有価証券報告書-第47期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、株主をはじめとするすべてのステークホルダー(利害関係者)にとって企業価値を最大化すること、経営の効率性、透明性を向上させることをコーポレート・ガバナンスの基本方針・目的としています。このため、企業倫理と遵法を徹底すること、内部統制システムの整備・強化及び経営の客観性と迅速な意思決定を確保することを主な課題として取り組んでいます。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、経営の意思決定・監督体制と業務の執行体制を分離し、効率的な経営・執行体制の確立を図るととも に、社外取締役を選任し、透明性の高い経営の実現に取り組んでいます。
社外取締役を選任することで、取締役に対する実効性の高い監督体制を構築するとともに、監査役は全員社外監査役を選任し、取締役の職務執行に対する独立性の高い監督体制を構築しています。
加えて、取締役の評価について、社外取締役や監査役がガバナンス委員として中心的な役割を担うことで、取締役がその役割や責務を適切に果たされる環境を整備しています。
a.経営の意思決定・監督と業務の執行の分離
当社は、経営の意思決定・監督機関としての取締役会と、その意思決定に基づく業務執行機能の分離を目的として執行役員制度を導入しています。
また、当社の事業領域を「建築事業本部」「不動産事業本部」「経営管理本部」「関連事業本部」に区分し、事業領域毎に最高執行権限を持つ最高執行責任者を取締役の中から配置するとともに、経営会議に業務執行の決裁権限を必要に応じて委譲し、取締役会が経営に関する重要事項の決定を行うことで、機動的な意思決定を可能としています。
b.独立社外役員の登用
当社では、独自の「社外役員の選任ガイドライン」及び「社外役員の独立性基準」を定め、当社が選任する独立社外役員の資質及び独立性の基準を明確にしています。会社法や東京証券取引所が定める基準に加え、当社独自の基準に基づき独立社外役員7名(社外取締役4名、社外監査役3名)を選任しています。
これにより、当事業年度においては、当社取締役会出席者14名中7名が独立社外役員となり、取締役会において独立した中立な立場からの意見を踏まえた議論を可能としています。
c.ガバナンス委員会の設置
当社では、任意の委員会として、代表取締役、社外取締役全員及び監査役全員で構成される「ガバナンス委員会」(委員長:社外取締役)を設置しています。
ガバナンス委員会は、業務執行取締役の評価制度における評価結果の集計・個別ヒアリングを行うとともに、次期経営体制案や取締役候補者案の諮問に対する意見及び当社のコーポレート・ガバナンスのあり方に関する検討・提言等を行っています。
d.業務執行取締役の評価制度
当社では、ガバナンス委員会が中心となり、業務執行取締役が業務執行及び経営の監督機能に関して相互評価を行っています。業務執行取締役同士が相互評価することに加え、ガバナンス委員会が相互評価結果の集計や業務執行取締役との個別ヒアリングを行うことにより、取締役評価の公正性・透明性を確保しています。
取締役の相互評価結果は、次期経営体制や取締役(社外取締役を除く)の基本報酬、賞与及び株式報酬に反映させています。
e.取締役の報酬制度
当社では、業績と連動した取締役の報酬制度を導入しています。
固定枠としての基本報酬に加え、変動枠として連結当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)に基づき支給総額が決定される賞与、中長期的な業績向上と企業価値向上を目的とした株式報酬を設けています。これらの各報酬には、取締役の相互評価結果を反映させる仕組みとしています。
なお、賞与及び株式報酬については、社外取締役へ支給していません。
f.経営循環の仕組み
当社では、業務執行取締役の定年を満60歳とする取締役定年制を設けています。取締役退任後は、顧問や相談役等の当社グループにおけるいかなる役職にも就かないことを制度化しています。なお、代表取締役については、中長期戦略の策定・実行を行う上で、1期2年ではその職責を全うすることが困難であることから、最大任期を2期4年としています。
また、上級管理職については2親等以内の親族の当社グループへの入社を認めず、世襲制を排除することとしています。これらの制度により、経営の循環を促し、次期経営層を育成する仕組みとしています。
機関ごとの構成員は次のとおりです。(◎は議長、委員長を表す)
③ 企業統治に関するその他の事項
内部統制システム及びリスク管理体制については、以下のとおり整備しています。
a.コンプライアンスに関する取り組み
イ.当社の行動準則として、日常のビジネス活動や業務遂行における指針・基準とする「経営基本方針」及
び「大東建託行動規範」を定めています。これらの行動準則は、社内イントラネット等に掲載し、随時確
認できるようにしているほか、4月に開催する経営計画発表説明会にて、全役員・全社員にて改めて確認
を行い、各行動準則の周知・浸透を行っています。
ロ.コンプライアンス推進会議(業務執行取締役4名及び常勤監査役1名を含むメンバーで構成)を定期的
に開催し、コンプライアンスに関する社員への啓発や事案等の審議を行い、法令遵守状況を監視しています。
