有価証券報告書-第99期(2023/04/01-2024/03/31)
(3)戦略
特定された重要課題ごとの「2030年のありたい姿」実現にむけ、以下の方針及び考え方で取り組みを進めています。
①非鉄金属資源の有効活用
a)2030年のありたい姿
高い技術力で資源を生み出す企業
1.非鉄金属を安定して社会へ供給する企業
2.産学官と連携したオープンな技術開発で、不純物を有効活用して社会に貢献する企業
3.非鉄金属の循環システムの構築と維持に貢献する企業
4.社会課題の解決に貢献する高機能材料の開発・供給を行う企業
b)方針・考え方
当社グループは、天然資源の採掘から高機能材料の生産までを行い、その過程で扱う非鉄金属素材も多岐にわたります。技術的課題等で今まで利用できなかった資源の活用やリサイクル技術開発等を通じて有限な非鉄金属資源を無駄なく、より有効に活用することへのチャレンジは、当社グループの責務であると考えています。
持続可能な社会に貢献するため、「ものづくり力」を基本に、社外との連携も含めた研究開発を行い、製品を作る技術力を向上させ、非鉄金属資源の安定供給・未利用資源の有用化・難処理資源からの回収・リサイクル技術の活用などに取り組みます。
②気候変動
a)2030年のありたい姿
温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量ゼロに向け、排出量削減とともに低炭素貢献製品の安定供給を含めた気候変動対策に積極的に取り組んでいる企業
b)方針・考え方
当社グループはGHGを多量に排出する企業の一つであるため、操業改善や技術イノベーションによりGHG排出量や排出原単位を削減するとともに、電池材料や近赤外線吸収材料といった低炭素社会に貢献する製品を開発し事業を拡大することにより地球全体でのGHG排出量を削減し、気候変動抑制に貢献していきます。
また当社は、TCFD(Task Force on Climate related Financial Disclosures 気候関連財務情報開示タスクフォース)へ賛同しています。当社はTCFD提言に基づき、気候変動が事業に与えるリスク・機会について分析を進め、ガバナンス・戦略などの関連する情報開示に取り組んでいきます。
c)ガバナンス
気候変動を含むサステナビリティに関する当社グループの重要課題は経営層による議論を経てKPIとともに特定され、取締役会で決議されます。当社グループの気候変動リスク・機会と戦略に関しては、中期経営計画、年度予算、KPI目標などに反映され、取締役会で決議されます。定期的に開催されるカーボンニュートラル推進委員会で管理、審議された当社グループの気候変動に関する課題への取り組み、KPI目標に対するパフォーマンスなどは、社長を委員長とするサステナビリティ委員会でレビューされ、その概要は取締役会で報告されます。
d)戦略
事業、戦略、財務に重大な影響を及ぼす短期・中期・長期の気候変動リスク・機会は、規制、技術、市場の変化、自然災害などの当社グループを取り巻く外部環境において想定されうる様々な気候変動シナリオ(次頁参照)に基づいて抽出され、製品・サービス、研究開発投資、操業、GHG排出緩和策・適応策などの分野の事業、戦略への影響の検討を行います。その結果を踏まえて当社グループの気候変動リスク・機会に対する戦略は、3年ごとの中期経営計画に反映されます。また、これらの戦略は、カーボンニュートラル推進委員会で議論され、サステナビリティ委員会にてレビューされます。
e)リスク管理
シナリオ分析により特定された気候変動リスクは、カーボンニュートラル推進委員会で監視測定し、必要に応じて是正措置や戦略の見直しを行い、サステナビリティ委員会にてレビューされます。また、気候変動リスクは、当社グループのリスクマネジメントシステム及びリスクマネジメント分科会にて、労働災害、環境汚染、品質不良、法令違反などのその他の個別リスクへの影響を考慮したうえで、管理されています。
f)指標と目標
当社グループでは、2050年までにGHG排出量ネットゼロを目標に掲げています。そして2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップを策定し、2030年度におけるGHG排出量を2015年度比38%以上削減することを中期目標として掲げています。また、当社グループが生産する車載用二次電池正極材料や近赤外線吸収材料の供給を通じた社会全体のGHG排出量削減への貢献についても指標と目標を定め、取り組みを推進しています。
<2022年度実績:スコープ1及び2>単位:kt-CO2e(CO2e:CO2equivalent:二酸化炭素換算)
<2022年度実績:スコープ3>単位:kt-CO2e ※主な対象カテゴリのみ掲載
※1 排出原単位は「国立研究開発法人産業技術総合研究所 IDEA Ver.3.3」を使用
※2 排出原単位は「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.3)」を使用
詳細は当社ウェブサイトに掲載している「サステナビリティレポート2023」P.50をご参照ください。
<気候変動シナリオ分析>
※1 影響度 大:年間100億円以上、中:年間10億円~100億円
