有価証券報告書-第100期(2024/04/01-2025/03/31)
(3)戦略
改正された重要課題ごとの「2030年のありたい姿」実現に向けて、以下の方針及び考え方で取り組んでいます。
重要課題① 非鉄金属の安定供給とサーキュラーエコノミーへの貢献
a)2030年のありたい姿
高い技術力で非鉄金属資源を安定的に供給し、サーキュラーエコノミーの構築と維持に貢献する企業
b)方針・考え方
社会の発展に欠かせない非鉄金属をはじめとする資源は有限であり枯渇することが予想されています。また、資源の大量消費と廃棄を前提とした経済活動は地球環境への多大な負荷をかけており、社会全体でのサーキュラーエコノミーへの転換が求められています。当社グループは、事業戦略として生活に欠かせない銅・ニッケルを安定的に供給するため、鉱山権益の獲得や製錬技術の向上に取り組みます。また、サーキュラーエコノミーへの転換に向け特に資源利用に伴う環境影響の低減のため、リサイクル技術の活用に取り組みます。
c)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、当社グループの「ものづくり力」を通じたサーキュラーエコノミーへの貢献を重視してKPI・目標の集約を行いました。
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
重要課題② カーボンニュートラル社会への貢献
a)2030年のありたい姿
カーボンニュートラル実現に向けて、温室効果ガス(GHG)排出量削減とともに低炭素貢献技術の開発に積極的に取り組む企業
b)方針・考え方
カーボンニュートラル社会の実現に向けて社会全体での取り組みが必要であり、脱炭素社会に向けた関連リスクの緩和並びに機会の利用が求められています。当社グループは、2023年にカーボンニュートラルに向けたロードマップを見直し公表しています。気候変動の緩和策であるGHG排出量の削減に向け、省エネルギー化や再生可能エネルギー由来の電力利用の拡大、革新的製錬プロセスのための技術開発に取り組みます。また、社会全体のGHG排出削減に貢献する製品(低炭素貢献製品)・技術の開発による事業機会の創出、競争力強化に取り組みます。
c)ガバナンス
気候変動を含むサステナビリティに関する当社グループの重要課題の特定と、重要課題に応じた定量的で測定可能なKPIの設定は、経営層による議論を経て取締役会で決議されます。当社グループの気候変動リスク・機会と戦略に関しては、中期経営計画、年度予算、KPI及び目標などに反映され、取締役会で決議されます。カーボンニュートラル推進委員会で管理、審議された当社グループの気候変動に関する課題への取り組み、KPI及び目標に対するパフォーマンスなどは、社長を委員長とするサステナビリティ委員会でレビューされ、その概要は取締役会で報告されます。
d)戦略
事業、戦略、財務に重大な影響を及ぼす短期・中期・長期の気候変動リスク・機会は、規制、技術、市場の変化、自然災害などの当社グループを取り巻く外部環境において想定されうる様々な気候変動シナリオ(詳細後述)に基づいて抽出され、製品・サービス、研究開発投資、操業、GHG排出緩和策・適応策などの分野の事業、戦略への影響の検討を行います。その結果を踏まえて当社グループの気候変動リスク・機会に対する戦略は、3年ごとの中期経営計画に反映されます。また、これらの戦略は、カーボンニュートラル推進委員会で議論され、サステナビリティ委員会にてレビューされます。
e)リスク管理
シナリオ分析により特定された気候変動リスクは、カーボンニュートラル推進委員会で監視測定し、必要に応じて施策や戦略の見直しを行い、サステナビリティ委員会にてレビューされます。また、気候変動リスクは、当社グループのリスクマネジメントシステム及びリスクマネジメント分科会にて、労働災害、環境汚染、品質不良、法令違反などのその他の個別リスクへの影響を考慮したうえで、管理されています。
f)指標と目標
当社グループでは、2050年までにGHG排出量ネットゼロを目標に掲げています。そして2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップを策定し、2030年度におけるGHG排出量を2015年度比38%以上削減することを中期目標として掲げています。また、当社グループが生産する車載用二次電池材料や近赤外線吸収材料の供給を通じた社会全体のGHG排出量削減への貢献についてもKPIと目標を定め、取り組みを推進しています。

<実績:スコープ1及び2>単位:千t-CO2e(CO2e:CO2equivalent:二酸化炭素換算)
※2024年度の実績は合理的な算定方法による概算値。確定値は「統合報告書2025」において記載予定。
<実績:スコープ3>単位:千t-CO2e ※主な対象カテゴリのみ掲載
※1 排出原単位は「国立研究開発法人産業技術総合研究所 IDEAラボLCLデータベースAIST―IDEA Ver.3.4」を使用
※2 排出原単位は「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.4)」を使用
詳細は当社ウェブサイトに掲載している「サステナビリティレポート2024」P.35をご参照ください。
<気候変動シナリオ分析>
※1 影響度 大:年間100億円以上、中:年間10億円~100億円
※2 発生時期 中期:~2030年頃、長期:~2050年頃
※3 CFP(Carbon Footprint of Products):製品単位の排出量
g)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、GHGを多く排出する産業を営む企業として、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みをより推進するために、当社グループの「ものづくり力」を通じた低炭素貢献製品に関するKPI・目標を設定しました。
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
重要課題③ 地球環境保全
a)2030年のありたい姿
ネイチャーポジティブな未来へ貢献する企業
b)方針・考え方
