気。以下のような症状を伴う。①気管支に炎症がおき咳や痰が出る、気管支が細くなることによって空気の流れが低下する。②気管支の奥にあるぶどうの房状の肺胞が破壊され、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下する。Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの略。
PJ6 培養上清
細胞培養後の培養液を有効活用し、安定した収益獲得を目的として、2023年12月に連結子会社としてクオリプスヘルスケアサイエンス株式会社を設立し、細胞培養上清液を有効活用するための事業を立ち上げました。
細胞培養後の培養液には、セクレトームと呼ばれる様々な成長因子(サイトカイン等)や細胞外小胞(エクソソーム等)が含まれており、様々な効果が期待されます。
品質・安全性においては、当社の細胞培養加工施設(CLiC-1)は、再生医療等安全性確保法第35条第1項に基づく「特定細胞加工物製造許可」(施設番号:FA5210001)を取得しており、局所クリーン技術を活用した衛生管理により微生物汚染リスクを徹底的に抑制した安定的な生産体制が構築されております。また、CLiC-1で製造されたヒトiPS細胞由来心筋細胞シートは、大阪大学が実施している医師主導治験を通じて、既にヒトに投与されていますが、現時点で安全性に対する懸念点は識別されておらず、同様の環境下及び検査体制下で精製されるセクレトームも、高い品質や安全性を確保できるものと考えております。
当中間連結会計期間では、クリニックや化粧品会社に提供する研究用の細胞培養上清試薬の開発を行う他、製法特許の出願を行いました。
上記PJ1~6の他、大阪府大阪市北区にオープンした未来医療国際拠点Nakanoshima Qrossにて、次世代モダリティの開発を促進する細胞大量製造バリューチェーン開発コンソーシアムを発足いたしました。
本コンソーシアム発足の背景として、ヒトや動物の細胞を用いた技術は、再生医療等製品や医薬品にとどまらず、多方面でグローバルに進展していますが、これらに共通する課題は大量に細胞を製造する必要があること、さらに大量製造は多様かつ複雑な工程で構成されることから、製造装置及びシステム、利用されるデバイス、原材料等のアプリケーション開発において様々な企業が持つ技術や知見を結集する必要があります。当社グループとしても、日本のみならずグローバルでの事業展開や、培養上清事業の拡大を見据えた場合、さらなる製造能力拡大や、生産・製造技術の高度化を推進する必要があります。
当社グループは、iPS細胞由来再生医療等製品の製造及び品質管理技術、並びに大量製造を実現する独自の細胞培養加工施設の設計技術をもって本コンソーシアムに参加し、参画する各企業と共同で細胞の大量製造を構成する「培養~回収~充填・分注~凍結~保存」の各工程を統合したプラットフォームシステムと、本システムで利用されるアプリケーションの開発を世界に先駆けて行います。本コンソーシアムにおける活動の成果は、当社グループの事業への導入だけでなく、各社と協力して作り上げたパッケージシステムとして国内外で活用します。また、各社の独自事業での利用を促進するオープンイノベーション拠点として本コンソーシアムを位置づけ、特定の企業による独占的な開発や、原則的に当社グループが成果を独占しないことを方針として、様々な技術・ノウハウを有する企業との開発を推進してまいります。
売上高については、製造開発受託サービス(CDMOサービス)に係る売上を計上いたしました。
この結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高7,893千円、営業損失398,694千円、経常損失464,369千円、親会社株主に帰属する中間純損失466,176千円となりました。
当中間連結会計期間において発生した研究開発費(総額)は477,831千円でありましたが、共同研究開発パートナーから共同研究開発費(以下、共同研究開発費受入額)を受領しており、共同研究開発費受入額を控除した金額187,588千円を販売費及び一般管理費において研究開発費として計上しております。
なお、当社グループは、再生医療等製品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(2)財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末の流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ474,857千円減少し、5,137,280千円となりました。これは主に、未収入金の増加によりその他流動資産が299,577千円、有価証券(外貨建てMMF)が165,506千円増加した一方で、研究開発費、事業運営費の支出や運転資金の増加等により現金及び預金が957,825千円減少したことによるものであります。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ50,686千円増加し、623,287千円となりました。これは主に、機械装置の取得により有形固定資産が20,674千円増加したこと、また投資その他の資産が30,141千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ424,170千円減少し、5,760,567千円となりました。
(負債)
