有価証券報告書-第126期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策の規制緩和、訪日外国人旅行者数の回復に伴うインバウンド消費の増加等により景気回復の兆しがみられたものの、世界的な金融引き締め、不安定な為替相場等、先行きが非常に不透明な状況が継続しております。
このような状況のもと、当社グループでは、第2次日甜グループ中期経営計画(2023年4月~2028年3月)を策定し、「持続可能なてん菜産業の創造にチャレンジし、安全・安心で幸せな社会の実現に貢献していく」を掲げるとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、企業価値の一層の向上に取り組んでおります。
また、DM三井製糖ホールディングス株式会社との資本業務提携の一環として、2023年10月から、同社の連結子会社である北海道糖業株式会社が集荷する原料の一部を芽室製糖所へ搬入し、砂糖等の製造を受託しております。
当連結会計年度は、主に砂糖事業における販売価格の上昇により、売上高は前期比6.6%増の69,297百万円となりましたが、経常利益は、主に砂糖事業及び飼料事業の減益により、前期比9.6%減の1,802百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の売却益を特別利益に計上したため、前期比43.7%増の1,811百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<砂糖事業>海外市況につきましては、ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限)において1ポンド当たり期初22.35セントで始まり、レアル高によるブラジルの輸出減退観測や干ばつによるインドの砂糖輸出禁止見通しにより28セント台まで上昇しましたが、主要生産国であるブラジルの生産見通しが引き上げられたことや、不作が見込まれていたタイの供給懸念の後退により、22.52セントまで下落し、当期を終えました。
一方、国内市況につきましては、期初227円~229円(東京精糖上白現物相場、キログラム当たり)で始まりましたが、海外粗糖相場上昇の影響を受け、7月に239円~241円に上昇、さらには1月に249円~251円に上昇し、そのまま当期を終えました。
2023年産の原料てん菜による製糖作業は、10月上旬より開始いたしました。昨年の原料てん菜は、猛暑等により著しく低糖分となり、収量・品質に影響を受けました。品質管理の徹底による原料てん菜品質の維持・劣化抑制、製糖資材の使用量の抑制に努めましたが、エネルギー価格の高止まり等により、製造コストは著しく増加しました。
ビート糖は、清涼飲料、菓子向け等の需要回復に加え、販売価格も上昇したことから、売上高は前期を上回りました。
精糖は、業務用販売数量の回復と販売価格の上昇により、売上高は前期を上回りました。
砂糖事業の売上高は、47,294百万円(前期比10.5%増)となりましたが、製造コストの著しい増加により、552百万円の営業損失(前期は243百万円の営業損失)となりました。
<食品事業>イースト、オリゴ糖等食品素材は、適正価格での販売に努めたこと等により、売上高は前期を上回りました。
食品事業の売上高は、2,615百万円(前期比3.4%増)となり、固定費削減等により、188百万円の営業利益(前期比280.5%増)となりました。
<飼料事業>配合飼料は、牛乳消費減退の影響を受けて一時落ち込んだ販売数量が、生産抑制解除と営業努力により回復傾向になり、売上高は前期を上回りました。
ビートパルプは、販売数量、売上高ともに前期並みとなりました。
飼料事業の売上高は、12,673百万円(前期比1.1%増)となりましたが、原材料価格やエネルギーコストの影響により、121百万円の営業利益(前期比72.3%減)となりました。
<農業資材事業>紙筒(移植栽培用育苗鉢)は、ビート用・そ菜用ともに販売数量が減少し、売上高は前期を下回りました。
農業機材は、移植機材・播種機材等の売上減少により、売上高は前期を下回りました。
農業資材事業の売上高は、3,847百万円(前期比11.6%減)となり、営業利益は179百万円(前期比13.8%減)となりました。
<不動産事業>不動産事業は、一部賃貸物件の稼働率低下により、売上高、営業利益ともに前期を下回りました。
不動産事業の売上高は、1,462百万円(前期比3.2%減)となり、営業利益は903百万円(前期比6.5%減)となりました。
<その他の事業>その他の事業は、石油類及びスポーツレジャー施設の売上が増加したものの、コスト増加により、営業利益は前期を下回りました。
その他の事業の売上高は、1,404百万円(前期比11.0%増)となりましたが、営業利益は65百万円(前期比6.6%減)となりました。
②財政状態
当連結会計年度末の資産の合計は103,022百万円で、前連結会計年度末に比べ127百万円の減少となりました。
一方、負債の合計は30,487百万円で、前連結会計年度末に比べ4,528百万円の減少となりました。
