訂正有価証券報告書-第76期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2019年7月1日から2020年6月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあります。一方、海外経済についても極めて厳しい状況の中、経済活動の再開が段階的に進められておりますが、感染症の動向や金融資本市場の変動等による影響を注視する必要があります。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症に対して、従業員とその家族の生命健康を守り、顧客への影響を最小限に抑えるため、積極的防衛態勢をもって感染予防のための措置を講ずることとしております。また、新しい生活様式による行動変容によりコロナ禍に適応し、テレワークをはじめとする働き方改革および関連するインフラ、各種ルールの整備を進め、ワークライフバランスの実現および生産性の向上を図ることを社内の対応方針としております。
当社グループを取り巻く経営環境については、コンサルタント国内事業では公共事業における国土強靭化やインフラ老朽化対策、コンサルタント海外事業ではわが国政府による質の高いインフラシステム輸出戦略が推進されており、電力エンジニアリング事業では電力流通設備の更新需要、都市空間事業ではアジア各国における都市化の進展に伴うインフラ整備需要、エネルギー事業では低炭素化や分散電源化に伴う再生可能エネルギーの需要がそれぞれ堅調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症の影響による経営環境の変化に十分注意する必要があります。喫緊の課題として、事業活動に係る不確実性に備えるべく、長期資金の借入や、運転資金借入枠およびコミットメントラインの増額等、手元資金の十分な確保を行う対応を進めております。
このような状況の下で、当社グループは、中期経営計画NK-Innovation 2021(2018年7月から2021年6月まで)に基づき、「グローバルなコンサルティング&エンジニアリングファームへと進化を続ける」を基本方針として、「鉄道分野の生産体制強化」「都市空間事業の海外展開」「エネルギー事業の確立」「コンサルティング事業での事業創生と海外展開」「電力エンジニアリング事業での製品開発と海外展開」の5つの事業戦略と、これらを実現するための全社共通施策である、「ワンストップ営業体制の構築」「技術と人財への投資」「グループガバナンスの強化」を推進してまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、特に第4四半期において新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、受注高は前期比19.9%増の141,632百万円、売上高は主にコンサルタント国内事業の良好な事業環境により、前期比3.3%増の112,214百万円となりましたが、営業利益は電力エンジニアリング事業における工事損失引当金繰入額の計上により前期比10.2%減の4,590百万円、営業外収益における固定資産売却益の計上という特殊要因の影響が大きかった前期と比較すると、経常利益は前期比17.6%減の4,603百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比17.8%減の2,726百万円となりました。
当社グループのセグメントごとの経営成績は次のとおりです。
[コンサルタント国内事業]
コンサルタント国内事業では、受注・生産体制の再構築による西日本地域の受注拡大、品質の確保・向上、働き方改革の推進や効率的な事業マネジメントによる経営基盤のさらなる強化に加え、主にコンサルタント海外事業と中央研究所との連携によるグローバル戦略の推進支援、インフラの価値向上のためのマネジメント技術を核とした新事業創出に取り組みました。
以上の結果、受注高は前期比6.3%増の56,184百万円、売上高は前期比3.5%増の51,333百万円となり、営業利益は前期比4.8%増の5,227百万円、経常利益は前期比3.6%増の5,154百万円となりました。
[コンサルタント海外事業]
コンサルタント海外事業では、鉄道・港湾・空港事業を中心とした要員の確保・育成、プロジェクト・マネジメント能力の向上、海外グループ会社人財の育成による生産体制の強化、収益管理・リスク管理・安全管理の徹底を図りました。また、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:官民連携)事業、民間事業に積極的に取り組みました。
以上の結果、受注高は前期比66.8%増の47,508百万円となりましたが、売上高は新型コロナウイルス感染症の影響に加え、グループ会社をめぐる市場環境変化により、前期比1.7%減の24,508百万円、営業利益は前期比18.7%減の684百万円となり、経常利益は前期比9.3%減の521百万円となりました。
[電力エンジニアリング事業]
電力エンジニアリング事業では、機電コンサルタント事業におけるグローバル展開を見据えた交通・運輸、維持管理など新領域への拡大の積極的な推進、エネルギー関連事業や維持管理ビジネスにおけるグループ連携強化、世界標準仕様の製品開発・技術開発の推進とともに、引き続き徹底したコストダウンによる価格競争力の向上と営業力の強化に取り組みました。
以上の結果、受注高は前期比28.7%増の19,829百万円となりましたが、需要の増加に対する生産能力の制約から、売上高は前期比4.7%減の15,747百万円となり、営業利益は特定の取引(立軸水力発電)に関わる案件の工事損失引当金繰入額396百万円の計上により前期比48.8%減の1,069百万円、経常利益は前期比49.7%減の1,030百万円となりました。
