有価証券報告書-第67期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は34,208百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,941百万円の増加となりました。これは主に、「現金及び預金」が941百万円、「受取手形、売掛金及び契約資産」が1,460百万円、「商品及び製品」が196百万円、「原材料及び貯蔵品」が163百万円、「その他」が207百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は86,302百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,386百万円の増加となりました。これは主に「建物及び構築物」が801百万円、「建設仮勘定」が906百万円、「投資有価証券」が2,394百万円、「退職給付に係る資産」が4,197百万円それぞれ増加した一方、「機械装置及び運搬具」が995百万円、有形固定資産の「リース資産」が538百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、総資産は120,510百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,328百万円増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は29,856百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,134百万円増加となりました。これは主に「短期借入金」が2,618百万円、「未払法人税等」が602百万円、「その他」が723百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は16,934百万円となり、前連結会計年度末に比べ528百万円の減少となりました。これは主に「繰延税金負債」が1,769百万円増加した一方、「長期借入金」が2,281百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は46,791百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,606百万円増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は73,718百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,722百万円の増加となりました。これは主に「親会社株主に帰属する当期純利益」2,257百万円及び「剰余金の配当」1,159百万円により「利益剰余金」が1,097百万円増加したことや、「為替換算調整勘定」が1,402百万円、「退職給付に係る調整累計額」が2,228百万円、「非支配株主持分」が638百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は58.0%(前連結会計年度末は58.3%)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇により個人消費が一進一退の展開となる一方で、外需の拡大がけん引し、底堅い成長を続けています。
企業部門については円安の進行もあって、原材料やエネルギー価格の高騰が解消されておらず、企業収益の下押し要因となっています。
国内の食品企業においては、これらの経済環境を踏まえ、厳しい舵取りが続いています。
こうした中、当グループは、経営環境の変化を踏まえて再構築した「中長期成長戦略2030」の実行に向けて取り組んでいます。お米の恵みを美味しさ・健康・感動という価値に磨き上げ、お客様の健やかなライフスタイルに貢献する、「Better For You」をパーパス(存在意義)として位置づけ、お米の可能性を最大限に引き出し、世界で新価値・新市場を創造する姿、ビジョン(目指す姿)「ライスイノベーションカンパニー」の実現を通じて持続的な成長と企業価値向上を目指しています。
これまで国内米菓事業で培った技術やノウハウなどの事業基盤をベースとして、海外事業ならびに食品事業への先行投資を通じて事業領域の拡大に取り組んでいますが、将来的にはこれらの取り組みにより蓄積する技術やノウハウを強みに、アセットライトで高収益なビジネスモデルへの転換を目指しています。2026年度までにグループの収益基盤を整え、以降はその強固な基盤のうえに、もう一段の事業拡大を図ることで2030年度に向けた持続的な成長と企業価値向上に取り組んでいきます。
中計初年度にあたる2023年度は、多様化する社会のニーズに応え、社会課題の解決に資する商品開発などを通じ、お客様に価値を提供し続ける企業を目指し、構造改革の実行と、経営基盤の強化に取り組みました。
国内米菓事業については、外出型消費の回復により、需要は底堅く推移しています。商品の独自性を高めた価値訴求型の競争戦略へと転換を図りつつあり、その中で、原材料やエネルギー価格の高止まりを踏まえ、価格改定や規格変更を実施する等、収益確保に取り組みました。
重点ブランドである「亀田の柿の種」は、「いつでも・どこでも・だれとでも楽しめるお菓子への進化」を目指してリニューアルを実施、新商品を訴求するテレビCMの放映やそれに連動して店頭露出の強化を図るなどブランド価値の深化に努めました。「亀田のつまみ種」は期間限定商品の発売により需要喚起に取り組むとともに、「ハッピーターン」「無限」シリーズは人気スマートフォンアプリゲームとのコラボレーションキャンペーンを実施するなど若年層獲得に向けた取り組みも継続的に推進しています。また、当社が培ってきた「お米」の加工技術を活かした新価値商品の育成に取り組むなど、ブランド価値の深化と商品価値の進化の両輪で取り組みをすすめました。加えて、商品戦略に連動する形で、生産能力増強や適正価格販売、販売促進費用の効率的な執行等、価値訴求に軸足を置いた活動を展開しました。
これらの取り組みの結果、重点4ブランドの売上高については「無限」シリーズが前期を上回った一方、上期に生じた在庫不足の影響でプロモーション等を一時的に抑制したこともあり、「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「亀田のつまみ種」は前期を下回りました。
