有価証券報告書-第10期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 14:43
【資料】
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【項目】
128項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ704,323千円減少し、4,420,792千円となりました。これは主に、研究開発費、事業運営費の支出等により現金及び預金が941,341千円減少したことによるものであります。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ85,836千円増加し、702,329千円となりました。これは主に、無形固定資産が97,736千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ618,486千円減少し、5,123,122千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ100,207千円増加し、277,523千円となりました。これは主に、未払金が105,070千円増加したことによるものであります。固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ41,713千円増加し、76,308千円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ141,920千円増加し、353,832千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ760,407千円減少し、4,769,290千円となりました。これは主に、新株予約権の行使等により資本金が102,313千円、資本剰余金が107,584千円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失を1,022,640千円計上したことによる減少であります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における経済情勢は、我が国においては雇用・所得環境の改善が進み、国内景気は緩やかに回復しました。また、世界経済においては各国の通商政策の影響を受け一部で弱めの動きも見られるものの、緩和的な金融環境等の下支えにより、総じて緩やかに成長しました。しかしながら、中東での情勢不安によるエネルギー及び原材料価格等の上昇により、依然として不透明な状況が続いております。
このような環境下で、当社グループは心筋細胞シートの研究開発を中心に事業活動を推進してまいりました。主なプロジェクトの研究開発状況は以下のとおりであります。
心筋細胞シート(対象疾患:虚血性心筋症(国内)、製品名:リハート)
当社は、虚血性心筋症(ICM)による重症心不全を適応症とする心筋細胞シートの製造販売承認の取得に向け、国立大学法人大阪大学(以下、大阪大学)が実施する医師主導治験を支援してまいりました。
当連結会計年度においては、2025年4月に厚生労働省に対し製造販売承認申請を行い、規制当局による審査やGCTP適合性調査等に対応してまいりましたが、2026年3月に厚生労働省から「薬物治療や侵襲的治療を含む標準治療で効果不十分な虚血性心筋症による重症心不全の治療」を効果・効能として、条件及び期限付き製造販売承認を取得いたしました。
また、リハートは、2025年10月には厚生労働省より希少疾病用再生医療等製品として指定を受けました(指定番号(R7再)第37号)。希少疾病用再生医療等製品の指定制度は、医療上、特にその必要性が高いもの等を条件に厚生労働大臣が指定するものであり、その指定を受けることで独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)等による指導・助言等の支援措置を受けることが出来ます。また、希少疾病用製品として指定を受けた品目は、保険償還価格算定時の加算対象となります。
今後は、患者様に一日も早くリハートを提供できるよう製造販売後調査に向けた供給体制の整備等を進めてまいります。
心筋細胞シート(対象疾患:虚血性心筋症(海外))
心筋細胞シートについては日本だけでなく海外でも製造販売承認の取得を計画しております。
当連結会計年度において、スタンフォード大学心臓胸部外科との共同研究開発を本格的に開始しました。既存の心筋細胞シートを米国向けに改良した製品や新しいコンセプトのヒトiPS細胞由来製品の開発を行うことを目的に、心筋梗塞ブタの心臓に移植する動物実験からなる共同研究プログラムを実施しております。
また、米国向けに改良した製品に関しては、米国食品医薬品局(以下、FDA)と治験許可申請前相談会議(pre-IND会議)を行いました。品質・前臨床・臨床の全般にわたり本製品の開発計画をFDAと協議し、First-in-Human試験の計画概要を含めた今後の方針について概ね合意を得ることができ、米国での治験許可申請(IND申請)に向けた準備を進めております。
カテーテル
心筋細胞シートと比べ、軽度の心筋症に対応するパイプラインとして、カテーテルによる血管内アプローチによりヒトiPS細胞由来心筋細胞を心臓へ移植する新たな治療技術の開発を、朝日インテック株式会社(本社:愛知県瀬戸市)との共同開発により進めております。同社が有するカテーテル製品開発技術と当社のヒトiPS 細胞由来心筋細胞を組み合わせることにより、新しい治療技術を創出します。
当連結会計年度において、引き続き朝日インテック株式会社との共同研究開発を進めております。
体内再生因子誘導剤
当連結会計年度において、国立大学法人新潟大学との肝疾患を対象とした共同研究期間を延長し成果の取りまとめを進める一方、国立大学法人大阪大学において消化器外科学分野との成果が国際学術誌に掲載されるとともに第2期共同研究を開始しました。また消化器内科学分野との腸疾患に関する研究も継続しております。事業開発面では、早期の事業化及び価値最大化を目指してパートナリングイベントを通じた製薬企業等との連携・導出に向けた活動を展開しており、現在も具体的な協議を継続しております。
タイトル:Slow-Release Prostacyclin Agonist-Immersed Sheet Implantation Suppresses Liver Fibrosis via Hippo Signaling Pathway Activation
雑誌名 :Hepatology Research
著者名 :江口 英利(大阪大学大学院医学系研究科 外科学講座消化器外科学 教授)ほか
