有価証券報告書-第63期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は23,982百万円となり、前連結会計年度末に比べ500百万円の増加となりました。これは主に「現金及び預金」が252百万円、「商品及び製品」が159百万円、「その他」が281百万円それぞれ増加した一方、「受取手形及び売掛金」が203百万円減少したことによるものであります。固定資産は61,842百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,073百万円の増加となりました。これは主に「投資有価証券」が2,061百万円、「繰延税金資産」が981百万円それぞれ増加した一方、「機械装置及び運搬具」が454百万円、「退職給付に係る資産」が788百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、85,825百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,573百万円増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は24,197百万円となり、前連結会計年度末に比べ563百万円の減少となりました。これは主に「電子記録債務」が151百万円、「販売促進引当金」が181百万円、「工場閉鎖損失引当金」が155百万円それぞれ増加した一方、「未払法人税等」が493百万円、「その他」が467百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は7,726百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,292百万円の増加となりました。これは主に「長期借入金」が1,402百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、31,923百万円となり、前連結会計年度末に比べ728百万円増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は53,902百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,845百万円の増加となりました。これは主に「親会社株主に帰属する当期純利益」4,463百万円及び「剰余金の配当」1,075百万円などにより「利益剰余金」が3,388百万円増加した一方、「その他有価証券評価差額金」が195百万円、「為替換算調整勘定」が201百万円、「退職給付に係る調整累計額」が1,109百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は61.6%(前連結会計年度末は61.3%)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、年度終盤に顕在化した、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、環境は一変し、国内外における経済活動が急減速する展開となり、世界恐慌の発生が懸念される状況となりました。
食品業界においては、年度前半から中盤にかけ、底堅い需要に支えられる中で、コスト上昇、消費者ニーズの多様化への対応を迫られてまいりましたが、年明け以降、生活必需品としての供給責任が求められることとなり、生産、販売インフラの維持に全力を挙げる展開となりました。
このような経済状況のもと、当グループは、中期経営計画において、食品業界を取り巻く環境変化を踏まえ、 “美味しく からだに良いものを選び、食べ、楽しむ、健やかなライフスタイルへの貢献”を示す“Better For You”の観点からお客様価値を提供し、「グローバル・フード・カンパニー」の実現を通じて持続的な成長と企業価値向上に向けた取り組みを進めております。
2023年度までの中期経営計画期間において、海外事業および国内食品事業を中心とした「事業領域の拡大」と、国内米菓事業の「コスト・収益構造の転換」、そして、それらを支える「経営基盤強化」の3つを戦略の柱として構造改革に取り組んでおります。中期経営計画の期間も半ばに差し掛かり、これまで講じてきた各種戦略や施策の変更などを織り込み、軌道修正を図る時期を迎えましたが、目指すべき姿と、その実現に向けた戦略の方向性に揺らぎはなく、国内米菓事業、海外事業、食品事業の三本柱でしっかりと立ち、特長あるグローバル企業としてビジョンの実現を目指すこととしております。先行き不透明感が強まる中ではありますが、中期経営計画に則り、環境変化への柔軟な対応の中で、引き続き、中長期視点での構造改革を実行し、スピードを上げて持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。
2019年度は、国内米菓事業において売上拡大を通じて収益基盤をより強固なものにすること、海外事業は黒字化実現に向けた道筋として各拠点の収益事業化を図ること、国内食品事業は長期保存食の拡大と食物アレルギーフリー食品の販売を強化することを重点施策として取り組みました。また、年度終盤には、食品業として供給責任の完遂に全力を挙げました。
国内米菓事業については、中長期におけるブランド育成の観点から、主力ブランドに経営資源を集中し、販売促進活動の最大化を企図した新イメージキャラクターを採用、CM放映とそれに連動したキャンペーンを実施することで需要喚起を図るとともにブランドの持続的成長に向けた取り組みを進めました。また、生産効率の観点から引き続き製品アイテム数を削減、適正化し、定番商品の販売活動に注力することで工場稼働率の安定化を図り、収益性の向上に努めました。
また、家飲需要を捕捉するためのおつまみ系商品のラインアップ拡充やキャンペーンを通じて頂いたお客様の声を商品づくりに反映させる取り組みなど、その成果は着実に表れつつあります。
これらの取り組みの結果、主力ブランドの売上高は「亀田の柿の種」、「ハッピーターン」、「亀田のまがりせんべい」、「つまみ種」、「うす焼」、「ソフトサラダ」、「ぽたぽた焼」、「技のこだ割り」、「堅ぶつ」が前年同期を上回った一方で、「手塩屋」は積極的な販売促進活動が一巡した結果、前年同期を下回りました。なお、「揚一番」、「ハイハイン」は前年同期並みの売上推移となりました。
海外事業については、北米のMary’s Gone Crackers, Inc.において、引き続き、競合企業の攻勢はあるものの、新規取引先および販売エリアの拡大を図りました。加えて、今期より事業を開始したLYLY KAMEDA CO., LTD.(カンボジア)の効果もあり、売上高は前年同期を上回りました。