純資産の合計は72,535百万円で、前連結会計年度末に比べ4,401百万円の増加となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,263百万円増加し、12,853百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、13,044百万円の収入(前連結会計年度は1,825百万円の支出)となりました。 これは、主に棚卸資産の減少7,145百万円、税金等調整前当期純利益2,633百万円、未収入金の減少978百万円等による資金の増加があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,315百万円の支出(前連結会計年度は1,704百万円の支出)となりました。 これは、主に有形固定資産の取得による支出4,129百万円等による資金の減少があったものの、投資有価証券の売却による収入945百万円、国庫補助金等の受入による収入943百万円等による資金の増加があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、9,465百万円の支出(前連結会計年度は2,969百万円の収入)となりました。 これは、主に短期借入金の収支差による支出7,700百万円、自己株式の取得による支出1,001百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、期中の平均販売価格に生産数量を乗じて算出しております。
3 不動産事業の主な内容は、不動産賃貸等のため、記載しておりません。
4 その他の事業の主な内容は、輸送サービス等のため、記載しておりません。
b.受注実績
一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の分析)
当連結会計年度の売上高は、主に販売価格が上昇したことにより前期比6.6%増の69,297百万円となりました。
売上原価は、エネルギー価格の高止まり並びに原材料等の値上がりによる製造コストの上昇により、前期を上回りました。
販売費及び一般管理費は、主に昨年の原料てん菜が猛暑等により著しく低糖分となり、ビート糖等の生産数量が減少したことに伴う保管費・運送費の減少により前期を下回りました。営業利益は前期比39.5%減の910百万円となりました。
営業外収益は受取配当金の増加により前期を上回りましたが、営業外費用はほぼ前期並となったため、経常利益は前期比9.6%減の1,802百万円となりました。
特別利益には、投資有価証券の売却益902百万円を計上した一方、特別損失には、固定資産の減損損失88百万円を計上しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比43.7%増の1,811百万円となりました。
砂糖消費量の減少や燃料等の価格高騰が続き、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況にありますが、この状況下での業績の回復、そして成長を図っていくことを目指し、当社グループでは2024年3月期から5カ年の「第2次日甜グループ中期経営計画」を策定いたしました。
「持続可能なてん菜産業の創造にチャレンジし、安全・安心で幸せな社会の実現に貢献していく」を基本方針とし、砂糖事業の更なるコスト低減、及び食品事業、飼料事業、農業資材事業の成長により売上の増加と利益の回復を目指し、計画最終年度となる2028年3月期までに、営業利益24億円、経常利益28億円を達成することを目標としております。当社グループ一丸となり、持続可能なてん菜産業の実現を図るべく取り組んでまいります。
「第2次日甜グループ中期経営計画」の初年度となる当連結会計年度では、原料てん菜が猛暑等により著しく低糖分となり、砂糖生産量が減少しました。加えて、燃料等の製造コストの高止まりにより、営業利益は910百万円と非常に厳しい状況となりました。
なお、当社グループは「売上高経常利益率」を目標とする経営指標に設定しております。
当連結会計年度の売上高経常利益率は2.60%(前期3.07%)で、製造コスト増加が利益を圧迫し、前連結会計年度に比べ0.47ポイント下落いたしました。引き続き、目標とする4%の達成を目指してまいります。
セグメントごとの経営成績は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであり、セグメントごとの経営成績の分析は以下のとおりであります。なお、各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、砂糖事業が68.2%、食品事業が3.8%、飼料事業が18.3%、農業資材事業が5.6%、不動産事業が2.1%、その他の事業が2.0%であります。
<砂糖事業>砂糖事業を取り巻く環境は、消費者の低甘味嗜好や輸入加糖調製品等の代替甘味料の増加等により砂糖の消費減少が続くなか、2020年以降はコロナ禍における経済活動抑制の影響が重なり、深刻な砂糖の消費低迷に直面しております。
ビート糖はコロナ禍前の水準までには戻っていないものの、清涼飲料や菓子向けの業務用出荷で回復が見られ、販売価格も上昇したことから、売上高は前期を上回りました。販売価格の基準となる国内砂糖相場は、海外砂糖相場の上昇等を受けて2023年7月に12円、2024年1月に10円上昇しております。製造面では、品質管理の徹底による原料てん菜の品質維持・劣化抑制、製糖資材の使用量抑制に努めましたが、エネルギー価格の高止まり等により、製造コストは著しく増加しました。
精糖は、業務用販売数量の回復と販売価格の上昇により、売上高は前期を上回りました。