生物の絶滅速度が急激に上昇するなど、経済活動によって自然資本・生物多様性が損なわれていることから、自然の損失を抑え、回復させ、地球全体で豊かにすることを目指すことが求められています。当社グループは、資源開発・製錬などの事業活動が自然に依存することを認識したうえで、自然関連リスクと機会を特定し、戦略的に対応を進めるため、2025年4月1日に自然に関する方針を定めました。これにより、事業活動が自然に与えるマイナスインパクトを回避・最小化します。特に、尾鉱ダムや鉱山開発に関する事故など自然の損失につながる重大環境事故を未然に防止することに取り組みます。
c)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、自然への影響が大きい事業を営む企業として、ネイチャーポジティブの姿勢をより明確にいたしました。
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
重要課題④ 人的資本経営
a)2030年のありたい姿
多様な人材が集い、成長し活躍できる企業
b)人的資本に関する考え方
人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出し、中長期的な企業価値の向上を目指す人的資本経営が求められています。組織全体の生産性向上や付加価値の創造につながるよう人的資本の価値を最大化することが重要です。当社グループは、自由闊達な風土のもと安全で安心な職場環境を提供します。また従業員の自律的な成長を促すことで一人ひとりが活き活きとその能力を発揮して活躍する企業の実現に向け取り組みます。
c)ガバナンス
経営戦略と人材戦略の連動を図るため、企業価値向上戦略会議の中に全社人材部会を設置し、四半期に1回以上の頻度で継続的に開催しています。運営体制としては、人事部所管執行役員が部会長、人事部長が副部会長となり、ポストに人材を配置する適材適所を推進するとともに、次世代経営層や次期管理者を計画的に育成するなど、人材の育成と活用に関わる全社横断的な人材戦略に係る議論をしています。
d)戦略
重要課題に対する「2030年のありたい姿」を実現するため、絶えず変化し続ける市場環境に適応し、持続可能な成長を遂げる企業へと進化していく必要があると考えています。その重要な鍵となるのが、継続的に「挑戦」「変革」「成長」ができる企業風土の実現です。この実現のためには、従業員一人ひとりの職務と職責に見合った報酬を実現し、一人ひとりの可能性を最大限に引き出していくことが重要であると考えています。
この戦略を具現化するための一歩として、2023年7月に総合職人事制度(職務等級制度)を導入しました。また、この制度の目的達成のため、キャリアチャレンジ制度(社内公募制度)を2023年12月に導入しました。本制度は従業員が自律的にキャリアプランを考え、その実現のための機会を提供するもので、従業員の自律的な成長と挑戦を通じた育成を意図しており、2024年度は4件の実績がありました。
(i) 人材育成の考え方
従業員一人ひとりの自律的な成長が、当社グループの持続的な成長につながると考えています。事業環境の変化に対応し新たなビジネスモデルを構築するため、従業員一人ひとりに能力向上の機会を提供し、成長戦略を確実に実行できる人材を育成しています。
従業員の成長の基本は、育成を意識した適切な配置とともに、日常業務を通じて計画的・継続的に行われる実践的教育OJT(On-the-Job Training)と従業員一人ひとりの自己啓発(OFF-JT)にあると考えています。OJTでは、仕事の知識やスキルを身に着けるだけでなく、業務を通じた自律的な成長も促しています。OFF-JTでは、通信教育、外国語講座、MBA関連講座、オンライン学習ツール、e-learning、語学検定試験などの自己啓発の機会を提供し、資格取得の際には祝金を支給するなど従業員の自律的な学びを促進しています。今般の「2030年のありたい姿」の改正では、各種自己啓発講座等の延べ受講率(自己啓発制度活用率)をKPIとして設定し、2030年の目標を60%としました。
目標管理制度では、従業員一人ひとりがキャリアについて自律的に考え、やりがいを持って仕事に取り組めるよう、中長期的な取り組みやチャレンジングな姿勢を評価するとともに、自己申告制度を含めたキャリア形成支援を積極的に行っています。また、上司と部下の関係性の質を上げ、一人ひとりの能力を引き出すために、1on1ミーティングを定期的に実施しています。
<全社人材育成体系>
(ii) 社内環境整備
当社では、入社、結婚、出産、育児、介護、治療、そして定年といった様々なライフステージの変化に応じた支援制度を設けており、研修等による情報提供と相談の機会を通じて「安心・安全なワークとライフの提供」に取り組んでいます。
具体的施策の1つとして、当社事業の立地特性を踏まえ、従業員の生活環境を支援するために、社有の社宅・寮もしくは借上げ社宅・寮を提供しています。また、社宅や寮を選択せず、持ち家や借家住まいを選択する社員については、住宅関連手当を支給し、住環境整備の支援を行っています。また、特定地域への転任に対する費用補助や、持ち家取得の際の引っ越し雑費支給や融資制度など、従業員が安心して働けるよう各種施策を実施しています。
・エンゲージメント
当社グループでは、年に一度の従業員意識調査を継続していましたが、2024年度からはエンゲージメントサーベイを導入し、エンゲージメントスコア(会社と従業員の相互理解・相思相愛度合いを数値化し偏差値で表したもの)を測定しています。エンゲージメントが高い状態を「会社・組織と従業員の間において、相互の理解ができており、会社・組織は従業員を大切にし、従業員は会社・組織の発展と活性化に力を注ぐ状態になっていること」と定義しています。2024年度のエンゲージメントスコアは、47.7となりました。
この結果を踏まえ、グループ全体のスコアを持続的に向上させていくために、それぞれの職場が自律的にアクションプランを策定・実践し、スコアの底上げを図る取り組みと、1on1による上司と部下の関係性の質の向上や自律的なキャリア開発の支援などのスコア絶対値の向上を意図した全社的な取り組みを行っています。
エンゲージメントサーベイを通じて、データから従業員の意識や意欲、満足度に関する課題を把握し、エンゲージメント向上の取り組みを通じて職場環境を改善することで、当社は持続可能な成長を達成し、社会に貢献していく企業を目指します。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)