ハ.コンプライアンス推進室が主導となり、社員を対象としたコンプライアンス研修を実施し、全社員のコ
ンプライアンスへの意識向上と不正行為の防止等を推進しています。
ニ.コンプライアンス推進室に内部通報窓口を設け、社内イントラネットの専用データベース、電話及び電
子メール等の様々な方法により通報できる体制を整備しています。加えて、外部の弁護士事務所に社内か
ら独立した内部通報窓口を設け、不正行為等の早期発見と是正に努めています。
ホ.反社会的勢力や団体への対応については、取引先から確認書を取得し、一切関係を持たないようにして
います。また、不当要求行為に対しては、対応マニュアルの策定や各支店での不当要求防止責任者を選任
するなどして、組織的に対応する体制を整えています。
b.リスク管理に関する取り組み
イ.コンプライアンス推進会議にて、コンプライアンス事案に加え、リスク管理に関する事案への対応・対
策を審議しています。また、会社に重大な影響を及ぼす事案が発生した場合、または発生する可能性があ
る場合には、取締役会へ報告され、取締役会はその報告内容を受け必要な指示を行っています。
ロ.内部監査室は、監査計画に基づき、当社及び当社グループ会社に対して監査を実施し、監査結果は取締
役・監査役へ報告しています。報告された監査結果に基づき、必要に応じて、取締役・監査役は、是正・
改善指示を行っています。また、内部監査室内にJ-SOX推進課を設け、財務報告に係る内部統制の基
本的計画及び方針に基づき、全社的な統制状況、業務及び決算・財務報告のプロセスについての適正性を
監視しています。
ハ.当社及び当社グループ会社の社員及び施工現場における取引先従業員に対して、品質管理システム及び
安全施工基準書に基づき、施工現場の監督を行い、施工現場の不具合や事故防止に努めています。
ニ.重大災害発生に備え、災害発生時の初動対応マニュアル及び事業継続計画を策定し、これらに基づき、
定期的に訓練を実施しています。
c.取締役の職務執行の適正性及び効率性の確保に関する取り組み
イ.取締役会を毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しています。取締役会では、法令
及び定款に定められた事項、当社及び当社グループ会社の重要事項等を決定するとともに、取締役より業
務執行状況に関する報告を受け、社外取締役・社外監査役を交え取締役の職務執行の監督を行っていま
す。また、取締役会議事録や重要事項に関する稟議決裁書等の取締役の職務執行に関する情報について
は、文書管理規程に基づき、総務部にて適正な保存・管理を行っています。
ロ.取締役会で決定された方針の具体化や複数の事業分野にまたがる課題を協議するため、経営会議を毎月
2回開催するほか、必要に応じて臨時経営会議を開催しています。経営会議の結果は、取締役・監査役に
報告され、経営会議での協議結果の情報の共有化を図っています。
ハ.当社及び当社グループ会社における事業分野ごとの職務執行については、最高執行責任者として担当取
締役を1名ずつ配置し、事業分野内の職務執行を行っています。
ニ.各事業分野内において執行企画会議を定期的に開催し、事業分野内の経営課題や職務執行に関して協議
を行っています。協議結果のうち、重要な事項については、取締役会または経営会議に報告しています。
d.監査役の監査の実効性確保に関する取り組み
イ.監査役会は、3名全員が社外監査役で構成され、毎月1回開催する監査役会及び必要に応じて開催する
臨時監査役会にて、監査方針に従い、監査に関する重要事項の報告・協議及び決議を行っています。
ロ.監査役の中から常勤監査役を1名選定し、常勤監査役は取締役会のほかに、経営会議等の業務執行にお
ける重要な会議に出席し、職務の執行状況を把握するとともに、常勤監査役が監査役会にて報告を行い、監査役間での情報共有を図っています。また、監査役は、取締役及び内部監査室等から職務の執行状況に
ついて報告を受け、取締役の職務執行状況について監視を行っています。
ハ.監査役会からの指名に基づき、常勤監査役の職務を補助する者として監査役補助者2名を選任していま
す。監査役補助者は、常勤監査役による指示業務を優先して行い、監査業務の円滑な遂行を図っていま
す。
e.当社グループにおける業務の適正の確保に関する取り組み
イ.関係会社管理規程を定め、当社グループ会社管理に関する基本方針を定めています。関係会社管理規程
に基づき、グループ会社から業務執行状況について、適宜報告を受けるとともに、グループ会社の業務執
行の重要度に応じて、当社の取締役会及び管掌する取締役の決裁を受ける体制を整備しています。
ロ.グループ会社を管掌する取締役または執行役員が、各グループ会社の取締役に就任し、毎月開催される
取締役会に出席し、業務執行状況を把握するとともに、必要な指示を行っています。
ハ.グループシナジー企画会議を定期的に開催し、各グループ会社の主要経営指標の報告・確認を行うとと
もに、グループ会社間の連携案件の協議・進捗確認及び当社グループのシナジー効果を高めるための意見
交換や対策検討を行っています。
④ コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示
当社では、コーポレートガバナンス・コードの各原則に対する当社の取り組み状況や取り組み方針を当社ホームページ(https://www.kentaku.co.jp/corporate/ir/governance/top.html)に掲載しています。