<食品事業>イーストは価格競争による市場の奪い合い等が激しく、厳しい状況にあります。機能性食品の市場は、健康志向の高まりから成長しているものの流行があり、また新規参入しやすい市場でもあり、安定成長が難しい状況にあります。
このような中イースト、オリゴ糖等食品素材は、適正価格での販売に努めたこと等により、売上高は前期を上回りました。
フラクトオリゴ糖等のオリゴ糖含有液状甘味料の拡販により、売上確保に努めております。
<飼料事業>北海道の乳牛向け配合飼料の市場規模は約160万トンで、価格競争が激化しており、またビートパルプは需要の落ち込みが懸念されております。
配合飼料の売上数量は、牛乳の生産抑制解除と営業努力により回復傾向になり、売上高は前期を上回りました。
ビートパルプは、てん菜の収量減少に伴い生産数量が減少したことで販売数量が減少し、売上高は前期を下回りました。
飼料事業では、当社が製造している機能性食品素材を配合した製品の開発にも力を入れており、付加価値の高い配合飼料「カウライザー」、「コウシのミカタ」等の拡販に努めております。
海外展開へ向けた取り組みの一環として、当社で製造しているオリゴ糖「DFAⅢ」をEurope Committee(欧州委員会)に飼料添加物として申請しており、現在審査を受けています。
<農業資材事業>農業用資材は農業人口・戸数の減少に伴い、市場は減少傾向にあります。
紙筒(移植栽培用育苗鉢)は、てん菜の生育方法が移植栽培から直播栽培に変わってきており、ビート用の販売は減少傾向にありますが、ネギ用を主としたそ菜用は国内をはじめ輸出が拡大傾向にあり、ビート用の売上減少をカバーしております。
海外展開についても注力しており、育苗資材のペーパーポットが数珠状に連結した「チェーンポット」と、それらを簡易的に移植する移植機「ひっぱりくん」を一連のシステムとして展開しています。動力を使わない安価で確実な移植システムとして、欧米などの有機農業に採用されており、更なる拡販に努めております。
農業用機械は年により受注台数に変動がありますが、紙筒と同様、ビート用だけでなく、タマネギ等そ菜用の開発・販売に努めております。
<不動産事業>社有の遊休地を有効活用し、不動産事業は着実に売上を伸ばしてきましたが、当連結会計年度においては一部賃貸物件の稼働率低下により、売上高は前期を下回りました。
高度利用可能な遊休地は少なくなってきており、既存テナントとの友好的な関係維持に努めております。
<その他の事業>その他の事業は、貨物輸送や石炭等の燃料の販売、ボウリング等のスポーツレジャー施設の営業等で構成されております。
当連結会計年度においては、主に原料てん菜の収量減少に伴い貨物輸送が減少したものの、スポーツレジャー施設の売上が回復したことにより売上高は前期を上回りました。
(財政状態の分析)
資産の合計は103,022百万円で、前連結会計年度末に比べ127百万円の減少となりました。このうち流動資産は50,931百万円となり、主に棚卸資産の減少により、前連結会計年度末に比べ6,122百万円の減少となりました。また、固定資産は52,090百万円となり、主に投資有価証券の時価の上昇により、前連結会計年度末に比べ5,995百万円の増加となりました。
一方、負債の合計は30,487百万円で、主に短期借入金の減少により、前連結会計年度末に比べ4,528百万円の減少となりました。
純資産の合計は72,535百万円で、主にその他有価証券評価差額金の増加により、前連結会計年度末に比べ4,401百万円の増加となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務指標数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。なお、2023年3月期の債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しています。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(資金需要及び財政政策)
当社グループが事業を行う上で必要となる運転資金、設備投資、借入金の返済及び利息の支払い並びに配当金及び法人税の支払い等に資金を充当しております。
運転資金等の資金需要に対しては、営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入により資金を調達しており、金融機関からの借入金額は年間の資金計画に基づき適切な水準とし、資金繰りを考慮し返済方法を決定しております。また当社及び子会社の余剰資金を、当社グループ内で融通し合うことにより資金の効率化を図り、グループ外部への資金流出を抑えております。
設備投資については、過剰な投資とならないよう当社グループの現況に見合った年間の投資計画を策定し、老朽化した設備の更新のほか、製造コストの削減、製造工程の改善、製品の品質向上、環境対策等を目的とした設備投資又は将来の利益獲得のための先行投資を行っております。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。なお、設備の新設・更新は主として自己資金によっております。
