有価証券報告書-第88期(2022/04/01-2023/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の収束に伴う経済活動の拡大やロシアのウクライナ侵攻による世界的なエネルギー、食糧、資源等のサプライチェーンの混乱等により、インフレの高進が長期化する中、米国における銀行破綻に端を発した金融不安は各国当局による迅速な対応がなされたものの、今後の経済情勢を更に不安定化させることとなりました。わが国の経済は、ウィズコロナへの移行に伴い、経済の活性化対策として、様々な経済刺激策の導入や水際対策の緩和により、個人消費の回復やインバウンドの戻りも見られ、宿泊や飲食業、サービス業といった業種の回復が見られました。他方、コロナウイルス禍で縮小した経済活動からの急激な回復に伴い、サプライチェーンの混乱や原油価格・資源価格等の高騰は、回復基調の経済に影を落とす一因となっています。
当社グループの主たる事業である建設業界におきましては、公共建設投資は、国土強靭化政策推進の下、自然災害への防災・減災対策や復旧・復興対策、老朽化したインフラ対策等により堅調に推移しました。一方、民間建設投資につきましては、好調な輸出関連企業や生産の国内回帰による工場や物流施設等の需要が堅調に推移し、また景気回復に伴う企業業績の回復もあり、先送りされていた設備投資の持ち直しも見られました。
このような状況の中、当社グループは「中期3ヵ年計画(2021年度~2023年度)」の基本方針として[淺沼組らしさ(独自性)を深耕させ「変化に挑戦」]を掲げ、様々な施策に取り組んでおります。「人間にも地球にも良い循環をつくる」ことを目指したリニューアル事業ブランド『ReQuality』もその1つで、そのコンセプトに沿った淺沼組独自の環境配慮型リニューアル技術を活かした「GOOD CYCLE BUILDING」の第1弾として改修を行った名古屋支店は、グッドデザイン・ベスト100への選出をはじめとして国内外において数多くの賞を頂き、多数メディアにも取り上げられました。さらに、“新領域(海外・新分野)への取り組み強化”として、JICA(国際協力機構)SDGsビジネス支援事業に採択されたタイにおけるインフラ改修事業については、本年1月にJICAとの契約締結も完了し、タイ国運輸省道路局所管の橋・高架橋の補強工事の施工を準備しているところです。また、シンガポールにて2018年と2022年に子会社化したリニューアル事業会社2社は、順調に受注を伸ばしており、ASEAN地域における事業拡大に今後大きく貢献していくものと考えています。
サステナビリティ活動としては、2010年度より地球温暖化防止対策としてスタートさせた「エコフレンドリーASANUMA21」では、「脱炭素化の推進、資源の循環、自然・社会との共生」を基本方針とし、2022年度より、従来の施工高1億円当たりのCO2排出量という原単位での削減目標に加えて、総排出量の削減目標も追加して活動を行っています。その取り組みの1つとして、新規着工する全ての作業所への「再生可能エネルギー100%電力」を導入しました。また、生物多様性の保全活動として、生物多様性簡易評価ツール「いきものプラス」を活用して作業所周辺地域に適した植樹計画を作成する等、さまざまな環境保全対策に対応しています。
サステナビリティ推進委員会では、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の開示の拡充、調達方針や人権方針の策定、パートナーシップ構築宣言を行いました。また、英国で設立された国際的な環境非営利団体であるCDP「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(Carbon Disclosure Project)」の気候変動質問書に初めて回答し「B-」スコア評価を獲得いたしました。更なる高評価を得られるよう、様々な取り組みを強化していきます。加えて、サステナビリティ経営における「KPI」設定、人材の多様性の確保、人材育成方針や人権に配慮した施策の検討も進めてまいりました。
その他の施策においても着実に取り組んでいくことで様々な社会変化に対応し、新技術開発による人材不足対策をはじめとした生産性の向上、既存技術の洗練や新領域へも挑戦し、多様に変化する経営環境の下、経営課題をしっかりと捉え、全役職員一丸となってさらなる企業価値向上を目指してまいります。
当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響により一部工事案件の発注先送りなどが見られ、受注競争は厳しさを増してきている中、当連結会計年度の受注高は1,447億4千3百万円となり、前連結会計年度比6.0%の増加となりました。
売上高につきましては、1,444億3千6百万円となり、前連結会計年度比6.6%の増加となりました。
損益に関しましては、売上総利益につきましては、151億3千9百万円(前年同期比12.6%増)となりました。また、営業利益及び経常利益につきましては、それぞれ、営業利益56億9千1百万円(前年同期比17.7%増)、経常利益59億1千8百万円(前年同期比20.7%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、42億円(前年同期比12.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(建 築)
受注高は1,220億6千5百万円(前年同期比8.3%増)、売上高は1,164億5千6百万円(前年同期比6.0%増)となり、セグメント利益は104億円(前年同期比2.7%増)となりました。