※2 発生時期 中期:~2030年頃、長期:~2050年頃
※3 CFP(Carbon Footprint of Products):製品単位の排出量
③重大環境事故、④生物多様性
a)2030年のありたい姿
水資源や生物多様性を大切にして海や陸の豊かさを守っている企業
b)方針・考え方
重大環境事故は、環境や社会への影響が大きく、事業継続の前提となる信頼を失うことにもなりかねません。特に当社グループの事業活動においては、鉱業廃棄物や化学物質の漏出等による環境汚染を引き起こす可能性があります。このようなリスクや激甚化する自然災害にも対応できるよう設備や管理の改善を図り、重大環境事故の予防と万一発生した場合の影響緩和に取り組んでいます。また、水資源の持続可能な利用及び管理に取り組みながら有害物質の大気・水域への排出量低減にも取り組み、生物多様性を大切にする環境保全活動を展開しています。
⑤従業員の安全・衛生
a)2030年のありたい姿
快適な職場環境、安全化された設備と作業のもと、すべての従業員が、ともに安全を最優先して仕事をしている企業
b)方針・考え方
当社グループの事業活動では高所での作業や大型の設備・重機・化学物質の取り扱いを行うため、従業員が死亡災害を含む労働災害や健康被害に見舞われる可能性があります。一方で、安全で安心して働ける環境は、従業員と会社の信頼関係向上や従業員のモチベーションにつながる経営の重要な要素の一つです。そこで、当社グループは協力会社も含めて快適で安全な職場を形成することを目指して、設備安全化対策をさらに進化させて、IoT*やAI(人工知能)など先端技術導入も開始しています。
*IoT:あらゆるものがインターネットにつながり、サービスが展開されること。
⑥多様な人材、⑦人材の育成と活躍
a)2030年のありたい姿
すべての従業員が活き活きと働く企業
1.従業員一人ひとりの人間性を尊重し、従業員が誇り・やりがい・働く喜びを持てる企業
2.従業員一人ひとりに能力向上の機会を提供し、従業員とともに成長する企業
b)人的資本に関する考え方
当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しており、その変化に対応できる企業として成長戦略を展開し、企業価値を高め、確固たる経営基盤を築くことが必要です。その中心は人材であり、多様な人材がお互いの考え方を尊重し、同じ目標に向けて最大限の力を発揮できる組織として成長戦略を実現していくことが重要と考えています。多様な人材が活躍できる組織であるために、経営戦略と連動した人材戦略の展開、従業員一人ひとりの自律的な成長やキャリア形成を促進する人材育成体系・制度の構築、多様な人材が働きやすい社内環境の整備に取り組んでいます。
c)人材戦略に関するガバナンス
経営戦略と人材戦略の連動を図るため、企業価値向上戦略会議の中に全社人材部会を位置付けています。四半期に1回以上の頻度で継続的に開催しています。運営体制としては、人事部所管執行役員が部会長、人事部長が副部会長となり、人材の適所適材の配置を推進するとともに、次世代経営層や次期管理者を計画的に育成するなど、人材の確保・育成と活用に関わる全社横断的な人材戦略に係る議論をしています。
d)人材戦略
「2030年のありたい姿」を実現するため、絶えず変化し続ける市場環境に適応し、持続可能な成長を遂げる企業へと進化していく必要があると考えています。その重要な鍵となるのが、継続的に「挑戦」・「変革」・「成長」ができる企業風土の実現です。この実現のためには、従業員一人ひとりの職務と職責に見合った報酬を実現し、一人ひとりの可能性を最大限に引き出していくことが重要と考えています。
具現化の一歩として、2023年7月に総合職人事制度(職務等級制度)を導入しました。また、この制度の目的達成のため、キャリアチャレンジ制度(社内公募制度)を2023年12月に導入しました。
(i) 人材育成の考え方
従業員一人ひとりの自律的な成長が、当社グループ全体の持続的な成長につながると考えています。新たなビジネスモデルの構築や変化する事業環境に対応するため、従業員一人ひとりに能力向上の機会を提供し、成長戦略を確実に実行できる人材を育成しています。
従業員の成長の基本は、人材育成を意識した適切な配置とともに、日常業務を通じて計画的・継続的に行われる実践的教育OJT(On-the-Job Training)と従業員個々人の自己啓発にあると考えています。OJTでは、仕事の知識やスキルを身に着けるだけでなく、業務を通じた人としての成長も促しています。OFF-JTでは、各種研修や講習会、eラーニング等の育成体系を構築し、資格取得の際には祝い金を支給するなど従業員の自律的な学びを促進しています。
目標管理制度では、従業員一人ひとりがキャリアについて自律的に考え、やりがいを持って仕事に取り組めるよう、中長期的な取り組みやチャレンジングな姿勢を評価するとともに、異動申告制度を含めたキャリア形成支援を積極的に行っています。また、上司と部下間のコミュニケーションの質を上げ、一人ひとりの能力を引き出すために、1on1ミーティングを展開しています。
<全社人材育成体系>
(ii) 社内環境整備