配当については、当社グループは主業のビート糖事業を中心に公益性の高い事業を営んでおり、長期的かつ安定的な事業継続が求められるため、財務体質の強化と経営基盤の拡大を図ることを重視するとともに、株主の皆様への適切な利益還元を経営上の重要な政策と位置づけ、安定的な配当を継続することを基本方針としております。なお、株式価値の向上及び株主還元の充実を図るために、2024年3月期以降の配当方針を変更し、配当を1株につき50円以上とすることに加え、必要に応じて自己株式を取得することとしております。
資金の運用については、比較的安全な譲渡性預金で運用しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は12,853百万円となり、大型工事の実施による有形固定資産の取得や自己株式の取得等により資金が減少した一方、当期純利益の増加、棚卸資産や未収入金の減少等により資金が増加し、前連結会計年度末に比べ2,263百万円増加いたしました。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は12,632百万円となりました。
将来発生し得る資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び手許資金により充当が可能であると判断しており、資金の不足が見込まれる場合には、金融機関からの借入により対処する方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては会計上の見積りを行う必要があり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示及び報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④経営成績に重要な影響を与える要因と今後の方針について
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「対処すべき課題」及び「事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの売上高の約7割を砂糖事業が占めており、他の事業におきましてもほとんどが砂糖の原料となるてん菜(ビート)由来の製品事業、又は砂糖に関連する事業から成り立っていることから、国内の砂糖消費量及び海外砂糖相場の動向、国の農業政策や砂糖業界を取り巻く国際情勢、てん菜の生産状況など砂糖事業に特有のリスクが、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
また昨今のエネルギー価格及び輸入穀物価格の高止まりの当社事業への影響は大きく、外部環境の急激な変動を販売価格に転嫁できない場合、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(今後の方針)
砂糖業界におきましては、消費者の低甘味嗜好や輸入加糖調製品等の代替甘味料の増加等により、国内の砂糖消費量が減少傾向にあるなど大変厳しい状況にあり、2020年以降はコロナ禍における経済活動抑制の影響が重なり、当社グループを取り巻く環境は一層厳しさを増しております。また、ウクライナ情勢等を受けたエネルギーコスト及び原材料等の高止まりにより、砂糖を始めとする各製品の製造コストは上昇しており、このような急激な外部環境の変化に適応できる経営戦略の再構築が急務と捉えております。
当社グループでは「開拓者精神を貫き 社会に貢献しよう」の社是のもと、当社グループが目指す道標として「日甜アグリーン戦略」を策定し、「てん菜糖業」から「てん菜産業」への飛躍を図り、農業を基盤とした成長事業への展開を図ることといたしました。当社グループが抱える諸課題にチャレンジし、持続可能な食料システム構築と新たな価値の創造を目指し、多くの方に支持され続ける企業に成長してまいります。
「対処すべき課題及び中長期的な経営戦略」に記載のとおり、てん菜・てん菜糖生産量の漸減が決定され、ビート糖事業を主業とする当社グループを取り巻く環境は一層厳しさを増すものと捉えております。このような厳しい経営環境に対処すべく「第2次日甜グループ中期経営計画」を新たに策定し、計画達成に向け取り組みを始めております。本計画では、砂糖事業の更なるコスト低減、及び食品事業、飼料事業、農業資材事業の成長により売上の増加と利益の回復を目指しており、基盤事業として砂糖事業の確固たる構造を維持する一方、成長分野としてフラクトオリゴ糖等の販売強化や農業資材等の海外展開、てん菜の用途拡大を図ることとしております。また新たな資本政策や、環境対策・人材への投資・社会貢献等の非財務目標を掲げるなど、持続可能なてん菜産業の実現を図るべく、当社グループ一丸となり取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策の規制緩和、訪日外国人旅行者数の回復に伴うインバウンド消費の増加等により景気回復の兆しがみられたものの、世界的な金融引き締め、不安定な為替相場等、先行きが非常に不透明な状況が継続しております。
このような状況のもと、当社グループでは、第2次日甜グループ中期経営計画(2023年4月~2028年3月)を策定し、「持続可能なてん菜産業の創造にチャレンジし、安全・安心で幸せな社会の実現に貢献していく」を掲げるとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、企業価値の一層の向上に取り組んでおります。
