有価証券報告書-第72期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/20 10:52
【資料】
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【項目】
169項目
① 環境に関する戦略ならびに指標及び目標
当社グループは、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献するという私たちの使命を実現するべく、コーポレートスローガン「人も地球も健康に」のもと、6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。このうち、バリューチェーンで優先して取り組むべき課題として、社会面では「イノベーション」「地域社会との共生」「サプライチェーンマネジメント」を、環境面では「気候変動」「プラスチック容器包装」「水」を特定しました。
特に環境面でのマテリアリティについては、取り組みの推進にあたり、人と地球の共生社会の実現を目指す「ヤクルトグループ環境ビジョン」を策定しています。同ビジョンにおいて、2050年のあるべき姿として「環境ビジョン2050」を定め、2050年までにグローバルで温室効果ガス排出量ネットゼロを目指します。あわせて、「環境ビジョン2050」実現に向け、環境面でのマテリアリティである「気候変動」「プラスチック容器包装」「水」について、中期的マイルストーン「環境目標2030」および短期的マイルストーン「環境アクション(2021‐2024)」を策定しています。
<気候変動>当社グループは現在、事業活動を通じて年間約84万トンのCO2を排出しています。コーポレートスローガン「人も地球も健康に」を掲げる当社は、気候変動対策が喫緊の課題であることを強く認識しています。 そこで、以下のとおり目標を定め、原料調達から生産、物流、販売までのバリューチェーン全体を通じてCO2削減の取り組みを推進しています。
(環境ビジョン2050)
2050年までに、温室効果ガス排出量ネットゼロ(スコープ1・2・3)を目指す
(環境目標2030)
2030年までに、温室効果ガス排出量(国内スコープ1・2)を2018年度比30%削減
※スコープ1:温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
スコープ2:他社から供給された電気の使用に伴う間接排出
(対象範囲)ヤクルト本社(物流含む)、生産子会社5社
(環境アクション(2021-2024))
2024年度末までに、温室効果ガス排出量(国内、スコープ1・2)を2018年度比10%削減
また、気候変動に関連するリスク・機会が、組織の事業、戦略、財務計画に及ぼす顕在的および潜在的な影響についてシナリオ分析を実施し、明確化されたリスク・機会に対し、重要なリスク・機会を中心にそれぞれの対応策を講じながら、リスクの低減と機会の獲得につなげていきます。
さらに、当社は、CO2排出量を仮想的に費用換算し、低炭素投資や気候変動対策を推進するしくみである「インターナルカーボンプライシング制度(以下、ICP制度)」を2022年10月から導入しています。社内炭素価格を37,000円/t-CO2と設定し、設備投資を行う際の機器選定における判断基準の一つとして、ICP制度を活用することで、低炭素投資や気候変動対策を推進しています。
なお、当社は2022年8月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFD)の提言への賛同を表明しました。TCFDの提言に基づき、気候変動が事業にもたらすリスク・機会の分析とその財務的な影響を評価し、今後も「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の枠組みに沿って、さらなる情報開示を進めていきます。
TCFD提言に基づく、気候変動の詳細な情報につきましては、「統合報告書2023」(P37~42)
(https://www.yakult.co.jp/company/ir/library/integrated.html)をご参照ください。
<プラスチック容器包装>当社グループは、約18,000t(2022年度に販売した食品および化粧品等に使用した容器包装の重量)のプラスチック容器類を使用しています。プラスチックごみによる環境汚染問題や資源循環の観点から、容器包装の資源循環が喫緊の課題であると認識しています。そこで、プラスチック容器包装の使用量(国内)について、以下のとおり目標を定めています。
(環境目標2030)
プラスチック製容器包装の使用量(国内)を2018年度比30%削減あるいは再生可能にする
(環境アクション(2021-2024))
プラスチック製容器包装の使用量(国内)を2024年度末までに2018年度比5%削減あるいは再生可能にする
具体的な取り組みとしては、容器包装の薄肉化や軽量化に加えて、バイオマス化、再生化等持続可能な資源循環に適した素材の使用を検討し、プラスチック製容器包装による環境負荷の低減を目指します。また、世界各地でプラスチック製品の使用を規制する動きが活発化しているため、各国・地域の規制を注視しながら、具体的な対応策の検討を進めていきます。
<水>ヤクルトグループは現在、国内外の工場で年間約600万m3の水を使用しています。地球上の限りある資源である水を主原料とする当社グループにとって、持続可能な水使用は、重要な課題であると認識しています。そこで、水使用量(国内乳製品工場:生産量原単位)について、以下のとおり目標を定めています。
(環境目標2030)
水使用量(国内乳製品工場:生産量原単位)を2018年度比10%削減する
(環境アクション(2021-2024))
水使用量(国内乳製品工場:生産量原単位)を2024年度末までに2018年度比3%削減
具体的には、国内外の事業所・工場において水の循環利用や運用方法の見直しによる節水活動を進めるとともに、拠点ごとの水リスクを把握し、水の管理計画策定による適正な水マネジメントを推進します。
なお、サステナビリティに関する考え方および取り組みの詳細については、以下をご参照ください。
・「サステナビリティレポート2023」
(https://www.yakult.co.jp/company/sustainability/download/)
・「統合報告書2023」(https://www.yakult.co.jp/company/ir/library/integrated.html)