当社では、入社、結婚、出産、育児、介護、そして定年といった様々なライフステージの変化に応じた支援策や制度、そして研修等による情報提供の機会・相談の場を設けるなどを通じて、「働き方改革の推進とデジタルテクノロジー等を活用した、多様な人材が活躍できる職場づくり」、「従業員の心身の健康づくりの支援」、「従業員ニーズ・業務ニーズを考慮した能力向上、機会の多様化」に取り組んでいます。
具体的施策の1つとして、従業員の生活環境を支援するために各地域の実情を踏まえ、社有の社宅・寮もしくは借上げ社宅・寮を延べ1,190戸提供しています。また、社宅や寮を選択せず、持ち家や借家住まいを選択する社員については、住宅関連手当を支給し補助しています。また、住居の変更を伴う異動の際の車両費用補助や持ち家取得の際の引っ越し雑費支給や、住宅取得の際の融資制度など、従業員が安心して働けるよう、負担を軽減する各種施策を実施しています。
・エンゲージメント
当社では、年に一度、従業員意識調査を実施しています。この調査を通じ、従業員一人ひとりの意識や意欲、満足度に関するデータを収集し、それらを経営施策の改善に活かすことを目指しています。
2023年11月~12月にかけて実施した最新の調査では、「全体的なエンゲージメント」、「業務負荷・ワークライフバランス」、「職場環境」、「上司との関係」、「ダイバーシティ」の項目に関しては概ね他社水準と遜色ないことが明らかになりました。特にコンプライアンスに関して、当社は良好な水準を保っています。一方で仕事内容や人事制度に関しては改善の余地があることが分かっています。
また、調査結果からは、従業員が会社への誇りや愛着を感じていること、良好な上司と部下の関係が築かれていること、業務目標の挑戦性が高く、チャレンジを歓迎する組織風土があることを確認しています。これらは当社の強みとして維持していくべき点と捉えています。
一方で、改善が求められる領域に対しては、具体的なアクションにつなげていきます。具体的には、「仕事のやりがい」を高めるために、管理職社員が適正な目標を立て部下に展開することなどを示した管理職社員対象の研修(マネジメント研修人事評価編)や、従業員がキャリア目標を描きやすいように上位管理職の職務記述書の公開などを実施しました。また、今後は経営層と社員間のコミュニケーションの強化や、成長と意欲の向上に向けた人事施策の見直しの検討を進めていきます。これらの取り組みを通じて、従業員のエンゲージメントを高め、職場環境を改善していくことで、当社は持続可能な成長を達成し、社会に貢献していく企業をめざします。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)
従業員一人ひとりが持つ視点や考え方は様々であり、多様なメンバーの違いを受け入れ、認め合い、特性を活かしながら、公平な機会のもと、多様な人材がお互いを尊重し協働できる職場環境を築くこと(DE&I)が必要です。また、性別・国籍・年齢といった目に見える属性の多様化に加えて、能力や経験の多様化も進めることで、革新的なアイデアが生まれ、組織の柔軟性と競争力が向上します。そして、これが新たな価値創造へとつながり、当社に変革をもたらす原動力になると考えています。
当社ではDE&Iを推進する中で、ジェンダーバランス(女性活躍)への取り組み、障害者雇用の推進と定着支援、外国人従業員の拡充、性的マイノリティ(LGBTQ+)理解への取り組みを進めています。
特に女性活躍推進については、管理職社員への登用、生産現場や鉱山現場などにおける勤務のほか、国内拠点のみならず海外拠点への駐在など、女性の活躍の場を拡大することに取り組んでいます。また、「2030年のありたい姿」では、女性管理職社員数を50名、女性従業員比率を20%以上とすることを目標としており、これに加え、2030年までに女性役員を4名登用することも目標に設定しました。これらの達成に向けて、定期・キャリア採用における女性採用比率の目標値設定、次世代リーダー育成を目的とした女性社員外部研修への派出、役員と女性管理職社員との懇談会の開催などを実施しています。当たり前に女性が活躍する環境づくりを進めるために当事者の声を経営に反映し、また男性の意識改革も進めています。
・健康経営
当社グループでは、労働安全衛生の観点から従来より役員・従業員の安全と健康の確保に優先的に取り組んできました。当社グループで働くすべての人がより健康で活き活きと働けるよう、2022年8月に「住友金属鉱山グループ健康経営方針」を制定し、同年10月に中長期的な取り組みと目標を定めた「従業員の健康づくり推進ロードマップ」と単年度ベースでの「健康経営推進計画」を策定しました。これらの計画を踏まえ、住友金属鉱山健康保険組合とも協力し、効果的な心身の健康維持・増進施策を展開しています。従業員に対しては、生活習慣病発生リスクと肥満リスク、女性の健康などをテーマとした健康セミナーや、メンタルヘルス研修(セルフケア・ラインケア)を定期的に開催し、健康管理支援システム(スマートフォンアプリ)を活用したウォーキングイベントも実施しています。各種検診・人間ドック・脳ドックについては、費用の全額や一部を補助しており、人間ドック受診時は健康管理休暇(1年につき最大2日)を取得することもできます。また、禁煙施策として、喫煙所の削減や希望者にオンライン禁煙プログラムを提供しています。