また、DM三井製糖ホールディングス株式会社との資本業務提携の一環として、2023年10月から、同社の連結子会社である北海道糖業株式会社が集荷する原料の一部を芽室製糖所へ搬入し、砂糖等の製造を受託しております。
当連結会計年度は、主に砂糖事業における販売価格の上昇により、売上高は前期比6.6%増の69,297百万円となりましたが、経常利益は、主に砂糖事業及び飼料事業の減益により、前期比9.6%減の1,802百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の売却益を特別利益に計上したため、前期比43.7%増の1,811百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<砂糖事業>海外市況につきましては、ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限)において1ポンド当たり期初22.35セントで始まり、レアル高によるブラジルの輸出減退観測や干ばつによるインドの砂糖輸出禁止見通しにより28セント台まで上昇しましたが、主要生産国であるブラジルの生産見通しが引き上げられたことや、不作が見込まれていたタイの供給懸念の後退により、22.52セントまで下落し、当期を終えました。
一方、国内市況につきましては、期初227円~229円(東京精糖上白現物相場、キログラム当たり)で始まりましたが、海外粗糖相場上昇の影響を受け、7月に239円~241円に上昇、さらには1月に249円~251円に上昇し、そのまま当期を終えました。
2023年産の原料てん菜による製糖作業は、10月上旬より開始いたしました。昨年の原料てん菜は、猛暑等により著しく低糖分となり、収量・品質に影響を受けました。品質管理の徹底による原料てん菜品質の維持・劣化抑制、製糖資材の使用量の抑制に努めましたが、エネルギー価格の高止まり等により、製造コストは著しく増加しました。
ビート糖は、清涼飲料、菓子向け等の需要回復に加え、販売価格も上昇したことから、売上高は前期を上回りました。
精糖は、業務用販売数量の回復と販売価格の上昇により、売上高は前期を上回りました。
砂糖事業の売上高は、47,294百万円(前期比10.5%増)となりましたが、製造コストの著しい増加により、552百万円の営業損失(前期は243百万円の営業損失)となりました。
<食品事業>イースト、オリゴ糖等食品素材は、適正価格での販売に努めたこと等により、売上高は前期を上回りました。
食品事業の売上高は、2,615百万円(前期比3.4%増)となり、固定費削減等により、188百万円の営業利益(前期比280.5%増)となりました。
<飼料事業>配合飼料は、牛乳消費減退の影響を受けて一時落ち込んだ販売数量が、生産抑制解除と営業努力により回復傾向になり、売上高は前期を上回りました。
ビートパルプは、販売数量、売上高ともに前期並みとなりました。
飼料事業の売上高は、12,673百万円(前期比1.1%増)となりましたが、原材料価格やエネルギーコストの影響により、121百万円の営業利益(前期比72.3%減)となりました。
<農業資材事業>紙筒(移植栽培用育苗鉢)は、ビート用・そ菜用ともに販売数量が減少し、売上高は前期を下回りました。
農業機材は、移植機材・播種機材等の売上減少により、売上高は前期を下回りました。
農業資材事業の売上高は、3,847百万円(前期比11.6%減)となり、営業利益は179百万円(前期比13.8%減)となりました。
<不動産事業>不動産事業は、一部賃貸物件の稼働率低下により、売上高、営業利益ともに前期を下回りました。
不動産事業の売上高は、1,462百万円(前期比3.2%減)となり、営業利益は903百万円(前期比6.5%減)となりました。
<その他の事業>その他の事業は、石油類及びスポーツレジャー施設の売上が増加したものの、コスト増加により、営業利益は前期を下回りました。
その他の事業の売上高は、1,404百万円(前期比11.0%増)となりましたが、営業利益は65百万円(前期比6.6%減)となりました。
②財政状態
当連結会計年度末の資産の合計は103,022百万円で、前連結会計年度末に比べ127百万円の減少となりました。
一方、負債の合計は30,487百万円で、前連結会計年度末に比べ4,528百万円の減少となりました。
純資産の合計は72,535百万円で、前連結会計年度末に比べ4,401百万円の増加となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,263百万円増加し、12,853百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、13,044百万円の収入(前連結会計年度は1,825百万円の支出)となりました。 これは、主に棚卸資産の減少7,145百万円、税金等調整前当期純利益2,633百万円、未収入金の減少978百万円等による資金の増加があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,315百万円の支出(前連結会計年度は1,704百万円の支出)となりました。 これは、主に有形固定資産の取得による支出4,129百万円等による資金の減少があったものの、投資有価証券の売却による収入945百万円、国庫補助金等の受入による収入943百万円等による資金の増加があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、9,465百万円の支出(前連結会計年度は2,969百万円の収入)となりました。 これは、主に短期借入金の収支差による支出7,700百万円、自己株式の取得による支出1,001百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 砂糖 | 32,071 | △26.1 |
