有価証券報告書-第74期(平成29年7月1日-平成30年6月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(平成29年7月1日から平成30年6月30日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に個人消費に持ち直しの動きがみられ、緩やかな回復基調が続きました。一方、海外経済については米国・欧州に端を発して世界的にみられる政策の不確実性やアジア経済の先行きに留意する必要があるものの、景気は緩やかに回復しております。
当社グループを取り巻く経営環境は、コンサルタント国内事業では公共事業における防災・減災やインフラ老朽化対策、コンサルタント海外事業ではわが国政府によるインフラシステム輸出戦略の推進、電力エンジニアリング事業では電力流通設備の更新、都市空間事業ではBDP HOLDINGS LIMITEDおよびその子会社(以下、総称して「BDP社」)の主要地域である英国における公共施設の新築・改修などの需要がそれぞれ堅調に推移いたしました。
このような状況の下で、当社グループは、中期経営計画NK-AIM(2015年7月から2018年6月まで)に基づき、「主力3事業の持続的成長」、「新事業の創出と拡大」および「自律と連携」を基本方針として、「グローバル展開の一層の進化」「主力事業の深化による一層の業域拡大と収益性の向上」「新事業領域の創出に向けて総合技術力の真価を発揮」の3つの重点課題に取り組んでまいりました。また、これらを実現するための全社共通施策として、「次世代基幹技術の開発と生産性のさらなる向上」「人財確保と育成の強化」「コラボレーションの促進とコーポレートガバナンスの強化」を積極的に推進してまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、受注高は大型案件が寄与した前期に比較して11.1%減の104,350百万円となりましたが、売上高は前期比4.6%増の106,023百万円、営業利益は前期比20.1%増の6,561百万円、経常利益は前期比12.8%増の6,721百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比38.5%増の4,555百万円となりました。
なお、当社グループは当連結会計年度より、売上計上基準を原則として完成基準から進行基準に変更しておりますが、これに伴う前連結会計年度以前への遡及処理は行っておりませんので、前連結会計年度については、従来の完成基準に従った数値を前提として、当連結会計年度との比較を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] (会計方針の変更)および(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
また、平成30年4月に、分散型エネルギーを活用した発電とエネルギーマネジメントを事業領域とするエネルギー事業部を新設したことにより、報告セグメントに「エネルギー事業」を追加しております。
当社グループのセグメントごとの経営成績は次のとおりです。
[コンサルタント国内事業]
コンサルタント国内事業では、重点事業の設定による事業領域とシェアの拡大、業務プロセスの改革による品質と収益性の向上およびアライアンスの積極的な活用を推進してまいりました。
以上の結果、受注高は前期比0.5%増の48,529百万円となりました。また、売上高は前期比7.1%増の46,595百万円、営業利益は前期比29.7%増の4,279百万円、経常利益は前期比25.5%増の4,140百万円となりました。
[コンサルタント海外事業]
コンサルタント海外事業では、地域担当責任者を中心とした営業戦略機能の向上、生産体制の強化、大型案件の収益管理や安全・危機管理などの基盤整備、グループ会社の能力強化およびグループ会社との協業を推進してまいりました。
以上の結果、受注高は大型案件が寄与した前期に比較して35.7%減の26,716百万円となりましたが、売上高は前期比18.0%増の28,889百万円、営業利益は前期比40.4%増の2,649百万円、経常利益は前期比36.4%増の2,417百万円となりました。
[電力エンジニアリング事業]
電力エンジニアリング事業では、徹底したコストダウンによる価格競争力の向上とコスト削減提案をはじめとする営業力の強化、コンサルティング・製造・工事分野の融合・連携、製品・技術開発の推進および機電コンサルタント部門の強化拡大を推進してまいりました。
以上の結果、受注高は前期比13.2%増の15,943百万円となりましたが、売上高は前連結会計年度末における受注残高が例年より少なかったこと、および次期繰越案件の増加に伴い、前期比10.3%減の15,762百万円、営業利益は前期比30.2%減の1,873百万円、経常利益は前期比25.0%減の1,987百万円となりました。
[都市空間事業]
都市空間事業では、BDP社による英国での事業の拡大およびアジア地域でのセグメントを超えたグループ会社間の連携により、都市開発・建築分野の業容拡大を推進してまいりました。
以上の結果、受注高は前期比4.5%減の12,855百万円となりました。また、売上高は前期比9.1%減の13,040百万円となりましたが、営業利益は前期比113.8%増の173百万円、経常利益は前期比240.4%増の197百万円となりました。
なお、前連結会計年度にBDP社の決算期変更を行ったことに伴い、前連結会計年度にはBDP社の15ヶ月分の業績を連結しております。
[エネルギー事業]