[都市空間事業]
都市空間事業では、英国市場の変化への対応に加え、シンガポールを拠点としたグループ内協業によりアジア市場への事業拡大、英連邦諸国市場への参入に取り組みました。
以上の結果、受注高は前期比12.9%減の17,874百万円となりましたが、前期に当社グループへ参加したQUADRANGLE社の業績寄与もあり、売上高は前期比18.2%増の18,160百万円、営業利益は前期比503.8%増の917百万円、経常利益は前期比540.8%増の730百万円となりました。
[エネルギー事業]
エネルギー事業では、再生可能エネルギーなどの発電事業の収益向上および民間資金によるPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)事業を含む新規案件の形成、欧州におけるエネルギーマネジメント事業の推進に取り組みました。
以上の結果、受注高は前期比78.3%減の156百万円、売上高は前期比65.1%増の1,187百万円となりましたが、事業投資の遅れにより計画を下回りました。海外エネルギーマネジメント事業においてまだ開発費用が先行していることから、営業損失は前期比4.9%増の383百万円となり、経常損失は前期比13.7%増の445百万円となりました。
[不動産賃貸事業]
不動産賃貸事業の売上高は前期比2.6%増の451百万円となりましたが、営業利益は前期比8.3%減の375百万円、経常利益は前期比48.4%減の377百万円となりました。
当連結会計年度の財政状態は、総資産は130,215百万円となり、前連結会計年度末と比較して17,040百万円の増加となりました。 資産の部では、流動資産は61,415百万円となり、前連結会計年度末と比較して8,969百万円の増加となりました。これは、受取手形及び売掛金9,109百万円の増加等があったことが主な要因です。 固定資産は68,800百万円となり、前連結会計年度末と比較して8,071百万円の増加となりました。これは、本社ビル建替えおよび在外子会社においてIFRS第16号を適用した影響等により有形固定資産10,873百万円の増加等があったことが主な要因です。 負債の部では、流動負債は45,500百万円となり、前連結会計年度末と比較して17,417百万円の増加となりました。これは、短期借入金13,000百万円および前受金1,321百万円の増加等があったことが主な要因です。 固定負債は、25,245百万円となり、前連結会計年度末と比較して358百万円の増加となりました。これは、長期借入金2,717百万円の減少等があった一方、在外子会社においてIFRS第16号を適用した影響によりリース債務3,004百万円の増加等があったことが主な要因です。 純資産の部は、59,470百万円となり、前連結会計年度末と比較して734百万円の減少となりました。これは、為替換算調整勘定の減少等によりその他の包括利益累計額602百万円の減少があったことが主な要因です。 以上の結果、自己資本比率は44.7%となり前連結会計年度末と比較して7.5ポイント低下しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、14,771百万円となり、前期末に比べて2,108百万円増加しました。その主な要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,821百万円の収入(前期は3,109百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益4,603百万円に加え、たな卸資産が3,918百万円減少した一方で、売上債権が9,322百万円増加したこと等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、7,463百万円の支出(前期は3,504百万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、6,937百万円の収入(前期は1,936百万円の支出)となりました。これは、主に短期借入金の増加等によるものであります。
なお、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5.2018年6月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率とインタレスト・カバレッジ・レシオはマイナスとなるため、「-」で表示しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 受注実績
(注) 1 前連結会計年度より連結子会社としたNIPPON KOEI MOZAMBIQUE, LIMITADAならびに(株)黒川紀章建築都市設計事務所およびQUADRANGLE ARCHITECTS LIMITEDの連結開始時の受注残高を含めて前年同期比を算出しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3 上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引および振替高は含まれておりません。
b. 売上実績