| 食品 | 1,803 | 1.4 |
| 飼料 | 11,889 | △3.2 |
| 農業資材 | 3,224 | △8.3 |
| 合計 | 48,989 | △19.7 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、期中の平均販売価格に生産数量を乗じて算出しております。
3 不動産事業の主な内容は、不動産賃貸等のため、記載しておりません。
4 その他の事業の主な内容は、輸送サービス等のため、記載しておりません。
b.受注実績
一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 砂糖 | 47,294 | 10.5 |
| 食品 | 2,615 | 3.4 |
| 飼料 | 12,673 | 1.1 |
| 農業資材 | 3,847 | △11.6 |
| 不動産 | 1,462 | △3.2 |
| その他 | 1,404 | 11.0 |
| 合計 | 69,297 | 6.6 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の分析)
当連結会計年度の売上高は、主に販売価格が上昇したことにより前期比6.6%増の69,297百万円となりました。
売上原価は、エネルギー価格の高止まり並びに原材料等の値上がりによる製造コストの上昇により、前期を上回りました。
販売費及び一般管理費は、主に昨年の原料てん菜が猛暑等により著しく低糖分となり、ビート糖等の生産数量が減少したことに伴う保管費・運送費の減少により前期を下回りました。営業利益は前期比39.5%減の910百万円となりました。
営業外収益は受取配当金の増加により前期を上回りましたが、営業外費用はほぼ前期並となったため、経常利益は前期比9.6%減の1,802百万円となりました。
特別利益には、投資有価証券の売却益902百万円を計上した一方、特別損失には、固定資産の減損損失88百万円を計上しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比43.7%増の1,811百万円となりました。
砂糖消費量の減少や燃料等の価格高騰が続き、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況にありますが、この状況下での業績の回復、そして成長を図っていくことを目指し、当社グループでは2024年3月期から5カ年の「第2次日甜グループ中期経営計画」を策定いたしました。
「持続可能なてん菜産業の創造にチャレンジし、安全・安心で幸せな社会の実現に貢献していく」を基本方針とし、砂糖事業の更なるコスト低減、及び食品事業、飼料事業、農業資材事業の成長により売上の増加と利益の回復を目指し、計画最終年度となる2028年3月期までに、営業利益24億円、経常利益28億円を達成することを目標としております。当社グループ一丸となり、持続可能なてん菜産業の実現を図るべく取り組んでまいります。
「第2次日甜グループ中期経営計画」の初年度となる当連結会計年度では、原料てん菜が猛暑等により著しく低糖分となり、砂糖生産量が減少しました。加えて、燃料等の製造コストの高止まりにより、営業利益は910百万円と非常に厳しい状況となりました。
なお、当社グループは「売上高経常利益率」を目標とする経営指標に設定しております。
当連結会計年度の売上高経常利益率は2.60%(前期3.07%)で、製造コスト増加が利益を圧迫し、前連結会計年度に比べ0.47ポイント下落いたしました。引き続き、目標とする4%の達成を目指してまいります。
セグメントごとの経営成績は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであり、セグメントごとの経営成績の分析は以下のとおりであります。なお、各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、砂糖事業が68.2%、食品事業が3.8%、飼料事業が18.3%、農業資材事業が5.6%、不動産事業が2.1%、その他の事業が2.0%であります。
<砂糖事業>砂糖事業を取り巻く環境は、消費者の低甘味嗜好や輸入加糖調製品等の代替甘味料の増加等により砂糖の消費減少が続くなか、2020年以降はコロナ禍における経済活動抑制の影響が重なり、深刻な砂糖の消費低迷に直面しております。
ビート糖はコロナ禍前の水準までには戻っていないものの、清涼飲料や菓子向けの業務用出荷で回復が見られ、販売価格も上昇したことから、売上高は前期を上回りました。販売価格の基準となる国内砂糖相場は、海外砂糖相場の上昇等を受けて2023年7月に12円、2024年1月に10円上昇しております。製造面では、品質管理の徹底による原料てん菜の品質維持・劣化抑制、製糖資材の使用量抑制に努めましたが、エネルギー価格の高止まり等により、製造コストは著しく増加しました。
精糖は、業務用販売数量の回復と販売価格の上昇により、売上高は前期を上回りました。