国内食品事業については、第1四半期より健康と美味しさを両立する玄米パンやベジタリアンミート等のグルテンフリー食品を手掛ける株式会社マイセンおよびその子会社である株式会社マイセンファインフードの損益を取り込む一方で、長期保存食の買替サイクル需要が裏期であることから、売上高は前年同期を下回りました。長期保存食については、海外展開を見据えたテストマーケティングの実施や商品ラインアップの拡充を通じて事業拡大に向けた取り組みを進めております。
以上の結果、売上高は103,808百万円(前期比3.8%増)となりました。
営業利益については、国内米菓事業において、前年同期を上回る結果となりました。生産人員の確保難に伴う人件費の上昇や物流費の高騰がある一方で、原材料価格は安定的な推移となっております。また、前期から継続する定番商品への積極的な販売促進費の投下や主力ブランドのプロモーション強化により販売費は増加傾向にあるものの、増収効果とそれに伴う工場稼働率の向上等が見られました。加えて、選択と集中の観点から不採算取引などの整理を進めた結果、営業利益は増益となりました。
また、北米子会社については、増収による増益のほか、工場統合効果等もあり製造原価率が改善し、通期で黒字を確保しました。
これらの取り組みの結果、営業利益は5,813百万円(前期比8.9%増)となりました。
更には、持分法適用関連会社であるTH FOODS, INC.の増収に伴い持分法による投資利益が増加した結果、経常利益は6,909百万円(前期比5.1%増)となりました。なお、当第4四半期においてTH FOODS, INC.の株式3.16%を追加取得した結果、当社持分比率は、従来の46.84%から新たに50.00%になっております。当社が出資比率を高めることで、これまで以上に米菓関連の製造技術やノウハウを提供し、同社の新商品開発や生産性の向上に寄与してまいります。
特別損益に関しては、前年に発生した米国連結子会社の工場統合に伴う費用等がなくなる一方で、連結子会社の事業再編に向けた一時的な費用が発生した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,463百万円(前期比1.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ252百万円増加し、4,581百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は8,048百万円(前期比1,083百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費による資金の増加の一方、法人税等の支払額による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は7,631百万円(前期比348百万円の支出増加)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は161百万円(前期比917百万円の支出増加)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入の一方、長期借入金の返済による支出、短期借入金の純増減額、配当金の支払額によるものであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリ
ー・キャッシュ・フローは416百万円となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当グループは、菓子の製造販売事業とその他の事業を展開しておりますが、菓子の製造販売事業以外のセグメン
トはいずれも重要性が乏しいことから、菓子の製造販売事業の単一セグメントとみなしております。
(注) 記載金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当グループは、菓子の製造販売事業とその他の事業を展開しておりますが、菓子の製造販売事業以外のセグメン
トはいずれも重要性が乏しいことから、菓子の製造販売事業の単一セグメントとみなしております。
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.記載金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態の分析
財政状態の分析については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載しております。
②経営成績の分析
経営成績の分析については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。
③キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
④資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a 財務戦略の基本的な考え方
当グループは、盤石な財務基盤を維持しつつ、「グローバル・フード・カンパニー」の実現に向け国内外での投資と株主に対する利益還元のバランスを重視しております。
盤石な財務基盤の維持に関しては、自己資本比率の水準を60%程度に保っているほか、国内金融機関におけるコミットメントライン等の資金枠を確保しており、機動的な資金調達ができる体制を構築しております。
同時に、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減に努めるとともに、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、資金調達には負債の活用も進めることにより、資本コストの低減および資本効率の向上にも努めてまいります。
設備投資に関しては、企業価値の向上に資する成長のための投資を積極的に推進してまいります。2020年度から2023年度の4年間累計では総額300億円の投資枠を設定しております。なお、各年度の設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則とし、盤石な財務基盤を維持し、十分な水準の手元流動性を確保してまいります。
また、上記投資枠とは別に、海外事業における欧米版Better For Youの候補探索、アジア出資検討、食品事業における国内食品分野の開拓に向けた成長投資として、300億円の成長投資枠を設定しております。
b 経営資源の配分に関する考え方
当グループは、「グローバル・フード・カンパニー」の実現に向け、国内外での投資と株主に対する利益還元のバランスを重視しております。
