有価証券報告書-第14期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 14:09
【資料】
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【項目】
127項目

業績等の概要

(1) 業績
<コムシスグループの業績>当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日本銀行による各種政策の効果もあり、企業収益や雇用環境が改善するなど景気は緩やかに回復してまいりました。しかしながら、中国をはじめとするアジア新興国の景気減速や英国の欧州連合(EU)離脱問題、米国の政権交代など海外経済の不確実性により、国内景気への影響が懸念されるなど、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
コムシスグループを取り巻く情報通信分野におきましては、光化を中心としたブロードバンド化・グローバル化の進展に加え、スマートフォン・タブレット端末の多様化・高機能化に伴い急増する大容量のトラフィックに対応するため、モバイルネットワーク環境の構築が進められております。また、公共・民間分野におきましては、あらゆるものがインターネットにつながるIoT、自ら学習し高度な判断が可能となるAI(人工知能)などICTを活用した新たなイノベーションや国土強靭化施策、環境・エネルギー事業及び東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた社会インフラ投資の拡大が期待されております。
コムシスグループといたしましては、太陽光発電設備工事をはじめとするグリーンイノベーション事業への取り組み、スマート社会に向けた公共投資・ICT投資の増加に対応した新たな事業領域へのチャレンジ及びM&Aの実施等トップラインの拡大に取り組んでまいりました。また、成長事業分野への要員流動、施工効率の向上及び経費削減等の利益改善にも努めてまいりました。
このような状況のもと、当連結会計年度の業績につきましては、受注高3,701億9千万円(前期比11.5%増)、売上高3,341億6千万円(前期比4.2%増)となりました。
また、損益につきましては、構造改革による生産性向上等により、経常利益253億4千万円(前期比4.6%増)となりました。しかしながら親会社株主に帰属する当期純利益はのれん償却額を特別損失に計上したことにより144億8千万円(前期比6.1%減)となりました。
なお、グループ別の業績については、以下のとおりであります。
グループ別の受注高・売上高・セグメント利益[営業利益] (単位:百万円)
セグメントの名称受注高売上高セグメント利益
[営業利益]
金 額増減率金 額増減率金 額増減率
日本コムシスグループ245,50115.2%213,7544.9%18,3140.8%
サンワコムシスエンジニアリンググループ44,5022.1%42,2091.0%1,83356.0%
TOSYSグループ22,841△9.0%22,527△4.2%1,23112.9%
つうけんグループ47,96014.1%46,1165.5%2,6326.3%
コムシス情報システムグループ8,35110.5%8,51517.3%76015.0%

(注) 「受注高」及び「売上高」は外部顧客への取引高を記載しております。なお、「セグメント利益」は当社及びセグメント間取引により生じた利益を含んでおります。
<日本コムシスグループの業績>日本コムシスグループは、通信事業者の設備投資の抑制があったものの、国土強靭化施策、インフラの老朽化対策等の公共事業、太陽光発電設備工事をはじめとするグリーンイノベーション事業への取り組みやM&Aの実施等トップラインの拡大に取り組んでまいりました。
この結果、受注高及び売上高は増加となり、営業利益も、構造改革による生産性向上等により増益となりました。
<サンワコムシスエンジニアリンググループの業績>サンワコムシスエンジニアリンググループは、営業・施工一体の組織改編を実施し、新規案件獲得によるトップラインの拡大及び利益確保に向け積極的に取り組んでまいりました。
この結果、受注高は、NCCモバイル関連の設備投資が回復したことにより増加し、売上高は、電設・太陽光発電設備工事等の完成により増加となり、営業利益も、継続的な経費削減等により増益となりました。
TOSYSグループは、グループ価値の最大化を目的とした「グループ一体的事業運営」を推進するとともに、減少傾向にあるNTT系事業において「攻めの営業」、「作業改善」など各種施策の展開による売上・利益確保を推進するとともに、民需系事業における受注拡大に取り組んでまいりました。
この結果、受注高及び売上高は、通信事業者の設備投資の抑制や大型工事の工期延伸などにより減少となったものの、営業利益は、改善施策の効果により増益となりました。
<つうけんグループの業績>つうけんグループは、お客様への積極的な提案営業、協力会社への安全監査を通じた業務品質の向上、新たに受託したNTT設備運営業務の効率的な運営、新規顧客の拡大など各種施策に取り組んでまいりました。
この結果、受注高及び売上高は、NTTアクセス系事業が堅調に推移したこと、モバイル関連工事の増加やグループ会社の新規受注の獲得などにより増加となり、営業利益も、各種システム導入に伴う業務の効率化による経費削減等により増益となりました。
<コムシス情報システムグループの業績>コムシス情報システムグループは、通信事業分野の減少を最小限に抑えるとともに、官公庁系や金融系の新たな事業分野の拡大に取り組んでまいりました。
この結果、受注高及び売上高は、新たな事業分野が堅調に推移したことにより増加となり、営業利益も、プロジェクトマネジメント強化等により増益となりました。
(参考)<当社(持株会社)の状況>当社は、日本コムシス株式会社等統括事業会社から経営管理料として10億1千万円、配当金として89億6千万円を収受いたしました。この結果、営業収益99億7千万円、営業利益89億8千万円及び当期純利益89億2千万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ79億3千万円減少し、208億7千万円(前期比27.5%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益228億円、減価償却費57億2千万円などの増加要因に対し、法人税等の支払額83億5千万円、売上債権76億9千万円などの減少要因を差し引いた結果、125億4千万円の収入(前連結会計年度は130億8千万円の収入)となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出88億6千万円、無形固定資産の取得による支出11億7千万円などにより、99億4千万円の支出(前連結会計年度は73億円の支出)となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出80億2千万円、配当金の支払額44億3千万円などにより、121億7千万円の支出(前連結会計年度は113億円の支出)となりました。