<食品事業>イーストは価格競争による市場の奪い合い等が激しく、厳しい状況にあります。機能性食品の市場は、健康志向の高まりから成長しているものの流行があり、また新規参入しやすい市場でもあり、安定成長が難しい状況にあります。
このような中イースト、オリゴ糖等食品素材は、適正価格での販売に努めたこと等により、売上高は前期を上回りました。
フラクトオリゴ糖等のオリゴ糖含有液状甘味料の拡販により、売上確保に努めております。
<飼料事業>北海道の乳牛向け配合飼料の市場規模は約160万トンで、価格競争が激化しており、またビートパルプは需要の落ち込みが懸念されております。
配合飼料の売上数量は、牛乳の生産抑制解除と営業努力により回復傾向になり、売上高は前期を上回りました。
ビートパルプは、てん菜の収量減少に伴い生産数量が減少したことで販売数量が減少し、売上高は前期を下回りました。
飼料事業では、当社が製造している機能性食品素材を配合した製品の開発にも力を入れており、付加価値の高い配合飼料「カウライザー」、「コウシのミカタ」等の拡販に努めております。
海外展開へ向けた取り組みの一環として、当社で製造しているオリゴ糖「DFAⅢ」をEurope Committee(欧州委員会)に飼料添加物として申請しており、現在審査を受けています。
<農業資材事業>農業用資材は農業人口・戸数の減少に伴い、市場は減少傾向にあります。
紙筒(移植栽培用育苗鉢)は、てん菜の生育方法が移植栽培から直播栽培に変わってきており、ビート用の販売は減少傾向にありますが、ネギ用を主としたそ菜用は国内をはじめ輸出が拡大傾向にあり、ビート用の売上減少をカバーしております。
海外展開についても注力しており、育苗資材のペーパーポットが数珠状に連結した「チェーンポット」と、それらを簡易的に移植する移植機「ひっぱりくん」を一連のシステムとして展開しています。動力を使わない安価で確実な移植システムとして、欧米などの有機農業に採用されており、更なる拡販に努めております。
農業用機械は年により受注台数に変動がありますが、紙筒と同様、ビート用だけでなく、タマネギ等そ菜用の開発・販売に努めております。
<不動産事業>社有の遊休地を有効活用し、不動産事業は着実に売上を伸ばしてきましたが、当連結会計年度においては一部賃貸物件の稼働率低下により、売上高は前期を下回りました。
高度利用可能な遊休地は少なくなってきており、既存テナントとの友好的な関係維持に努めております。
<その他の事業>その他の事業は、貨物輸送や石炭等の燃料の販売、ボウリング等のスポーツレジャー施設の営業等で構成されております。
当連結会計年度においては、主に原料てん菜の収量減少に伴い貨物輸送が減少したものの、スポーツレジャー施設の売上が回復したことにより売上高は前期を上回りました。
(財政状態の分析)
資産の合計は103,022百万円で、前連結会計年度末に比べ127百万円の減少となりました。このうち流動資産は50,931百万円となり、主に棚卸資産の減少により、前連結会計年度末に比べ6,122百万円の減少となりました。また、固定資産は52,090百万円となり、主に投資有価証券の時価の上昇により、前連結会計年度末に比べ5,995百万円の増加となりました。
一方、負債の合計は30,487百万円で、主に短期借入金の減少により、前連結会計年度末に比べ4,528百万円の減少となりました。
純資産の合計は72,535百万円で、主にその他有価証券評価差額金の増加により、前連結会計年度末に比べ4,401百万円の増加となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
| 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | 2024年 3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 67.6 | 66.1 | 70.4 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 21.6 | 21.6 | 25.9 |
| 債務償還年数(年) | 6.5 | - | 1.0 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 20.0 | - | 125.5 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務指標数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。なお、2023年3月期の債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しています。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(資金需要及び財政政策)
当社グループが事業を行う上で必要となる運転資金、設備投資、借入金の返済及び利息の支払い並びに配当金及び法人税の支払い等に資金を充当しております。
運転資金等の資金需要に対しては、営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入により資金を調達しており、金融機関からの借入金額は年間の資金計画に基づき適切な水準とし、資金繰りを考慮し返済方法を決定しております。また当社及び子会社の余剰資金を、当社グループ内で融通し合うことにより資金の効率化を図り、グループ外部への資金流出を抑えております。