(土 木)
受注高は226億7千8百万円(前年同期比4.7%減)、売上高は253億1百万円(前年同期比3.0%増)となり、セグメント利益は39億5千4百万円(前年同期比31.4%増)となりました。
また、「その他」の事業につきましては、売上高26億7千8百万円(前年同期比150.1%増)、セグメント利益5億5千3百万円(前年同期比456.1%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は13億5千4百万円(前連結会計年度は15億6千3百万円の資金の増加)となりました。これは主に未成工事支出金及び未収入金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は9億3千4百万円(前連結会計年度は22億6千4百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は36億6千1百万円(前連結会計年度は22億6千7百万円の資金の減少)となりました。これは主に配当金の支払によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は、11億1百万円減少し、当連結会計年度末には117億9千6百万円(前連結会計年度比8.5%の減少)となりました。
③ 生産、受注及び売上の状況
a.受注実績
(注) 当社グループでは建設事業以外では受注生産を行っておりません。
b.売上実績
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
3 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況
a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
c.完成工事高
(注)1 完成工事高のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が、100分の10以上の相手先はありません。
d.次期繰越工事高(2023年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度における経済環境につきましては、新型コロナウイルスによる経済活動の制約も落ち着きを取り戻し景気の回復が見られました。加えて、ウクライナ情勢の長期化による資源・エネルギー価格の上昇も相まって全般的な物価上昇に拍車をかけました。欧米諸国の金融引き締めによる金利上昇や金融不安など、未だ世界経済の先行きは不透明の状況であります。国内建設市場においては民間では新型コロナウイルスの影響を大きく受けていた業界を中心に回復基調にあり、官庁でも国土強靭化に向け公共投資も実施されたことからおおむね堅調に進みました。
そのような環境の中、当社グループにおける受注活動につきましては、指名停止処分の影響もあり、官庁工事は苦戦したものの、民間工事で受注を伸ばし、前期比増の1,447億4千3百万円となり、計画値である1,416億円を31億円強上回ることができました。
売上高につきましては、提出会社においては比較的着工までの期間が長い工事の受注が多かったものの、海外子会社が堅調に推移し、計画値を1億3千6百万円上回る1,444億3千6百万円となりました。
損益に関しましては、同様に提出会社の売上高の減少に伴う利益の減少を海外子会社がカバーしたことによって、売上総利益が151億3千9百万円となり、計画値を5億9百万円上回り、営業利益および経常利益はそれぞれ56億9千1百万円、59億1千8百万円となり、計画値をそれぞれ8千1百万円、4億3千8百万円上回り、親会社株主に帰属する当期純利益は計画値を8千万円上回る42億円となりました。業績数値につきましては、ほぼ計画通りという結果となりました。
なお、自己資本利益率(ROE)は前連結会計年度比0.7ポイント増の9.7%となり、計画値を上回ることができました。
(セグメントごとの経営成績)
建築部門の経営成績は、受注高が前連結会計年度比8.3%増の1,220億6千5百万円となり、計画値を78億1千5百万円上回りました。これは民間工事の受注と海外子会社の受注が増加したことが主たる要因です。
売上高につきましては、前連結会計年度比6.0%増の1,164億5千6百万円となり、計画値からは6億6百万円上回りました。これは、国内において着工までの期間が長めの工事が多かった一方、海外子会社にて大型工事が順調に進捗したことによります。セグメント利益は前連結会計年度比2.7%増の104億円となり、これは海外子会社が好調だったことなどによります。
土木部門の経営成績は、受注高が前連結会計年度比4.7%減の226億7千8百万円となり、計画値を46億7千1百万円下回りました。これは指名停止処分により、官庁工事の受注が前連結会計年度と比べ大きく減少したことによります。
売上高につきましては、前連結会計年度比3.0%増の253億1百万円となり、計画値からは21億4千8百万円下回りました。これは指名停止処分により、官庁工事の新規受注が減少したことによるものです。セグメント利益は前連結会計年度比31.4%増の39億5千4百万円となり、これは追加工事の受注によって手持工事の利益率が改善したことによるものです。
(財政状態)
当連結会計年度末における財政状態は、資産合計が930億3千4百万円となり、前連結会計年度比24億9千7百万円の増加となりました。これは売上の増加により受取手形・完成工事未収入金等が63億2千9百万円増加したこと等によるものです。