当社グループの持続的な成長には、従業員一人ひとりが持つ視点や考え方は様々であり、多様なメンバーがお互いを認め、信じ、自身の強みを活かしながら、公平な機会のもとで協働する企業風土を築くこと(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I))が必要だと考えています。性別・国籍・年齢といった属性の多様化に加えて、従業員の能力や経験の多様化を進めることで、新しいアイデアを生み出し、柔軟性と競争力を備えた組織を実現し、持続的な成長を目指します。
当社グループは2024年12月にDE&I宣言を行い、DE&Iの目的・意義を経営のトップメッセージとして公表しました。また、2025年4月より、全ての従業員がDE&Iに取り組み、全社で協創することを目的として、DE&I協創室を設置いたしました。今後もより一層、DE&Iを推進し、ジェンダーバランス、障がい者、外国人、性的マイノリティ(LGBTQ+)など、誰もが働きやすい職場環境構築に努めてまいります。
特に女性活躍推進については、管理職社員への登用、国内拠点のみならず海外拠点への派遣など、女性の活躍の場を拡大することに取り組んでいます。また、「2030年のありたい姿」では、女性管理職比率・人数をKPIとし、当社単体で女性管理職社員比率を7%、女性管理職社員数を50名以上とすること、当社グループ連結での女性管理職社員比率を18%以上とすることを目標として定めています。これに加え、2030年までに女性役員を4名登用することも目標に設定しました。これらの達成に向けて、定期・キャリア採用における女性採用比率の目標値設定、次世代リーダー育成を目的とした女性社員外部研修への派出、役員と女性管理職社員との懇談会の開催などを実施しています。
・健康経営
当社グループでは、労働安全衛生の観点から、以前より役員・従業員の安全と健康の確保に優先的に取り組んできました。当社グループで働くすべての人がより健康で活き活きと働けるよう、2022年8月に「住友金属鉱山グループ健康経営方針」を制定し、同年10月に中長期的な取り組みと目標を定めた「従業員の健康づくり推進ロードマップ」と単年度ベースでの「健康経営推進計画」を策定しました。これらの計画を踏まえ、住友金属鉱山健康保険組合とも協力し、効果的な心身の健康維持・増進施策を展開しています。
従業員に対しては、生活習慣病発生リスクと肥満リスク、女性の健康などをテーマとした健康セミナや、メンタルヘルス研修(セルフケア・ラインケア)を定期的に開催し、健康管理支援システム(スマートフォンアプリ)を活用したウォーキングイベントも実施しています。各種検診・人間ドック・脳ドックについては、費用の全額や一部を補助しており、人間ドック受診時は健康管理休暇(1年につき最大2日)を取得することもできます。また、禁煙施策として、喫煙所の削減や希望者にオンライン禁煙プログラムを提供しています。
今回の「2030年のありたい姿」の改正として、2024年度からは健康経営度調査による偏差値をKPIとし、定量的に状況を把握し取り組んでいます。2025年度は、専任組織として健康経営推進室を設置し、健康経営トップメッセージの発信、健康経営戦略マップの策定等、各種施策に取り組んでいます。
e)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、幅広い項目にわたっていたKPI・目標を集約し、人材を資本として捉え、多様な人材が集い、成長し活躍できる企業という「2030年のありたい姿」の実現のために必要な取り組みを明確にしました。
重要課題⑤ 地域社会との共存共栄
a)2030年のありたい姿
信頼され続けるパートナーとして、地域とともに成長する企業
b)方針・考え方
企業だけが発展するのではなく、地域コミュニティとともに発展することが重要です。また、特に資源開発の影響を受ける先住民の権利を尊重することが求められています。当社グループは、資源開発・製錬の経験から事業地域のコミュニティへのマイナスインパクトを回避・最小化し、持続的であることは歴史的にも当社事業において戦略的に行われており、今後も継続していきます。そのためすべての事業地域において先住民を含む地域コミュニティとの対話を進め、地域の課題を把握し、その解決に貢献することに取り組みます。
c)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、従業員に関する項目は重要課題④に集約し、本重要課題において先住民の権利、地域社会との共存共栄への取り組みを明確化しました。
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
重要課題⑥ サプライチェーンマネジメント
a)2030年のありたい姿
持続可能なサプライチェーンを構築している企業
b)方針・考え方
企業グループ内の活動だけでなくサプライチェーンの上流及び下流における社会への影響を把握し、そのリスク及び機会に対応することが求められています。持続可能なサプライチェーンの構築を事業活動全体の持続的成長に繋げる戦略として、当社グループは製造拠点における責任ある調達及び生産に関する国際認証の取得に取り組み、サプライチェーンにおける人権侵害や環境汚染、腐敗等を回避・是正することに取り組みます。また国際規範に則った苦情処理システム(グリーバンスメカニズム)を通じ、ステークホルダーの救済に取り組みます。
c)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、当社グループと協働するパートナーを含む、サプライチェーン全体が共に豊かに持続可能であるために必要なKPI・目標を新たに設定いたしました。
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
改正された重要課題ごとの「2030年のありたい姿」実現に向けて、以下の方針及び考え方で取り組んでいます。
重要課題① 非鉄金属の安定供給とサーキュラーエコノミーへの貢献
a)2030年のありたい姿
高い技術力で非鉄金属資源を安定的に供給し、サーキュラーエコノミーの構築と維持に貢献する企業
b)方針・考え方
社会の発展に欠かせない非鉄金属をはじめとする資源は有限であり枯渇することが予想されています。また、資源の大量消費と廃棄を前提とした経済活動は地球環境への多大な負荷をかけており、社会全体でのサーキュラーエコノミーへの転換が求められています。当社グループは、事業戦略として生活に欠かせない銅・ニッケルを安定的に供給するため、鉱山権益の獲得や製錬技術の向上に取り組みます。また、サーキュラーエコノミーへの転換に向け特に資源利用に伴う環境影響の低減のため、リサイクル技術の活用に取り組みます。
