有価証券報告書-第75期(平成30年7月1日-令和1年6月30日)

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2019/09/27 10:44
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2018年7月1日から2019年6月30日まで)におけるわが国経済は、企業収益が底堅く推移し、雇用・所得環境の着実な改善から個人消費に持ち直しの動きがみられ、緩やかな回復基調が続きました。一方、海外経済については、引き続き高い水準で推移しているものの、米中貿易摩擦のほか、当社の主要営業基盤の一つである英国における合意なきEU離脱の帰趨等の懸念材料から予断を許さない状況が続きました。
当社グループを取り巻く経営環境は、コンサルタント国内事業では公共事業における防災・減災やインフラ老朽化対策、電力エンジニアリング事業では電力流通設備の更新、都市空間事業ではBDP社の主要営業地域である英国における公共施設の新築・改修、エネルギー事業では低炭素化や分散電源化に伴う再生可能エネルギーの需要がそれぞれ堅調に推移いたしました。一方、コンサルタント海外事業では、わが国政府による質の高いインフラシステム輸出戦略が推進されており事業環境としては良好であったものの、その進捗については一部案件で遅れが生じました。
このような状況の下で、当社グループは、中期経営計画NK-Innovation 2021(2018年7月から2021年6月まで)に基づき、「グローバルなコンサルティング&エンジニアリングファームへと進化を続ける」を基本方針として、「鉄道分野の生産体制強化」「都市空間事業の海外展開」「エネルギー事業の確立」「コンサルティング事業での事業創生と海外展開」「電力エンジニアリング事業での製品開発と海外展開」の5つの事業戦略と、これらを実現するための全社共通施策である、「ワンストップ営業体制の構築」「技術と人財への投資」「グループガバナンスの強化」を積極的に推進してまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、主にコンサルタント国内事業が好調に推移し、受注高は前期比13.2%増の118,085百万円となりましたが、コンサルタント海外事業において減収・減益となったことにより、売上高は前期比2.4%増の108,589百万円にとどまり、営業利益は前期比22.1%減の5,110百万円、経常利益は前期比16.9%減の5,584百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比27.2%減の3,318百万円となりました。
当社グループのセグメントごとの経営成績は次のとおりです。
[コンサルタント国内事業]
コンサルタント国内事業では、受注・生産体制の再構築や品質の確保・向上、働き方改革など経営基盤のさらなる強化や効率的な事業マネジメントの推進に加え、主にコンサルタント海外事業や中央研究所との連携によるグローバル戦略の推進支援、インフラの価値向上のためのマネジメント技術を核とした新事業創出に取り組みました。
以上の結果、主として防災・減災や国土強靭化に係る事業へ積極的に取り組み、事業量と収益を確保できたことから、受注高は前期比8.9%増の52,855百万円となりました。また、売上高は前期比6.4%増の49,593百万円、営業利益は前期比16.6%増の4,990百万円、経常利益は前期比20.2%増の4,976百万円となりました。
[コンサルタント海外事業]
コンサルタント海外事業では、主に鉄道事業における要員の確保・育成やプロジェクト・マネジメント能力の向上による生産体制の強化、収益管理・リスク管理・安全管理の徹底を図りました。また、PPP事業、民間事業に積極的に取り組みました。
以上の結果、受注高は6.6%増の28,482百万円となりましたが、主として大型案件の契約が遅れたことにより、売上高は前期比13.7%減の24,928百万円、営業利益は前期比68.2%減の841百万円、経常利益は前期比76.2%減の574百万円となりました。
[電力エンジニアリング事業]
電力エンジニアリング事業では、グローバル展開を見据えた交通・運輸、維持管理など新領域への拡大による機電コンサルタント事業の拡大、エネルギー関連事業や維持管理ビジネスにおけるグループ連携強化、世界標準仕様の製品開発・技術開発の推進とともに、引き続き徹底したコストダウンによる価格競争力の向上と営業力強化に取り組みました。
以上の結果、受注高は大型案件を受注した前期を3.3%下回る15,411百万円となりましたが、売上高は手持ち案件の進捗により前期比4.9%増の16,531百万円、営業利益はコスト削減が奏功し前期比11.5%増の2,089百万円、経常利益は前期比3.0%増の2,047百万円となりました。
[都市空間事業]