負債合計は、483億6千7百万円となり、前連結会計年度比7億3百万円の増加となりました。これは主にその他に含まれる未払消費税が39億5千3百万円増加したこと等によります。
純資産合計は、446億6千7百万円となり、前連結会計年度比17億9千4百万円の増加となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上や配当金の支払などの結果、利益剰余金が12億7千万円増加したこと等によるものです。
この結果、連結自己資本比率は47.3%となり、前連結会計年度末から0.7ポイント改善しました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、11億1百万円減少し、当連結会計年度末では117億9千6百万円となりました。これは主に未成工事支出金および未収入金が減少したこと等により営業活動によるキャッシュ・フローが13億5千4百万円の増加となり、主に九州支店の売却等により投資活動によるキャッシュ・フローは9億3千4百万円増加しましたが、配当金の支払29億1千5百万円や借入金の返済により財務活動によるキャッシュ・フローが36億6千1百万円減少したことによるものです。
当社グループにおける主な資金需要は、建設事業における工事施工に要する工事費、販売費及び一般管理費ならびに技術開発・ICT関連の設備投資や新領域関連の投資資金です。
運転資金については、金融機関からの借入金及び社債の発行により調達しており、設備投資資金等については、内部留保等の自己資金でまかなっております。
当社は中期3ヵ年計画において、資金投入計画と共に株主還元計画を打ち出しており、競争力の維持・強化のための成長投資と株主還元のバランスを取る方針としております。株主配当につきましては、中期3ヵ年計画において連結配当性向を70%以上としており、2023年3月期の配当は1株当たり191円、連結配当性向73.3%としました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の金額にその結果が反映されております。
これらの見積りにつきましては、過去の実績等を踏まえながら継続して評価し、必要に応じ見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なることがあります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の収束に伴う経済活動の拡大やロシアのウクライナ侵攻による世界的なエネルギー、食糧、資源等のサプライチェーンの混乱等により、インフレの高進が長期化する中、米国における銀行破綻に端を発した金融不安は各国当局による迅速な対応がなされたものの、今後の経済情勢を更に不安定化させることとなりました。わが国の経済は、ウィズコロナへの移行に伴い、経済の活性化対策として、様々な経済刺激策の導入や水際対策の緩和により、個人消費の回復やインバウンドの戻りも見られ、宿泊や飲食業、サービス業といった業種の回復が見られました。他方、コロナウイルス禍で縮小した経済活動からの急激な回復に伴い、サプライチェーンの混乱や原油価格・資源価格等の高騰は、回復基調の経済に影を落とす一因となっています。
当社グループの主たる事業である建設業界におきましては、公共建設投資は、国土強靭化政策推進の下、自然災害への防災・減災対策や復旧・復興対策、老朽化したインフラ対策等により堅調に推移しました。一方、民間建設投資につきましては、好調な輸出関連企業や生産の国内回帰による工場や物流施設等の需要が堅調に推移し、また景気回復に伴う企業業績の回復もあり、先送りされていた設備投資の持ち直しも見られました。
このような状況の中、当社グループは「中期3ヵ年計画(2021年度~2023年度)」の基本方針として[淺沼組らしさ(独自性)を深耕させ「変化に挑戦」]を掲げ、様々な施策に取り組んでおります。「人間にも地球にも良い循環をつくる」ことを目指したリニューアル事業ブランド『ReQuality』もその1つで、そのコンセプトに沿った淺沼組独自の環境配慮型リニューアル技術を活かした「GOOD CYCLE BUILDING」の第1弾として改修を行った名古屋支店は、グッドデザイン・ベスト100への選出をはじめとして国内外において数多くの賞を頂き、多数メディアにも取り上げられました。さらに、“新領域(海外・新分野)への取り組み強化”として、JICA(国際協力機構)SDGsビジネス支援事業に採択されたタイにおけるインフラ改修事業については、本年1月にJICAとの契約締結も完了し、タイ国運輸省道路局所管の橋・高架橋の補強工事の施工を準備しているところです。また、シンガポールにて2018年と2022年に子会社化したリニューアル事業会社2社は、順調に受注を伸ばしており、ASEAN地域における事業拡大に今後大きく貢献していくものと考えています。
サステナビリティ活動としては、2010年度より地球温暖化防止対策としてスタートさせた「エコフレンドリーASANUMA21」では、「脱炭素化の推進、資源の循環、自然・社会との共生」を基本方針とし、2022年度より、従来の施工高1億円当たりのCO2排出量という原単位での削減目標に加えて、総排出量の削減目標も追加して活動を行っています。その取り組みの1つとして、新規着工する全ての作業所への「再生可能エネルギー100%電力」を導入しました。また、生物多様性の保全活動として、生物多様性簡易評価ツール「いきものプラス」を活用して作業所周辺地域に適した植樹計画を作成する等、さまざまな環境保全対策に対応しています。