⑤ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとした場合の、その事項及びその理由
a.自己の株式の取得
当社は、自己の株式の取得について、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めています。
b.取締役及び監査役の責任免除
当社は、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できることを目的として、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)の損害賠償責任を、法令の限度額において、取締役会の決議によって免除することができるとする旨を定款で定めています。
c.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を可能とすることを目的として、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款で定めています。
⑥ 取締役の定数
当社の取締役は、20名以内とする旨定款に定めています。
⑦ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めています。また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨も定款で定めています。
⑧ 取締役との責任限定契約
当社は、会社法第427条第1項に基づき、社外取締役及び社外監査役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任について、職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度とする契約を締結しています。
⑨ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもってこれを行う旨を定款で定めています。
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、株主をはじめとするすべてのステークホルダー(利害関係者)にとって企業価値を最大化すること、経営の効率性、透明性を向上させることをコーポレート・ガバナンスの基本方針・目的としています。このため、企業倫理と遵法を徹底すること、内部統制システムの整備・強化及び経営の客観性と迅速な意思決定を確保することを主な課題として取り組んでいます。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、経営の意思決定・監督体制と業務の執行体制を分離し、効率的な経営・執行体制の確立を図るととも に、社外取締役を選任し、透明性の高い経営の実現に取り組んでいます。
社外取締役を選任することで、取締役に対する実効性の高い監督体制を構築するとともに、監査役は全員社外監査役を選任し、取締役の職務執行に対する独立性の高い監督体制を構築しています。
加えて、取締役の評価について、社外取締役や監査役がガバナンス委員として中心的な役割を担うことで、取締役がその役割や責務を適切に果たされる環境を整備しています。
a.経営の意思決定・監督と業務の執行の分離
当社は、経営の意思決定・監督機関としての取締役会と、その意思決定に基づく業務執行機能の分離を目的として執行役員制度を導入しています。
また、当社の事業領域を「建築事業本部」「不動産事業本部」「経営管理本部」「関連事業本部」に区分し、事業領域毎に最高執行権限を持つ最高執行責任者を取締役の中から配置するとともに、経営会議に業務執行の決裁権限を必要に応じて委譲し、取締役会が経営に関する重要事項の決定を行うことで、機動的な意思決定を可能としています。
b.独立社外役員の登用
当社では、独自の「社外役員の選任ガイドライン」及び「社外役員の独立性基準」を定め、当社が選任する独立社外役員の資質及び独立性の基準を明確にしています。会社法や東京証券取引所が定める基準に加え、当社独自の基準に基づき独立社外役員7名(社外取締役4名、社外監査役3名)を選任しています。
これにより、当事業年度においては、当社取締役会出席者14名中7名が独立社外役員となり、取締役会において独立した中立な立場からの意見を踏まえた議論を可能としています。
c.ガバナンス委員会の設置
当社では、任意の委員会として、代表取締役、社外取締役全員及び監査役全員で構成される「ガバナンス委員会」(委員長:社外取締役)を設置しています。
ガバナンス委員会は、業務執行取締役の評価制度における評価結果の集計・個別ヒアリングを行うとともに、次期経営体制案や取締役候補者案の諮問に対する意見及び当社のコーポレート・ガバナンスのあり方に関する検討・提言等を行っています。
d.業務執行取締役の評価制度
当社では、ガバナンス委員会が中心となり、業務執行取締役が業務執行及び経営の監督機能に関して相互評価を行っています。業務執行取締役同士が相互評価することに加え、ガバナンス委員会が相互評価結果の集計や業務執行取締役との個別ヒアリングを行うことにより、取締役評価の公正性・透明性を確保しています。
取締役の相互評価結果は、次期経営体制や取締役(社外取締役を除く)の基本報酬、賞与及び株式報酬に反映させています。