なお、百貨店向け商品や土産物用商品を製造販売するグループ会社は、コロナ禍からの正常化に伴う市場回復効果もあり増収となりましたが、単体米菓の減収を補えず、国内米菓事業全体の売上高は前期を下回りました。
海外事業については、北米のMary’s Gone Crackers, Inc.は生産活動の立て直しや供給体制の正常化を図り、事業基盤の立て直し、値上の実行、販路拡大等、収益改善に向けた取り組みをすすめました。一方アジアは総じて好調に推移し、その中でもベトナムのTHIEN HA KAMEDA, JSC.における堅調な国内需要およびクロスボーダー取引拡大などが寄与し、海外事業全体の売上高は前期を上回りました。
食品事業については、プラントベースフードで植物性原料100%のサラダチキンを発売し、取り扱い拡大に取り組むとともに、アレルゲン28品目不使用の米粉パンは、米粉ならではの食感等の品質を訴求し、個人向けに加え業務用の取り扱い拡大にも着手しました。また、植物性乳酸菌については、機能性を訴求し差別化を図ることで販路拡大に取り組みました。長期保存食については、前期に地震等の影響で高まった個人需要やコロナ禍による各自治体の在宅治療支援物資に採用された反動減がありましたが、年度後半、能登半島地震等に伴う需要の高まりもあり増収となりました。これらの結果、食品事業全体の売上高は前期を上回りました。
以上の結果、売上高は95,534百万円(前期比0.6%増)となりました。
営業利益については、単体米菓における商品の価格改定、規格変更に加え、重点4ブランドの成長に向けたセールスプロモーション活動や生産能力増強によりプロダクトミックスの改善に取り組むとともに、販売促進費の効率的な執行、商品の絞り込みや外部生産委託の活用など生産効率の向上に継続的に取り組んだ結果、収益性は着実に改善し、前期比で増益となりました。さらに、百貨店向け商品や土産物用商品を製造販売するグループ会社については、人流回復による増収効果もあり、国内米菓事業全体では前期比で増益となりました。
海外事業については、Mary’s Gone Crackers, Inc.がオペレーションの正常化を図るプロセスにおいて、一時的に構造改革費用が発生し減益幅が拡大しましたが、THIEN HA KAMEDA, JSC.において国内販売に加えクロスボーダー取引が拡大する等、アジア地域が総じて好調に推移し、同地域では着実な利益成長を果たした結果、海外事業全体では前期比で損失縮小となりました。
食品事業については、長期保存食の個人需要の反動減影響を第4四半期の需要増でも補いきれなかったことに加え、プラントベースフードの規模拡大に向けた先行投資の影響もあり、前期比で減益となりました。
これらの取り組みの結果、営業利益は4,467百万円(前期比25.3%増)となり、本業の稼ぐ力が着実に回復しています。
また、経常利益については、持分法適用関連会社であるTH FOODS,INC.の持分法による投資利益が減少しましたが、営業増益に加え円安に伴う一時的な為替差益が発生した結果、6,798百万円(前期比30.4%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、Mary’s Gone Crackers, Inc.に起因して特別損失を計上しましたが、経常増益に加え子会社の工場建設に関して補助金を計上した影響もあり2,257百万円(前期比19.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ467百万円増加し、7,442百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は9,730百万円(前期比1,445百万円の収入増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益に、減価償却費や減損損失等の非資金項目、退職給付に係る資産や売上債権等の営業活動に係る資産及び負債の増減、法人税等の支払額を加減算したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は8,140百万円(前期比301百万円の支出減少)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は1,255百万円(前期は972百万円の収入)となりました。
これは主に、短期借入金の純増減額や長期借入金の返済による支出、配当金の支払額によるものであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは1,590百万円となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
4.2023年3月期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2022年3月期に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させています。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去前の金額を記載しております。
2.記載金額は販売価格で表示しております。
b.受注実績
当グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.財務戦略の基本的な考え方
当グループは、盤石な財務基盤を維持しつつ、「ライスイノベーションカンパニー」の実現に向け国内外での投資と株主に対する利益還元のバランスを重視しております。
盤石な財務基盤の維持に関しては、自己資本比率の水準を60%程度に保っているほか、国内金融機関におけるコミットメントライン等の資金枠を確保しており、機動的な資金調達ができる体制を構築しております。
同時に、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減に努めるとともに、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、資金調達には負債の活用もすすめることにより、資本コストの低減および資本効率の向上にも努めてまいります。