サステナビリティ推進委員会では、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の開示の拡充、調達方針や人権方針の策定、パートナーシップ構築宣言を行いました。また、英国で設立された国際的な環境非営利団体であるCDP「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(Carbon Disclosure Project)」の気候変動質問書に初めて回答し「B-」スコア評価を獲得いたしました。更なる高評価を得られるよう、様々な取り組みを強化していきます。加えて、サステナビリティ経営における「KPI」設定、人材の多様性の確保、人材育成方針や人権に配慮した施策の検討も進めてまいりました。
その他の施策においても着実に取り組んでいくことで様々な社会変化に対応し、新技術開発による人材不足対策をはじめとした生産性の向上、既存技術の洗練や新領域へも挑戦し、多様に変化する経営環境の下、経営課題をしっかりと捉え、全役職員一丸となってさらなる企業価値向上を目指してまいります。
当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響により一部工事案件の発注先送りなどが見られ、受注競争は厳しさを増してきている中、当連結会計年度の受注高は1,447億4千3百万円となり、前連結会計年度比6.0%の増加となりました。
売上高につきましては、1,444億3千6百万円となり、前連結会計年度比6.6%の増加となりました。
損益に関しましては、売上総利益につきましては、151億3千9百万円(前年同期比12.6%増)となりました。また、営業利益及び経常利益につきましては、それぞれ、営業利益56億9千1百万円(前年同期比17.7%増)、経常利益59億1千8百万円(前年同期比20.7%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、42億円(前年同期比12.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(建 築)
受注高は1,220億6千5百万円(前年同期比8.3%増)、売上高は1,164億5千6百万円(前年同期比6.0%増)となり、セグメント利益は104億円(前年同期比2.7%増)となりました。
(土 木)
受注高は226億7千8百万円(前年同期比4.7%減)、売上高は253億1百万円(前年同期比3.0%増)となり、セグメント利益は39億5千4百万円(前年同期比31.4%増)となりました。
また、「その他」の事業につきましては、売上高26億7千8百万円(前年同期比150.1%増)、セグメント利益5億5千3百万円(前年同期比456.1%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は13億5千4百万円(前連結会計年度は15億6千3百万円の資金の増加)となりました。これは主に未成工事支出金及び未収入金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は9億3千4百万円(前連結会計年度は22億6千4百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は36億6千1百万円(前連結会計年度は22億6千7百万円の資金の減少)となりました。これは主に配当金の支払によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は、11億1百万円減少し、当連結会計年度末には117億9千6百万円(前連結会計年度比8.5%の減少)となりました。
③ 生産、受注及び売上の状況
a.受注実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (百万円) |
| 建 築 | 112,762 | 122,065 |
| 土 木 | 23,806 | 22,678 |
| 合計 | 136,568 | 144,743 |
(注) 当社グループでは建設事業以外では受注生産を行っておりません。
b.売上実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (百万円) |
| 建 築 | 109,849 | 116,456 |
| 土 木 | 24,557 | 25,301 |
| その他 | 1,070 | 2,678 |
| 合計 | 135,478 | 144,436 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
3 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況
a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
| 期別 | 区分 | 前期繰越 工事高 (百万円) | 当期受注 工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成 工事高 (百万円) | 次期繰越 工事高 (百万円) |
| 前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 建築工事 | 110,795 | 110,110 | 220,906 | 107,725 | 113,180 |
| 土木工事 | 33,388 | 23,876 | 57,264 | 24,346 | 32,918 | |
| 計 | 144,184 | 133,986 | 278,170 | 132,071 | 146,099 | |