e.取締役の報酬制度
当社では、業績と連動した取締役の報酬制度を導入しています。
固定枠としての基本報酬に加え、変動枠として連結当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)に基づき支給総額が決定される賞与、中長期的な業績向上と企業価値向上を目的とした株式報酬を設けています。これらの各報酬には、取締役の相互評価結果を反映させる仕組みとしています。
なお、賞与及び株式報酬については、社外取締役へ支給していません。
f.経営循環の仕組み
当社では、業務執行取締役の定年を満60歳とする取締役定年制を設けています。取締役退任後は、顧問や相談役等の当社グループにおけるいかなる役職にも就かないことを制度化しています。なお、代表取締役については、中長期戦略の策定・実行を行う上で、1期2年ではその職責を全うすることが困難であることから、最大任期を2期4年としています。
また、上級管理職については2親等以内の親族の当社グループへの入社を認めず、世襲制を排除することとしています。これらの制度により、経営の循環を促し、次期経営層を育成する仕組みとしています。
機関ごとの構成員は次のとおりです。(◎は議長、委員長を表す)
役職 | 氏名 | 取締役会 | 経営会議 | 監査役会 | ガバナンス委員会 |
代表取締役社長 | 小林 克満 | ◎ | ◎ | 〇 | |
常務取締役 | 川合 秀司 | 〇 | 〇 | ||
常務取締役 | 竹内 啓 | 〇 | 〇 | ||
常務取締役 | 佐藤 功次 | 〇 | 〇 | ||
取締役 | 内田 寛逸 | 〇 | 〇 | ||
取締役 | 舘 正文 | 〇 | 〇 | ||
取締役 | 守 義浩 | 〇 | 〇 | ||
社外取締役 | 山口 利昭 | 〇 | ◎ | ||
社外取締役 | 佐々木 摩美 | 〇 | 〇 | ||
社外取締役 | 庄田 隆 | 〇 | 〇 | ||
社外取締役 | 入谷 淳 | 〇 | 〇 | ||
社外監査役 | 鵜野 正康 | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 |
社外監査役 | 松下 正 | 〇 | 〇 | 〇 | |
社外監査役 | 小林 憲司 | 〇 | 〇 | 〇 | |
執行役員等 | 他6名 | 〇 |
③ 企業統治に関するその他の事項
内部統制システム及びリスク管理体制については、以下のとおり整備しています。
a.コンプライアンスに関する取り組み
イ.当社の行動準則として、日常のビジネス活動や業務遂行における指針・基準とする「経営基本方針」及
び「大東建託行動規範」を定めています。これらの行動準則は、社内イントラネット等に掲載し、随時確
認できるようにしているほか、4月に開催する経営計画発表説明会にて、全役員・全社員にて改めて確認
を行い、各行動準則の周知・浸透を行っています。
ロ.コンプライアンス推進会議(業務執行取締役4名及び常勤監査役1名を含むメンバーで構成)を定期的
に開催し、コンプライアンスに関する社員への啓発や事案等の審議を行い、法令遵守状況を監視しています。
ハ.コンプライアンス推進室が主導となり、社員を対象としたコンプライアンス研修を実施し、全社員のコ
ンプライアンスへの意識向上と不正行為の防止等を推進しています。
ニ.コンプライアンス推進室に内部通報窓口を設け、社内イントラネットの専用データベース、電話及び電
子メール等の様々な方法により通報できる体制を整備しています。加えて、外部の弁護士事務所に社内か
ら独立した内部通報窓口を設け、不正行為等の早期発見と是正に努めています。
ホ.反社会的勢力や団体への対応については、取引先から確認書を取得し、一切関係を持たないようにして
います。また、不当要求行為に対しては、対応マニュアルの策定や各支店での不当要求防止責任者を選任
するなどして、組織的に対応する体制を整えています。
b.リスク管理に関する取り組み
イ.コンプライアンス推進会議にて、コンプライアンス事案に加え、リスク管理に関する事案への対応・対
策を審議しています。また、会社に重大な影響を及ぼす事案が発生した場合、または発生する可能性があ
る場合には、取締役会へ報告され、取締役会はその報告内容を受け必要な指示を行っています。
ロ.内部監査室は、監査計画に基づき、当社及び当社グループ会社に対して監査を実施し、監査結果は取締
役・監査役へ報告しています。報告された監査結果に基づき、必要に応じて、取締役・監査役は、是正・
改善指示を行っています。また、内部監査室内にJ-SOX推進課を設け、財務報告に係る内部統制の基
本的計画及び方針に基づき、全社的な統制状況、業務及び決算・財務報告のプロセスについての適正性を
監視しています。
ハ.当社及び当社グループ会社の社員及び施工現場における取引先従業員に対して、品質管理システム及び
安全施工基準書に基づき、施工現場の監督を行い、施工現場の不具合や事故防止に努めています。
ニ.重大災害発生に備え、災害発生時の初動対応マニュアル及び事業継続計画を策定し、これらに基づき、
定期的に訓練を実施しています。
c.取締役の職務執行の適正性及び効率性の確保に関する取り組み
イ.取締役会を毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しています。取締役会では、法令
