半期報告書-第10期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2025/11/13 16:07
【資料】
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【項目】
30項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間における経済情勢は、我が国においては雇用・所得環境の改善が進み、国内景気は緩やかに回復しております。しかしながら、物価上昇が継続していることに加え、米国の通商政策による世界経済への先行き不安等もあり、依然として不透明な状況が続いております。
このような環境下で、当社グループはヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの研究開発を中心に事業活動を推進してまいりました。主なプロジェクトの研究開発状況は以下のとおりであります。
PJ1 ヒトiPS細胞由来心筋細胞シート(対象疾患:虚血性心筋症(国内))
当社は、虚血性心筋症(ICM)による重症心不全を適応症とするヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの製造販売承認の取得に向け、国立大学法人大阪大学(以下、大阪大学)が実施する医師主導治験を支援しております。当医師主導治験は、2020年1月に1症例目の被験者に移植が行われ、2023年3月には予定した8症例の被験者に対する移植が完了しております。
当中間連結会計期間においては、2025年4月に厚生労働省に対し製造販売承認申請を行いました。申請後は規制当局による審査等に対応しております。
加えて、ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートを希少疾病用再生医療等製品とするための指定申請を行い、2025年10月に厚生労働省より希少疾病用再生医療等製品として指定を受けました(指定番号(R7再)第37号)。希少疾病用再生医療等製品の指定制度は、医療上、特にその必要性が高いもの等を条件に厚生労働大臣が指定するものであり、その指定を受けることで独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)等による指導・助言等の支援措置を受けることが出来ます。また、希少疾病用製品として指定を受けた品目は、保険償還価格算定時の加算対象となります。
今後は、患者様に一日も早くヒトiPS細胞由来心筋細胞シートを提供できるよう、規制当局による審査等に迅速に対応し、承認取得を目指してまいります。
PJ2 ヒトiPS細胞由来心筋細胞シート(対象疾患:拡張型心筋症(国内))
大阪大学はヒトiPS細胞由来心筋細胞シートに拡張型心筋症(DCM)を効能追加するための研究開発を進めています。拡張型心筋症(DCM)の研究開発は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和5年度「再生医療等実用化研究事業」として採択されています(公募課題「拡張型心筋症に対するヒト(同種)iPS細胞由来心筋細胞シートを用いた臨床試験」)。前連結会計年度より医師主導治験が開始され、2症例の被験者に移植が行われました。当社は被験者に移植するヒトiPS細胞由来心筋細胞シートを作製し、大阪大学に提供いたしました。当連結会計年度においても大阪大学が進める医師主導治験を継続的に支援してまいります。
PJ3 ヒトiPS細胞由来心筋細胞シート(対象疾患:虚血性心筋症(海外))
ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートについては、日本だけでなく海外でも製造販売承認の取得を計画しております。
当中間連結会計期間において、スタンフォード大学心臓胸部外科との共同研究開発を本格的に開始しました。既存のヒトiPS細胞由来心筋細胞シートを米国向けに改良した製品や新しいコンセプトのヒトiPS細胞由来製品の開発を行うことを目的に、心筋梗塞ブタの心臓に移植する動物実験からなる共同研究プログラムを実施しております。
また、米国向けに改良した製品に関しては、米国食品医薬品局(以下、FDA)と治験許可申請前相談会議(pre-IND会議)を行いました。品質・前臨床・臨床の全般にわたり本製品の開発計画をFDAと協議し、First-in-Human試験の計画概要を含めた今後の方針について概ね合意を得ることができ、米国での治験許可申請(IND申請)に向けた準備を進めております。
PJ4 カテーテル
ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートと比べ、軽度の心筋症に対応するパイプラインとして、カテーテルによる新たな血管内アプローチによりヒトiPS細胞由来心筋細胞を心臓へ移植する治療技術の開発を、朝日インテック株式会社(本社:愛知県瀬戸市)との共同開発により進めております。同社が有するカテーテル製品開発技術と当社のヒトiPS 細胞由来心筋細胞を組み合わせることにより、新しい治療技術を創出します。
当中間連結会計期間においても、引き続き朝日インテック株式会社との共同研究開発を進めております。
PJ5 体内再生因子誘導剤
オキシム誘導体(YS-1301)の低用量使用により体内再生因子(HGF、VEGF、SDF-1、HMGB1等)が誘導される薬理作用に基づき、細胞保護、抗線維化、抗炎症作用による血管新生、組織再生が期待されます。肝硬変・非アルコール性脂肪肝炎(NASH)(※1)、閉塞性動脈硬化症(ASO)(※2)、慢性腎不全(CKD)(※3)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(※4)等への治療薬としての研究開発を行っております。
大阪大学と肝硬変・肝切除等を対象とする共同研究を実施していますが、当中間連結会計期間において、大阪大学から肝硬変に関する研究論文が発表されました。当論文では、肝硬変による肝繊維化に対する治療において有望なオプションとなることを示しています。
タイトル:Slow-Release Prostacyclin Agonist-Immersed Sheet Implantation Suppresses Liver Fibrosis via Hippo Signaling Pathway Activation
雑誌名 :Hepatology Research
著者名 :江口 英利(大阪大学大学院医学系研究科 外科学講座消化器外科学 教授)ほか
URL :https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/hepr.14228
(※1)肝硬変・非アルコール性脂肪肝炎(NASH):非アルコール性脂肪性疾患の一部。脂肪変性、炎症、肝細胞障害等を伴う。病状が進行した場合、肝硬変や肝臓がんにもつながる。Nonalcoholic Steatohepatitisの略。
(※2)閉塞性動脈硬化症(ASO):手足の血管動脈の硬化が進行し、狭窄や閉塞が発生することにより、血流が悪化する病気。手足に酸素、栄養分の供給が不足することとなり、冷感、しびれ感、間歇性跛行(歩行中の足の痛み)、疼痛、潰瘍、壊疽等の症状が発生し、症状が進行した場合には、手足の切断に至る場合もある。Arteriosclerosis Obliteransの略。
(※3)慢性腎不全(CKD):腎臓の機能が低下し、老廃物を十分に排泄できなくなった状態。病状が進行した場合、定期的な透析や腎臓移植が必要となる。Chronic Kidney Diseaseの略。