設備投資に関しては、企業価値の向上に資する成長のための投資を積極的に推進してまいります。2023年度から2026年度の4年で430億円のキャッシュ・フローを創出し、通常投資と株主還元はこの範囲内で行ってまいります。なお、各年度の設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則とし、盤石な財務基盤を維持し、十分な水準の手元流動性を確保してまいります。
また、KAMEDA3.0で掲げるアセットライトなビジネスモデルの実現に資するM&Aなどの戦略投資については、案件の質や規模に応じて最適な手段で外部から資金調達をしてまいります。
b.経営資源の配分に関する考え方
当グループは、「ライスイノベーションカンパニー」の実現に向け、国内外での投資と株主に対する利益還元のバランスを重視しております。
投資については、各年度の営業キャッシュ・フローの範囲を原則とし、菓子の製造販売事業で創出した資金を、事業領域の拡大を目指す海外事業、食品事業へ配分することとし、投資効率を高める目的からハードルレート8%を目安に投資基準を厳格化し、案件ごとに判断する形としております。
株主に対する利益還元については、中期経営計画を実行し収益の拡大を図ることで、株主還元の安定的拡大を目指し、配当性向は、当面は30%を一つの目安として考えております。
c.資金需要の主な内容
当グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、主に米菓の製造に関わる原材料費、運賃、製造費用(生産に関わる償却費、賃借料、保険料など)、販売費(販売業者へ支払うリベートや、販売促進費用)、人件費などがあります。
また、投資活動に係る資金支出は、食品の安全、安心のために不可欠な設備や施設への投資、製造原価低減のための構造改革投資などの設備投資のほか、海外における事業領域の拡大に向けた生産能力の増強や新規製販拠点の設立などがあります。
d.資金調達
当グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。
資金需要の主な内容に記載している運転資金および投資資金などの調達に当たっては、主に国内金融機関からの借入を活用しております。
また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しております。加えて盤石な財務基盤を有していることから、当グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。
機動的な資金枠を確保するため、国内金融機関において100億円のコミットメントラインを設定しているほか、一部の海外子会社が利用できる総額25億円のグローバルコミットメントラインを設定し、機動的な資金調達ができる仕組みを確保しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
当グループは、「中長期成長戦略2030」において、お米の可能性を最大限に引き出し、世界で新価値・新市場を創造する「ライスイノベーションカンパニー」をビジョン(目指す姿)として掲げ、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。
2025年3月期は、実質賃金の改善による個人消費の持ち直しやインバウンド需要の増加などが期待されます。一方で、為替相場の変動、原材料やエネルギー価格の上昇に伴う物価上昇が及ぼす個人消費の停滞懸念など先行き不透明感がぬぐい切れていません。
このような環境下において、国内米菓事業は量的成長(価格訴求)から質的成長(価値訴求)への転換の流れを加速するべく、重点6ブランド・高付加価値商品の強化、外部連携を含めた生産能力の増強、付加価値営業の推進による効率的販売体制の構築などサプライチェーンの最適化に取り組んでいきます。海外事業は、黒字化の実現に向けてアジアではクロスボーダー取引の更なる推進と自社ブランド展開強化、北米は事業の再構築に注力します。食品事業は、長期保存食では民需を中心とした販路拡大と生産能力の増強、米粉パンとプラントベースフードはマーケティング・販売機能の見直しを通じた売上の拡大に取り組みます。さらに、機能性食品は海外を含めた販路拡大に加えて新たな機能性素材の市場投入を図ります。
連結業績見通しにつきましては、売上高は100,000百万円(前期比4.7%増)、営業利益4,500百万円(前期比0.7%増)、経常利益5,700百万円(前期比16.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,900百万円(前期比28.5%増)を予想しています。
また、業績見通しの前提となる為替レートにつきましては、1US$=140.0円、1CNY=20.0円、1THB=4.0円、1VND=0.0060円を想定しています。
また、これまで同様に収益性向上を第一義としつつも、株主様への安定的な配当原資の確保と、成長企業として再投資サイクルを重視することから、キャッシュ創出力を示すEBITDAを重要指標に位置付けております。成長投資を優先しながらも、利益成長を実現することで中長期的に株主資本コストを上回るROEを目指していきます。
<2024年度 事業別重点戦略>

※将来に関する留意事項
将来の経営環境や業績予想に関する記述は、当社が現時点で入手可能な情報や計画策定の前提としている仮定などに基づくものであります。実際の業績は様々な要因によって予想値と異なる可能性があります。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.固定資産の減損
当グループが減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえて見積っております。
当グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※6 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(2,368百万円)を計上いたしました。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
なお、Mary’s Gone Crackers, Inc.が保有する固定資産の評価方法に関する詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当グループは、繰延税金資産の回収可能性については、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するに当たっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況、予算など)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