| 当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 建築工事 | 113,180 | 113,277 | 226,458 | 106,972 | 119,486 |
| 土木工事 | 32,918 | 22,666 | 55,584 | 25,275 | 30,309 | |
| 計 | 146,099 | 135,943 | 282,043 | 132,247 | 149,795 |
(注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
| 期別 | 区分 | 特命 (%) | 競争 (%) | 計 (%) |
| 前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 建築工事 | 39.6 | 60.4 | 100.0 |
| 土木工事 | 39.9 | 60.1 | 100.0 | |
| 当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 建築工事 | 40.8 | 59.2 | 100.0 |
| 土木工事 | 29.9 | 70.1 | 100.0 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
c.完成工事高
| 期別 | 区分 | 官公庁 (百万円) | 民間 (百万円) | 計 (百万円) |
| 前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 建築工事 | 23,338 | 84,386 | 107,725 |
| 土木工事 | 19,279 | 5,066 | 24,346 | |
| 計 | 42,618 | 89,453 | 132,071 | |
| 当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 建築工事 | 18,442 | 88,529 | 106,972 |
| 土木工事 | 16,752 | 8,522 | 25,275 | |
| 計 | 35,195 | 97,052 | 132,247 |
(注)1 完成工事高のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。
前事業年度
| 大和ハウス港北特定目的会社 | (仮称)DPL横浜港北Ⅰ 新築工事 |
| 奈良県大和郡山市 | 大和郡山市新庁舎建設工事 |
| 北鈴蘭台駅前再開発株式会社 | 北鈴蘭台駅前地区第一種市街地再開発事業施設建築物 新築工事 |
| エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社 積水ハウス株式会社 | (仮称)大阪市中央区内本町2丁目計画 新築工事 |
| 株式会社フレンドステージ | (仮称)赤羽ホテル計画新築工事 |
| 東京建物リゾート株式会社 | (仮称)おふろの王様和光店 新築工事 |
| 東大阪市上下水道局 | 令和元年度公共下水道第9工区管きょ築造工事 |
当事業年度
| センコー株式会社 | (仮称)センコー(株)湾岸弥富PDセンター新築工事 |
| セキスイハイム東海株式会社 | (仮称)タワー・ザ・ファースト名古屋伏見新築工事 |
| エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社 積水ハウス株式会社 | (仮称)大阪市中央区内本町2丁目計画 新築工事 |
| 備後漬物株式会社 | (仮称)備後漬物関東工場新築工事 |
| 東急住宅リース株式会社 | (仮称)四谷プロジェクト新築工事 |
2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が、100分の10以上の相手先はありません。
d.次期繰越工事高(2023年3月31日現在)
| 区分 | 官公庁 (百万円) | 民間 (百万円) | 計 (百万円) |
| 建築工事 | 16,943 | 102,542 | 119,486 |
| 土木工事 | 17,405 | 12,903 | 30,309 |
| 計 | 34,349 | 115,446 | 149,795 |
(注) 次期繰越工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。
| 西部ガス都市開発株式会社 | (仮称)香椎照葉4丁目賃貸マンション新築工事 | 2025年5月完成予定 |
| 独立行政法人都市再生機構 | 03-浜甲子園団地第Ⅳ期北工区建築その他工事 | 2025年2月完成予定 |
| メタウォーター株式会社 | 小金井市清掃関連施設整備工場(資源物処理施設) | 2025年5月完成予定 |
| 丸徳産業株式会社 | (仮称)丸徳産業(株)稲沢第一物流センター新築工事 | 2024年1月完成予定 |
| 大阪市高速電気軌道株式会社 | (仮称)Osaka Metro なんばビルプロジェクト新築工事 | 2024年2月完成予定 |
| 西日本高速道路株式会社 | 京滋バイパス 吹前高架橋他3橋耐震補強工事 | 2026年8月完成予定 |
| 関西高速鉄道株式会社 | なにわ筋線西本町駅部土木工事 | 2028年3月完成予定 |
