有価証券報告書-第98期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/23 16:23
【資料】
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【項目】
140項目
(2) 戦略
特定された重要課題ごとの「2030年のありたい姿」実現にむけ、以下の方針及び考え方で取り組みを進めています。
①非鉄金属資源の有効活用
a)2030年のありたい姿
高い技術力で資源を生み出す企業
1.非鉄金属を安定して社会へ供給する企業
2.産学官と連携したオープンな技術開発で、不純物を有効活用して社会に貢献する企業
3.非鉄金属の循環システムの構築と維持に貢献する企業
4.社会課題の解決に貢献する高機能材料の開発・供給を行う企業
b)方針・考え方
持続可能な社会に貢献するため、「ものづくり力」を基本に、社外との連携も含めた研究開発を行い、製品を作る技術力を向上させ、非鉄金属資源の安定供給・未利用資源の有用化・難処理資源からの回収・リサイクル技術の活用などに取り組みます。
②気候変動
a)2030年のありたい姿
GHG排出量ゼロに向け、排出量削減とともに低炭素負荷製品の安定供給を含めた気候変動対策に積極的に取り組んでいる企業
b)方針・考え方
当社グループはGHGを多量に排出する企業の一つであるため、操業改善や技術イノベーションによりGHG排出量や排出原単位を削減するとともに、電池材料や近赤外線吸収材料といった低炭素負荷製品を開発し事業を拡大することにより地球全体でのGHG排出量を削減し、気候変動抑制に貢献していきます。
c)TCFDへの取り組み
当社は、TCFD(Task Force on Climate related Financial Disclosures 気候関連財務情報開示タスクフォース)へ賛同しています。当社の「気候変動シナリオ分析」においては、①キードライバー選定、②シナリオを「1.5℃」と「4℃」に設定、③ビジネスインパクトの検討、④リスクと機会の評価・特定、⑤アプローチの検討の観点で取り進めています。
シナ
リオ
区分ドライバー想定状況(2050年)ビジネスインパクトリスクと
機会
(中長期)
1.5℃気候変動政策カーボンプライシング(炭素税、排出量取引など)・全体的な金額の上昇(国や地域による)税負担などの増加リスク:大
低炭素化設備投資・研究開発費の増加リスク:
短期~長期 大
気候変動政策自動車規制の強化、LEVs促進政策・燃費規制強化、移動規制導入
・EVやLEVsへの政策的支援
・内燃車はLEVsに置換
・EVの普及に伴う電池、ニッケル需要の拡大による売上増加
・水素社会、FCVの普及による酸化ニッケル粉、リチウムイオン電池の売上増加
・その他の低炭素負荷製品の売上増加
機会:大
社会・
イン
フラ
自動車関連DXの進展、価値観の変化・自動運転、MaaS、カーシェアリングの普及
・自家用車の減少
技術水素利用技術、燃料電池・FCVの普及
・EV、PHEVの普及
気候変動政策エネルギーの電力へのシフト・最終エネルギー消費に占める電力比率の増加・送電線の強化に伴う銅需要の増加(アルミニウムなどとの競合あり)機会:大
技術車載用蓄電池の技術シフト・車載用蓄電池の市場シェアのシフト・コバルトフリーに伴うニッケル比率の上昇とニッケル売上増加
・次世代電池として当社の技術が活かせる全固体電池が普及
機会:中
・コバルトフリーに伴い鉄、マンガン系電池が普及
・次世代電池として当社の技術が活かせない新しい電池が普及
リスク:中
社会・
イン
フラ
Sustainable Procurement、環境フットプリント、事業の社会的インパクトなどへの関心・持続可能性に対する意識向上
・ESG投資の主流化
・代替材料やリサイクル金属の利用の可能性拡大
・原料確保の制約、原料コストや製造コストの上昇、自山鉱のメリット拡大
・車載用二次電池のリサイクル事業の拡大
・ESG投資によるファイナンスへの影響
・当社取り組みが不十分と評価される場合のレピュテーションリスク
機会:中
リスク:
中~大
4℃気温・
降雨
平均気温・海水温・海水面上昇・海面上昇
・高潮発生頻度の増加
港湾機能の低下や高潮リスクが上昇し、沿岸部の一部の事業場で設備的対策を要する可能性リスク:大
熱波、洪水、水不足などの異常気象の増加・大雨、台風の頻度増加
・地域によっては洪水や水不足リスクの増加
一部地域の事業場で洪水や水不足のリスクが増大し、設備的対策を要する可能性リスク:大
キーサプライヤーの操業低下、調達、出荷ルート途絶による工場操業低下リスク:大
尾鉱ダム損壊リスクの上昇に伴う設備的対策を要する可能性リスク:大

③重大環境事故、④生物多様性
a)2030年のありたい姿
水資源や生物多様性を大切にして海や陸の豊かさを守っている企業
b)方針・考え方
重大環境事故は、環境や社会への影響が大きく事業継続の前提となる信頼を失うことにもなりかねません。激甚化する自然災害にも対応できるよう設備や管理の改善を図り、重大環境事故の予防と万一発生した場合の影響緩和に取り組んでいます。また、水資源利用の合理化にも取り組みながら有害物質の大気・水域への排出量低減にも取り組み、生物多様性を大切にする環境保全活動を展開しています。
c)環境マネジメントシステムの運用
環境リスクや貢献の機会を考慮した上で最高責任者である社長が毎年、方針・目標・方策から構成される「SMMグループ環境目標」を設定しています。この目標をもとに、各事業部門(各事業場、各関係会社)においてISO14001に基づいた環境マネジメントシステムを運用し、取り組みを展開しています。環境マネジメントシステムは、本社、支社、支店や当社グループのすべての製造拠点において認証を取得しています。
⑤従業員の安全・衛生
a)2030年のありたい姿