c.退職給付債務及び費用の算定
当グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は国債の利回りに基づき、長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して決定しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産(負債)及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) (9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
d.返金負債及び変動対価の算定
当グループは、変動対価の算定に際して、販売額に対する値引き、割戻し、返品等を含む変動対価の割合は過去の実績と概ね整合するとの仮定のもと、過去の実績率に基づき、将来発生見込額を見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する返金負債及び変動対価の金額に重要な影響を与える可能性があります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は34,208百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,941百万円の増加となりました。これは主に、「現金及び預金」が941百万円、「受取手形、売掛金及び契約資産」が1,460百万円、「商品及び製品」が196百万円、「原材料及び貯蔵品」が163百万円、「その他」が207百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は86,302百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,386百万円の増加となりました。これは主に「建物及び構築物」が801百万円、「建設仮勘定」が906百万円、「投資有価証券」が2,394百万円、「退職給付に係る資産」が4,197百万円それぞれ増加した一方、「機械装置及び運搬具」が995百万円、有形固定資産の「リース資産」が538百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、総資産は120,510百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,328百万円増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は29,856百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,134百万円増加となりました。これは主に「短期借入金」が2,618百万円、「未払法人税等」が602百万円、「その他」が723百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は16,934百万円となり、前連結会計年度末に比べ528百万円の減少となりました。これは主に「繰延税金負債」が1,769百万円増加した一方、「長期借入金」が2,281百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は46,791百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,606百万円増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は73,718百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,722百万円の増加となりました。これは主に「親会社株主に帰属する当期純利益」2,257百万円及び「剰余金の配当」1,159百万円により「利益剰余金」が1,097百万円増加したことや、「為替換算調整勘定」が1,402百万円、「退職給付に係る調整累計額」が2,228百万円、「非支配株主持分」が638百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は58.0%(前連結会計年度末は58.3%)となりました。
b.経営成績
| 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前連結会計年度比 (%) | |
| (百万円) | (百万円) | ||
| 売上高 | 94,992 | 95,534 | 0.6 |
| 営業利益 | 3,564 | 4,467 | 25.3 |
| 経常利益 | 5,215 | 6,798 | 30.4 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,892 | 2,257 | 19.2 |
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇により個人消費が一進一退の展開となる一方で、外需の拡大がけん引し、底堅い成長を続けています。
企業部門については円安の進行もあって、原材料やエネルギー価格の高騰が解消されておらず、企業収益の下押し要因となっています。
国内の食品企業においては、これらの経済環境を踏まえ、厳しい舵取りが続いています。
こうした中、当グループは、経営環境の変化を踏まえて再構築した「中長期成長戦略2030」の実行に向けて取り組んでいます。お米の恵みを美味しさ・健康・感動という価値に磨き上げ、お客様の健やかなライフスタイルに貢献する、「Better For You」をパーパス(存在意義)として位置づけ、お米の可能性を最大限に引き出し、世界で新価値・新市場を創造する姿、ビジョン(目指す姿)「ライスイノベーションカンパニー」の実現を通じて持続的な成長と企業価値向上を目指しています。