エネルギー事業では、国内外における水力発電などの再生可能エネルギーを中心とする分散電源の開発・運営および電力系統の周波数・需給調整を行うサービスや省エネルギーサービスなどのエネルギーマネジメント事業を推進してまいりました。
以上の結果、受注高は179百万円、売上高は354百万円、営業損失は18百万円、経常損失は52百万円となりました。
[不動産賃貸事業]
不動産賃貸事業の売上高は前期比7.1%減の440百万円となりましたが、営業利益および経常利益は前期比0.6%増の403百万円となりました。
当連結会計年度の財政状態は、総資産は114,506百万円となり、前連結会計年度末と比較して641百万円の増加となりました。
資産の部では、流動資産は55,258百万円となり、前連結会計年度末と比較して459百万円の増加となりました。これは、現金及び預金の3,201百万円の減少、仕掛品の3,784百万円の減少等があった一方、受取手形及び売掛金の8,123百万円の増加等があったことが主な要因です。
固定資産は59,248百万円となり、前連結会計年度末と比較して181百万円の増加となりました。これは、土地の1,050百万円の減少、のれんの500百万円の減少、投資有価証券の1,314百万円の減少、長期貸付金の665百万円の減少等があった一方、機械装置及び運搬具の907百万円の増加、本社ビル建替え等による建設仮勘定の2,704百万円の増加等があったことが主な要因です。
負債の部では、流動負債は28,441百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,899百万円の減少となりました。これは、賞与引当金の494百万円の増加等があった一方、前受金の2,103百万円の減少等があったことが主な要因です。
固定負債は、26,615百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,034百万円の減少となりました。これは、繰延税金負債の524百万円の増加等があった一方、長期借入金の2,479百万円の減少等があったことが主な要因です。
純資産の部は、59,449百万円となり、前連結会計年度末と比較して4,575百万円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益4,555百万円、配当金の支払い1,192百万円等が主な要因です。
以上の結果、自己資本比率は51.0%となり前連結会計年度末と比較して3.1ポイント上昇しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、15,233百万円となり、前期末に比べて1,849百万円減少しました。その主な要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益7,165百万円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係わる債権・債務の加減を行った結果、営業活動によるキャッシュフローは602百万円の支出(前期は6,376百万円の収入)となりました。これは主にたな卸資産の減少、仕入債務の増加等の増加要因に対し、法人税等支払額の増加、前受金の減少等の減少要因が上回ったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、977百万円の収入(前期は4,172百万円の支出)となりました。これは、主に有価証券の売却による収入、有形固定資産の売却による収入等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,062百万円の支出(前期は4,846百万円の収入)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出等によるものであります。
なお、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注5)平成30年6月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率とインタレスト・カバレッジ・レシオはマイナスとなるため、「-」で表示しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 受注実績
(注) 1 当連結会計年度より連結子会社としたMYANMAR KOEI INTERNATIONAL LTD.と(株)DSIの連結開始時の受注残高を含めております。
2 前連結会計年度より連結子会社としたシステム科学コンサルタンツ(株)の連結開始時の受注残高を前連結会計年度の受注高に含めて前年同期比を算出しております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4 上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引および振替高は含まれておりません。
b. 売上実績
(注) 1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4 主な相手先別の売上実績及び総売上実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当社グループは中期経営計画NK-AIMの最終年度にあたる当連結会計年度の経営成績目標を売上高1,140億円、営業利益77億円、ROE(自己資本当期純利益率)8.7%としておりました。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高が計画比7.0%減の1,060億円、営業利益が計画比14.8%減の65億円となりました。また親会社株主に帰属する当期純利益が計画比7.0%減の45億円となり、これに伴いROE(自己資本当期純利益率)が計画比0.6ポイント減の8.1%となりました。これは主として電力エンジニアリング事業における水力機器・装置案件の受注時期遅延による売上減および変電制御装置案件の受注減が影響したことによるものです。