快適な職場環境、安全化された設備と作業のもと、すべての従業員が、ともに安全を最優先して仕事をしている企業
b)方針・考え方
当社グループは、協力会社も含めて快適で安全な職場を形成することを目指しています。安全で安心して働ける環境は、従業員と会社の信頼関係向上や従業員のモチベーションにつながる経営の重要な要素の一つです。こうした課題に対し、以前から行ってきた設備安全化対策をさらに進化させて、IoTやAI(人工知能)など先端技術導入も開始しています。
⑥多様な人材、⑦人材の育成と活躍
a)2030年のありたい姿
すべての従業員が活き活きと働く企業
1.従業員一人ひとりの人間性を尊重し、従業員が誇り・やりがい・働く喜びを持てる企業
2.従業員一人ひとりに能力向上の機会を提供し、従業員とともに成長する企業
b)方針・考え方
当社グループでは、多様な人材及び人材の育成と活躍を重要課題と捉え、「すべての従業員が活き活きと働く企業」を目指しています。当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しており、その変化に対応できる企業として成長戦略を展開し企業価値を高め、確固たる経営基盤が必要です。その中心は人材であり、多様な人材がお互いの考え方を尊重し、同じ目標に向けて最大限の力を発揮できる組織として成長戦略を実現していきます。
当社グループでは多様な人材が活躍できる組織であるために女性、外国人、障がい者及びキャリア採用者の人数を拡大し、組織を強化していく方針です。
1.女性管理社員(マネージャークラス)
当社は、「2030年のありたい姿」の実現に向け、女性活躍推進に努めており、管理社員への登用、生産現場や鉱山現場などにおける勤務のほか、国内拠点のみならず海外拠点への駐在等、女性の活躍の場を拡大しております。また、「2030年のありたい姿」では、女性管理社員数を50名、女性従業員比率を20%以上とすることを目標としており、当たり前に女性が活躍する環境づくりを進め、成長戦略を推進するべく中長期的な視点から必要な施策を講じていきます。
2.キャリア採用(中途採用)
当社は積極的にキャリア採用を推進しており、特定の専門性やスキルを持った人材を確保することに加え、異なる環境で培われた多様な知見や視点が加わることで自由闊達な組織風土の醸成がさらに促進されるよう取り組んでいます。成長戦略に伴う事業拡大に合わせ、2030年度までに積極的にキャリア採用を現状より増加させるべく進めていきます。
3.外国人採用
国籍を問わない多国籍な人材採用を実施しています。事業領域の拡大、海外新規事業の機会創出に伴い新卒、キャリア採用を問わず、グローバルに活躍できる人材を現状より増加させるべく進めていきます。なお、海外拠点(特に当社がオペレーターシップをもって操業している拠点)では、外国人を当該拠点の中核人材として登用しています。
4.障がい者採用
障がいのある方が誇り・やりがい・働く喜びを持つことができるよう全社を挙げて環境整備に取り組んでいます。具体的な取組みとして、障がいのある学生のインターンシップを毎年継続的に受け入れており、就業体験を通じて職場や仕事の理解を深めることにより、安心して当社に入社する学生を増やすよう努めています。「2030年のありたい姿」では法定雇用率(2.3%)を上回る3%以上とすることを目標としています。
5.健康経営
従業員の心身の健康を重要な経営基盤であると認識し、健康経営を推進するため、2022年8月に「住友金属鉱山グループ健康経営方針」を制定しました。従業員が心身ともに健康に、それぞれがもっている能力を存分に発揮できる職場環境の整備を進め、人材の確保・育成・活用に取り組みます。
⑧ステークホルダーとの対話
a)2030年のありたい姿
「世界の非鉄リーダー」であると理解され、共感される企業
b)方針・考え方
多様なステークホルダーに当社グループを等身大に正しく理解いただき、さらに、目指している「世界の非鉄リーダー」として共感されるよう取り組んでいきます。また、当社グループでは、影響を与え、あるいは影響を受けるステークホルダーを「顧客」「株主」「従業員」「地域住民」「債権者」「ビジネスパートナー」「NGO、NPO」及び「行政」と定義し、ステークホルダーごとにあるべき姿の目標を定め、その実現に向けて様々な取り組みを進めています。
⑨地域社会との共存共栄
a)2030年のありたい姿
地域社会の一員として地域の発展に貢献し信頼を得る企業
b)方針・考え方
当社グループは、事業進出している地域において、コミュニティとの対話をもとに、そこにどのような課題があるのか、その解決にどう貢献できるのかを考えていくことが重要だと捉えています。また、雇用や現地サプライヤーからの調達などにより地域経済の活性化に寄与していくとともに、地震や台風といった大規模災害の現地支援を継続して行っていきます。
⑩先住民の権利
a)2030年のありたい姿
先住民の伝統と文化を理解し尊重する企業
b)方針・考え方
特に鉱山開発においてはその土地で暮らす先住民の理解を得ながら事業を進めることが重要です。「先住民族の権利に関する国際連合宣言」などの国際スタンダードを参考に地元行政などとも協力しながら、先住民の伝統と文化を理解した上で対話を続けていきます。
⑪サプライチェーンにおける人権
a)2030年のありたい姿
サプライチェーン全体でサステナビリティ調達に取り組んでいる企業
b)方針・考え方
国際スタンダードに基づく当社グループの「サステナビリティ調達方針」に則り、サプライチェーンにおける「人権・労働」「コンプライアンス」「品質保証」「環境・地域社会」に関するリスクを把握し問題があれば是正していきます。特に鉱物調達においては、当社グループの「責任ある鉱物調達に関する方針」に則り、OECDのガイダンスを尊重し取り組みます。

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