c)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、当社グループの「ものづくり力」を通じたサーキュラーエコノミーへの貢献を重視してKPI・目標の集約を行いました。
| <改正前> | <改正後> | |||
| KPI | 目標(2030年度) | KPI | 目標(2030年度) | |
| 鉱山プロジェクトの推進 | ・銅権益生産量30万トン/年の達成と維持に向けJV鉱山の生産体制を強化 ・JV鉱山における鉱山周辺及び深部探鉱の強化、選鉱能力の拡張、IoT・AIを活用した操業改善等による着実な銅生産量の達成 ・ケブラダ・ブランカ銅鉱山Phase2以降のプロジェクト推進 | ![]() | ニッケル生産量 | 10万トン/年(ニッケル量) |
| 新規優良銅金資源の獲得 | オペレーターシップを持つ新規鉱山の開発 | 銅権益生産量 (当社グループが権益を保有する銅鉱山) | 30万トン/年(銅量) | |
| 新技術導入による生産性改善 | 菱刈鉱山における坑内外の情報インフラ設備、重機の無人化、リモート化の推進 | リチウムイオン電池リサイクル処理量 | 年間処理量1万トン/年 | |
| 銅リサイクル処理量 | 14万トン/年(銅量) | |||
| Ni鉱プロジェクトの推進と生産性の改善 | ・ニッケル生産量15万トン/年 ・実収率対2018年度比 +2% ・副産物スカンジウムの回収 ・副産物クロマイトの回収 | 製鋼煙灰リサイクル処理量(国内グループ会社) | 12万トン/年 | |
| 鉱山や製錬工程で発生する不純物を分離、固定、有用化する技術の開発 | 不純物を固定する技術開発:プロセスの開発と実証 | |||
| 未利用非鉄金属資源の有用化技術の開発 | ・既存(海洋資源開発等) ・新規の開発プロジェクトへの貢献 | |||
| 難処理資源からの非鉄金属回収 | 高不純物塩湖水からのリチウム回収技術と回収ビジネスへの参画 | |||
| 車載二次電池リサイクル技術の実証と事業化 | ・コバルト回収が可能な車載リチウムイオン電池リサイクル技術実証並びに事業化及び規模拡大 ・プレ商業プラントの試運転と操業開始:2026年度 | |||
| 自社の強みを活かし社会に貢献する新製品・新事業の創出 | エネルギー、自動車、情報通信分野での新規機能性材料の研究開発、事業化 | |||
| 自社原料保有による有利・安定調達 | 燃料電池用NiOの実証試験を経て事業化 | |||
| 有利な自社ニッケル原料の安定調達による低コスト電池材料の販売拡大 | 拡大する電池材料市場で、世界シェアトップクラスを維持 | |||
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
重要課題② カーボンニュートラル社会への貢献
a)2030年のありたい姿
カーボンニュートラル実現に向けて、温室効果ガス(GHG)排出量削減とともに低炭素貢献技術の開発に積極的に取り組む企業
b)方針・考え方
カーボンニュートラル社会の実現に向けて社会全体での取り組みが必要であり、脱炭素社会に向けた関連リスクの緩和並びに機会の利用が求められています。当社グループは、2023年にカーボンニュートラルに向けたロードマップを見直し公表しています。気候変動の緩和策であるGHG排出量の削減に向け、省エネルギー化や再生可能エネルギー由来の電力利用の拡大、革新的製錬プロセスのための技術開発に取り組みます。また、社会全体のGHG排出削減に貢献する製品(低炭素貢献製品)・技術の開発による事業機会の創出、競争力強化に取り組みます。
c)ガバナンス
気候変動を含むサステナビリティに関する当社グループの重要課題の特定と、重要課題に応じた定量的で測定可能なKPIの設定は、経営層による議論を経て取締役会で決議されます。当社グループの気候変動リスク・機会と戦略に関しては、中期経営計画、年度予算、KPI及び目標などに反映され、取締役会で決議されます。カーボンニュートラル推進委員会で管理、審議された当社グループの気候変動に関する課題への取り組み、KPI及び目標に対するパフォーマンスなどは、社長を委員長とするサステナビリティ委員会でレビューされ、その概要は取締役会で報告されます。
d)戦略
事業、戦略、財務に重大な影響を及ぼす短期・中期・長期の気候変動リスク・機会は、規制、技術、市場の変化、自然災害などの当社グループを取り巻く外部環境において想定されうる様々な気候変動シナリオ(詳細後述)に基づいて抽出され、製品・サービス、研究開発投資、操業、GHG排出緩和策・適応策などの分野の事業、戦略への影響の検討を行います。その結果を踏まえて当社グループの気候変動リスク・機会に対する戦略は、3年ごとの中期経営計画に反映されます。また、これらの戦略は、カーボンニュートラル推進委員会で議論され、サステナビリティ委員会にてレビューされます。
e)リスク管理
シナリオ分析により特定された気候変動リスクは、カーボンニュートラル推進委員会で監視測定し、必要に応じて施策や戦略の見直しを行い、サステナビリティ委員会にてレビューされます。また、気候変動リスクは、当社グループのリスクマネジメントシステム及びリスクマネジメント分科会にて、労働災害、環境汚染、品質不良、法令違反などのその他の個別リスクへの影響を考慮したうえで、管理されています。
f)指標と目標
当社グループでは、2050年までにGHG排出量ネットゼロを目標に掲げています。そして2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップを策定し、2030年度におけるGHG排出量を2015年度比38%以上削減することを中期目標として掲げています。また、当社グループが生産する車載用二次電池材料や近赤外線吸収材料の供給を通じた社会全体のGHG排出量削減への貢献についてもKPIと目標を定め、取り組みを推進しています。

<実績:スコープ1及び2>単位:千t-CO2e(CO2e:CO2equivalent:二酸化炭素換算)
※2024年度の実績は合理的な算定方法による概算値。確定値は「統合報告書2025」において記載予定。