(注) 1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4 主な相手先別の売上実績および総売上実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態に関する認識および分析・検討内容については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご覧ください。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当社グループは中期経営計画NK-Innovation 2021の2年目にあたる当連結会計年度の経営成績目標を、新型コロナウイルス感染症の拡大や事業の進捗状況をふまえ、2020年5月14日に売上高115,800百万円、営業利益4,600百万円、ROE(自己資本当期純利益率)4.0%へと修正しております。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、受注高ではコンサルタント海外事業が好調に推移し、計画を上回ったものの、売上高はコンサルタント海外事業での新型コロナウイルス感染症の拡大による渡航制限等の影響で計画比96.9%の112,214百万円となりました。営業利益は、都市空間事業が成長した一方で、電力エンジニアリング事業における工事損失引当金の計上により計画比99.8%の4,590百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は計画比101.0%の2,726百万円となり、これに伴いROE(自己資本当期純利益率)は4.6%となりました。 セグメント別の経営成績は、コンサルタント国内事業では、国土強靭化に係る事業等が堅調に進捗し、売上高は計画比99.7%となり、営業利益は計画比98.6%となりました。コンサルタント海外事業では、新型コロナウイルス感染症による渡航制限等の影響で売上高は計画比88.2%となり、営業利益は計画比97.7%となりました。電力エンジニアリング事業では、工期延期や設計遅れ等により売上高は計画比94.3%、営業利益は特定の取引(立軸水力発電)に関わる案件の工事損失引当金の計上により計画比71.3%となりました。都市空間事業では、手持ち受注の順調な進捗および収益改善により、売上高は計画比103.8%となり、営業利益は計画比114.6%となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、コンサルタント国内事業およびコンサルタント海外事業におきましては、国内の官公庁・地方公共団体からの受注およびわが国ODA(政府開発援助)予算に基づく案件の受注の割合(依存度)が高く、コンサルタント国内事業では公共投資の動向に、コンサルタント海外事業ではODA予算の動向に影響を受ける傾向があります。また、電力エンジニアリング事業におきましては、同事業における東京電力パワーグリッド(株)への売上比率が高く、同社の電力設備投資等の動向に影響を受ける傾向があります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、事業活動を遂行するための適切な資金確保および健全な財務体質を維持することを目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。必要な運転資金、設備投資および投融資の財源は、主として営業キャッシュ・フローと金融機関からの借入によります。2020年6月30日現在、長期借入金残高は14,922百万円です。また、資金の流動性については、事業規模に応じた適正な手元資金の水準を維持するとともに金融上のリスクに対応するため主要取引銀行と当座貸越およびコミットメントライン契約を締結することにより手元流動性を確保しており、金融機関との間で総額36,500百万円の契約を締結しております。本契約に基づく当連結会計年度末の短期借入金残高は13,000百万円です。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に、また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りにつきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2019年7月1日から2020年6月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあります。一方、海外経済についても極めて厳しい状況の中、経済活動の再開が段階的に進められておりますが、感染症の動向や金融資本市場の変動等による影響を注視する必要があります。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症に対して、従業員とその家族の生命健康を守り、顧客への影響を最小限に抑えるため、積極的防衛態勢をもって感染予防のための措置を講ずることとしております。また、新しい生活様式による行動変容によりコロナ禍に適応し、テレワークをはじめとする働き方改革および関連するインフラ、各種ルールの整備を進め、ワークライフバランスの実現および生産性の向上を図ることを社内の対応方針としております。
当社グループを取り巻く経営環境については、コンサルタント国内事業では公共事業における国土強靭化やインフラ老朽化対策、コンサルタント海外事業ではわが国政府による質の高いインフラシステム輸出戦略が推進されており、電力エンジニアリング事業では電力流通設備の更新需要、都市空間事業ではアジア各国における都市化の進展に伴うインフラ整備需要、エネルギー事業では低炭素化や分散電源化に伴う再生可能エネルギーの需要がそれぞれ堅調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症の影響による経営環境の変化に十分注意する必要があります。喫緊の課題として、事業活動に係る不確実性に備えるべく、長期資金の借入や、運転資金借入枠およびコミットメントラインの増額等、手元資金の十分な確保を行う対応を進めております。
