有価証券報告書-第85期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態
イ.資産の部
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比較して15億60百万円減少し401億28百万円となりました。
流動資産は、売掛金の減少等により、前連結会計年度末に比較して3億52百万円減少し111億41百万円となりました。
固定資産は、建設仮勘定の減少等により、前連結会計年度末に比較して12億8百万円減少し289億86百万円となりました。
ロ.負債の部
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比較して19億38百万円減少し330億30百万円となりました。
流動負債は、未払金の減少等により、前連結会計年度末に比較して38億69百万円減少し103億93百万円となりました。固定負債は、長期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比較して19億31百万円増加の226億37百万円となりました。
ハ.純資産の部
当連結会計年度末の純資産合計は、株主配当金の支払1億67百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益4億54百万円等により前連結会計年度末に比較して3億77百万円増加の70億97百万円となりました。
② 経営成績
当社グループの当連結会計年度の成績は、売上高は、冷蔵倉庫事業、水産食品事業ともに前年より増加したこと等により、804億92百万円(前連結会計年度比36億12百万円 4.7%増)、営業利益は売上高が増加したこと等により8億39百万円(前連結会計年度比1億87百万円 28.7%増)、経常利益は営業外収支が大幅に改善したことにより7億57百万円(前連結会計年度比2億33百万円 44.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億54百万円(前連結会計年度比1億18百万円 35.2%増)となりました。
(単位:百万円)
セグメントの業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益8億35百万円や減価償却費の計上がありましたが、仕入債務の減少や有形固定資産の取得支出などにより、当連結会計年度末の資金は21億21百万円(前年度末比78百万円減少)となりました。
<キャッシュ・フローの状況>(単位:百万円)
イ.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は22億77百万円(前年同期は12億81百万円の獲得)となりました。これは主に減価償却費、売上債権の減少によるものです。
ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は30億92百万円(前年同期は60億86百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものです。
ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果獲得した資金は7億36百万円(前年同期は56億12百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入れによる収入によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
(注)上記の金額には消費税等は含まれていない。
ロ.商品仕入実績
(注)上記の金額には消費税等は含まれていない。
ハ.受注実績
当社グループは、冷蔵倉庫事業においては保管サービスを伴う役務の提供が主たる事業であり、また、水産食品事業においては仕入販売や見込み生産が主たる事業であるため、該当事項はありません。
ニ.販売実績
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.上記の金額には消費税等は含まれていない。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当連結会計年度の経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中間の貿易摩擦の深刻化や消費税増税後の消費の落ち込みがあったものの雇用・所得環境の改善などにより緩やかな回復基調にありました。しかしながら、第4四半期以降は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内消費が冷え込み経済活動も縮小されましたことから、景気の先行きについても厳しい状況で推移しております。
一方、水産・食品業界におきましては、外食の自粛や家庭内での食事等消費者の節約志向は依然として強く、厳しい経営環境が続いております。
当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2) 経営戦略等」で述べましたとおり、当社グループ各社の経営資源(顧客・商材・人材・機能)を相互に活用しながら、水産物流通における役割を効率的に果たし、消費者の皆様に水産物の「おいしさ」や「安全・安心」をお届けすることを使命としております。上記のような厳しい状況のもと、当社グループは、引き続き消費者の食に関するニーズに迅速に対応するなど安全・安心な食品を提供し、グループの持つ機能を最大限に活用して収益の確保に努めてまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の成績は、売上高は804億92百万円(前連結会計年度比36億12百万円 4.7%増)、営業利益は売上高が増加したこと等により8億39百万円(前連結会計年度比1億87百万円 28.7%増)、経常利益は営業外収支が大幅に改善したことにより7億57百万円(前連結会計年度比2億33百万円 44.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億54百万円(前連結会計年度比1億18百万円 35.2%増)となりました。
ロ.セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
(冷蔵倉庫事業)
冷蔵倉庫事業は、2018年10月に豊洲冷蔵庫(23,823トン)が、2019年4月には川島物流センター(57,399トン)が稼働しました。当事業は、首都圏9か所に冷凍・冷蔵保管スペース(約21万8千トン)を有し、水産物を中心に畜産物、農産物およびその加工品の保管事業を行っております。当連結会計年度は、豊洲冷蔵庫の営業が順調に推移し、川島物流センターも計画を上回りましたため、入庫量・在庫量の増加により、保管料売上・荷役料売上などが増加し、営業利益も大幅に増加しました。
その結果、冷蔵倉庫事業の売上高は68億99百万円(前連結会計年度比15億83百万円 29.8%増)となり、営業利益は4億6百万円(前連結会計年度比1億12百万円 38.1%増)となりました。
(水産食品事業)
水産食品事業は、えび、カニ、凍魚、魚卵などの卸売りを主体とした水産食材卸売部門と食材調達、加工、納品業務を請け負うリテールサポート部門、ならびに厚焼玉子、あんこ、水産練製品他の製造・加工販売を行う食品製造販売部門で構成されております。