セグメント別の経営成績は、コンサルタント国内事業では、売上高は前期からの繰越受注高の増加と売上計上基準の変更の影響で前期を上回りましたが、計画比1.3%減となりました。営業利益は売上計上基準の変更の影響および品質向上による不採算案件の減少により、計画比22.3%増となりました。コンサルタント海外事業では、売上高は売上計上基準の変更の影響で前期を上回りましたが、大型案件の契約時期延期の影響により、計画比9.2%減となりました。営業利益は売上計上基準の変更の影響により増益となり、計画比10.4%増となりました。電力エンジニアリング事業では、売上高は水力機器・装置案件の受注時期が遅延したことにより、計画比25.6%減となりました。営業利益は収益性の高い分野の減収とコスト削減要請による収益性の低下により、計画比46.5%減となりました。都市空間事業では、売上高はBDP社の前期が15ヶ月決算のため前期を下回りましたが、計画比8.7%増となりました。営業利益は英国内での事業の好調により増益となり、計画比247.6%増となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、コンサルタント国内事業およびコンサルタント海外事業におきましては、国内の官公庁・地方公共団体からの受注およびわが国ODA(政府開発援助)予算に基づく案件の受注の割合(依存度)が高く、コンサルタント国内事業では公共投資の動向に、コンサルタント海外事業ではODA予算の動向に影響を受ける傾向があります。
電力エンジニアリング事業におきましては、東京電力パワーグリッド(株)に対する売上高の割合(依存度)が高く、同社の電力設備投資等の動向に影響を受ける傾向があります。
当社グループの資本の財源および資金の流動性について、事業活動を遂行するための適切な資金確保および健全な財務体質を維持することを目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。必要な運転資金、設備投資および投融資の財源は、主として営業キャッシュ・フローと金融機関からの借入によります。平成30年6月30日現在、長期借入金残高は209億85百万円であります。また、資金の流動性については、事業規模に応じた適正な手元資金の水準を維持するとともに金融上のリスクに対応するため主要取引銀行と当座貸越およびコミットライン契約を締結することにより手元流動性を確保しており、金融機関との間で総額365億円の契約を締結しております。本契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
今後の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは新中期経営計画「NK-Innovation 2021」を策定し、2021年6月期の経営成績目標を1,400億円、営業利益126億円、ROE(自己資本当期純利益率)12.7%としております。
なお、当社グループは事業のグローバル展開とそれに伴う海外売上高比率の増加が見込まれるため、グループ内会計基準の統一による経営基盤の強化や財務諸表の国際的な比較可能性の向上、開示情報の充実、今後のM&A等を含めた適切な資産評価を目指し、国際財務報告基準(IFRS)の導入を予定しております。2021年6月期の経営成績目標は国際財務報告基準(IFRS)の導入を想定した目標です。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(平成29年7月1日から平成30年6月30日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の着実な改善を背景に個人消費に持ち直しの動きがみられ、緩やかな回復基調が続きました。一方、海外経済については米国・欧州に端を発して世界的にみられる政策の不確実性やアジア経済の先行きに留意する必要があるものの、景気は緩やかに回復しております。
当社グループを取り巻く経営環境は、コンサルタント国内事業では公共事業における防災・減災やインフラ老朽化対策、コンサルタント海外事業ではわが国政府によるインフラシステム輸出戦略の推進、電力エンジニアリング事業では電力流通設備の更新、都市空間事業ではBDP HOLDINGS LIMITEDおよびその子会社(以下、総称して「BDP社」)の主要地域である英国における公共施設の新築・改修などの需要がそれぞれ堅調に推移いたしました。
このような状況の下で、当社グループは、中期経営計画NK-AIM(2015年7月から2018年6月まで)に基づき、「主力3事業の持続的成長」、「新事業の創出と拡大」および「自律と連携」を基本方針として、「グローバル展開の一層の進化」「主力事業の深化による一層の業域拡大と収益性の向上」「新事業領域の創出に向けて総合技術力の真価を発揮」の3つの重点課題に取り組んでまいりました。また、これらを実現するための全社共通施策として、「次世代基幹技術の開発と生産性のさらなる向上」「人財確保と育成の強化」「コラボレーションの促進とコーポレートガバナンスの強化」を積極的に推進してまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、受注高は大型案件が寄与した前期に比較して11.1%減の104,350百万円となりましたが、売上高は前期比4.6%増の106,023百万円、営業利益は前期比20.1%増の6,561百万円、経常利益は前期比12.8%増の6,721百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比38.5%増の4,555百万円となりました。