| 実績 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
| GHG排出量(総量) | 2,823 | 2,556 | 2,358 |
| スコープ1 | 1,965 | 1,830 | 1,724 |
| スコープ2 | 858 | 726 | 634 |
<実績:スコープ3>単位:千t-CO2e ※主な対象カテゴリのみ掲載
| カテゴリ | 2022年度 | 2023年度 | 算定方法 |
| スコープ3排出量合計 | 4,530 | 4,409 | |
| 1.購入した製品・サービス | 3,737 | 3,603 | Σ(主要原材料重量×排出原単位)※1 |
| 2.資本財 | 518 | 551 | Σ(設備投資額×排出原単位×1.05)※2 |
| 3.スコープ1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 | 239 | 221 | Σ(購入電力・燃料の使用量×排出原単位(電力※2、燃料※1)) |
| 4.輸送、配送(上流) | 26 | 23 | 国内の輸送に係る排出量を「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づいて算定 |
| その他 | 10 | 11 | - |
※1 排出原単位は「国立研究開発法人産業技術総合研究所 IDEAラボLCLデータベースAIST―IDEA Ver.3.4」を使用
※2 排出原単位は「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.4)」を使用
詳細は当社ウェブサイトに掲載している「サステナビリティレポート2024」P.35をご参照ください。
<気候変動シナリオ分析>
| シナ リオ | 区 分 | ドライバー | ビジネスインパクト | 影響 度 ※1 | 発生 時期 ※2 | |
| 1.5 ℃ | 移 行 リ ス ク | 政 策 ・ 規 制 | カーボンプライシングの導入(炭素税、排出量取引、化石燃料賦課金、欧州国境炭素調整措置) | ・炭素税負担 ・排出量取引コスト負担 ・化石燃料賦課金による燃料コスト増加 | 大 | 中長期 |
| 省エネ・脱炭素化規制の強化(欧州バッテリー規則) | ・省エネ・高効率化・電化への設備コスト増加 ・再エネ電力使用による電力コスト増加 ・再エネ電力調達競争激化 | 大 | 中長期 | |||
| サーキュラーエコノミー規制の強化(欧州エコデザイン規制、欧州バッテリー規制) | ・リサイクル原料使用による原料コスト増加 ・リサイクル原料調達競争激化 | 大 | 中長期 | |||
| 市 場 | 当社製品の低・脱炭素化への要求の高まり (銅、ニッケル、電池材料等) | ・エネルギー転換によるエネルギーコスト増加 ・低CFP※3化の競争激化(高CFP製品の売上低下) ・既存製品・技術の陳腐化、技術開発コスト増加 | 大 | 中長期 | ||
| 資源国における過度な資源ナショナリズムの高揚 (銅、ニッケル、リチウム、コバルト等) | ・課税強化、ロイヤルティ引上げによるコスト増加 ・鉱石・中間原料の輸出禁止による原料不足 ・鉱山権益獲得の競争激化 | 大 | 中長期 | |||
| 機 会 | 政 策 ・ 規 制 | 電気自動車の普及拡大 | ・バッテリーの電池材料、電池材料に含まれているニッケル・コバルト、ワイヤーハーネスや駆動モーターに使用される銅の販売拡大 | 大 | 中長期 | |
| 電化需要拡大、電力系統の増強 | ・送電用電線や変圧器に使用される銅の販売拡大 ・高効率パワー半導体に使用されるSiC(シリコンカーバイド)基板の販売拡大 | 大 | 中長期 | |||
| 再エネ主力電源化 | ・風力発電用モーター・変圧器に使用される銅の販売拡大 ・再エネ電力の変動抑制のための蓄電池に使用される電池材料やニッケル・コバルトの販売拡大 | 大 | 中長期 | |||
| 市 場 | デジタル技術活用に向けた電子機器の高性能化 | ・電子機器に使用される高機能性材料の技術開発・販売拡大 | 中 | 中長期 | ||
| 次世代材料の開発 | ・水素製造触媒や人工光合成触媒、燃料電池材料の開発・新事業拡大 | 中 | 中長期 | |||
| 4℃ | 物 理 リ ス ク | 慢 性 | 海水面上昇 | ・暴風雨における高潮・浸水による港湾・後背地(臨海工場等)の機能低下、設備被害の激甚化 ・復旧コストの増加、設備対策コストの増加 | 大 | 長期 |
| 気温上昇 | ・暑熱職場による熱ストレスによる生産性の低下 ・熱中症の増加 ・設備対策コストの増加 | 中 | 長期 | |||
| 急 性 | 100年想定の熱波、豪雨、大型台風、干ばつの異常気象の増加 | ・暴風雨・洪水、土砂災害の激甚化 ・生産設備の毀損、生産停止による事業機会の逸失 ・復旧コストの増加、設備対策コストの増加 | 中 | 中長期 | ||
| ・テーリングダム越流・決壊の被害に対する多額の損害賠償の請求 ・保険料の上昇 ・復旧コストの増加、設備対策コストの増加 | 大 | 中長期 | ||||
| ・サプライチェーン途絶による事業中断・操業停止 ・生産停止による事業機会の逸失 | 中 | 中長期 |
※1 影響度 大:年間100億円以上、中:年間10億円~100億円
※2 発生時期 中期:~2030年頃、長期:~2050年頃
※3 CFP(Carbon Footprint of Products):製品単位の排出量
g)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、GHGを多く排出する産業を営む企業として、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みをより推進するために、当社グループの「ものづくり力」を通じた低炭素貢献製品に関するKPI・目標を設定しました。
| <改正前> | <改正後> | |||
| KPI | 目標(2030年度) | KPI | 目標(2030年度) | |
| GHG排出量の削減 | GHG排出量を2015年度比38%以上削減(国内50%以上、海外24%以上)、“2050年までにGHG排出量ネットゼロ”に向けた諸施策を推進する | ![]() | GHG排出量 | 《スコープ1、2》 2015年度比38%削減 (内訳:国内50%、海外24%) 《スコープ3》 現状の把握と目標設定:2025年度末 |