投資については、各年度の営業キャッシュ・フローの範囲を原則とし、菓子の製造販売事業で創出した資金を、事業領域の拡大を目指す海外事業、食品事業へ配分し、M&A等の機動的投資を除き、D/Eレシオ30%以下を目安としております。
株主に対する利益還元については、中期経営計画を実行し収益の拡大を図ることで、株主還元の安定的拡大を目指し、配当性向は、当面20%程度を目安としながら将来的に30%の水準を目指しております。
c 資金需要の主な内容
当グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、主に米菓の製造に関わる原材料費、運賃、製造費用(生産に関わる償却費、賃借料、保険料など)、販売費(販売業者へ支払うリベートや、販売促進費用)、人件費などがあります。
また、投資活動に係る資金支出は、食品の安全、安心のために不可欠な設備や施設への投資、製造原価低減のための構造改革投資などの設備投資のほか、海外における事業領域の拡大に向けた生産能力の増強や新規製販拠点の設立などがあります。
d 資金調達
当グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。
資金需要の主な内容に記載している運転資金および投資資金などの調達に当たっては、主に国内金融機関からの借入を活用しております。
また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しております。加えて盤石な財務基盤を有していることから、当グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。
機動的な資金枠を確保するため、国内金融機関において50億円のコミットメントラインを設定しているほか、一部の海外子会社が利用できる総額25億円のグローバルコミットメントラインを設定し、機動的な資金調達ができる仕組みを確保しております。また、年度終盤に顕在化した、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による不測の事態への備えとして、2020年4月13日において、50億円のコミットメントライン契約を100億円へ変更しております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、2[事業等のリスク]に記載しております。
⑥経営戦略の現状と見通し
当グループは、2023年度までの中期経営計画期間において、海外事業および食品事業を中心とした「事業領域の拡大」と、国内米菓事業の「コスト・収益構造の転換」、そして、それらを支える「経営基盤強化」の3つを戦略の柱として構造改革に取り組んでおります。中期経営計画の期間も半ばに差し掛かり、これまで講じてきた各種戦略や施策の変更などを織り込み、軌道修正を図る時期を迎えましたが、目指すべき姿と、その実現に向けた戦略の方向性に揺らぎはなく、国内米菓事業、海外事業、食品事業の三本柱でしっかりと立ち、特長あるグローバル企業としてビジョンの実現を目指すこととしております。
2019年度は、国内米菓事業において売上拡大を通じて収益基盤をより強固なものにすること、海外事業は黒字化実現に向けた道筋として各拠点の収益事業化を図ること、食品事業は長期保存食の拡大と食物アレルギーフリー食品の販売を強化することを重点施策として取り組みました。また、年度終盤には、食品業として供給責任の完遂に全力を挙げました。
一方、国内米菓事業は生産人員の確保難に伴う人件費の上昇や物流費の高騰、定番商品への積極的な販売促進費の投下や主力ブランドのプロモーション強化により販売費が増加傾向に推移したものの、海外事業は工場統合効果等もあり製造原価率の改善が進んでおります。
上記の施策を通じた結果は以下の通りとなりました。
*海外売上高比率は、持分法適用会社を含む海外の総事業規模ベースであります。
先行き不透明感が強まる中ではありますが、中期経営計画に則り、環境変化への柔軟な対応の中で、引き続き、中長期視点での構造改革を実行し、スピードを上げて持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。
⑦重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a 固定資産の減損
当グループが減損損失を認識するかどうかの判定および使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえて見積っております。
当グループは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※7 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(927百万円)を計上いたしました。回収可能価額は正味売却価額又は使用価値により算定しております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
b 繰延税金資産の回収可能性
当グループは、繰延税金資産の回収可能性については、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性および将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度および繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況、予算など)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産および法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
c 退職給付債務および費用の算定
当グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務および関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率および年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社および国内子会社の年金制度においては、割引率は国債の利回りに基づき、長期期待運用収益率は、現在および予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在および将来期待される長期の収益率を考慮して決定しております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産(負債)および退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) (9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