2023年3月には、経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人認定制度」において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定され、継続的に認定を受けています。
⑧ステークホルダーとの対話
a)2030年のありたい姿
「世界の非鉄リーダー」であると理解され、共感される企業
b)方針・考え方
社会課題の解決に向けた2030年のありたい姿の実現には、ステークホルダーから信頼を得ることが必要です。多様なステークホルダーに当社グループを等身大に正しく理解いただき、さらに、目指している「世界の非鉄リーダー」として共感されるよう取り組んでいきます。また、当社グループでは、影響を与え、あるいは影響を受けるステークホルダーを「顧客」「株主」「従業員」「地域住民」「債権者」「ビジネスパートナー」「NGO、NPO」及び「行政」と定義し、ステークホルダーごとにあるべき姿の目標を定め、その実現に向けて様々な取り組みを進めています。
⑨地域社会との共存共栄
a)2030年のありたい姿
地域社会の一員として地域の発展に貢献し信頼を得る企業
b)方針・考え方
特に鉱業、製錬業における開発は、やむを得ず移転をお願いするなど地域住民の生活に大きな影響をもたらします。当社グループは、事業進出している地域においてコミュニティとの対話をもとに、そこにどのような課題があるのか、その解決にどう貢献できるのかを考えていくことが重要だと捉えています。そのうえでニーズに応じて雇用や現地サプライヤーからの調達などにより地域経済の活性化に寄与していくとともに、地震や台風といった大規模災害の現地支援を継続して行っていきます。
⑩先住民の権利
a)2030年のありたい姿
先住民の伝統と文化を理解し尊重する企業
b)方針・考え方
鉱山開発や製錬事業においては、環境や地域社会へ及ぼす影響が大きいことから、一般に弱い立場であるその土地で暮らす先住民の権利を侵害するおそれがあります。そのため先住民の理解と信頼を得ながら事業を進めることが大前提であると考えます。「先住民族の権利に関する国際連合宣言(UNDRIP)」などの国際規範を尊重し、地元行政などの関係するステークホルダーとも協力しながら、先住民の伝統と文化を理解したうえで対話を続けていきます。
⑪サプライチェーンにおける人権
a)2030年のありたい姿
サプライチェーン全体でサステナビリティ調達に取り組んでいる企業
b)方針・考え方
当社グループはステークホルダーと連携し持続可能なサプライチェーン構築を目指しています。国際規範に基づく当社グループの「サステナビリティ調達方針」に則り、サプライチェーンにおける「人権・労働」「コンプライアンス」「品質保証」「環境・地域社会」に関するリスクを把握し問題があれば是正します。特に鉱物調達においては、児童労働などの人権侵害や環境汚染といった負の影響を及ぼすおそれのある鉱物の調達を行わないよう、当社グループの「責任ある鉱物調達に関する方針」に則り経済協力開発機構(OECD)のガイダンスを尊重し取り組みます。
特定された重要課題ごとの「2030年のありたい姿」実現にむけ、以下の方針及び考え方で取り組みを進めています。
①非鉄金属資源の有効活用
a)2030年のありたい姿
高い技術力で資源を生み出す企業
1.非鉄金属を安定して社会へ供給する企業
2.産学官と連携したオープンな技術開発で、不純物を有効活用して社会に貢献する企業
3.非鉄金属の循環システムの構築と維持に貢献する企業
4.社会課題の解決に貢献する高機能材料の開発・供給を行う企業
b)方針・考え方
当社グループは、天然資源の採掘から高機能材料の生産までを行い、その過程で扱う非鉄金属素材も多岐にわたります。技術的課題等で今まで利用できなかった資源の活用やリサイクル技術開発等を通じて有限な非鉄金属資源を無駄なく、より有効に活用することへのチャレンジは、当社グループの責務であると考えています。
持続可能な社会に貢献するため、「ものづくり力」を基本に、社外との連携も含めた研究開発を行い、製品を作る技術力を向上させ、非鉄金属資源の安定供給・未利用資源の有用化・難処理資源からの回収・リサイクル技術の活用などに取り組みます。
②気候変動
a)2030年のありたい姿
温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量ゼロに向け、排出量削減とともに低炭素貢献製品の安定供給を含めた気候変動対策に積極的に取り組んでいる企業
b)方針・考え方
当社グループはGHGを多量に排出する企業の一つであるため、操業改善や技術イノベーションによりGHG排出量や排出原単位を削減するとともに、電池材料や近赤外線吸収材料といった低炭素社会に貢献する製品を開発し事業を拡大することにより地球全体でのGHG排出量を削減し、気候変動抑制に貢献していきます。
また当社は、TCFD(Task Force on Climate related Financial Disclosures 気候関連財務情報開示タスクフォース)へ賛同しています。当社はTCFD提言に基づき、気候変動が事業に与えるリスク・機会について分析を進め、ガバナンス・戦略などの関連する情報開示に取り組んでいきます。