水産食材卸売部門においては、売上高は、エビの利益率の向上を目指し販売内容を見直したために、前年を若干下回りました。営業利益は、エビが前年を大きく上回る粗利益を計上しましたが、カニの一部の商材で暖冬による販売損の発生や新型コロナウイルス感染症の影響もあり、前年を下回りました。
リテールサポート部門においては、売上高は主要取引先との取引の拡大に伴い増加し、営業利益も新規得意先の獲得や既存商品の増産などにより前年を上回りました。
食品製造販売部門においては、新設工場の稼働に伴う生産量の増加と利益率の改善により、売上高、営業利益とも前年を大幅に上回りました。
以上の結果、水産食品事業の売上高は735億93百万円(前連結会計年度比20億28百万円 2.8%増)となり、営業利益は4億32百万円(前連結会計年度比75百万円 21.0%増)となりました。
ハ.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について、事業別の要因については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク(1)冷蔵倉庫事業について」または「第2 事業の状況 2 事業等のリスク(2)水産食品事業について」に記載のとおりです。食品の安全性や情報セキュリティ等、グループ全体に対して重要な影響を与える要因についても「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本財源及び資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、前項(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュフローの状況」に記載のとおりです。
なお、自己資本及びキャッシュ・フロー関連の指標については以下のとおりとなります。
(注)自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利息の支払額
ロ.資本財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本財源については、営業キャッシュ・フローによる内部資金、金融機関等の借入や株式の発行等によって資金調達を行っております。当社グループは当連結会計年度末において、2,121百万円の現金及び現金同等物を有しており、将来に対して、十分な資金の流動性を確保しております。
当社グループにおける契約債務・設備投資・財務政策の詳細については、下記のとおりであります。
(a) 契約債務
2020年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
(注)短期借入金には関係会社短期借入金を含め、長期借入金には関係会社長期借入金を含めている。
(b) 設備投資
当社グループの設備投資は冷蔵倉庫事業によるものが主であります。当連結会計年度末現在における重要な設備投資計画は、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
(c) 財務政策
当社グループは、運転資金および設備投資につきましては、内部資金または金融機関等の借入などにより資金調達を行っております。借入による資金調達に関しましては、運転資金については、短期借入により調達し、冷蔵倉庫設備などの設備投資は長期借入により調達しております。
2020年3月31日現在、短期借入金の残高は1,940百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)の残高は22,337百万円であります。また、主要な借入先の状況については以下のとおりであります。
(注)上記の他、株式会社三菱UFJ銀行を主幹事とするシンジケートローンの残高10,000百万円、株式会社日本政策投資銀行を主幹事とするシンジケートローンの残高3,019百万円などがある。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末現在における資産・負債や当連結会計年度における収益・費用等に影響を与える見積りが必要です。これらの見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じて合理的と思われる方法によって判断を行っておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
見積の前提となる当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
上記注記事項に記載の他、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
イ. 繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収可能性を見直し、繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
ロ. 固定資産の減損 当社グループは、減損損失を認識するにあたっては、管理会計上の損益を把握する単位である事業部署別にグルーピングを行い、本社管理部門に係る資産は独立したキャッシュ・フローを生み出さないことから共用資産としております。 収益性が著しく低下したと認識した資産グループについては、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態
イ.資産の部
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比較して15億60百万円減少し401億28百万円となりました。
流動資産は、売掛金の減少等により、前連結会計年度末に比較して3億52百万円減少し111億41百万円となりました。
固定資産は、建設仮勘定の減少等により、前連結会計年度末に比較して12億8百万円減少し289億86百万円となりました。
ロ.負債の部
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比較して19億38百万円減少し330億30百万円となりました。
流動負債は、未払金の減少等により、前連結会計年度末に比較して38億69百万円減少し103億93百万円となりました。固定負債は、長期借入金の増加等により、前連結会計年度末に比較して19億31百万円増加の226億37百万円となりました。
ハ.純資産の部
当連結会計年度末の純資産合計は、株主配当金の支払1億67百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益4億54百万円等により前連結会計年度末に比較して3億77百万円増加の70億97百万円となりました。
② 経営成績
当社グループの当連結会計年度の成績は、売上高は、冷蔵倉庫事業、水産食品事業ともに前年より増加したこと等により、804億92百万円(前連結会計年度比36億12百万円 4.7%増)、営業利益は売上高が増加したこと等により8億39百万円(前連結会計年度比1億87百万円 28.7%増)、経常利益は営業外収支が大幅に改善したことにより7億57百万円(前連結会計年度比2億33百万円 44.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億54百万円(前連結会計年度比1億18百万円 35.2%増)となりました。
(単位:百万円)
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | |
| 2020年3月期 | 80,492 | 839 | 757 | 454 |
| 2019年3月期 | 76,880 | 651 | 524 | 335 |
| 前期増減額 | 3,612 | 187 | 233 | 118 |
| 前期増減率 | 4.7% | 28.7% | 44.6% | 35.2% |
セグメントの業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 売上高 | 営業利益 | |||||
| 前期増減額 | 前期増減率 | 前期増減額 | 前期増減率 | |||
| 冷蔵倉庫事業 | 6,899 | 1,583 | 29.8% | 406 | 112 | 38.1% |
| 水産食品事業 | 73,593 | 2,028 | 2.8% | 432 | 75 | 21.0% |
| 合 計 | 80,492 | 3,612 | 4.7% | 839 | 187 | 28.7% |
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益8億35百万円や減価償却費の計上がありましたが、仕入債務の減少や有形固定資産の取得支出などにより、当連結会計年度末の資金は21億21百万円(前年度末比78百万円減少)となりました。
<キャッシュ・フローの状況>(単位:百万円)
| 内 訳 | 2019年3月期 | 2020年3月期 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,281 | 2,277 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △6,086 | △3,092 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 5,612 | 736 |
| 現金及び現金同等物期末残高 | 2,199 | 2,121 |
イ.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は22億77百万円(前年同期は12億81百万円の獲得)となりました。これは主に減価償却費、売上債権の減少によるものです。
ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は30億92百万円(前年同期は60億86百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものです。
ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果獲得した資金は7億36百万円(前年同期は56億12百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入れによる収入によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 水産食品事業 | 1,743 | 158.5 |
| 合計 | 1,743 | 158.5 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれていない。
ロ.商品仕入実績
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 水産食品事業 | 66,487 | 101.9 |
| 合計 | 66,487 | 101.9 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれていない。
ハ.受注実績
当社グループは、冷蔵倉庫事業においては保管サービスを伴う役務の提供が主たる事業であり、また、水産食品事業においては仕入販売や見込み生産が主たる事業であるため、該当事項はありません。
ニ.販売実績
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 冷蔵倉庫事業 | 6,899 | 129.8 |
| 水産食品事業 | 73,593 | 102.8 |
| 合計 | 80,492 | 104.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.上記の金額には消費税等は含まれていない。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| イオンリテール株式会社 | 13,297 | 17.3 | 13,539 | 16.8 |
| コープみらい | 8,278 | 10.8 | 8,513 | 10.6 |
| 株式会社魚力 | 8,301 | 10.8 | 11,572 | 14.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当連結会計年度の経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中間の貿易摩擦の深刻化や消費税増税後の消費の落ち込みがあったものの雇用・所得環境の改善などにより緩やかな回復基調にありました。しかしながら、第4四半期以降は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内消費が冷え込み経済活動も縮小されましたことから、景気の先行きについても厳しい状況で推移しております。
一方、水産・食品業界におきましては、外食の自粛や家庭内での食事等消費者の節約志向は依然として強く、厳しい経営環境が続いております。
当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2) 経営戦略等」で述べましたとおり、当社グループ各社の経営資源(顧客・商材・人材・機能)を相互に活用しながら、水産物流通における役割を効率的に果たし、消費者の皆様に水産物の「おいしさ」や「安全・安心」をお届けすることを使命としております。上記のような厳しい状況のもと、当社グループは、引き続き消費者の食に関するニーズに迅速に対応するなど安全・安心な食品を提供し、グループの持つ機能を最大限に活用して収益の確保に努めてまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の成績は、売上高は804億92百万円(前連結会計年度比36億12百万円 4.7%増)、営業利益は売上高が増加したこと等により8億39百万円(前連結会計年度比1億87百万円 28.7%増)、経常利益は営業外収支が大幅に改善したことにより7億57百万円(前連結会計年度比2億33百万円 44.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億54百万円(前連結会計年度比1億18百万円 35.2%増)となりました。
ロ.セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
(冷蔵倉庫事業)
冷蔵倉庫事業は、2018年10月に豊洲冷蔵庫(23,823トン)が、2019年4月には川島物流センター(57,399トン)が稼働しました。当事業は、首都圏9か所に冷凍・冷蔵保管スペース(約21万8千トン)を有し、水産物を中心に畜産物、農産物およびその加工品の保管事業を行っております。当連結会計年度は、豊洲冷蔵庫の営業が順調に推移し、川島物流センターも計画を上回りましたため、入庫量・在庫量の増加により、保管料売上・荷役料売上などが増加し、営業利益も大幅に増加しました。