d 販売促進引当金の算定
当グループは、販売促進引当金の算定に際して、販売額に対する販売促進費計上額の割合は過去の実績と概ね整合するとの仮定のもと、過去の実績率に基づき、将来発生見込額を見積っております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する販売促進引当金および販売促進引当金繰入額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、食品業界においては、外出自粛等による在宅機会の増加や食シーンの変化に伴う家庭消費の増加、備蓄意識の高まりから保存性の高い食品に対する一定の需要増加が見込まれております。一方、外出自粛要請に伴い県を跨ぐ移動が制限されるなど、土産用等の食品需要の落ち込みが見込まれております。
当グループは、外出自粛要請に伴う土産用等の食品需要の落ち込みを、家庭内での食品消費の増加および食品の備蓄意識の高まりにより補完できると見込んでおり、新型コロナウイルスの収束時期が当グループの販売および生産に与える影響は限定的であるとの仮定のもとに、固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性の評価等の会計上の見積りを行っております。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は23,982百万円となり、前連結会計年度末に比べ500百万円の増加となりました。これは主に「現金及び預金」が252百万円、「商品及び製品」が159百万円、「その他」が281百万円それぞれ増加した一方、「受取手形及び売掛金」が203百万円減少したことによるものであります。固定資産は61,842百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,073百万円の増加となりました。これは主に「投資有価証券」が2,061百万円、「繰延税金資産」が981百万円それぞれ増加した一方、「機械装置及び運搬具」が454百万円、「退職給付に係る資産」が788百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、85,825百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,573百万円増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は24,197百万円となり、前連結会計年度末に比べ563百万円の減少となりました。これは主に「電子記録債務」が151百万円、「販売促進引当金」が181百万円、「工場閉鎖損失引当金」が155百万円それぞれ増加した一方、「未払法人税等」が493百万円、「その他」が467百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は7,726百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,292百万円の増加となりました。これは主に「長期借入金」が1,402百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、31,923百万円となり、前連結会計年度末に比べ728百万円増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は53,902百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,845百万円の増加となりました。これは主に「親会社株主に帰属する当期純利益」4,463百万円及び「剰余金の配当」1,075百万円などにより「利益剰余金」が3,388百万円増加した一方、「その他有価証券評価差額金」が195百万円、「為替換算調整勘定」が201百万円、「退職給付に係る調整累計額」が1,109百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は61.6%(前連結会計年度末は61.3%)となりました。
b.経営成績
| 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前連結会計年度比 (%) | |
| (百万円) | (百万円) | ||
| 売上高 | 100,041 | 103,808 | 103.8 |
| 営業利益 | 5,338 | 5,813 | 108.9 |
| 経常利益 | 6,573 | 6,909 | 105.1 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,402 | 4,463 | 101.4 |
当連結会計年度におけるわが国経済は、年度終盤に顕在化した、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、環境は一変し、国内外における経済活動が急減速する展開となり、世界恐慌の発生が懸念される状況となりました。
食品業界においては、年度前半から中盤にかけ、底堅い需要に支えられる中で、コスト上昇、消費者ニーズの多様化への対応を迫られてまいりましたが、年明け以降、生活必需品としての供給責任が求められることとなり、生産、販売インフラの維持に全力を挙げる展開となりました。
このような経済状況のもと、当グループは、中期経営計画において、食品業界を取り巻く環境変化を踏まえ、 “美味しく からだに良いものを選び、食べ、楽しむ、健やかなライフスタイルへの貢献”を示す“Better For You”の観点からお客様価値を提供し、「グローバル・フード・カンパニー」の実現を通じて持続的な成長と企業価値向上に向けた取り組みを進めております。
2023年度までの中期経営計画期間において、海外事業および国内食品事業を中心とした「事業領域の拡大」と、国内米菓事業の「コスト・収益構造の転換」、そして、それらを支える「経営基盤強化」の3つを戦略の柱として構造改革に取り組んでおります。中期経営計画の期間も半ばに差し掛かり、これまで講じてきた各種戦略や施策の変更などを織り込み、軌道修正を図る時期を迎えましたが、目指すべき姿と、その実現に向けた戦略の方向性に揺らぎはなく、国内米菓事業、海外事業、食品事業の三本柱でしっかりと立ち、特長あるグローバル企業としてビジョンの実現を目指すこととしております。先行き不透明感が強まる中ではありますが、中期経営計画に則り、環境変化への柔軟な対応の中で、引き続き、中長期視点での構造改革を実行し、スピードを上げて持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。