c)ガバナンス
気候変動を含むサステナビリティに関する当社グループの重要課題は経営層による議論を経てKPIとともに特定され、取締役会で決議されます。当社グループの気候変動リスク・機会と戦略に関しては、中期経営計画、年度予算、KPI目標などに反映され、取締役会で決議されます。定期的に開催されるカーボンニュートラル推進委員会で管理、審議された当社グループの気候変動に関する課題への取り組み、KPI目標に対するパフォーマンスなどは、社長を委員長とするサステナビリティ委員会でレビューされ、その概要は取締役会で報告されます。
d)戦略
事業、戦略、財務に重大な影響を及ぼす短期・中期・長期の気候変動リスク・機会は、規制、技術、市場の変化、自然災害などの当社グループを取り巻く外部環境において想定されうる様々な気候変動シナリオ(次頁参照)に基づいて抽出され、製品・サービス、研究開発投資、操業、GHG排出緩和策・適応策などの分野の事業、戦略への影響の検討を行います。その結果を踏まえて当社グループの気候変動リスク・機会に対する戦略は、3年ごとの中期経営計画に反映されます。また、これらの戦略は、カーボンニュートラル推進委員会で議論され、サステナビリティ委員会にてレビューされます。
e)リスク管理
シナリオ分析により特定された気候変動リスクは、カーボンニュートラル推進委員会で監視測定し、必要に応じて是正措置や戦略の見直しを行い、サステナビリティ委員会にてレビューされます。また、気候変動リスクは、当社グループのリスクマネジメントシステム及びリスクマネジメント分科会にて、労働災害、環境汚染、品質不良、法令違反などのその他の個別リスクへの影響を考慮したうえで、管理されています。
f)指標と目標
当社グループでは、2050年までにGHG排出量ネットゼロを目標に掲げています。そして2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップを策定し、2030年度におけるGHG排出量を2015年度比38%以上削減することを中期目標として掲げています。また、当社グループが生産する車載用二次電池正極材料や近赤外線吸収材料の供給を通じた社会全体のGHG排出量削減への貢献についても指標と目標を定め、取り組みを推進しています。
<2022年度実績:スコープ1及び2>単位:kt-CO2e(CO2e:CO2equivalent:二酸化炭素換算)
| GHG排出量(総量) | 2,823 |
| スコープ1 | 1,965 |
| スコープ2 | 858 |
<2022年度実績:スコープ3>単位:kt-CO2e ※主な対象カテゴリのみ掲載
| カテゴリ | 排出量 | 算定方法 |
| スコープ3合計 | 4,530 | |
| 1.購入した製品・サービス | 3,737 | Σ(主要原材料重量×排出原単位)※1 |
| 2.資本財 | 518 | Σ(設備投資額×排出原単位×1.05)※2 |
| 3.スコープ1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 | 239 | Σ(購入電力・燃料の使用量×排出原単位(電力※2、燃料※1)) |
| 4.輸送、配送(上流) | 26 | 国内の輸送に係る排出量を「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づいて算定 |
| その他 | 10 | - |
※1 排出原単位は「国立研究開発法人産業技術総合研究所 IDEA Ver.3.3」を使用
※2 排出原単位は「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.3)」を使用
詳細は当社ウェブサイトに掲載している「サステナビリティレポート2023」P.50をご参照ください。
<気候変動シナリオ分析>
| シナ リオ | 区 分 | ドライバー | ビジネスインパクト | 影響 度 ※1 | 発生 時期 ※2 | |
| 1.5 ℃ | 移 行 リ ス ク | 政 策 ・ 規 制 | カーボンプライシングの導入(炭素税、排出量取引、化石燃料賦課金、欧州国境炭素調整措置) | ・炭素税負担 ・排出量取引コスト負担 ・化石燃料賦課金による燃料コスト増加 | 大 | 中長期 |
| 省エネ・脱炭素化規制の強化(欧州バッテリー規則) | ・省エネ・高効率化・電化への設備コスト増加 ・再エネ電力使用による電力コスト増加 ・再エネ電力調達競争激化 | 大 | 中長期 | |||
| サーキュラーエコノミー規制の強化(欧州エコデザイン規制、欧州バッテリー規制) | ・リサイクル原料使用による原料コスト増加 ・リサイクル原料調達競争激化 | 大 | 中長期 | |||
| 市 場 | 当社製品の低・脱炭素化への要求の高まり (銅、ニッケル、電池正極材料等) | ・エネルギー転換によるエネルギーコスト増加 ・低CFP※3化の競争激化(高CFP製品の売上低下) ・既存製品・技術の陳腐化、技術開発コスト増加 | 大 | 中長期 | ||
| 資源国における過度な資源ナショナリズムの高揚 (銅、ニッケル、リチウム、コバルト等) | ・課税強化、ロイヤリティ引上げによるコスト増加 ・鉱石・中間原料の輸出禁止による原料不足 ・鉱山権益獲得の競争激化 | 大 | 中長期 | |||