これまで国内米菓事業で培った技術やノウハウなどの事業基盤をベースとして、海外事業ならびに食品事業への先行投資を通じて事業領域の拡大に取り組んでいますが、将来的にはこれらの取り組みにより蓄積する技術やノウハウを強みに、アセットライトで高収益なビジネスモデルへの転換を目指しています。2026年度までにグループの収益基盤を整え、以降はその強固な基盤のうえに、もう一段の事業拡大を図ることで2030年度に向けた持続的な成長と企業価値向上に取り組んでいきます。
中計初年度にあたる2023年度は、多様化する社会のニーズに応え、社会課題の解決に資する商品開発などを通じ、お客様に価値を提供し続ける企業を目指し、構造改革の実行と、経営基盤の強化に取り組みました。
国内米菓事業については、外出型消費の回復により、需要は底堅く推移しています。商品の独自性を高めた価値訴求型の競争戦略へと転換を図りつつあり、その中で、原材料やエネルギー価格の高止まりを踏まえ、価格改定や規格変更を実施する等、収益確保に取り組みました。
重点ブランドである「亀田の柿の種」は、「いつでも・どこでも・だれとでも楽しめるお菓子への進化」を目指してリニューアルを実施、新商品を訴求するテレビCMの放映やそれに連動して店頭露出の強化を図るなどブランド価値の深化に努めました。「亀田のつまみ種」は期間限定商品の発売により需要喚起に取り組むとともに、「ハッピーターン」「無限」シリーズは人気スマートフォンアプリゲームとのコラボレーションキャンペーンを実施するなど若年層獲得に向けた取り組みも継続的に推進しています。また、当社が培ってきた「お米」の加工技術を活かした新価値商品の育成に取り組むなど、ブランド価値の深化と商品価値の進化の両輪で取り組みをすすめました。加えて、商品戦略に連動する形で、生産能力増強や適正価格販売、販売促進費用の効率的な執行等、価値訴求に軸足を置いた活動を展開しました。
これらの取り組みの結果、重点4ブランドの売上高については「無限」シリーズが前期を上回った一方、上期に生じた在庫不足の影響でプロモーション等を一時的に抑制したこともあり、「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「亀田のつまみ種」は前期を下回りました。
なお、百貨店向け商品や土産物用商品を製造販売するグループ会社は、コロナ禍からの正常化に伴う市場回復効果もあり増収となりましたが、単体米菓の減収を補えず、国内米菓事業全体の売上高は前期を下回りました。
海外事業については、北米のMary’s Gone Crackers, Inc.は生産活動の立て直しや供給体制の正常化を図り、事業基盤の立て直し、値上の実行、販路拡大等、収益改善に向けた取り組みをすすめました。一方アジアは総じて好調に推移し、その中でもベトナムのTHIEN HA KAMEDA, JSC.における堅調な国内需要およびクロスボーダー取引拡大などが寄与し、海外事業全体の売上高は前期を上回りました。
食品事業については、プラントベースフードで植物性原料100%のサラダチキンを発売し、取り扱い拡大に取り組むとともに、アレルゲン28品目不使用の米粉パンは、米粉ならではの食感等の品質を訴求し、個人向けに加え業務用の取り扱い拡大にも着手しました。また、植物性乳酸菌については、機能性を訴求し差別化を図ることで販路拡大に取り組みました。長期保存食については、前期に地震等の影響で高まった個人需要やコロナ禍による各自治体の在宅治療支援物資に採用された反動減がありましたが、年度後半、能登半島地震等に伴う需要の高まりもあり増収となりました。これらの結果、食品事業全体の売上高は前期を上回りました。
以上の結果、売上高は95,534百万円(前期比0.6%増)となりました。
営業利益については、単体米菓における商品の価格改定、規格変更に加え、重点4ブランドの成長に向けたセールスプロモーション活動や生産能力増強によりプロダクトミックスの改善に取り組むとともに、販売促進費の効率的な執行、商品の絞り込みや外部生産委託の活用など生産効率の向上に継続的に取り組んだ結果、収益性は着実に改善し、前期比で増益となりました。さらに、百貨店向け商品や土産物用商品を製造販売するグループ会社については、人流回復による増収効果もあり、国内米菓事業全体では前期比で増益となりました。
海外事業については、Mary’s Gone Crackers, Inc.がオペレーションの正常化を図るプロセスにおいて、一時的に構造改革費用が発生し減益幅が拡大しましたが、THIEN HA KAMEDA, JSC.において国内販売に加えクロスボーダー取引が拡大する等、アジア地域が総じて好調に推移し、同地域では着実な利益成長を果たした結果、海外事業全体では前期比で損失縮小となりました。
食品事業については、長期保存食の個人需要の反動減影響を第4四半期の需要増でも補いきれなかったことに加え、プラントベースフードの規模拡大に向けた先行投資の影響もあり、前期比で減益となりました。
これらの取り組みの結果、営業利益は4,467百万円(前期比25.3%増)となり、本業の稼ぐ力が着実に回復しています。
また、経常利益については、持分法適用関連会社であるTH FOODS,INC.の持分法による投資利益が減少しましたが、営業増益に加え円安に伴う一時的な為替差益が発生した結果、6,798百万円(前期比30.4%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、Mary’s Gone Crackers, Inc.に起因して特別損失を計上しましたが、経常増益に加え子会社の工場建設に関して補助金を計上した影響もあり2,257百万円(前期比19.