2019年度は、国内米菓事業において売上拡大を通じて収益基盤をより強固なものにすること、海外事業は黒字化実現に向けた道筋として各拠点の収益事業化を図ること、国内食品事業は長期保存食の拡大と食物アレルギーフリー食品の販売を強化することを重点施策として取り組みました。また、年度終盤には、食品業として供給責任の完遂に全力を挙げました。
国内米菓事業については、中長期におけるブランド育成の観点から、主力ブランドに経営資源を集中し、販売促進活動の最大化を企図した新イメージキャラクターを採用、CM放映とそれに連動したキャンペーンを実施することで需要喚起を図るとともにブランドの持続的成長に向けた取り組みを進めました。また、生産効率の観点から引き続き製品アイテム数を削減、適正化し、定番商品の販売活動に注力することで工場稼働率の安定化を図り、収益性の向上に努めました。
また、家飲需要を捕捉するためのおつまみ系商品のラインアップ拡充やキャンペーンを通じて頂いたお客様の声を商品づくりに反映させる取り組みなど、その成果は着実に表れつつあります。
これらの取り組みの結果、主力ブランドの売上高は「亀田の柿の種」、「ハッピーターン」、「亀田のまがりせんべい」、「つまみ種」、「うす焼」、「ソフトサラダ」、「ぽたぽた焼」、「技のこだ割り」、「堅ぶつ」が前年同期を上回った一方で、「手塩屋」は積極的な販売促進活動が一巡した結果、前年同期を下回りました。なお、「揚一番」、「ハイハイン」は前年同期並みの売上推移となりました。
海外事業については、北米のMary’s Gone Crackers, Inc.において、引き続き、競合企業の攻勢はあるものの、新規取引先および販売エリアの拡大を図りました。加えて、今期より事業を開始したLYLY KAMEDA CO., LTD.(カンボジア)の効果もあり、売上高は前年同期を上回りました。
国内食品事業については、第1四半期より健康と美味しさを両立する玄米パンやベジタリアンミート等のグルテンフリー食品を手掛ける株式会社マイセンおよびその子会社である株式会社マイセンファインフードの損益を取り込む一方で、長期保存食の買替サイクル需要が裏期であることから、売上高は前年同期を下回りました。長期保存食については、海外展開を見据えたテストマーケティングの実施や商品ラインアップの拡充を通じて事業拡大に向けた取り組みを進めております。
以上の結果、売上高は103,808百万円(前期比3.8%増)となりました。
営業利益については、国内米菓事業において、前年同期を上回る結果となりました。生産人員の確保難に伴う人件費の上昇や物流費の高騰がある一方で、原材料価格は安定的な推移となっております。また、前期から継続する定番商品への積極的な販売促進費の投下や主力ブランドのプロモーション強化により販売費は増加傾向にあるものの、増収効果とそれに伴う工場稼働率の向上等が見られました。加えて、選択と集中の観点から不採算取引などの整理を進めた結果、営業利益は増益となりました。
また、北米子会社については、増収による増益のほか、工場統合効果等もあり製造原価率が改善し、通期で黒字を確保しました。
これらの取り組みの結果、営業利益は5,813百万円(前期比8.9%増)となりました。
更には、持分法適用関連会社であるTH FOODS, INC.の増収に伴い持分法による投資利益が増加した結果、経常利益は6,909百万円(前期比5.1%増)となりました。なお、当第4四半期においてTH FOODS, INC.の株式3.16%を追加取得した結果、当社持分比率は、従来の46.84%から新たに50.00%になっております。当社が出資比率を高めることで、これまで以上に米菓関連の製造技術やノウハウを提供し、同社の新商品開発や生産性の向上に寄与してまいります。
特別損益に関しては、前年に発生した米国連結子会社の工場統合に伴う費用等がなくなる一方で、連結子会社の事業再編に向けた一時的な費用が発生した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,463百万円(前期比1.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減 | |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 6,964 | 8,048 | 1,083 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △7,283 | △7,631 | △348 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 755 | △161 | △917 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △53 | △2 | 50 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 4,328 | 4,581 | 252 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ252百万円増加し、4,581百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は8,048百万円(前期比1,083百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費による資金の増加の一方、法人税等の支払額による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は7,631百万円(前期比348百万円の支出増加)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は161百万円(前期比917百万円の支出増加)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入の一方、長期借入金の返済による支出、短期借入金の純増減額、配当金の支払額によるものであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリ
ー・キャッシュ・フローは416百万円となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 59.4 | 60.8 | 62.0 | 61.3 | 61.6 |