| 東京都下水道局 | 江東区平野四丁目、東陽六丁目付近枝線工事 | 2025年7月完成予定 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度における経済環境につきましては、新型コロナウイルスによる経済活動の制約も落ち着きを取り戻し景気の回復が見られました。加えて、ウクライナ情勢の長期化による資源・エネルギー価格の上昇も相まって全般的な物価上昇に拍車をかけました。欧米諸国の金融引き締めによる金利上昇や金融不安など、未だ世界経済の先行きは不透明の状況であります。国内建設市場においては民間では新型コロナウイルスの影響を大きく受けていた業界を中心に回復基調にあり、官庁でも国土強靭化に向け公共投資も実施されたことからおおむね堅調に進みました。
そのような環境の中、当社グループにおける受注活動につきましては、指名停止処分の影響もあり、官庁工事は苦戦したものの、民間工事で受注を伸ばし、前期比増の1,447億4千3百万円となり、計画値である1,416億円を31億円強上回ることができました。
売上高につきましては、提出会社においては比較的着工までの期間が長い工事の受注が多かったものの、海外子会社が堅調に推移し、計画値を1億3千6百万円上回る1,444億3千6百万円となりました。
損益に関しましては、同様に提出会社の売上高の減少に伴う利益の減少を海外子会社がカバーしたことによって、売上総利益が151億3千9百万円となり、計画値を5億9百万円上回り、営業利益および経常利益はそれぞれ56億9千1百万円、59億1千8百万円となり、計画値をそれぞれ8千1百万円、4億3千8百万円上回り、親会社株主に帰属する当期純利益は計画値を8千万円上回る42億円となりました。業績数値につきましては、ほぼ計画通りという結果となりました。
なお、自己資本利益率(ROE)は前連結会計年度比0.7ポイント増の9.7%となり、計画値を上回ることができました。
(セグメントごとの経営成績)
建築部門の経営成績は、受注高が前連結会計年度比8.3%増の1,220億6千5百万円となり、計画値を78億1千5百万円上回りました。これは民間工事の受注と海外子会社の受注が増加したことが主たる要因です。
売上高につきましては、前連結会計年度比6.0%増の1,164億5千6百万円となり、計画値からは6億6百万円上回りました。これは、国内において着工までの期間が長めの工事が多かった一方、海外子会社にて大型工事が順調に進捗したことによります。セグメント利益は前連結会計年度比2.7%増の104億円となり、これは海外子会社が好調だったことなどによります。
土木部門の経営成績は、受注高が前連結会計年度比4.7%減の226億7千8百万円となり、計画値を46億7千1百万円下回りました。これは指名停止処分により、官庁工事の受注が前連結会計年度と比べ大きく減少したことによります。
売上高につきましては、前連結会計年度比3.0%増の253億1百万円となり、計画値からは21億4千8百万円下回りました。これは指名停止処分により、官庁工事の新規受注が減少したことによるものです。セグメント利益は前連結会計年度比31.4%増の39億5千4百万円となり、これは追加工事の受注によって手持工事の利益率が改善したことによるものです。
(財政状態)
当連結会計年度末における財政状態は、資産合計が930億3千4百万円となり、前連結会計年度比24億9千7百万円の増加となりました。これは売上の増加により受取手形・完成工事未収入金等が63億2千9百万円増加したこと等によるものです。
負債合計は、483億6千7百万円となり、前連結会計年度比7億3百万円の増加となりました。これは主にその他に含まれる未払消費税が39億5千3百万円増加したこと等によります。
純資産合計は、446億6千7百万円となり、前連結会計年度比17億9千4百万円の増加となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上や配当金の支払などの結果、利益剰余金が12億7千万円増加したこと等によるものです。
この結果、連結自己資本比率は47.3%となり、前連結会計年度末から0.7ポイント改善しました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、11億1百万円減少し、当連結会計年度末では117億9千6百万円となりました。これは主に未成工事支出金および未収入金が減少したこと等により営業活動によるキャッシュ・フローが13億5千4百万円の増加となり、主に九州支店の売却等により投資活動によるキャッシュ・フローは9億3千4百万円増加しましたが、配当金の支払29億1千5百万円や借入金の返済により財務活動によるキャッシュ・フローが36億6千1百万円減少したことによるものです。
当社グループにおける主な資金需要は、建設事業における工事施工に要する工事費、販売費及び一般管理費ならびに技術開発・ICT関連の設備投資や新領域関連の投資資金です。
運転資金については、金融機関からの借入金及び社債の発行により調達しており、設備投資資金等については、内部留保等の自己資金でまかなっております。
当社は中期3ヵ年計画において、資金投入計画と共に株主還元計画を打ち出しており、競争力の維持・強化のための成長投資と株主還元のバランスを取る方針としております。株主配当につきましては、中期3ヵ年計画において連結配当性向を70%以上としており、2023年3月期の配当は1株当たり191円、連結配当性向73.3%としました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の金額にその結果が反映されております。
これらの見積りにつきましては、過去の実績等を踏まえながら継続して評価し、必要に応じ見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なることがあります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。