都市空間事業では、英国市場の変化への対応に加え、シンガポールを拠点としたグループ内協業によりアジア市場への事業拡大、英連邦諸国市場への参入に取り組みました。また、当社の連結子会社であるBDP社は、2019年2月4日付でカナダの建築設計会社であるQUADRANGLE社の株式を取得し、当期よりQUADRANGLE社を連結子会社といたしました。
以上の結果、受注高は前期比59.5%増の20,510百万円、売上高は前期比17.8%増の15,359百万円となりましたが、販売費および一般管理費が増加したことにより、営業利益は前期比12.6%減の151百万円、経常利益は前期比42.2%減の114百万円となりました。
[エネルギー事業]
エネルギー事業では、再生可能エネルギーなどの発電事業の収益向上および民間資金によるPFI事業を含む新規案件の形成、エネルギーマネジメント事業における再生可能エネルギー・蓄電池EPC事業での実績の蓄積およびリソースアグリゲータ・VPP事業の推進に取り組みました。
以上の結果、受注高は前期比303.3%増の723百万円、売上高は前期比102.8%増の719百万円となりましたが、海外エネルギーマネジメント事業において開発費用が先行したことから、営業損失は365百万円、経常損失は391百万円となりました。
[不動産賃貸事業]
不動産賃貸事業の売上高は前期比0.1%減の439百万円となりましたが、営業利益は前期比1.5%増の409百万円、経常利益は前期比81.2%増の731百万円となりました。
当連結会計年度の財政状態は、総資産は113,175百万円となり、前連結会計年度末と比較して714百万円の減少となりました。
資産の部では、流動資産は52,446百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,817百万円の減少となりました。これは、現金及び預金の3,245百万円および仕掛品の2,233百万円の減少等があった一方、受取手形及び売掛金3,723百万円の増加等があったことが主な要因です。
固定資産は60,728百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,102百万円の増加となりました。これは、建設仮勘定の3,184百万円の増加等があった一方、投資有価証券の1,947百万円の減少等があったことが主な要因です。
負債の部では、流動負債は28,082百万円となり、前連結会計年度末と比較して358百万円の減少となりました。これは、前受金の2,006百万円の減少があった一方、支払手形及び買掛金の872百万円の増加等があったことが主な要因です。
固定負債は、24,886百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,112百万円の減少となりました。これは、長期借入金1,294百万円の減少等が主な要因です。
純資産の部は、60,205百万円となり、前連結会計年度末と比較して756百万円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益3,318百万円、配当金の支払い1,192百万円、その他有価証券評価差額金738百万円の減少等が主な要因です。
以上の結果、自己資本比率は52.2%となり前連結会計年度末と比較して1.0ポイント上昇しました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、12,663百万円となり、前期末に比べて2,570百万円減少しました。その主な要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,109百万円の収入(前期は602百万円の支出)となりました。これは、税金等調整前当期純利益5,584百万円の一方で、売上債権が2,917百万円増加したこと等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,504百万円の支出(前期は977百万円の収入)となりました。これは、主に有形固定資産の取得等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,936百万円の支出(前期は3,062百万円の支出)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出等によるものであります。
なお、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2015年
6月期
2016年
6月期
2017年
6月期
2018年
6月期
2019年
6月期
自己資本比率(%)62.650.647.951.252.2
時価ベースの自己資本比率(%)43.723.643.337.532.4
キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)
1.946.13.6-6.3
インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)
18.07.131.7-11.7