| 機 会 | 政 策 ・ 規 制 | 電気自動車の普及拡大 | ・バッテリーの正極材料、正極材料に含まれているニッケル・コバルト、ワイヤーハーネスや駆動モーターに使用される銅の販売拡大 | 大 | 中長期 | |
| 電化需要拡大、電力系統の増強 | ・送電用電線や変圧器に使用される銅の販売拡大 ・高効率パワー半導体に使用されるシリコンカーバイド(SiC)基盤の販売拡大 | 大 | 中長期 | |||
| 再エネ主力電源化 | ・風力発電用モーター・変圧器に使用される銅の販売拡大 ・再エネ電力の変動抑制のための蓄電池に使用される電池正極材料やニッケル・コバルトの販売拡大 | 大 | 中長期 | |||
| 市 場 | デジタル技術活用に向けた電子機器の高性能化 | ・電子機器に使用される高機能性材料の技術開発・販売拡大 | 中 | 中長期 | ||
| 次世代材料の開発 | ・水素製造触媒や人工光合成触媒、燃料電池材料の開発・新事業拡大 | 中 | 中長期 | |||
| 4℃ | 物 理 リ ス ク | 慢 性 | 海水面上昇 | ・暴風雨における高潮・浸水による港湾・後背地(臨海工場等)の機能低下、設備被害の激甚化 ・復旧コストの増加、設備対策コストの増加 | 大 | 長期 |
| 気温上昇 | ・暑熱職場による熱ストレスによる生産性の低下 ・熱中症の増加 ・設備対策コストの増加 | 中 | 長期 | |||
| 急 性 | 100年想定の熱波、豪雨、大型台風、干ばつの異常気象の増加 | ・暴風雨・洪水、土砂災害の激甚化 ・生産設備の毀損、生産停止による事業機会の逸失 ・復旧コストの増加、設備対策コストの増加 | 中 | 中長期 | ||
| ・テーリングダム越流・決壊の被害に対する多額の損害賠償の請求 ・保険料の上昇 ・復旧コストの増加、設備対策コストの増加 | 大 | 中長期 | ||||
| ・サプライチェーン途絶による事業中断・操業停止 ・生産停止による事業機会の逸失 | 中 | 中長期 |
※1 影響度 大:年間100億円以上、中:年間10億円~100億円
※2 発生時期 中期:~2030年頃、長期:~2050年頃
※3 CFP(Carbon Footprint of Products):製品単位の排出量
③重大環境事故、④生物多様性
a)2030年のありたい姿
水資源や生物多様性を大切にして海や陸の豊かさを守っている企業
b)方針・考え方
重大環境事故は、環境や社会への影響が大きく、事業継続の前提となる信頼を失うことにもなりかねません。特に当社グループの事業活動においては、鉱業廃棄物や化学物質の漏出等による環境汚染を引き起こす可能性があります。このようなリスクや激甚化する自然災害にも対応できるよう設備や管理の改善を図り、重大環境事故の予防と万一発生した場合の影響緩和に取り組んでいます。また、水資源の持続可能な利用及び管理に取り組みながら有害物質の大気・水域への排出量低減にも取り組み、生物多様性を大切にする環境保全活動を展開しています。
⑤従業員の安全・衛生
a)2030年のありたい姿
快適な職場環境、安全化された設備と作業のもと、すべての従業員が、ともに安全を最優先して仕事をしている企業
b)方針・考え方
当社グループの事業活動では高所での作業や大型の設備・重機・化学物質の取り扱いを行うため、従業員が死亡災害を含む労働災害や健康被害に見舞われる可能性があります。一方で、安全で安心して働ける環境は、従業員と会社の信頼関係向上や従業員のモチベーションにつながる経営の重要な要素の一つです。そこで、当社グループは協力会社も含めて快適で安全な職場を形成することを目指して、設備安全化対策をさらに進化させて、IoT*やAI(人工知能)など先端技術導入も開始しています。
*IoT:あらゆるものがインターネットにつながり、サービスが展開されること。
⑥多様な人材、⑦人材の育成と活躍
a)2030年のありたい姿
すべての従業員が活き活きと働く企業
1.従業員一人ひとりの人間性を尊重し、従業員が誇り・やりがい・働く喜びを持てる企業
2.従業員一人ひとりに能力向上の機会を提供し、従業員とともに成長する企業
b)人的資本に関する考え方
当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しており、その変化に対応できる企業として成長戦略を展開し、企業価値を高め、確固たる経営基盤を築くことが必要です。その中心は人材であり、多様な人材がお互いの考え方を尊重し、同じ目標に向けて最大限の力を発揮できる組織として成長戦略を実現していくことが重要と考えています。多様な人材が活躍できる組織であるために、経営戦略と連動した人材戦略の展開、従業員一人ひとりの自律的な成長やキャリア形成を促進する人材育成体系・制度の構築、多様な人材が働きやすい社内環境の整備に取り組んでいます。
c)人材戦略に関するガバナンス
経営戦略と人材戦略の連動を図るため、企業価値向上戦略会議の中に全社人材部会を位置付けています。四半期に1回以上の頻度で継続的に開催しています。運営体制としては、人事部所管執行役員が部会長、人事部長が副部会長となり、人材の適所適材の配置を推進するとともに、次世代経営層や次期管理者を計画的に育成するなど、人材の確保・育成と活用に関わる全社横断的な人材戦略に係る議論をしています。