このような状況の下で、当社グループは、中期経営計画NK-Innovation 2021(2018年7月から2021年6月まで)に基づき、「グローバルなコンサルティング&エンジニアリングファームへと進化を続ける」を基本方針として、「鉄道分野の生産体制強化」「都市空間事業の海外展開」「エネルギー事業の確立」「コンサルティング事業での事業創生と海外展開」「電力エンジニアリング事業での製品開発と海外展開」の5つの事業戦略と、これらを実現するための全社共通施策である、「ワンストップ営業体制の構築」「技術と人財への投資」「グループガバナンスの強化」を推進してまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、特に第4四半期において新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、受注高は前期比19.9%増の141,632百万円、売上高は主にコンサルタント国内事業の良好な事業環境により、前期比3.3%増の112,214百万円となりましたが、営業利益は電力エンジニアリング事業における工事損失引当金繰入額の計上により前期比10.2%減の4,590百万円、営業外収益における固定資産売却益の計上という特殊要因の影響が大きかった前期と比較すると、経常利益は前期比17.6%減の4,603百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比17.8%減の2,726百万円となりました。
当社グループのセグメントごとの経営成績は次のとおりです。
[コンサルタント国内事業]
コンサルタント国内事業では、受注・生産体制の再構築による西日本地域の受注拡大、品質の確保・向上、働き方改革の推進や効率的な事業マネジメントによる経営基盤のさらなる強化に加え、主にコンサルタント海外事業と中央研究所との連携によるグローバル戦略の推進支援、インフラの価値向上のためのマネジメント技術を核とした新事業創出に取り組みました。
以上の結果、受注高は前期比6.3%増の56,184百万円、売上高は前期比3.5%増の51,333百万円となり、営業利益は前期比4.8%増の5,227百万円、経常利益は前期比3.6%増の5,154百万円となりました。
[コンサルタント海外事業]
コンサルタント海外事業では、鉄道・港湾・空港事業を中心とした要員の確保・育成、プロジェクト・マネジメント能力の向上、海外グループ会社人財の育成による生産体制の強化、収益管理・リスク管理・安全管理の徹底を図りました。また、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:官民連携)事業、民間事業に積極的に取り組みました。
以上の結果、受注高は前期比66.8%増の47,508百万円となりましたが、売上高は新型コロナウイルス感染症の影響に加え、グループ会社をめぐる市場環境変化により、前期比1.7%減の24,508百万円、営業利益は前期比18.7%減の684百万円となり、経常利益は前期比9.3%減の521百万円となりました。
[電力エンジニアリング事業]
電力エンジニアリング事業では、機電コンサルタント事業におけるグローバル展開を見据えた交通・運輸、維持管理など新領域への拡大の積極的な推進、エネルギー関連事業や維持管理ビジネスにおけるグループ連携強化、世界標準仕様の製品開発・技術開発の推進とともに、引き続き徹底したコストダウンによる価格競争力の向上と営業力の強化に取り組みました。
以上の結果、受注高は前期比28.7%増の19,829百万円となりましたが、需要の増加に対する生産能力の制約から、売上高は前期比4.7%減の15,747百万円となり、営業利益は特定の取引(立軸水力発電)に関わる案件の工事損失引当金繰入額396百万円の計上により前期比48.8%減の1,069百万円、経常利益は前期比49.7%減の1,030百万円となりました。
[都市空間事業]
都市空間事業では、英国市場の変化への対応に加え、シンガポールを拠点としたグループ内協業によりアジア市場への事業拡大、英連邦諸国市場への参入に取り組みました。
以上の結果、受注高は前期比12.9%減の17,874百万円となりましたが、前期に当社グループへ参加したQUADRANGLE社の業績寄与もあり、売上高は前期比18.2%増の18,160百万円、営業利益は前期比503.8%増の917百万円、経常利益は前期比540.8%増の730百万円となりました。
[エネルギー事業]
エネルギー事業では、再生可能エネルギーなどの発電事業の収益向上および民間資金によるPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)事業を含む新規案件の形成、欧州におけるエネルギーマネジメント事業の推進に取り組みました。
以上の結果、受注高は前期比78.3%減の156百万円、売上高は前期比65.1%増の1,187百万円となりましたが、事業投資の遅れにより計画を下回りました。海外エネルギーマネジメント事業においてまだ開発費用が先行していることから、営業損失は前期比4.9%増の383百万円となり、経常損失は前期比13.7%増の445百万円となりました。
[不動産賃貸事業]
不動産賃貸事業の売上高は前期比2.6%増の451百万円となりましたが、営業利益は前期比8.3%減の375百万円、経常利益は前期比48.4%減の377百万円となりました。