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注5)2018年6月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率とインタレスト・カバレッジ・レシオはマイナスとなるため、「-」で表示しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 受注実績
セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)
当期受注高
コンサルタント国内事業52,8558.9
コンサルタント海外事業(注1)28,482(注2)6.6
電力エンジニアリング事業15,411△3.3
都市空間事業(注1)20,51059.5
エネルギー事業723303.3
不動産賃貸事業--
その他100(注2)△20
当期受注高合計118,08513.2
為替影響額
コンサルタント国内事業--
コンサルタント海外事業△56345.6
電力エンジニアリング事業-△100.0
都市空間事業△982△1,613.9
エネルギー事業--
不動産賃貸事業--
その他--
為替影響額合計△1,545△41.3
受注残高
コンサルタント国内事業31,7502.2
コンサルタント海外事業67,8402.3
電力エンジニアリング事業15,00415.1
都市空間事業17,67931.1
エネルギー事業522348.4
不動産賃貸事業--
その他5△78.7
受注残高合計132,8017.0

(注) 1 当連結会計年度より連結子会社としたNIPPON KOEI MOZAMBIQUE, LIMITADAならびに(株)黒川紀章建築都市設計事務所およびQUADRANGLE ARCHITECTS LIMITEDの連結開始時の受注残高を含めております。
2 前連結会計年度より連結子会社としたMYANMAR KOEI INTERNATIONAL LTD.および(株)DSIの連結開始時の受注残高を前連結会計年度の受注高に含めて前年同期比を算出しております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4 上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引および振替高は含まれておりません。
b. 売上実績
セグメントの名称当連結会計年度(百万円)前年同期比(%)
コンサルタント国内事業49,5936.4
コンサルタント海外事業24,928△13.7
電力エンジニアリング事業16,5314.9
都市空間事業15,35917.8
エネルギー事業719102.8
不動産賃貸事業439△0.1
その他1,0168.1
合計108,5892.4

(注) 1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4 主な相手先別の売上実績及び総売上実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
国土交通省16,18715.317,50716.1
(独)国際協力機構13,78013.08,7728.1
東京電力パワーグリッド(株)5,6065.35,0274.6

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について、当社グループは中期経営計画NK-Innovation 2021の初年度にあたる当連結会計年度の経営成績目標を売上高1,150億円、営業利益62億円、ROE(自己資本当期純利益率)6.9%としておりました。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、コンサルタント国内事業が堅調に推移し受注は大幅増加となったものの、コンサルタント海外事業の減収・減益の影響により、売上高は計画比94.4%の1,085億円にとどまり、営業利益が計画比82.4%の51億円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は計画比80.9%の33億円となり、これに伴いROE(自己資本当期純利益率)が5.7%となりました。
セグメント別の経営成績は、コンサルタント国内事業では、主に防災・減災や国土強靭化に係る事業への積極的な取り組みにより売上高は計画比112.7%となり、営業利益は計画比142.6%となりました。コンサルタント海外事業では、PPP事業や民間事業に積極的に取り組んだものの、大型案件の契約が遅れたことにより売上高は計画比80.4%となり、営業利益は計画比35.1%となりました。電力エンジニアリング事業では、手持ち案件が進捗し、前期比増収増益となりましたが、売上高は計画比82.7%にとどまり、営業利益についても計画比80.4%となりました。都市空間事業では、QUADRANGLE社のグループ化や受注好調により前期比増収となりましたが、売上高は計画比93.1%となり、販売費及び一般管理費が増加したことにより営業利益は計画比25.3%となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、コンサルタント国内事業およびコンサルタント海外事業におきましては、国内の官公庁・地方公共団体からの受注およびわが国ODA(政府開発援助)予算に基づく案件の受注の割合(依存度)が高く、コンサルタント国内事業では公共投資の動向に、コンサルタント海外事業ではODA予算の動向に影響を受ける傾向があります。また、電力エンジニアリング事業におきましては、同事業における東京電力パワーグリッド(株)への売上比率が高く、同社の電力設備投資等の動向に影響を受ける傾向があります。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、事業活動を遂行するための適切な資金確保および健全な財務体質を維持することを目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。必要な運転資金、設備投資および投融資の財源は、主として営業キャッシュ・フローと金融機関からの借入によります。2019年6月30日現在、長期借入金残高は176億39百万円であります。また、資金の流動性については、事業規模に応じた適正な手元資金の水準を維持するとともに金融上のリスクに対応するため主要取引銀行と当座貸越およびコミットメントライン契約を締結することにより手元流動性を確保しており、金融機関との間で総額365億円の契約を締結しております。本契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高はありません。

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