有価証券報告書-第41期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/16 13:17
【資料】
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【項目】
85項目

事業等のリスク

当社の事業等に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。当社では、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の早期対応に努める所存であります。
なお、以下に記載する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1)飲料メーカーの外注政策が当社に及ぼす影響について
当社は、主に飲料メーカーから依頼を受け、製品の製造を請負う受託製造業であります。
当社では、企業価値の向上を図り、製造設備の充実、製造技術・品質管理能力のアップ、顧客満足度向上で飲料メーカーから選ばれる存在となるように努め、将来にわたって安定した受注を確保するための営業に注力しております。
しかしながら、当社の業績は、一般消費者の消費動向の変動や冷夏・台風等の天候の影響を受けるほか、直接的には飲料メーカーの外注政策の影響を強く受けることになります。また、飲料メーカーが自社製造能力を増強するなど内製を強化し、外注先の選別を行い、当社への外注を減らした場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)品質管理について
当社では、ISO 9001、FSSC 22000及び厚生労働省の承認を取得している総合衛生管理製造過程(高度な衛生管理であるHACCPの概念を取り入れた衛生管理)の維持・向上に取組むことにより製品の品質管理・衛生管理を徹底し、万一の品質に関わる事故に備え、生産物賠償責任保険(PL保険)等に加入しております。
当社では品質第一主義とし、安全で高品質な製品の提供のため、品質管理・衛生管理面で万全の体制で臨んでおります。
しかしながら、異物混入製品や食中毒等健康被害を与える可能性のある製品、表示不良品の流通など、予想を越える重大な品質問題が発生した場合、問題の処理・解決のために多額のコスト負担が発生するばかりでなく、当社全体の品質管理の評価にも重大な影響を与え、受注の減少等によって、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)天候による影響について
当社が取り扱う飲料は、夏(繁忙期)・冬(閑散期)の天候や気温により需要が変動いたします。特に異常気象と言われるほどの冷夏や自然災害が発生した場合には、大幅な受注の減少となり、当社の業績及び財政状態が悪化する可能性があります。
(4)特定の取引先への依存度について
当社の平成29年3月期における受託製造数量の内、取引先上位4社の占める割合は約8割となり、特定の取引先への依存度が高いことが見られます。
当社が関わる清涼飲料市場は、一般消費者の嗜好変化の影響を受けやすく、新製品の導入、販売価格、宣伝・広告活動といった面において各社の競争が厳しくなっております。当社が関わる清涼飲料市場の競争が激化した場合、依存度の高い飲料メーカーの状況如何では、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
今後、当社においては、飲料メーカーに対する販売比率のバランスにも配慮しながら飲料メーカーとの関係強化を図り、安定的な営業取引を含めて良好な関係維持を出来るよう努めたいと考えております。
(5)法的規制等について
当社の主要の事業活動において、食品衛生法、JAS法、不当表示防止法、製造物責任法(PL法)、廃棄物処理法及び環境保全に関わる環境・リサイクル関連法規等、様々な法的規制を受けております。
当社では、これらすべての法的規制を遵守すべく取り組んでおりますが、その取り組みの範囲を越えた事象が発生した場合、また、法的規制の強化・変更、予期せぬ法的規制の導入等により、法的規制遵守等に係るコスト負担が増加した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)電力費・燃料費(LNG(液化天然ガス)等)の価格変動について
当社は、清涼飲料の製造に使用するための電力及び燃料を常時購入しております。
電力価格及び燃料価格につきましては、世界的な原油需給、為替の変動、産油国の状況及び投機家の動向等による価格の変動が懸念されます。
このリスクに対し、当社では、平成25年12月に燃料の消費節減効果が期待できる液化天然ガス(LNG)を燃料とするコ・ジェネレーションシステムを導入するなど、電力及び燃料の節減対策により電力費及び燃料費の業績に与える影響の軽減に努めております。
しかしながら、電力費・燃料費が著しく変動した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)設備投資について
当社は、顧客に満足いただける安全、安心な製品の受注・供給体制確立のために設備投資を行っておりますが、これらの設備投資は天候不順の影響、一般消費者の嗜好変化及び飲料メーカーの内製化の進行等で受注が減少した場合、必ずしも成果に結びつかないというリスクを抱えております。これらの設備投資が今後十分な収益を生み出さない場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社においては、今後も設備投資を厳選し、特に重要な設備投資については、その必要性や受注の見通しならびに投資効果などを事前に十分に調査・検討したうえで、慎重に決定いたします。
(8)業績の季節変動について
飲料の需要は、のどを潤す炭酸飲料が特に夏場に集中して消費されることから、清涼飲料業界では夏場の製造販売が多くなり、反面、冬場には減少するという季節的な変動がおこります。また、夏場には飲料メーカーにおいても製造設備が不足することから外注を増加させ、一方冬場には、自社製造設備を最大限活用するため、外注を減少させる傾向があります。
このリスクに対して、当社では、季節変動に柔軟に対応し、冬場におけるコスト削減や製造体制の見直し等による年間ベースでの増収確保と季節変動による一時的な業績悪化にも耐えられる財務体質の強化に努めております。
しかしながら、当社の受注製造量、売上高及び特に利益については、上半期(4月~9月)に偏重する傾向が顕著であり、当社の業績の正しい把握には、1年間の通期で見ていただく必要があります。
当社の3年間の上・下半期別実績は次の表のとおりであり、上半期に顕著に偏重する傾向が見られます。
決算期平成27年3月期
(第39期)
平成28年3月期
(第40期)
平成29年3月期
(第41期)
上半期下半期上半期下半期上半期下半期
決算年月平成26年9月平成27年3月平成27年9月平成28年3月平成28年9月平成29年3月
売上高(千円)15,660,8239,202,0689,584,2946,191,6549,044,6096,073,756
年間比率(%)63.037.060.839.259.840.2
営業利益(千円)791,963△732,4761,564,072△491,2941,804,105△649,624
年間比率(%)1,331.3△1,231.3145.8△45.8156.3△56.3
経常利益(千円)791,593△731,2361,556,838△496,8291,797,452△629,958
年間比率(%)1,311.5△1,211.5146.9△46.9154.0△54.0

(9)大地震等災害の発生について
当社の製造工場は、千葉県長生郡長柄町の一拠点のみであります。従いまして、当地区において大地震等の大規模な自然災害が発生した場合は、製造の継続等に支障をきたし、製造設備の修復に伴う費用の発生等により、当社の業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
このリスクに対して、当社といたしましては、大規模災害規程(BCP)を策定し、防災対策や災害発生時における対応等を定めております。また、地震保険加入の定期的見直しを実施しているほか、東日本大震災の経験を踏まえ、設備の耐震補強や発電設備の確保等も行っております。