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 増減 | |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 8,285 | 9,730 | 1,445 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △8,442 | △8,140 | 301 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 972 | △1,255 | △2,227 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 214 | 133 | △80 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 6,974 | 7,442 | 467 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ467百万円増加し、7,442百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は9,730百万円(前期比1,445百万円の収入増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益に、減価償却費や減損損失等の非資金項目、退職給付に係る資産や売上債権等の営業活動に係る資産及び負債の増減、法人税等の支払額を加減算したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は8,140百万円(前期比301百万円の支出減少)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は1,255百万円(前期は972百万円の収入)となりました。
これは主に、短期借入金の純増減額や長期借入金の返済による支出、配当金の支払額によるものであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは1,590百万円となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 61.6 | 62.7 | 61.3 | 58.3 | 58.0 |
| 時価ベースの 自己資本比率(%) | 121.5 | 109.4 | 81.0 | 83.3 | 74.7 |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) | 1.8 | 1.8 | 2.3 | 2.8 | 2.4 |
| インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) | 59.8 | 91.6 | 191.4 | 71.0 | 131.1 |
自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
4.2023年3月期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2022年3月期に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させています。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 数量(屯) | 金額(百万円) | ||
| 国内米菓 | 68,911 | 63,613 | 97.2 |
| 海外 | 17,334 | 12,951 | 119.8 |
| 食品 | 4,041 | 5,730 | 94.4 |
| 報告セグメント計 | 90,287 | 82,295 | 100.0 |
| その他 | - | - | - |
| 合計 | 90,287 | 82,295 | 100.0 |
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去前の金額を記載しております。
2.記載金額は販売価格で表示しております。
b.受注実績
当グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 金額(百万円) | ||
| 国内米菓 | 66,307 | 97.9 |
| 海外 | 15,096 | 109.8 |
| 食品 | 7,278 | 103.0 |
| 報告セグメント計 | 88,682 | 100.2 |
| その他 | 6,852 | 105.9 |
| 合計 | 95,534 | 100.6 |
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.財務戦略の基本的な考え方
当グループは、盤石な財務基盤を維持しつつ、「ライスイノベーションカンパニー」の実現に向け国内外での投資と株主に対する利益還元のバランスを重視しております。
盤石な財務基盤の維持に関しては、自己資本比率の水準を60%程度に保っているほか、国内金融機関におけるコミットメントライン等の資金枠を確保しており、機動的な資金調達ができる体制を構築しております。
同時に、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減に努めるとともに、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、資金調達には負債の活用もすすめることにより、資本コストの低減および資本効率の向上にも努めてまいります。
設備投資に関しては、企業価値の向上に資する成長のための投資を積極的に推進してまいります。2023年度から2026年度の4年で430億円のキャッシュ・フローを創出し、通常投資と株主還元はこの範囲内で行ってまいります。なお、各年度の設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則とし、盤石な財務基盤を維持し、十分な水準の手元流動性を確保してまいります。
また、KAMEDA3.0で掲げるアセットライトなビジネスモデルの実現に資するM&Aなどの戦略投資については、案件の質や規模に応じて最適な手段で外部から資金調達をしてまいります。
b.経営資源の配分に関する考え方
当グループは、「ライスイノベーションカンパニー」の実現に向け、国内外での投資と株主に対する利益還元のバランスを重視しております。
投資については、各年度の営業キャッシュ・フローの範囲を原則とし、菓子の製造販売事業で創出した資金を、事業領域の拡大を目指す海外事業、食品事業へ配分することとし、投資効率を高める目的からハードルレート8%を目安に投資基準を厳格化し、案件ごとに判断する形としております。
株主に対する利益還元については、中期経営計画を実行し収益の拡大を図ることで、株主還元の安定的拡大を目指し、配当性向は、当面は30%を一つの目安として考えております。
c.資金需要の主な内容
当グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、主に米菓の製造に関わる原材料費、運賃、製造費用(生産に関わる償却費、賃借料、保険料など)、販売費(販売業者へ支払うリベートや、販売促進費用)、人件費などがあります。