設備投資については、過剰な投資とならないよう当社グループの現況に見合った年間の投資計画を策定し、老朽化した設備の更新のほか、製造コストの削減、製造工程の改善、製品の品質向上、環境対策等を目的とした設備投資又は将来の利益獲得のための先行投資を行っております。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。なお、設備の新設・更新は主として自己資金によっております。
配当については、当社グループは主業のビート糖事業を中心に公益性の高い事業を営んでおり、長期的かつ安定的な事業継続が求められるため、財務体質の強化と経営基盤の拡大を図ることを重視するとともに、株主の皆様への適切な利益還元を経営上の重要な政策と位置づけ、安定的な配当を継続することを基本方針としております。なお、株式価値の向上及び株主還元の充実を図るために、2024年3月期以降の配当方針を変更し、配当を1株につき50円以上とすることに加え、必要に応じて自己株式を取得することとしております。
資金の運用については、比較的安全な譲渡性預金で運用しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は12,853百万円となり、大型工事の実施による有形固定資産の取得や自己株式の取得等により資金が減少した一方、当期純利益の増加、棚卸資産や未収入金の減少等により資金が増加し、前連結会計年度末に比べ2,263百万円増加いたしました。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は12,632百万円となりました。
将来発生し得る資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び手許資金により充当が可能であると判断しており、資金の不足が見込まれる場合には、金融機関からの借入により対処する方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては会計上の見積りを行う必要があり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示及び報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④経営成績に重要な影響を与える要因と今後の方針について
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「対処すべき課題」及び「事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの売上高の約7割を砂糖事業が占めており、他の事業におきましてもほとんどが砂糖の原料となるてん菜(ビート)由来の製品事業、又は砂糖に関連する事業から成り立っていることから、国内の砂糖消費量及び海外砂糖相場の動向、国の農業政策や砂糖業界を取り巻く国際情勢、てん菜の生産状況など砂糖事業に特有のリスクが、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
また昨今のエネルギー価格及び輸入穀物価格の高止まりの当社事業への影響は大きく、外部環境の急激な変動を販売価格に転嫁できない場合、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(今後の方針)
砂糖業界におきましては、消費者の低甘味嗜好や輸入加糖調製品等の代替甘味料の増加等により、国内の砂糖消費量が減少傾向にあるなど大変厳しい状況にあり、2020年以降はコロナ禍における経済活動抑制の影響が重なり、当社グループを取り巻く環境は一層厳しさを増しております。また、ウクライナ情勢等を受けたエネルギーコスト及び原材料等の高止まりにより、砂糖を始めとする各製品の製造コストは上昇しており、このような急激な外部環境の変化に適応できる経営戦略の再構築が急務と捉えております。
当社グループでは「開拓者精神を貫き 社会に貢献しよう」の社是のもと、当社グループが目指す道標として「日甜アグリーン戦略」を策定し、「てん菜糖業」から「てん菜産業」への飛躍を図り、農業を基盤とした成長事業への展開を図ることといたしました。当社グループが抱える諸課題にチャレンジし、持続可能な食料システム構築と新たな価値の創造を目指し、多くの方に支持され続ける企業に成長してまいります。
「対処すべき課題及び中長期的な経営戦略」に記載のとおり、てん菜・てん菜糖生産量の漸減が決定され、ビート糖事業を主業とする当社グループを取り巻く環境は一層厳しさを増すものと捉えております。このような厳しい経営環境に対処すべく「第2次日甜グループ中期経営計画」を新たに策定し、計画達成に向け取り組みを始めております。本計画では、砂糖事業の更なるコスト低減、及び食品事業、飼料事業、農業資材事業の成長により売上の増加と利益の回復を目指しており、基盤事業として砂糖事業の確固たる構造を維持する一方、成長分野としてフラクトオリゴ糖等の販売強化や農業資材等の海外展開、てん菜の用途拡大を図ることとしております。また新たな資本政策や、環境対策・人材への投資・社会貢献等の非財務目標を掲げるなど、持続可能なてん菜産業の実現を図るべく、当社グループ一丸となり取り組んでまいります。