なお、当社グループは当連結会計年度より、売上計上基準を原則として完成基準から進行基準に変更しておりますが、これに伴う前連結会計年度以前への遡及処理は行っておりませんので、前連結会計年度については、従来の完成基準に従った数値を前提として、当連結会計年度との比較を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] (会計方針の変更)および(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
また、平成30年4月に、分散型エネルギーを活用した発電とエネルギーマネジメントを事業領域とするエネルギー事業部を新設したことにより、報告セグメントに「エネルギー事業」を追加しております。
当社グループのセグメントごとの経営成績は次のとおりです。
[コンサルタント国内事業]
コンサルタント国内事業では、重点事業の設定による事業領域とシェアの拡大、業務プロセスの改革による品質と収益性の向上およびアライアンスの積極的な活用を推進してまいりました。
以上の結果、受注高は前期比0.5%増の48,529百万円となりました。また、売上高は前期比7.1%増の46,595百万円、営業利益は前期比29.7%増の4,279百万円、経常利益は前期比25.5%増の4,140百万円となりました。
[コンサルタント海外事業]
コンサルタント海外事業では、地域担当責任者を中心とした営業戦略機能の向上、生産体制の強化、大型案件の収益管理や安全・危機管理などの基盤整備、グループ会社の能力強化およびグループ会社との協業を推進してまいりました。
以上の結果、受注高は大型案件が寄与した前期に比較して35.7%減の26,716百万円となりましたが、売上高は前期比18.0%増の28,889百万円、営業利益は前期比40.4%増の2,649百万円、経常利益は前期比36.4%増の2,417百万円となりました。
[電力エンジニアリング事業]
電力エンジニアリング事業では、徹底したコストダウンによる価格競争力の向上とコスト削減提案をはじめとする営業力の強化、コンサルティング・製造・工事分野の融合・連携、製品・技術開発の推進および機電コンサルタント部門の強化拡大を推進してまいりました。
以上の結果、受注高は前期比13.2%増の15,943百万円となりましたが、売上高は前連結会計年度末における受注残高が例年より少なかったこと、および次期繰越案件の増加に伴い、前期比10.3%減の15,762百万円、営業利益は前期比30.2%減の1,873百万円、経常利益は前期比25.0%減の1,987百万円となりました。
[都市空間事業]
都市空間事業では、BDP社による英国での事業の拡大およびアジア地域でのセグメントを超えたグループ会社間の連携により、都市開発・建築分野の業容拡大を推進してまいりました。
以上の結果、受注高は前期比4.5%減の12,855百万円となりました。また、売上高は前期比9.1%減の13,040百万円となりましたが、営業利益は前期比113.8%増の173百万円、経常利益は前期比240.4%増の197百万円となりました。
なお、前連結会計年度にBDP社の決算期変更を行ったことに伴い、前連結会計年度にはBDP社の15ヶ月分の業績を連結しております。
[エネルギー事業]
エネルギー事業では、国内外における水力発電などの再生可能エネルギーを中心とする分散電源の開発・運営および電力系統の周波数・需給調整を行うサービスや省エネルギーサービスなどのエネルギーマネジメント事業を推進してまいりました。
以上の結果、受注高は179百万円、売上高は354百万円、営業損失は18百万円、経常損失は52百万円となりました。
[不動産賃貸事業]
不動産賃貸事業の売上高は前期比7.1%減の440百万円となりましたが、営業利益および経常利益は前期比0.6%増の403百万円となりました。
当連結会計年度の財政状態は、総資産は114,506百万円となり、前連結会計年度末と比較して641百万円の増加となりました。
資産の部では、流動資産は55,258百万円となり、前連結会計年度末と比較して459百万円の増加となりました。これは、現金及び預金の3,201百万円の減少、仕掛品の3,784百万円の減少等があった一方、受取手形及び売掛金の8,123百万円の増加等があったことが主な要因です。
固定資産は59,248百万円となり、前連結会計年度末と比較して181百万円の増加となりました。これは、土地の1,050百万円の減少、のれんの500百万円の減少、投資有価証券の1,314百万円の減少、長期貸付金の665百万円の減少等があった一方、機械装置及び運搬具の907百万円の増加、本社ビル建替え等による建設仮勘定の2,704百万円の増加等があったことが主な要因です。
負債の部では、流動負債は28,441百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,899百万円の減少となりました。これは、賞与引当金の494百万円の増加等があった一方、前受金の2,103百万円の減少等があったことが主な要因です。