当連結会計年度の財政状態は、総資産は130,215百万円となり、前連結会計年度末と比較して17,040百万円の増加となりました。 資産の部では、流動資産は61,415百万円となり、前連結会計年度末と比較して8,969百万円の増加となりました。これは、受取手形及び売掛金9,109百万円の増加等があったことが主な要因です。 固定資産は68,800百万円となり、前連結会計年度末と比較して8,071百万円の増加となりました。これは、本社ビル建替えおよび在外子会社においてIFRS第16号を適用した影響等により有形固定資産10,873百万円の増加等があったことが主な要因です。 負債の部では、流動負債は45,500百万円となり、前連結会計年度末と比較して17,417百万円の増加となりました。これは、短期借入金13,000百万円および前受金1,321百万円の増加等があったことが主な要因です。 固定負債は、25,245百万円となり、前連結会計年度末と比較して358百万円の増加となりました。これは、長期借入金2,717百万円の減少等があった一方、在外子会社においてIFRS第16号を適用した影響によりリース債務3,004百万円の増加等があったことが主な要因です。 純資産の部は、59,470百万円となり、前連結会計年度末と比較して734百万円の減少となりました。これは、為替換算調整勘定の減少等によりその他の包括利益累計額602百万円の減少があったことが主な要因です。 以上の結果、自己資本比率は44.7%となり前連結会計年度末と比較して7.5ポイント低下しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、14,771百万円となり、前期末に比べて2,108百万円増加しました。その主な要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,821百万円の収入(前期は3,109百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益4,603百万円に加え、たな卸資産が3,918百万円減少した一方で、売上債権が9,322百万円増加したこと等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、7,463百万円の支出(前期は3,504百万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、6,937百万円の収入(前期は1,936百万円の支出)となりました。これは、主に短期借入金の増加等によるものであります。
なお、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2016年 6月期 | 2017年 6月期 | 2018年 6月期 | 2019年 6月期 | 2020年 6月期 | |
| 自己資本比率(%) | 50.6 | 47.9 | 51.2 | 52.2 | 44.7 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 23.6 | 43.3 | 37.5 | 32.4 | 32.8 |
| キャッシュ・フロー対有利子 負債比率(年) | 46.1 | 3.6 | - | 6.3 | 5.6 |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 7.1 | 31.7 | - | 11.7 | 6.6 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5.2018年6月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率とインタレスト・カバレッジ・レシオはマイナスとなるため、「-」で表示しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 受注実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度(百万円) | 前年同期比(%) |
| 当期受注高 | ||
| コンサルタント国内事業 | 56,184 | 6.3 |
| コンサルタント海外事業 | 47,508 | (注1)66.8 |
| 電力エンジニアリング事業 | 19,829 | 28.7 |
| 都市空間事業 | 17,874 | (注1)△12.9 |
| エネルギー事業 | 156 | △78.3 |
| 不動産賃貸事業 | - | - |
| その他 | 79 | △21.6 |
| 当期受注高合計 | 141,632 | 19.9 |
| 為替影響額 | ||
| コンサルタント国内事業 | - | - |
| コンサルタント海外事業 | △540 | 4.1 |
| 電力エンジニアリング事業 | - | - |
| 都市空間事業 | △542 | 44.7 |
| エネルギー事業 | △12 | - |
| 不動産賃貸事業 | - | - |
| その他 | - | - |
| 為替影響額合計 | △1,095 | 29.1 |
| 受注残高 | ||
| コンサルタント国内事業 | 34,080 | 7.3 |
| コンサルタント海外事業 | 88,840 | 31.0 |
| 電力エンジニアリング事業 | 22,059 | 47.0 |
| 都市空間事業 | 17,019 | △3.7 |
| エネルギー事業 | 34 | △93.5 |
| 不動産賃貸事業 | - | - |
| その他 | - | △100.0 |
| 受注残高合計 | 162,034 | 22.0 |
(注) 1 前連結会計年度より連結子会社としたNIPPON KOEI MOZAMBIQUE, LIMITADAならびに(株)黒川紀章建築都市設計事務所およびQUADRANGLE ARCHITECTS LIMITEDの連結開始時の受注残高を含めて前年同期比を算出しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3 上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引および振替高は含まれておりません。
