有価証券報告書-第148期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/12 13:17
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(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
味の素グループは、コーポレート・ガバナンスを、ASV経営を強化し、2030年のありたい姿を実現するための重要な経営基盤の一つと位置づけています。2030年に向け、フードシステムで繋がる健康栄養課題の解決とサステナビリティの推進にセットで取り組み、「10億人の健康寿命の延伸」と「環境負荷50%削減」を実現していくために、ASV経営を加速させます。さらにASV経営の実効性を高めるため、「ステークホルダーの意見を反映させる適切な執行の監督」と「スピード感のある業務執行」を両立し、監督と執行が明確に分離している会社機関設計の指名委員会等設置会社を選択します。取締役会は多様な取締役で構成し、中長期的に持続的な企業価値の向上を確かなものとするために、企業価値を大きく左右する重要な経営事項を議論・検討することで大きな方向性を示し、執行のリスクテイクを支えるとともに、執行のプロセスと成果の妥当性を検証し、執行を適切に監督します。一方、執行は、取締役会から大幅に権限委譲された最高経営責任者が中心となって、経営会議において重要な業務執行の意思決定を行い、ワンチームで持続的な企業価値向上を実現します。なお、取締役会と経営会議の意思疎通を密接にするため、当社の企業価値向上サイクルの考え方に基づきガバナンス・ルールを定め、これに沿って経営会議から取締役会に提案・報告を行い、取締役会で審議・決議を行います。
外部環境の変化が激しい中、これまで以上に包括的なリスクマネジメントが重要です。味の素グループ各社およびその役員・従業員が順守すべき考え方と行動のあり方を示した「味の素グループポリシー」(以下「AGP」という。)(https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/sustainability/policy/)を誠実に守り、内部統制システムの整備とその適正な運用に継続して取り組むとともに、サステナビリティを積極的なリスクテイクと捉える体制を強化し、持続的に企業価値を高めていきます。
なお、当社の「コーポレート・ガバナンスに関する基本方針」については、以下の当社ウェブサイトにて掲載しています。
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/ir/strategy/corp_gov.html
② コーポレート・ガバナンス体制の概要および当該体制を選択している理由
1)コーポレート・ガバナンス体制の概要
当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要は、以下のとおりです。
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<取締役会および委員会等>・取締役会
当社の取締役会は、経営の最高意思決定機関として企業価値を大きく左右する重要な経営事項を議論・検討することで大きな方向性を示し、執行のリスクテイクを支えるとともに、執行のプロセスと成果の妥当性を検証し、ステークホルダーの意見を反映させる適切な執行の監督を行います。また、ASV経営を通じて、ステークホルダー等と共に社会的課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献するとともに持続的な企業価値の向上に責任を負います。
2025年度の主な活動状況は次のとおりです。
審議事項 8件サステナビリティ戦略、全社成長戦略、財務・資本戦略、取締役会の実効性評価等
決議事項 56件味の素グループポリシー基本原則の改定、コーポレート・ガバナンスに関する基本方針および内部統制システムに関する基本方針の改定、法定3委員会の委員長および委員の選定、取締役会に関係する社内規則の改定等
報告事項 89件月次決算、第147期有価証券報告書および確認書、第148期半期報告書および確認書、法定3委員会の活動に関する内容、経営会議下部機構の活動に関する内容、業務執行に関する各種プロジェクト等

「新・7つの重要な経営事項」