当中間連結会計期間末の流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ24,334千円減少し、141,681千円となりました。これは主に、外形標準課税の納付により未払法人税等が22,819千円減少したことによるものであります。固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ252千円減少し、34,692千円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ24,587千円減少し、176,373千円となりました。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ399,583千円減少し、5,584,194千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純損失の計上によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、714,661千円の支出となりました。これは主に、 未収入金の増加額293,090千円や税金等調整前中間純損失464,369千円を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、89,038千円の支出となりました。これは主に、有 形固定資産の取得による支出58,896千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、65,663千円の収入となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入60,000千円によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」中の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発活動の金額は、「(1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8)従業員数
当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数について著しい変動はありません。
(9)主要な設備
当中間連結会計期間において、主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等による著しい変動や、計画の著しい変更はありません。
(10)資本の財源及び資金の流動性についての分析
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」中の「キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」の記載について重要な変更はありません。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間における経済情勢は、春闘による大幅な賃上げや日銀の金融政策正常化の動きがあり、国内景気は一部で足踏みするも緩やかに回復しました。また、米国においてはFRBが利下げを開始したこともあり、2024年9月末にかけて歴史的な円安水準の修正が進みました。しかしながら、国内における物価上昇や地政学リスクの高まり等もあり、当社グループを取り巻く経営環境は依然として不透明な状況が続いております。
PJ1 ヒトiPS細胞由来心筋細胞シート(対象疾患:虚血性心疾患(国内))
当社は、虚血性心疾患(ICM)による重症心不全を適応症とするヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの製造販売承認の取得に向け、国立大学法人大阪大学(以下、大阪大学)が実施する医師主導治験を支援しております。当医師主導治験は、2020年1月に1症例目の被験者に移植が行われ、2023年3月には予定した8症例の被験者に対する移植が完了しております。
当中間連結会計期間においては、役員及び従業員が一丸となって承認申請業務に取り組みました。承認申請資料の作成においては、当医師主導治験が対象とする、重症度の高い心不全患者の病態を踏まえ、適切な評価及び承認を得られる可能性を高めるため、長期間データを承認申請資料に組み込む対応を行っております。今後はPMDAとの協議を重ねながら、適切なタイミングで申請を行ってまいります。
PJ2 ヒトiPS細胞由来心筋細胞シート(対象疾患:拡張型心疾患(国内))
大阪大学はヒトiPS細胞由来心筋細胞シートに拡張型心疾患(DCM)を効能追加するための研究開発を進めています。拡張型心疾患(DCM)の研究開発は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和5年度「再生医療等実用化研究事業」として採択されています(公募課題「拡張型心筋症に対するヒト(同種)iPS細胞由来心筋細胞シートを用いた臨床試験」)。当社は分担機関として、その一部の研究開発の再委託を大阪大学から受けており、大阪大学が進める臨床試験を支援しております。
当中間連結会計期間では、大阪大学でDCMの医師主導治験が開始され、2症例の移植が行われました。当社は被験者に移植するヒトiPS細胞由来心筋細胞シートを作製し、大阪大学に提供いたしました。
PJ3 ヒトiPS細胞由来心筋細胞シート(対象疾患:虚血性心疾患(海外))
ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートについては、日本だけでなく海外でも製造販売承認の取得を計画しております。
当中間連結会計期間において、米国での事業化に向け、現地研究機関と共同研究契約及び研究開発計画について協議を進めました。また、米国における当社製品の研究開発及び事業化、また将来のパートナー探索等の現地活動を強化することを目的に、経済産業省が米国カリフォルニア州パロアルトに設立したビジネス拠点「ジャパン・イノベーション・キャンパス」に当社米国子会社としてiReheart Inc.を設立いたしました。米国での開発を進めるにあたり、来年度の上半期にFDA相談の実施を目指してまいります。
PJ4 カテーテル
ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートと比べ、軽度の心疾患に対応するパイプラインとして、カテーテルによる新たな血管内アプローチによりヒトiPS細胞由来心筋細胞を心臓へ移植する治療技術の開発を、朝日インテック株式会社(本社:愛知県瀬戸市)との共同開発により進めております。同社が有するカテーテル製品開発技術と当社のヒトiPS 細胞由来心筋細胞を組み合わせることにより、新しい治療技術を創出します。
本製品は、循環器内科医が急性心筋梗塞(AMI)(※1)・慢性完全閉塞性病変(CTO)(※2)等の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)(※3)と併用することによって、開胸等の新たな侵襲を患者に加えることなく、心機能の回復を高める治療技術の開発を目指しております。
当中間連結会計期間において、朝日インテック株式会社との共同研究開発では、大動物実験を行いました。
(※1)急性心筋梗塞(AMI):心臓の血管が詰まり血流が止まることで、心筋に酸素と栄養が十分に供給されず、心筋が壊死した状態となる病気。体内に酸素等が十分に供給されなくなることで、致死的な状態となる可能性がある。Acute Myocardial Infarctionの略。
(※2)慢性完全閉塞性病変(CTO):心臓の冠動脈が3か月以上にわたり完全に閉塞し、血流が止まっている状態。Chronic Total Occlusionの略。
(※3)経皮的冠動脈インターベンション(PCI):虚血性心疾患に対して、冠動脈内腔の狭窄部分にカテーテルを使用して拡張する治療法。Percutaneous Coronary Interventionの略。
PJ5 体内再生因子誘導剤
オキシム誘導体(YS-1301)の低用量使用により体内再生因子(HGF、VEGF、SDF-1、HMGB1等)が誘導される薬理作用に基づき、細胞保護、抗線維化、抗炎症作用による血管新生、組織再生が期待されます。肝硬変・非アルコール性脂肪肝炎(NASH)(※4)、閉塞性動脈硬化症(ASO)(※5)、慢性腎不全(CKD)(※6)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(※7)等への治療薬としての研究開発を行っております。小野薬品工業株式会社及び株式会社カルディオより各種特許・ノウハウ等の承継を完了しており、対象疾患の薬効メカニズム検証・製剤開発を進めております。
当中間連結会計期間においては、大阪大学と肝硬変・肝切除等を対象とする共同研究を継続しております。
(※4)肝硬変・非アルコール性脂肪肝炎(NASH):非アルコール性脂肪性疾患の一部。脂肪変性、炎症、肝細胞障害等を伴う。病状が進行した場合、肝硬変や肝臓がんにもつながる。Nonalcoholic Steatohepatitisの略。
(※5)閉塞性動脈硬化症(ASO):手足の血管動脈の硬化が進行し、狭窄や閉塞が発生することにより、血流が悪化する病気。手足に酸素、栄養分の供給が不足することとなり、冷感、しびれ感、間歇性跛行(歩行中の足の痛み)、疼痛、潰瘍、壊疽等の症状が発生し、症状が進行した場合には、手足の切断に至る場合もある。Arteriosclerosis Obliteransの略。
(※6)慢性腎不全(CKD):腎臓の機能が低下し、老廃物を十分に排泄できなくなった状態。病状が進行した場合、定期的な透析や腎臓移植が必要となる。Chronic Kidney Diseaseの略。
(※7)慢性閉塞性肺疾患(COPD):タバコ等の有害物質を長期吸引することで発症する病気。以下のような症状を伴う。①気管支に炎症がおき咳や痰が出る、気管支が細くなることによって空気の流れが低下する。②気管支の奥にあるぶどうの房状の肺胞が破壊され、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下する。Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの略。
PJ6 培養上清
細胞培養後の培養液を有効活用し、安定した収益獲得を目的として、2023年12月に連結子会社としてクオリプスヘルスケアサイエンス株式会社を設立し、細胞培養上清液を有効活用するための事業を立ち上げました。
細胞培養後の培養液には、セクレトームと呼ばれる様々な成長因子(サイトカイン等)や細胞外小胞(エクソソーム等)が含まれており、様々な効果が期待されます。
品質・安全性においては、当社の細胞培養加工施設(CLiC-1)は、再生医療等安全性確保法第35条第1項に基づく「特定細胞加工物製造許可」(施設番号:FA5210001)を取得しており、局所クリーン技術を活用した衛生管理により微生物汚染リスクを徹底的に抑制した安定的な生産体制が構築されております。また、CLiC-1で製造されたヒトiPS細胞由来心筋細胞シートは、大阪大学が実施している医師主導治験を通じて、既にヒトに投与されていますが、現時点で安全性に対する懸念点は識別されておらず、同様の環境下及び検査体制下で精製されるセクレトームも、高い品質や安全性を確保できるものと考えております。
当中間連結会計期間では、クリニックや化粧品会社に提供する研究用の細胞培養上清試薬の開発を行う他、製法特許の出願を行いました。
上記PJ1~6の他、大阪府大阪市北区にオープンした未来医療国際拠点Nakanoshima Qrossにて、次世代モダリティの開発を促進する細胞大量製造バリューチェーン開発コンソーシアムを発足いたしました。
本コンソーシアム発足の背景として、ヒトや動物の細胞を用いた技術は、再生医療等製品や医薬品にとどまらず、多方面でグローバルに進展していますが、これらに共通する課題は大量に細胞を製造する必要があること、さらに大量製造は多様かつ複雑な工程で構成されることから、製造装置及びシステム、利用されるデバイス、原材料等のアプリケーション開発において様々な企業が持つ技術や知見を結集する必要があります。当社グループとしても、日本のみならずグローバルでの事業展開や、培養上清事業の拡大を見据えた場合、さらなる製造能力拡大や、生産・製造技術の高度化を推進する必要があります。