b. 売上実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度(百万円) | 前年同期比(%) |
| コンサルタント国内事業 | 51,333 | 3.5 |
| コンサルタント海外事業 | 24,508 | △1.7 |
| 電力エンジニアリング事業 | 15,747 | △4.7 |
| 都市空間事業 | 18,160 | 18.2 |
| エネルギー事業 | 1,187 | 65.1 |
| 不動産賃貸事業 | 451 | 2.6 |
| その他 | 825 | △18.8 |
| 合計 | 112,214 | 3.3 |
(注) 1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4 主な相手先別の売上実績および総売上実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 国土交通省 | 17,507 | 16.1 | 19,127 | 17.0 |
| (独)国際協力機構 | 8,772 | 8.1 | 6,222 | 5.5 |
| 東京電力パワーグリッド(株) | 5,027 | 4.6 | 4,336 | 3.9 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態に関する認識および分析・検討内容については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご覧ください。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当社グループは中期経営計画NK-Innovation 2021の2年目にあたる当連結会計年度の経営成績目標を、新型コロナウイルス感染症の拡大や事業の進捗状況をふまえ、2020年5月14日に売上高115,800百万円、営業利益4,600百万円、ROE(自己資本当期純利益率)4.0%へと修正しております。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、受注高ではコンサルタント海外事業が好調に推移し、計画を上回ったものの、売上高はコンサルタント海外事業での新型コロナウイルス感染症の拡大による渡航制限等の影響で計画比96.9%の112,214百万円となりました。営業利益は、都市空間事業が成長した一方で、電力エンジニアリング事業における工事損失引当金の計上により計画比99.8%の4,590百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は計画比101.0%の2,726百万円となり、これに伴いROE(自己資本当期純利益率)は4.6%となりました。 セグメント別の経営成績は、コンサルタント国内事業では、国土強靭化に係る事業等が堅調に進捗し、売上高は計画比99.7%となり、営業利益は計画比98.6%となりました。コンサルタント海外事業では、新型コロナウイルス感染症による渡航制限等の影響で売上高は計画比88.2%となり、営業利益は計画比97.7%となりました。電力エンジニアリング事業では、工期延期や設計遅れ等により売上高は計画比94.3%、営業利益は特定の取引(立軸水力発電)に関わる案件の工事損失引当金の計上により計画比71.3%となりました。都市空間事業では、手持ち受注の順調な進捗および収益改善により、売上高は計画比103.8%となり、営業利益は計画比114.6%となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、コンサルタント国内事業およびコンサルタント海外事業におきましては、国内の官公庁・地方公共団体からの受注およびわが国ODA(政府開発援助)予算に基づく案件の受注の割合(依存度)が高く、コンサルタント国内事業では公共投資の動向に、コンサルタント海外事業ではODA予算の動向に影響を受ける傾向があります。また、電力エンジニアリング事業におきましては、同事業における東京電力パワーグリッド(株)への売上比率が高く、同社の電力設備投資等の動向に影響を受ける傾向があります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、事業活動を遂行するための適切な資金確保および健全な財務体質を維持することを目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。必要な運転資金、設備投資および投融資の財源は、主として営業キャッシュ・フローと金融機関からの借入によります。2020年6月30日現在、長期借入金残高は14,922百万円です。また、資金の流動性については、事業規模に応じた適正な手元資金の水準を維持するとともに金融上のリスクに対応するため主要取引銀行と当座貸越およびコミットメントライン契約を締結することにより手元流動性を確保しており、金融機関との間で総額36,500百万円の契約を締結しております。本契約に基づく当連結会計年度末の短期借入金残高は13,000百万円です。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に、また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りにつきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。