その結果、冷蔵倉庫事業の売上高は68億99百万円(前連結会計年度比15億83百万円 29.8%増)となり、営業利益は4億6百万円(前連結会計年度比1億12百万円 38.1%増)となりました。
(水産食品事業)
水産食品事業は、えび、カニ、凍魚、魚卵などの卸売りを主体とした水産食材卸売部門と食材調達、加工、納品業務を請け負うリテールサポート部門、ならびに厚焼玉子、あんこ、水産練製品他の製造・加工販売を行う食品製造販売部門で構成されております。
水産食材卸売部門においては、売上高は、エビの利益率の向上を目指し販売内容を見直したために、前年を若干下回りました。営業利益は、エビが前年を大きく上回る粗利益を計上しましたが、カニの一部の商材で暖冬による販売損の発生や新型コロナウイルス感染症の影響もあり、前年を下回りました。
リテールサポート部門においては、売上高は主要取引先との取引の拡大に伴い増加し、営業利益も新規得意先の獲得や既存商品の増産などにより前年を上回りました。
食品製造販売部門においては、新設工場の稼働に伴う生産量の増加と利益率の改善により、売上高、営業利益とも前年を大幅に上回りました。
以上の結果、水産食品事業の売上高は735億93百万円(前連結会計年度比20億28百万円 2.8%増)となり、営業利益は4億32百万円(前連結会計年度比75百万円 21.0%増)となりました。
ハ.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について、事業別の要因については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク(1)冷蔵倉庫事業について」または「第2 事業の状況 2 事業等のリスク(2)水産食品事業について」に記載のとおりです。食品の安全性や情報セキュリティ等、グループ全体に対して重要な影響を与える要因についても「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本財源及び資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、前項(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュフローの状況」に記載のとおりです。
なお、自己資本及びキャッシュ・フロー関連の指標については以下のとおりとなります。
| 内 訳 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 |
| 自己資本比率 | 16.9% | 17.8% | 14.6% | 15.9% |
| 時価ベースの自己資本比率 | 31.6% | 29.1% | 16.6% | 14.9% |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 1,193.3% | 769.5% | 1,807.2% | 1,066.1% |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 14.0倍 | 15.6倍 | 7.9倍 | 11.6倍 |
(注)自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利息の支払額
ロ.資本財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本財源については、営業キャッシュ・フローによる内部資金、金融機関等の借入や株式の発行等によって資金調達を行っております。当社グループは当連結会計年度末において、2,121百万円の現金及び現金同等物を有しており、将来に対して、十分な資金の流動性を確保しております。
当社グループにおける契約債務・設備投資・財務政策の詳細については、下記のとおりであります。
(a) 契約債務
2020年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
| 契約債務 | 年度別要支払額 | |||||
| 1年以内 (百万円) | 1年超2年以内 (百万円) | 2年超3年以内 (百万円) | 3年超4年以内 (百万円) | 4年超5年以内 (百万円) | 5年超 (百万円) | |
| 短期借入金 | 1,940 | - | - | - | - | - |
| 長期借入金 | 1,219 | 1,807 | 1,807 | 1,807 | 1,807 | 13,887 |
| リース債務 | 206 | 177 | 136 | 98 | 27 | 11 |
(注)短期借入金には関係会社短期借入金を含め、長期借入金には関係会社長期借入金を含めている。
(b) 設備投資
当社グループの設備投資は冷蔵倉庫事業によるものが主であります。当連結会計年度末現在における重要な設備投資計画は、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
(c) 財務政策
当社グループは、運転資金および設備投資につきましては、内部資金または金融機関等の借入などにより資金調達を行っております。借入による資金調達に関しましては、運転資金については、短期借入により調達し、冷蔵倉庫設備などの設備投資は長期借入により調達しております。
2020年3月31日現在、短期借入金の残高は1,940百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)の残高は22,337百万円であります。また、主要な借入先の状況については以下のとおりであります。
| 借入先 | 借入残高 |
| 株式会社きらぼし銀行 | 3,392百万円 |
| 城北信用金庫 | 3,398百万円 |
| 中央魚類株式会社 | 1,402百万円 |
(注)上記の他、株式会社三菱UFJ銀行を主幹事とするシンジケートローンの残高10,000百万円、株式会社日本政策投資銀行を主幹事とするシンジケートローンの残高3,019百万円などがある。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末現在における資産・負債や当連結会計年度における収益・費用等に影響を与える見積りが必要です。これらの見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じて合理的と思われる方法によって判断を行っておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
見積の前提となる当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
上記注記事項に記載の他、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
イ. 繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収可能性を見直し、繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
ロ. 固定資産の減損 当社グループは、減損損失を認識するにあたっては、管理会計上の損益を把握する単位である事業部署別にグルーピングを行い、本社管理部門に係る資産は独立したキャッシュ・フローを生み出さないことから共用資産としております。 収益性が著しく低下したと認識した資産グループについては、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。