| 時価ベースの 自己資本比率(%) | 130.1 | 141.7 | 140.6 | 134.5 | 121.5 |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) | 1.2 | 1.1 | 1.4 | 1.9 | 1.8 |
| インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) | 146.0 | 175.6 | 71.8 | 56.2 | 59.8 |
自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当グループは、菓子の製造販売事業とその他の事業を展開しておりますが、菓子の製造販売事業以外のセグメン
トはいずれも重要性が乏しいことから、菓子の製造販売事業の単一セグメントとみなしております。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 数量(屯) | 金額(百万円) | ||
| 菓子の製造販売 | 90,075 | 92,294 | 105.7 |
| 合計 | 90,075 | 92,294 | 105.7 |
(注) 記載金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当グループは、菓子の製造販売事業とその他の事業を展開しておりますが、菓子の製造販売事業以外のセグメン
トはいずれも重要性が乏しいことから、菓子の製造販売事業の単一セグメントとみなしております。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 金額(百万円) | ||
| 菓子の製造販売 | 103,808 | 103.8 |
| 合計 | 103,808 | 103.8 |
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 三菱食品株式会社 | 11,405 | 11.4 | 12,603 | 12.1 |
| 株式会社髙山 | 10,210 | 10.2 | 10,250 | 9.9 |
2.記載金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態の分析
財政状態の分析については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載しております。
②経営成績の分析
経営成績の分析については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載しております。
③キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
④資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a 財務戦略の基本的な考え方
当グループは、盤石な財務基盤を維持しつつ、「グローバル・フード・カンパニー」の実現に向け国内外での投資と株主に対する利益還元のバランスを重視しております。
盤石な財務基盤の維持に関しては、自己資本比率の水準を60%程度に保っているほか、国内金融機関におけるコミットメントライン等の資金枠を確保しており、機動的な資金調達ができる体制を構築しております。
同時に、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減に努めるとともに、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、資金調達には負債の活用も進めることにより、資本コストの低減および資本効率の向上にも努めてまいります。
設備投資に関しては、企業価値の向上に資する成長のための投資を積極的に推進してまいります。2020年度から2023年度の4年間累計では総額300億円の投資枠を設定しております。なお、各年度の設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則とし、盤石な財務基盤を維持し、十分な水準の手元流動性を確保してまいります。
また、上記投資枠とは別に、海外事業における欧米版Better For Youの候補探索、アジア出資検討、食品事業における国内食品分野の開拓に向けた成長投資として、300億円の成長投資枠を設定しております。
b 経営資源の配分に関する考え方
当グループは、「グローバル・フード・カンパニー」の実現に向け、国内外での投資と株主に対する利益還元のバランスを重視しております。
投資については、各年度の営業キャッシュ・フローの範囲を原則とし、菓子の製造販売事業で創出した資金を、事業領域の拡大を目指す海外事業、食品事業へ配分し、M&A等の機動的投資を除き、D/Eレシオ30%以下を目安としております。
株主に対する利益還元については、中期経営計画を実行し収益の拡大を図ることで、株主還元の安定的拡大を目指し、配当性向は、当面20%程度を目安としながら将来的に30%の水準を目指しております。
c 資金需要の主な内容
当グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、主に米菓の製造に関わる原材料費、運賃、製造費用(生産に関わる償却費、賃借料、保険料など)、販売費(販売業者へ支払うリベートや、販売促進費用)、人件費などがあります。
また、投資活動に係る資金支出は、食品の安全、安心のために不可欠な設備や施設への投資、製造原価低減のための構造改革投資などの設備投資のほか、海外における事業領域の拡大に向けた生産能力の増強や新規製販拠点の設立などがあります。
d 資金調達
当グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。
資金需要の主な内容に記載している運転資金および投資資金などの調達に当たっては、主に国内金融機関からの借入を活用しております。
また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しております。加えて盤石な財務基盤を有していることから、当グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。
機動的な資金枠を確保するため、国内金融機関において50億円のコミットメントラインを設定しているほか、一部の海外子会社が利用できる総額25億円のグローバルコミットメントラインを設定し、機動的な資金調達ができる仕組みを確保しております。また、年度終盤に顕在化した、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による不測の事態への備えとして、2020年4月13日において、50億円のコミットメントライン契約を100億円へ変更しております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、2[事業等のリスク]に記載しております。