固定負債は、26,615百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,034百万円の減少となりました。これは、繰延税金負債の524百万円の増加等があった一方、長期借入金の2,479百万円の減少等があったことが主な要因です。
純資産の部は、59,449百万円となり、前連結会計年度末と比較して4,575百万円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益4,555百万円、配当金の支払い1,192百万円等が主な要因です。
以上の結果、自己資本比率は51.0%となり前連結会計年度末と比較して3.1ポイント上昇しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、15,233百万円となり、前期末に比べて1,849百万円減少しました。その主な要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益7,165百万円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係わる債権・債務の加減を行った結果、営業活動によるキャッシュフローは602百万円の支出(前期は6,376百万円の収入)となりました。これは主にたな卸資産の減少、仕入債務の増加等の増加要因に対し、法人税等支払額の増加、前受金の減少等の減少要因が上回ったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、977百万円の収入(前期は4,172百万円の支出)となりました。これは、主に有価証券の売却による収入、有形固定資産の売却による収入等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,062百万円の支出(前期は4,846百万円の収入)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出等によるものであります。
なお、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 平成26年 6月期 | 平成27年 6月期 | 平成28年 6月期 | 平成29年 6月期 | 平成30年 6月期 | |
| 自己資本比率(%) | 62.4 | 62.6 | 50.6 | 47.9 | 51.0 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 50.0 | 43.7 | 23.6 | 43.3 | 37.3 |
| キャッシュ・フロー対有利子 負債比率(年) | 1.8 | 1.9 | 46.1 | 3.6 | - |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 29.3 | 18.0 | 7.1 | 31.7 | - |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注5)平成30年6月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率とインタレスト・カバレッジ・レシオはマイナスとなるため、「-」で表示しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 受注実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度(百万円) | 前年同期比(%) |
| 当期受注高 | ||
| コンサルタント国内事業 | 48,529 | 0.5 |
| コンサルタント海外事業 | (注1)26,716 | (注2)△35.7 |
| 電力エンジニアリング事業 | 15,943 | 13.2 |
| 都市空間事業 | 12,855 | △4.5 |
| エネルギー事業 | 179 | - |
| 不動産賃貸事業 | - | - |
| その他 | (注1) 126 | 126.2 |
| 当期受注高合計 | 104,350 | △11.1 |
| 為替影響額 | ||
| コンサルタント国内事業 | - | - |
| コンサルタント海外事業 | △1,036 | △147.6 |
| 電力エンジニアリング事業 | 0 | - |
| 都市空間事業 | △57 | △96.6 |
| エネルギー事業 | - | - |
| 不動産賃貸事業 | - | - |
| その他 | - | - |
| 為替影響額合計 | △1,093 | △319.3 |
| 受注残高 | ||
| コンサルタント国内事業 | 31,078 | △0.8 |
| コンサルタント海外事業 | 66,345 | △7.0 |
| 電力エンジニアリング事業 | 13,034 | 34.3 |
| 都市空間事業 | 13,488 | △1.5 |
| エネルギー事業 | 116 | - |
| 不動産賃貸事業 | - | - |
| その他 | 24 | 0.9 |
| 受注残高合計 | 124,087 | △1.6 |
(注) 1 当連結会計年度より連結子会社としたMYANMAR KOEI INTERNATIONAL LTD.と(株)DSIの連結開始時の受注残高を含めております。
2 前連結会計年度より連結子会社としたシステム科学コンサルタンツ(株)の連結開始時の受注残高を前連結会計年度の受注高に含めて前年同期比を算出しております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4 上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引および振替高は含まれておりません。