| GHG排出原単位を2013年度比26%以上削減 | 低炭素製錬技術の開発 | ・ニッケル酸化鉱の水素還元製錬技術の開発 ・リチウム直接回収技術の開発 | ||
| 低炭素貢献製品GHG削減貢献量の拡大:60万t-CO2e以上 | 低炭素貢献製品供給によるGHG削減貢献量 | 110万t-CO2 (ストックベース法で算出) | ||
| 低炭素貢献製品の開発と供給 | ・水素製造触媒材料の開発 ・全固体電池用正極材料の開発 | |||
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
重要課題③ 地球環境保全
a)2030年のありたい姿
ネイチャーポジティブな未来へ貢献する企業
b)方針・考え方
生物の絶滅速度が急激に上昇するなど、経済活動によって自然資本・生物多様性が損なわれていることから、自然の損失を抑え、回復させ、地球全体で豊かにすることを目指すことが求められています。当社グループは、資源開発・製錬などの事業活動が自然に依存することを認識したうえで、自然関連リスクと機会を特定し、戦略的に対応を進めるため、2025年4月1日に自然に関する方針を定めました。これにより、事業活動が自然に与えるマイナスインパクトを回避・最小化します。特に、尾鉱ダムや鉱山開発に関する事故など自然の損失につながる重大環境事故を未然に防止することに取り組みます。
c)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、自然への影響が大きい事業を営む企業として、ネイチャーポジティブの姿勢をより明確にいたしました。
| <改正前> | ![]() | <改正後> | ||
| KPI | 目標(2030年度) | KPI | 目標(2030年度) | |
| 重大環境事故 ゼロ | リスク・環境マネジメントシステムの活用による改善の推進 | 自然関連リスクと機会の特定・対応・開示 | ・当社グループ事業の優先地域への対応:2026年度末 ・重要なバリューチェーンへの対応:2030年度末 | |
| 自然危険源の増大に対応した設備やインフラの強化・改善 | 重大環境事故防止 | 重大環境事故件数0件 | ||
| 有害物質排出量低減(対前年) | ・水使用の合理化、大気・水域への有害物資の排出量の低減 ・計画的植林ほか、多様な環境保全・生物多様性保全活動の推進 | 尾鉱ダム管理国際産業規格への適合状態の維持 | ||
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
重要課題④ 人的資本経営
a)2030年のありたい姿
多様な人材が集い、成長し活躍できる企業
b)人的資本に関する考え方
人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出し、中長期的な企業価値の向上を目指す人的資本経営が求められています。組織全体の生産性向上や付加価値の創造につながるよう人的資本の価値を最大化することが重要です。当社グループは、自由闊達な風土のもと安全で安心な職場環境を提供します。また従業員の自律的な成長を促すことで一人ひとりが活き活きとその能力を発揮して活躍する企業の実現に向け取り組みます。
c)ガバナンス
経営戦略と人材戦略の連動を図るため、企業価値向上戦略会議の中に全社人材部会を設置し、四半期に1回以上の頻度で継続的に開催しています。運営体制としては、人事部所管執行役員が部会長、人事部長が副部会長となり、ポストに人材を配置する適材適所を推進するとともに、次世代経営層や次期管理者を計画的に育成するなど、人材の育成と活用に関わる全社横断的な人材戦略に係る議論をしています。
d)戦略
重要課題に対する「2030年のありたい姿」を実現するため、絶えず変化し続ける市場環境に適応し、持続可能な成長を遂げる企業へと進化していく必要があると考えています。その重要な鍵となるのが、継続的に「挑戦」「変革」「成長」ができる企業風土の実現です。この実現のためには、従業員一人ひとりの職務と職責に見合った報酬を実現し、一人ひとりの可能性を最大限に引き出していくことが重要であると考えています。
この戦略を具現化するための一歩として、2023年7月に総合職人事制度(職務等級制度)を導入しました。また、この制度の目的達成のため、キャリアチャレンジ制度(社内公募制度)を2023年12月に導入しました。本制度は従業員が自律的にキャリアプランを考え、その実現のための機会を提供するもので、従業員の自律的な成長と挑戦を通じた育成を意図しており、2024年度は4件の実績がありました。
(i) 人材育成の考え方
従業員一人ひとりの自律的な成長が、当社グループの持続的な成長につながると考えています。事業環境の変化に対応し新たなビジネスモデルを構築するため、従業員一人ひとりに能力向上の機会を提供し、成長戦略を確実に実行できる人材を育成しています。
従業員の成長の基本は、育成を意識した適切な配置とともに、日常業務を通じて計画的・継続的に行われる実践的教育OJT(On-the-Job Training)と従業員一人ひとりの自己啓発(OFF-JT)にあると考えています。OJTでは、仕事の知識やスキルを身に着けるだけでなく、業務を通じた自律的な成長も促しています。OFF-JTでは、通信教育、外国語講座、MBA関連講座、オンライン学習ツール、e-learning、語学検定試験などの自己啓発の機会を提供し、資格取得の際には祝金を支給するなど従業員の自律的な学びを促進しています。今般の「2030年のありたい姿」の改正では、各種自己啓発講座等の延べ受講率(自己啓発制度活用率)をKPIとして設定し、2030年の目標を60%としました。
目標管理制度では、従業員一人ひとりがキャリアについて自律的に考え、やりがいを持って仕事に取り組めるよう、中長期的な取り組みやチャレンジングな姿勢を評価するとともに、自己申告制度を含めたキャリア形成支援を積極的に行っています。また、上司と部下の関係性の質を上げ、一人ひとりの能力を引き出すために、1on1ミーティングを定期的に実施しています。
<全社人材育成体系>
(ii) 社内環境整備当社では、入社、結婚、出産、育児、介護、治療、そして定年といった様々なライフステージの変化に応じた支援制度を設けており、研修等による情報提供と相談の機会を通じて「安心・安全なワークとライフの提供」に取り組んでいます。