当社グループは、iPS細胞由来再生医療等製品の製造及び品質管理技術、並びに大量製造を実現する独自の細胞培養加工施設の設計技術をもって本コンソーシアムに参加し、参画する各企業と共同で細胞の大量製造を構成する「培養~回収~充填・分注~凍結~保存」の各工程を統合したプラットフォームシステムと、本システムで利用されるアプリケーションの開発を世界に先駆けて行います。本コンソーシアムにおける活動の成果は、当社グループの事業への導入だけでなく、各社と協力して作り上げたパッケージシステムとして国内外で活用します。また、各社の独自事業での利用を促進するオープンイノベーション拠点として本コンソーシアムを位置づけ、特定の企業による独占的な開発や、原則的に当社グループが成果を独占しないことを方針として、様々な技術・ノウハウを有する企業との開発を推進してまいります。
売上高については、製造開発受託サービス(CDMOサービス)に係る売上を計上いたしました。
この結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高7,893千円、営業損失398,694千円、経常損失464,369千円、親会社株主に帰属する中間純損失466,176千円となりました。
当中間連結会計期間において発生した研究開発費(総額)は477,831千円でありましたが、共同研究開発パートナーから共同研究開発費(以下、共同研究開発費受入額)を受領しており、共同研究開発費受入額を控除した金額187,588千円を販売費及び一般管理費において研究開発費として計上しております。
なお、当社グループは、再生医療等製品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(2)財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末の流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ474,857千円減少し、5,137,280千円となりました。これは主に、未収入金の増加によりその他流動資産が299,577千円、有価証券(外貨建てMMF)が165,506千円増加した一方で、研究開発費、事業運営費の支出や運転資金の増加等により現金及び預金が957,825千円減少したことによるものであります。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ50,686千円増加し、623,287千円となりました。これは主に、機械装置の取得により有形固定資産が20,674千円増加したこと、また投資その他の資産が30,141千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ424,170千円減少し、5,760,567千円となりました。
(負債)
当中間連結会計期間末の流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ24,334千円減少し、141,681千円となりました。これは主に、外形標準課税の納付により未払法人税等が22,819千円減少したことによるものであります。固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ252千円減少し、34,692千円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ24,587千円減少し、176,373千円となりました。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ399,583千円減少し、5,584,194千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純損失の計上によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、714,661千円の支出となりました。これは主に、 未収入金の増加額293,090千円や税金等調整前中間純損失464,369千円を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、89,038千円の支出となりました。これは主に、有 形固定資産の取得による支出58,896千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、65,663千円の収入となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入60,000千円によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」中の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発活動の金額は、「(1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8)従業員数
当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数について著しい変動はありません。
(9)主要な設備
当中間連結会計期間において、主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等による著しい変動や、計画の著しい変更はありません。
(10)資本の財源及び資金の流動性についての分析
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」中の「キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」の記載について重要な変更はありません。