b. 売上実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度(百万円) | 前年同期比(%) |
| コンサルタント国内事業 | 46,595 | 7.1 |
| コンサルタント海外事業 | 28,889 | 18.0 |
| 電力エンジニアリング事業 | 15,762 | △10.3 |
| 都市空間事業 | 13,040 | △9.1 |
| エネルギー事業 | 354 | - |
| 不動産賃貸事業 | 440 | △7.1 |
| その他 | 940 | 1.0 |
| 合計 | 106,023 | 4.6 |
(注) 1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4 主な相手先別の売上実績及び総売上実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 国土交通省 | 14,671 | 14.5 | 16,187 | 15.3 |
| (独)国際協力機構 | 9,581 | 9.5 | 13,780 | 13.0 |
| 東京電力パワーグリッド(株) | 9,148 | 9.0 | 5,606 | 5.3 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当社グループは中期経営計画NK-AIMの最終年度にあたる当連結会計年度の経営成績目標を売上高1,140億円、営業利益77億円、ROE(自己資本当期純利益率)8.7%としておりました。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高が計画比7.0%減の1,060億円、営業利益が計画比14.8%減の65億円となりました。また親会社株主に帰属する当期純利益が計画比7.0%減の45億円となり、これに伴いROE(自己資本当期純利益率)が計画比0.6ポイント減の8.1%となりました。これは主として電力エンジニアリング事業における水力機器・装置案件の受注時期遅延による売上減および変電制御装置案件の受注減が影響したことによるものです。
セグメント別の経営成績は、コンサルタント国内事業では、売上高は前期からの繰越受注高の増加と売上計上基準の変更の影響で前期を上回りましたが、計画比1.3%減となりました。営業利益は売上計上基準の変更の影響および品質向上による不採算案件の減少により、計画比22.3%増となりました。コンサルタント海外事業では、売上高は売上計上基準の変更の影響で前期を上回りましたが、大型案件の契約時期延期の影響により、計画比9.2%減となりました。営業利益は売上計上基準の変更の影響により増益となり、計画比10.4%増となりました。電力エンジニアリング事業では、売上高は水力機器・装置案件の受注時期が遅延したことにより、計画比25.6%減となりました。営業利益は収益性の高い分野の減収とコスト削減要請による収益性の低下により、計画比46.5%減となりました。都市空間事業では、売上高はBDP社の前期が15ヶ月決算のため前期を下回りましたが、計画比8.7%増となりました。営業利益は英国内での事業の好調により増益となり、計画比247.6%増となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、コンサルタント国内事業およびコンサルタント海外事業におきましては、国内の官公庁・地方公共団体からの受注およびわが国ODA(政府開発援助)予算に基づく案件の受注の割合(依存度)が高く、コンサルタント国内事業では公共投資の動向に、コンサルタント海外事業ではODA予算の動向に影響を受ける傾向があります。
電力エンジニアリング事業におきましては、東京電力パワーグリッド(株)に対する売上高の割合(依存度)が高く、同社の電力設備投資等の動向に影響を受ける傾向があります。
当社グループの資本の財源および資金の流動性について、事業活動を遂行するための適切な資金確保および健全な財務体質を維持することを目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。必要な運転資金、設備投資および投融資の財源は、主として営業キャッシュ・フローと金融機関からの借入によります。平成30年6月30日現在、長期借入金残高は209億85百万円であります。また、資金の流動性については、事業規模に応じた適正な手元資金の水準を維持するとともに金融上のリスクに対応するため主要取引銀行と当座貸越およびコミットライン契約を締結することにより手元流動性を確保しており、金融機関との間で総額365億円の契約を締結しております。本契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
今後の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは新中期経営計画「NK-Innovation 2021」を策定し、2021年6月期の経営成績目標を1,400億円、営業利益126億円、ROE(自己資本当期純利益率)12.7%としております。
なお、当社グループは事業のグローバル展開とそれに伴う海外売上高比率の増加が見込まれるため、グループ内会計基準の統一による経営基盤の強化や財務諸表の国際的な比較可能性の向上、開示情報の充実、今後のM&A等を含めた適切な資産評価を目指し、国際財務報告基準(IFRS)の導入を予定しております。2021年6月期の経営成績目標は国際財務報告基準(IFRS)の導入を想定した目標です。