d)人材戦略
「2030年のありたい姿」を実現するため、絶えず変化し続ける市場環境に適応し、持続可能な成長を遂げる企業へと進化していく必要があると考えています。その重要な鍵となるのが、継続的に「挑戦」・「変革」・「成長」ができる企業風土の実現です。この実現のためには、従業員一人ひとりの職務と職責に見合った報酬を実現し、一人ひとりの可能性を最大限に引き出していくことが重要と考えています。
具現化の一歩として、2023年7月に総合職人事制度(職務等級制度)を導入しました。また、この制度の目的達成のため、キャリアチャレンジ制度(社内公募制度)を2023年12月に導入しました。
(i) 人材育成の考え方
従業員一人ひとりの自律的な成長が、当社グループ全体の持続的な成長につながると考えています。新たなビジネスモデルの構築や変化する事業環境に対応するため、従業員一人ひとりに能力向上の機会を提供し、成長戦略を確実に実行できる人材を育成しています。
従業員の成長の基本は、人材育成を意識した適切な配置とともに、日常業務を通じて計画的・継続的に行われる実践的教育OJT(On-the-Job Training)と従業員個々人の自己啓発にあると考えています。OJTでは、仕事の知識やスキルを身に着けるだけでなく、業務を通じた人としての成長も促しています。OFF-JTでは、各種研修や講習会、eラーニング等の育成体系を構築し、資格取得の際には祝い金を支給するなど従業員の自律的な学びを促進しています。
目標管理制度では、従業員一人ひとりがキャリアについて自律的に考え、やりがいを持って仕事に取り組めるよう、中長期的な取り組みやチャレンジングな姿勢を評価するとともに、異動申告制度を含めたキャリア形成支援を積極的に行っています。また、上司と部下間のコミュニケーションの質を上げ、一人ひとりの能力を引き出すために、1on1ミーティングを展開しています。
<全社人材育成体系>

(ii) 社内環境整備
当社では、入社、結婚、出産、育児、介護、そして定年といった様々なライフステージの変化に応じた支援策や制度、そして研修等による情報提供の機会・相談の場を設けるなどを通じて、「働き方改革の推進とデジタルテクノロジー等を活用した、多様な人材が活躍できる職場づくり」、「従業員の心身の健康づくりの支援」、「従業員ニーズ・業務ニーズを考慮した能力向上、機会の多様化」に取り組んでいます。
具体的施策の1つとして、従業員の生活環境を支援するために各地域の実情を踏まえ、社有の社宅・寮もしくは借上げ社宅・寮を延べ1,190戸提供しています。また、社宅や寮を選択せず、持ち家や借家住まいを選択する社員については、住宅関連手当を支給し補助しています。また、住居の変更を伴う異動の際の車両費用補助や持ち家取得の際の引っ越し雑費支給や、住宅取得の際の融資制度など、従業員が安心して働けるよう、負担を軽減する各種施策を実施しています。
・エンゲージメント
当社では、年に一度、従業員意識調査を実施しています。この調査を通じ、従業員一人ひとりの意識や意欲、満足度に関するデータを収集し、それらを経営施策の改善に活かすことを目指しています。
2023年11月~12月にかけて実施した最新の調査では、「全体的なエンゲージメント」、「業務負荷・ワークライフバランス」、「職場環境」、「上司との関係」、「ダイバーシティ」の項目に関しては概ね他社水準と遜色ないことが明らかになりました。特にコンプライアンスに関して、当社は良好な水準を保っています。一方で仕事内容や人事制度に関しては改善の余地があることが分かっています。
また、調査結果からは、従業員が会社への誇りや愛着を感じていること、良好な上司と部下の関係が築かれていること、業務目標の挑戦性が高く、チャレンジを歓迎する組織風土があることを確認しています。これらは当社の強みとして維持していくべき点と捉えています。
一方で、改善が求められる領域に対しては、具体的なアクションにつなげていきます。具体的には、「仕事のやりがい」を高めるために、管理職社員が適正な目標を立て部下に展開することなどを示した管理職社員対象の研修(マネジメント研修人事評価編)や、従業員がキャリア目標を描きやすいように上位管理職の職務記述書の公開などを実施しました。また、今後は経営層と社員間のコミュニケーションの強化や、成長と意欲の向上に向けた人事施策の見直しの検討を進めていきます。これらの取り組みを通じて、従業員のエンゲージメントを高め、職場環境を改善していくことで、当社は持続可能な成長を達成し、社会に貢献していく企業をめざします。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)
従業員一人ひとりが持つ視点や考え方は様々であり、多様なメンバーの違いを受け入れ、認め合い、特性を活かしながら、公平な機会のもと、多様な人材がお互いを尊重し協働できる職場環境を築くこと(DE&I)が必要です。また、性別・国籍・年齢といった目に見える属性の多様化に加えて、能力や経験の多様化も進めることで、革新的なアイデアが生まれ、組織の柔軟性と競争力が向上します。そして、これが新たな価値創造へとつながり、当社に変革をもたらす原動力になると考えています。