具体的施策の1つとして、当社事業の立地特性を踏まえ、従業員の生活環境を支援するために、社有の社宅・寮もしくは借上げ社宅・寮を提供しています。また、社宅や寮を選択せず、持ち家や借家住まいを選択する社員については、住宅関連手当を支給し、住環境整備の支援を行っています。また、特定地域への転任に対する費用補助や、持ち家取得の際の引っ越し雑費支給や融資制度など、従業員が安心して働けるよう各種施策を実施しています。
・エンゲージメント
当社グループでは、年に一度の従業員意識調査を継続していましたが、2024年度からはエンゲージメントサーベイを導入し、エンゲージメントスコア(会社と従業員の相互理解・相思相愛度合いを数値化し偏差値で表したもの)を測定しています。エンゲージメントが高い状態を「会社・組織と従業員の間において、相互の理解ができており、会社・組織は従業員を大切にし、従業員は会社・組織の発展と活性化に力を注ぐ状態になっていること」と定義しています。2024年度のエンゲージメントスコアは、47.7となりました。
この結果を踏まえ、グループ全体のスコアを持続的に向上させていくために、それぞれの職場が自律的にアクションプランを策定・実践し、スコアの底上げを図る取り組みと、1on1による上司と部下の関係性の質の向上や自律的なキャリア開発の支援などのスコア絶対値の向上を意図した全社的な取り組みを行っています。
エンゲージメントサーベイを通じて、データから従業員の意識や意欲、満足度に関する課題を把握し、エンゲージメント向上の取り組みを通じて職場環境を改善することで、当社は持続可能な成長を達成し、社会に貢献していく企業を目指します。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)
当社グループの持続的な成長には、従業員一人ひとりが持つ視点や考え方は様々であり、多様なメンバーがお互いを認め、信じ、自身の強みを活かしながら、公平な機会のもとで協働する企業風土を築くこと(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I))が必要だと考えています。性別・国籍・年齢といった属性の多様化に加えて、従業員の能力や経験の多様化を進めることで、新しいアイデアを生み出し、柔軟性と競争力を備えた組織を実現し、持続的な成長を目指します。
当社グループは2024年12月にDE&I宣言を行い、DE&Iの目的・意義を経営のトップメッセージとして公表しました。また、2025年4月より、全ての従業員がDE&Iに取り組み、全社で協創することを目的として、DE&I協創室を設置いたしました。今後もより一層、DE&Iを推進し、ジェンダーバランス、障がい者、外国人、性的マイノリティ(LGBTQ+)など、誰もが働きやすい職場環境構築に努めてまいります。
特に女性活躍推進については、管理職社員への登用、国内拠点のみならず海外拠点への派遣など、女性の活躍の場を拡大することに取り組んでいます。また、「2030年のありたい姿」では、女性管理職比率・人数をKPIとし、当社単体で女性管理職社員比率を7%、女性管理職社員数を50名以上とすること、当社グループ連結での女性管理職社員比率を18%以上とすることを目標として定めています。これに加え、2030年までに女性役員を4名登用することも目標に設定しました。これらの達成に向けて、定期・キャリア採用における女性採用比率の目標値設定、次世代リーダー育成を目的とした女性社員外部研修への派出、役員と女性管理職社員との懇談会の開催などを実施しています。
・健康経営
当社グループでは、労働安全衛生の観点から、以前より役員・従業員の安全と健康の確保に優先的に取り組んできました。当社グループで働くすべての人がより健康で活き活きと働けるよう、2022年8月に「住友金属鉱山グループ健康経営方針」を制定し、同年10月に中長期的な取り組みと目標を定めた「従業員の健康づくり推進ロードマップ」と単年度ベースでの「健康経営推進計画」を策定しました。これらの計画を踏まえ、住友金属鉱山健康保険組合とも協力し、効果的な心身の健康維持・増進施策を展開しています。
従業員に対しては、生活習慣病発生リスクと肥満リスク、女性の健康などをテーマとした健康セミナや、メンタルヘルス研修(セルフケア・ラインケア)を定期的に開催し、健康管理支援システム(スマートフォンアプリ)を活用したウォーキングイベントも実施しています。各種検診・人間ドック・脳ドックについては、費用の全額や一部を補助しており、人間ドック受診時は健康管理休暇(1年につき最大2日)を取得することもできます。また、禁煙施策として、喫煙所の削減や希望者にオンライン禁煙プログラムを提供しています。
今回の「2030年のありたい姿」の改正として、2024年度からは健康経営度調査による偏差値をKPIとし、定量的に状況を把握し取り組んでいます。2025年度は、専任組織として健康経営推進室を設置し、健康経営トップメッセージの発信、健康経営戦略マップの策定等、各種施策に取り組んでいます。
e)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、幅広い項目にわたっていたKPI・目標を集約し、人材を資本として捉え、多様な人材が集い、成長し活躍できる企業という「2030年のありたい姿」の実現のために必要な取り組みを明確にしました。
| <改正前> | <改正後> | ||||
| KPI | 目標(2030年度) | KPI | 目標(2030年度) | ||
| 労働災害の発生防止 | ・重篤災害:ゼロ (国内外、協力会社含む) ・全災害:対前年減少、最終的にゼロを目指す | エンゲージメントスコア(当社+調査対象国内関係会社) | スコア:55 | ||
| 業務上疾病の発生防止 | ・健康リスクの高い作業場数:対前年削減 ・業務上疾病の発生:ゼロ | 重篤災害件数(協力会社を含めた安全統計対象事業場)) | 0件 | ||
| 働き方改革の推進とデジタルテクノロジー等を活用した、多様な人材が活躍できる職場づくり | ・従業員意識調査の「経営者・上司のマネジメント」「仕事の魅力」「職場環境」に関する各スコアの向上 ・女性管理職社員数50人 (当社) ・女性従業員比率20%以上 (当社) ・総合職外国人従業員の拡充 ・障害者雇用率3%以上 (当社) ・従業員のライフステージに対応した配置と支援 | ![]() | 健康リスクのある作業場数(国内の安全統計対象事業場) | 0作業場 | |