(※4)慢性閉塞性肺疾患(COPD):タバコ等の有害物質を長期吸引することで発症する病気。以下のような症状を伴う。①気管支に炎症がおき咳や痰が出る、気管支が細くなることによって空気の流れが低下する。②気管支の奥にあるぶどうの房状の肺胞が破壊され、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下する。Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの略。
CDMO事業
ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの研究開発を通じて培った大量培養技術・ノウハウや、効率的かつ実効的な最先端の商業用細胞培養加工施設「CLiC-1」を活用して、様々な細胞製品のCDMO事業にも取り組んでおります。
当中間連結会計期間において、経済産業省の「再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備投資支援事業」である令和6年度補正「再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備支援事業費補助金(再生CDMO補助金)」に申請し、「新技術導入促進枠」として採択されました。本事業では、再生・細胞医療・遺伝子治療製品を円滑に製造できる能力を国内に確保し、日本の創薬力の強化及び再生・細胞医療・遺伝子治療製品の受託製造業を輸出産業とすることを目指すことが目的とされています。当社は本補助金を設備投資等に活用し、CDMO事業における供給能力の向上を進めてまいります。
上記に加え、2025年4月から10月に開催された「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)では、株式会社パソナグループが出展するパビリオン「PASONA NATUREVERSE」及び大阪府・大阪市が出展するパビリオン「大阪ヘルスケアパビリオン」に、当社が開発・製造したiPS心臓や心筋細胞シートを提供いたしました。大阪・関西万博での展示物の提供を通じて、国内外から様々な反響や引き合いがあり、海外での事業展開やパートナー探索も含めた様々な事業戦略を検討しております。
この結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高192,705千円(前年同中間期は7,893千円)、営業損失495,335千円(前年同中間期は398,694千円の損失)、経常損失483,434千円(前年同中間期は464,369千円の損失)、親会社株主に帰属する中間純損失483,549千円(前年同中間期は466,176千円の損失)となりました。
当中間連結会計期間において発生した研究開発費(総額)は486,647千円(前年同中間期比1.8%増)でありましたが、共同研究開発パートナーから共同研究開発費(以下、共同研究開発費受入額)を受領しており、共同研究開発費受入額を控除した金額288,736千円(前年同中間期比53.9%増)を販売費及び一般管理費において研究開発費として計上しております。
なお、当社グループは、再生医療等製品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(2)財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末の流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ259,066千円減少し、4,866,049千円となりました。これは主に、未収入金や前渡金の増加によりその他流動資産が642,545千円増加した一方で、研究開発費、事業運営費の支出や運転資金の増加等により現金及び預金が749,606千円減少したことによるものであります。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ28,042千円減少し、588,450千円となりました。これは主に、減価償却費41,296千円の計上によるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ287,108千円減少し、5,454,500千円となりました。
(負債)
当中間連結会計期間末の流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ62,154千円減少し、115,161千円となりました。これは主に、未払金が77,354千円減少したことによるものであります。固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ48,572千円増加し、83,167千円となりました。これは主に、その他固定負債(長期未払金)が48,824千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ13,582千円減少し、198,329千円となりました。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ273,526千円減少し、5,256,171千円となりました。これは主に、新株予約権の行使等により資本金が74,938千円、資本剰余金が80,209千円増加した一方で、親会社株主に帰属する中間純損失483,549千円を計上したことによる減少であります。
(3)キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、851,611千円の支出(前年同中間期は714,661千円の支出)となりました。これは主に、前渡金の増加額431,722千円や税金等調整前中間純損失483,434千円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、13,965千円の支出(前年同中間期は89,038千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出10,169千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、174,109千円の収入(前年同中間期は65,663千円の収入)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入146,750千円によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」中の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発活動の金額は、「(1)経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8)従業員数
当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数について著しい変動はありません。
(9)主要な設備
当中間連結会計期間において、主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等による著しい変動や、計画の著しい変更はありません。
(10)資本の財源及び資金の流動性についての分析
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」中の「キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」の記載について重要な変更はありません。

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