当社ではDE&Iを推進する中で、ジェンダーバランス(女性活躍)への取り組み、障害者雇用の推進と定着支援、外国人従業員の拡充、性的マイノリティ(LGBTQ+)理解への取り組みを進めています。
特に女性活躍推進については、管理職社員への登用、生産現場や鉱山現場などにおける勤務のほか、国内拠点のみならず海外拠点への駐在など、女性の活躍の場を拡大することに取り組んでいます。また、「2030年のありたい姿」では、女性管理職社員数を50名、女性従業員比率を20%以上とすることを目標としており、これに加え、2030年までに女性役員を4名登用することも目標に設定しました。これらの達成に向けて、定期・キャリア採用における女性採用比率の目標値設定、次世代リーダー育成を目的とした女性社員外部研修への派出、役員と女性管理職社員との懇談会の開催などを実施しています。当たり前に女性が活躍する環境づくりを進めるために当事者の声を経営に反映し、また男性の意識改革も進めています。
・健康経営
当社グループでは、労働安全衛生の観点から従来より役員・従業員の安全と健康の確保に優先的に取り組んできました。当社グループで働くすべての人がより健康で活き活きと働けるよう、2022年8月に「住友金属鉱山グループ健康経営方針」を制定し、同年10月に中長期的な取り組みと目標を定めた「従業員の健康づくり推進ロードマップ」と単年度ベースでの「健康経営推進計画」を策定しました。これらの計画を踏まえ、住友金属鉱山健康保険組合とも協力し、効果的な心身の健康維持・増進施策を展開しています。従業員に対しては、生活習慣病発生リスクと肥満リスク、女性の健康などをテーマとした健康セミナーや、メンタルヘルス研修(セルフケア・ラインケア)を定期的に開催し、健康管理支援システム(スマートフォンアプリ)を活用したウォーキングイベントも実施しています。各種検診・人間ドック・脳ドックについては、費用の全額や一部を補助しており、人間ドック受診時は健康管理休暇(1年につき最大2日)を取得することもできます。また、禁煙施策として、喫煙所の削減や希望者にオンライン禁煙プログラムを提供しています。
2023年3月には、経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人認定制度」において「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定され、継続的に認定を受けています。
⑧ステークホルダーとの対話
a)2030年のありたい姿
「世界の非鉄リーダー」であると理解され、共感される企業
b)方針・考え方
社会課題の解決に向けた2030年のありたい姿の実現には、ステークホルダーから信頼を得ることが必要です。多様なステークホルダーに当社グループを等身大に正しく理解いただき、さらに、目指している「世界の非鉄リーダー」として共感されるよう取り組んでいきます。また、当社グループでは、影響を与え、あるいは影響を受けるステークホルダーを「顧客」「株主」「従業員」「地域住民」「債権者」「ビジネスパートナー」「NGO、NPO」及び「行政」と定義し、ステークホルダーごとにあるべき姿の目標を定め、その実現に向けて様々な取り組みを進めています。
⑨地域社会との共存共栄
a)2030年のありたい姿
地域社会の一員として地域の発展に貢献し信頼を得る企業
b)方針・考え方
特に鉱業、製錬業における開発は、やむを得ず移転をお願いするなど地域住民の生活に大きな影響をもたらします。当社グループは、事業進出している地域においてコミュニティとの対話をもとに、そこにどのような課題があるのか、その解決にどう貢献できるのかを考えていくことが重要だと捉えています。そのうえでニーズに応じて雇用や現地サプライヤーからの調達などにより地域経済の活性化に寄与していくとともに、地震や台風といった大規模災害の現地支援を継続して行っていきます。
⑩先住民の権利
a)2030年のありたい姿
先住民の伝統と文化を理解し尊重する企業
b)方針・考え方
鉱山開発や製錬事業においては、環境や地域社会へ及ぼす影響が大きいことから、一般に弱い立場であるその土地で暮らす先住民の権利を侵害するおそれがあります。そのため先住民の理解と信頼を得ながら事業を進めることが大前提であると考えます。「先住民族の権利に関する国際連合宣言(UNDRIP)」などの国際規範を尊重し、地元行政などの関係するステークホルダーとも協力しながら、先住民の伝統と文化を理解したうえで対話を続けていきます。
⑪サプライチェーンにおける人権
a)2030年のありたい姿
サプライチェーン全体でサステナビリティ調達に取り組んでいる企業
b)方針・考え方
当社グループはステークホルダーと連携し持続可能なサプライチェーン構築を目指しています。国際規範に基づく当社グループの「サステナビリティ調達方針」に則り、サプライチェーンにおける「人権・労働」「コンプライアンス」「品質保証」「環境・地域社会」に関するリスクを把握し問題があれば是正します。特に鉱物調達においては、児童労働などの人権侵害や環境汚染といった負の影響を及ぼすおそれのある鉱物の調達を行わないよう、当社グループの「責任ある鉱物調達に関する方針」に則り経済協力開発機構(OECD)のガイダンスを尊重し取り組みます。