| 健康経営度調査(単体) | 偏差値62 | ||||
| 自己啓発制度活用率(単体) | 60% | ||||
| 女性管理職比率・人数(連結・単体) | 連結18%、単体7%(50人) | ||||
| 男性育児休業取得率(単体) | 100% | ||||
| 従業員の心身の健康づくりの支援 | ・長期休業者の減少 ・健康診断結果の「有所見者率」50%以下 | ||||
| 従業員ニーズ・業務ニーズを考慮した能力向上、機会の多様化 | ・上司と部下との定期的な対話を通じて、従業員一人ひとりのやる気や可能性を引き出し、部下の成長をさらに促進する「1on1ミーティング」の活用 ・役割に応じた人材育成体系の再構築によって、より良い従業員への能力向上機会の提供 ・個々人のライフプランや従業員ニーズに合わせた自己啓発機会の提供 | ||||
| 従業員への当社グループブランドの浸透 | 従業員意識調査の改善(会社で働くことに誇りを感じる従業員割合の向上) | ||||
重要課題⑤ 地域社会との共存共栄
a)2030年のありたい姿
信頼され続けるパートナーとして、地域とともに成長する企業
b)方針・考え方
企業だけが発展するのではなく、地域コミュニティとともに発展することが重要です。また、特に資源開発の影響を受ける先住民の権利を尊重することが求められています。当社グループは、資源開発・製錬の経験から事業地域のコミュニティへのマイナスインパクトを回避・最小化し、持続的であることは歴史的にも当社事業において戦略的に行われており、今後も継続していきます。そのためすべての事業地域において先住民を含む地域コミュニティとの対話を進め、地域の課題を把握し、その解決に貢献することに取り組みます。
c)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、従業員に関する項目は重要課題④に集約し、本重要課題において先住民の権利、地域社会との共存共栄への取り組みを明確化しました。
| <改正前> | ![]() | <改正後> | ||
| KPI | 目標(2030年度) | KPI | 目標(2030年度) | |
| 「世界の非鉄リーダー」レベルの情報発信及び対話の質と量の確保 | ・メディア、投資家との対話機会の拡充 ・統合報告書の外部評価での高評価獲得 | 地域住民・先住民との対話 | 地域の課題解決につながる継続的な対話を実施 | |
| 目指している「世界の非鉄リーダー」としての認知・理解の向上及び共感を得ている | 社外機関調査結果の改善 (認知度・理解度など) | 社外ステークホルダーからの相談対応(グリーバンスメカニズム) | 適切な運用 | |
| 対話と連携に基づく地域社会への参画 | 地域社会との対話を通じて、地域の課題を正確に把握し、施策を実行 | 地域の社会活動基盤の強化(単体) | 地域貢献プログラムの共同企画と参画 | |
| 従業員参加型の地域支援 | 従業員参加プログラムの実施(2023年~) | 地域の次世代育成への貢献(単体) | 奨学金ほか支援プログラムを実施 | |
| 現地雇用・現地調達 | 継続実施と実績把握 | |||
| 次世代育成への支援 | ・行政や地域団体・NPOなどと連携した次世代育成プログラムの実施(1回/年以上) ・国内奨学金の設立と給付(既存の海外奨学金維持)(2023年~) | |||
| 障害者・高齢者への支援 | ・行政や地域団体・NPOなどと連携した障害者・高齢者支援プログラムの実施(1回/年以上) | |||
| 災害時支援 | 大規模災害地域への支援 | |||
| 先住民や先住民の伝統と文化の理解 | 社内教育を実施したSMMグループ拠点の割合:2023年度末までに100% | |||
| 先住民の伝統と文化の尊重につながる取り組みへの支援 | ・先住民を対象とする奨学金の実施(既存の取り組みの継続実施) ・NGO、学会等が実施する先住民に関連する取り組みへの支援:年1件以上の支援 | |||
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。
重要課題⑥ サプライチェーンマネジメント
a)2030年のありたい姿
持続可能なサプライチェーンを構築している企業
b)方針・考え方
企業グループ内の活動だけでなくサプライチェーンの上流及び下流における社会への影響を把握し、そのリスク及び機会に対応することが求められています。持続可能なサプライチェーンの構築を事業活動全体の持続的成長に繋げる戦略として、当社グループは製造拠点における責任ある調達及び生産に関する国際認証の取得に取り組み、サプライチェーンにおける人権侵害や環境汚染、腐敗等を回避・是正することに取り組みます。また国際規範に則った苦情処理システム(グリーバンスメカニズム)を通じ、ステークホルダーの救済に取り組みます。
c)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、当社グループと協働するパートナーを含む、サプライチェーン全体が共に豊かに持続可能であるために必要なKPI・目標を新たに設定いたしました。
| <改正前> | ![]() | <改正後> | ||
| KPI | 目標(2030年度) | KPI | 目標(2030年度) | |
| サステナビリティ調達、特に責任ある鉱物調達の推進 | 責任ある鉱物調達 ・国際基準に合致した責任ある鉱物調達マネジメントシステムの確立:2021年度末まで ・サプライチェーン上での、児童労働等人権侵害に加担する鉱山及び製錬所ゼロの維持 | 国際認証に適合した当社グループ製錬所の割合 | 100% | |
| サステナビリティ調達 ・「住友金属鉱山 グループサステナビリティ調達方針」を受領し同意した取引先企業:2030年度末までに100% ・国際基準に合致したサステナビリティ調達マネジメントシステムの確立:2024年度末まで ・デュー・ディリジェンスの継続実施 | 責任ある鉱物調達におけるデュー・ディリジェンスによる適切な調達先の割合 | 100% | ||
| サプライチェーン全体におけるESGデュー・ディリジェンスの実施 | 調達におけるデュー・ディリジェンス実施・結果開示:2026年度末 | |||
※改正後のKPIについて、対象範囲の記載がないものは連結とする。