URL :https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/hepr.14228
CDMO事業
心筋細胞シートの研究開発を通じて培った大量培養技術・ノウハウや、効率的かつ実効的な最先端の商業用細胞培養加工施設「CLiC-1」を活用して、様々な細胞製品のCDMO事業にも取り組んでおります。
当連結会計年度において、経済産業省の「再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備投資支援事業」である令和6年度補正「再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備支援事業費補助金(再生CDMO補助金)」に申請し、「新技術導入促進枠」として採択されました。本事業は、再生・細胞医療・遺伝子治療製品を円滑に製造できる能力を国内に確保し、日本の創薬力の強化及び再生・細胞医療・遺伝子治療製品の受託製造業を輸出産業とすることを目的としています。当社は本補助金を設備投資等に活用することで、さらなる大量製造技術を確立し、供給能力の向上を図ってまいります。
上記に加え、「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)や日本テレビ主催の「カラダWEEKイベント」等において、当社が開発・製造したiPS心臓や心筋細胞シートを提供いたしました。これらの展示を通じて、国内外から様々な反響や引き合いがあり、海外での事業展開やパートナー探索も含めた様々な事業戦略を検討しております。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高212,332千円(前年同期比21.2%増)、営業損失1,081,266千円(前年同期は590,262千円の損失)、経常損失1,028,528千円(前年同期は642,014千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失1,022,640千円(前年同期は644,342千円の損失)となりました。
当連結会計年度において発生した研究開発費(総額)は970,450千円(前年同期比5.7%減)でありましたが、共同研究開発パートナーから共同研究開発費(以下、共同研究開発費受入額)を受領しており、共同研究開発費受入額を控除した金額634,243千円(前年同期比89.8%増)を販売費及び一般管理費において研究開発費として計上しております。
なお、当社グループは、再生医療等製品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ893,760千円減少し、3,900,064千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,059,895千円の支出(前年同期は812,616千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,026,699千円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、34,956千円の支出(前年同期は119,992千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出43,006千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、204,205千円の収入(前年同期は145,113千円の収入)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入177,104千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するCDMO・コンサルティングサービスは、サービスの性格上、生産実績の記載になじまいため、記載を省略しております。また、リハートに関連する生産実績は、商用生産を開始して間もないことから、記載を省略しております。
b.受注実績
CDMO・コンサルティングサービスにおいては、一部受注生産を行っておりますが、ほとんどの場合において、生産に要する期間が短く、受注残高が僅少であることから記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、以下のとおりであります。なお、当社グループは再生医療等製品事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
サービスの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
CDMO・コンサルティングサービス210,15925.4
その他2,173△71.4
合計212,33221.2

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のと
おりであります。なお、最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額
(千円)
割合
(%)
金額
(千円)
割合
(%)
株式会社パソナグループ120,90069.0179,10084.3
株式会社乃村工藝社18,91110.8--

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (3)業績・財政状態に関するリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、研究開発を行う上で必要な資金は、共同研究開発パートナーとの共同研究開発契約を通じて確保しております。また、設備投資や事業運営費等の資金は、第三者割当増資や公募増資により確保しております。
資金の流動性については、一時的な余資は主に流動性の高い金融資産で運用しており、投機的な取引は行わない方針であり、資産効率を考慮しながら、現金及び現金同等物によって確保を図っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。資産・負債及び収益・費用の測定にあたり、金額を直接観察できない場合には、経営者は過去の実績やその他の様々な仮定を設定し、合理的に算定しておりますが、見積金額の測定には、固有の限界があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表等の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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