及び定款に定められた事項、当社及び当社グループ会社の重要事項等を決定するとともに、取締役より業
務執行状況に関する報告を受け、社外取締役・社外監査役を交え取締役の職務執行の監督を行っていま
す。また、取締役会議事録や重要事項に関する稟議決裁書等の取締役の職務執行に関する情報について
は、文書管理規程に基づき、総務部にて適正な保存・管理を行っています。
ロ.取締役会で決定された方針の具体化や複数の事業分野にまたがる課題を協議するため、経営会議を毎月
2回開催するほか、必要に応じて臨時経営会議を開催しています。経営会議の結果は、取締役・監査役に
報告され、経営会議での協議結果の情報の共有化を図っています。
ハ.当社及び当社グループ会社における事業分野ごとの職務執行については、最高執行責任者として担当取
締役を1名ずつ配置し、事業分野内の職務執行を行っています。
ニ.各事業分野内において執行企画会議を定期的に開催し、事業分野内の経営課題や職務執行に関して協議
を行っています。協議結果のうち、重要な事項については、取締役会または経営会議に報告しています。
d.監査役の監査の実効性確保に関する取り組み
イ.監査役会は、3名全員が社外監査役で構成され、毎月1回開催する監査役会及び必要に応じて開催する
臨時監査役会にて、監査方針に従い、監査に関する重要事項の報告・協議及び決議を行っています。
ロ.監査役の中から常勤監査役を1名選定し、常勤監査役は取締役会のほかに、経営会議等の業務執行にお
ける重要な会議に出席し、職務の執行状況を把握するとともに、常勤監査役が監査役会にて報告を行い、監査役間での情報共有を図っています。また、監査役は、取締役及び内部監査室等から職務の執行状況に
ついて報告を受け、取締役の職務執行状況について監視を行っています。
ハ.監査役会からの指名に基づき、常勤監査役の職務を補助する者として監査役補助者2名を選任していま
す。監査役補助者は、常勤監査役による指示業務を優先して行い、監査業務の円滑な遂行を図っていま
す。
e.当社グループにおける業務の適正の確保に関する取り組み
イ.関係会社管理規程を定め、当社グループ会社管理に関する基本方針を定めています。関係会社管理規程
に基づき、グループ会社から業務執行状況について、適宜報告を受けるとともに、グループ会社の業務執
行の重要度に応じて、当社の取締役会及び管掌する取締役の決裁を受ける体制を整備しています。
ロ.グループ会社を管掌する取締役または執行役員が、各グループ会社の取締役に就任し、毎月開催される
取締役会に出席し、業務執行状況を把握するとともに、必要な指示を行っています。
ハ.グループシナジー企画会議を定期的に開催し、各グループ会社の主要経営指標の報告・確認を行うとと
もに、グループ会社間の連携案件の協議・進捗確認及び当社グループのシナジー効果を高めるための意見
交換や対策検討を行っています。
④ コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示
当社では、コーポレートガバナンス・コードの各原則に対する当社の取り組み状況や取り組み方針を当社ホームページ(https://www.kentaku.co.jp/corporate/ir/governance/top.html)に掲載しています。
⑤ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとした場合の、その事項及びその理由
a.自己の株式の取得
当社は、自己の株式の取得について、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めています。
b.取締役及び監査役の責任免除
当社は、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できることを目的として、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)の損害賠償責任を、法令の限度額において、取締役会の決議によって免除することができるとする旨を定款で定めています。
c.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を可能とすることを目的として、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款で定めています。
⑥ 取締役の定数
当社の取締役は、20名以内とする旨定款に定めています。
⑦ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めています。また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨も定款で定めています。
⑧ 取締役との責任限定契約
当社は、会社法第427条第1項に基づき、社外取締役及び社外監査役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任について、職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度とする契約を締結しています。
⑨ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもってこれを行う旨を定款で定めています。