⑥経営戦略の現状と見通し
当グループは、2023年度までの中期経営計画期間において、海外事業および食品事業を中心とした「事業領域の拡大」と、国内米菓事業の「コスト・収益構造の転換」、そして、それらを支える「経営基盤強化」の3つを戦略の柱として構造改革に取り組んでおります。中期経営計画の期間も半ばに差し掛かり、これまで講じてきた各種戦略や施策の変更などを織り込み、軌道修正を図る時期を迎えましたが、目指すべき姿と、その実現に向けた戦略の方向性に揺らぎはなく、国内米菓事業、海外事業、食品事業の三本柱でしっかりと立ち、特長あるグローバル企業としてビジョンの実現を目指すこととしております。
2019年度は、国内米菓事業において売上拡大を通じて収益基盤をより強固なものにすること、海外事業は黒字化実現に向けた道筋として各拠点の収益事業化を図ること、食品事業は長期保存食の拡大と食物アレルギーフリー食品の販売を強化することを重点施策として取り組みました。また、年度終盤には、食品業として供給責任の完遂に全力を挙げました。
一方、国内米菓事業は生産人員の確保難に伴う人件費の上昇や物流費の高騰、定番商品への積極的な販売促進費の投下や主力ブランドのプロモーション強化により販売費が増加傾向に推移したものの、海外事業は工場統合効果等もあり製造原価率の改善が進んでおります。
上記の施策を通じた結果は以下の通りとなりました。
| 2019年度 (予想) | 2019年度 (実績) | 差異 | |
| 売上高 | 1,030億円 | 1,038億円 | 8億円 |
| 営業利益 | 67億円 | 58億円 | △8億円 |
| 売上高営業利益率 | 6.5% | 5.6% | △0.9% |
| EBITDA | 115億円 | 105億円 | △10億円 |
| EBITDAマージン | 11.2% | 10.2% | △1.0% |
| ROE | 9.4% | 8.6% | △0.8% |
| 海外売上高比率* | 28.9% | 26.4% | △2.5% |
*海外売上高比率は、持分法適用会社を含む海外の総事業規模ベースであります。
先行き不透明感が強まる中ではありますが、中期経営計画に則り、環境変化への柔軟な対応の中で、引き続き、中長期視点での構造改革を実行し、スピードを上げて持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。
⑦重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a 固定資産の減損
当グループが減損損失を認識するかどうかの判定および使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえて見積っております。
当グループは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※7 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(927百万円)を計上いたしました。回収可能価額は正味売却価額又は使用価値により算定しております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
b 繰延税金資産の回収可能性
当グループは、繰延税金資産の回収可能性については、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性および将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度および繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況、予算など)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産および法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
c 退職給付債務および費用の算定
当グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務および関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率および年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社および国内子会社の年金制度においては、割引率は国債の利回りに基づき、長期期待運用収益率は、現在および予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在および将来期待される長期の収益率を考慮して決定しております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産(負債)および退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) (9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
d 販売促進引当金の算定
当グループは、販売促進引当金の算定に際して、販売額に対する販売促進費計上額の割合は過去の実績と概ね整合するとの仮定のもと、過去の実績率に基づき、将来発生見込額を見積っております。
当該見積りおよび当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する販売促進引当金および販売促進引当金繰入額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、食品業界においては、外出自粛等による在宅機会の増加や食シーンの変化に伴う家庭消費の増加、備蓄意識の高まりから保存性の高い食品に対する一定の需要増加が見込まれております。一方、外出自粛要請に伴い県を跨ぐ移動が制限されるなど、土産用等の食品需要の落ち込みが見込まれております。
当グループは、外出自粛要請に伴う土産用等の食品需要の落ち込みを、家庭内での食品消費の増加および食品の備蓄意識の高まりにより補完できると見込んでおり、新型コロナウイルスの収束時期が当グループの販売および生産に与える影響は限定的であるとの仮定のもとに、固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性の評価等の会計上の見積りを行っております。