また、投資活動に係る資金支出は、食品の安全、安心のために不可欠な設備や施設への投資、製造原価低減のための構造改革投資などの設備投資のほか、海外における事業領域の拡大に向けた生産能力の増強や新規製販拠点の設立などがあります。
d.資金調達
当グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。
資金需要の主な内容に記載している運転資金および投資資金などの調達に当たっては、主に国内金融機関からの借入を活用しております。
また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しております。加えて盤石な財務基盤を有していることから、当グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。
機動的な資金枠を確保するため、国内金融機関において100億円のコミットメントラインを設定しているほか、一部の海外子会社が利用できる総額25億円のグローバルコミットメントラインを設定し、機動的な資金調達ができる仕組みを確保しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
当グループは、「中長期成長戦略2030」において、お米の可能性を最大限に引き出し、世界で新価値・新市場を創造する「ライスイノベーションカンパニー」をビジョン(目指す姿)として掲げ、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。
2025年3月期は、実質賃金の改善による個人消費の持ち直しやインバウンド需要の増加などが期待されます。一方で、為替相場の変動、原材料やエネルギー価格の上昇に伴う物価上昇が及ぼす個人消費の停滞懸念など先行き不透明感がぬぐい切れていません。
このような環境下において、国内米菓事業は量的成長(価格訴求)から質的成長(価値訴求)への転換の流れを加速するべく、重点6ブランド・高付加価値商品の強化、外部連携を含めた生産能力の増強、付加価値営業の推進による効率的販売体制の構築などサプライチェーンの最適化に取り組んでいきます。海外事業は、黒字化の実現に向けてアジアではクロスボーダー取引の更なる推進と自社ブランド展開強化、北米は事業の再構築に注力します。食品事業は、長期保存食では民需を中心とした販路拡大と生産能力の増強、米粉パンとプラントベースフードはマーケティング・販売機能の見直しを通じた売上の拡大に取り組みます。さらに、機能性食品は海外を含めた販路拡大に加えて新たな機能性素材の市場投入を図ります。
連結業績見通しにつきましては、売上高は100,000百万円(前期比4.7%増)、営業利益4,500百万円(前期比0.7%増)、経常利益5,700百万円(前期比16.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,900百万円(前期比28.5%増)を予想しています。
また、業績見通しの前提となる為替レートにつきましては、1US$=140.0円、1CNY=20.0円、1THB=4.0円、1VND=0.0060円を想定しています。
また、これまで同様に収益性向上を第一義としつつも、株主様への安定的な配当原資の確保と、成長企業として再投資サイクルを重視することから、キャッシュ創出力を示すEBITDAを重要指標に位置付けております。成長投資を優先しながらも、利益成長を実現することで中長期的に株主資本コストを上回るROEを目指していきます。
<2024年度 事業別重点戦略>

※将来に関する留意事項将来の経営環境や業績予想に関する記述は、当社が現時点で入手可能な情報や計画策定の前提としている仮定などに基づくものであります。実際の業績は様々な要因によって予想値と異なる可能性があります。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.固定資産の減損
当グループが減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえて見積っております。
当グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※6 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(2,368百万円)を計上いたしました。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
なお、Mary’s Gone Crackers, Inc.が保有する固定資産の評価方法に関する詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当グループは、繰延税金資産の回収可能性については、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するに当たっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況、予算など)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
c.退職給付債務及び費用の算定
当グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は国債の利回りに基づき、長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して決定しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産(負債)及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) (9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
d.返金負債及び変動対価の算定
当グループは、変動対価の算定に際して、販売額に対する値引き、割戻し、返品等を含む変動対価の割合は過去の実績と概ね整合するとの仮定のもと、過去の実績率に基づき、将来発生見込額を見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する返金負債及び変動対価の金額に重要な影響を与える可能性があります。