当社は、2021年度の指名委員会等設置会社への移行に合わせて、中長期的に企業価値に大きく影響を及ぼすと考える「7つの重要な経営事項」を設定し、取締役会で審議してきました。2023年度の取締役会の実効性評価において、中期ASV経営2030ロードマップで設定した当社のありたい姿を実現させるためには、取締役会が審議すべき事項を改めて検討し直すべきであるとの意見がありました。また、2030年ありたい姿の実現のためには、より長期の事業環境の変化を理解しながら、2030年よりもさらに長期のありたい姿を設定することが必要であるとの提案もありました。これらを踏まえて、2024年度は取締役会での複数回にわたる議論を経て、「7つの重要な経営事項」の見直しを行いました。「新・7つの重要な経営事項」を設定するにあたっては、「①味の素グループとしての長期のありたい姿を定義し、②いかに中長期での成長を実現し、将来価値の創造を目指すか、そのために味の素グループはどのように進むべきかを議論し、また、③その成長実現や価値創造のための挑戦の土台となる企業活動の基盤を盤石にしていく」という3つの枠組みを設定のうえ、持続的な企業価値向上のために取締役会で議論すべき重要な経営事項を整理しました。
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「7つの重要な経営事項の選定理由・狙い」
重要な経営事項選定理由・狙い
将来外部環境分析と
長期のありたい姿
7つのテーマ群の中で最も重要な項目として設定しました。将来の外部環境要因をリサーチし、シナリオプランニングを行うとともに、他の6つのテーマ群の議論も踏まえて、2030 年以降の当社の目指す姿を審議します。これにより、大きな方向性を示し、将来にわたる継続的な企業価値向上を目指します。
ポートフォリオと
資源配分
および無形資産
中長期の成長と将来の価値創造を実現するために、ポートフォリオ戦略(事業・地域・機能)と資源再配分を重要なテーマとして議論します。また、ポートフォリオと連動する人財・技術・知財といった無形資産への投資とその価値向上についても個別に審議し、これらのつながりを意識しながら企業価値を高めていきます。
財務・資本政策「ポートフォリオと資源配分」戦略に基づき、キャッシュの効率的な創出と分配を目指します。また、株主還元とのバランスを考慮し、中長期的かつ持続的な企業価値向上を目指した最適な資本構成についても議論します。
サステナビリティ企業は守りの側面だけでなく、経営戦略の柱として社会にポジティブな影響を与え、経済価値と社会価値の両方を創出(ASV)することが求められます。ステークホルダーの代表で構成されるサステナビリティ諮問会議の意見を踏まえ、情報開示と活動の発信を通じて企業価値を高める方法についても議論が必要です。これにより、中長期的なサステナビリティ戦略を構築します。
組織の実行力
(スピードアップ&
スケールアップ)
成長と将来の価値創造を実現するには、戦略の実行力が不可欠です。その実行力の源泉である企業文化の変革、IT・DX 戦略、成長の型化・仕組み化について議論し、企業価値の創造と成長のスピードアップおよび規模拡大につなげます。
ステークホルダー・
エンゲージメント
当社の企業価値向上に向けた取り組みを社員を含む各ステークホルダーに伝え、共感を呼ぶ戦略を立案・実行します。また、その象徴としてのパーパスドリブンなコーポレートブランディング戦略の方向性について議論し、ステークホルダーやファンとともに歩みながら企業価値を創造していきます。
ガバナンス取締役会の理想的な姿や、当社グループのポートフォリオに適したグループ・ガバナンスのあり方とその進化について議論します。これにより、当社のコーポレート・ガバナンスの実効性を高め、企業活動の基盤を強化し、企業価値向上のための土台を確固たるものにします。

・指名委員会
指名委員会は、取締役の評価・再任妥当性、代表執行役社長の評価・再任妥当性、および代表執行役社長の後継者育成計画等を審議し、取締役の選解任方針、取締役の選解任議案および代表執行役社長の選定案等を決議します。
同委員会は、3名以上の委員により構成され、過半数は社外取締役で構成されます。委員は取締役会の決議をもって取締役の中から選定されます。
同委員会は原則として3名以上の社外取締役を含むものとし、委員長も社外取締役の委員の中から取締役会の決議をもって選定されます。委員会での決議または審議内容については、委員会に選定された指名委員が適宜・適切に取締役会に報告します。
2025年度の主な活動状況は次のとおりです。
審議事項 21件取締役候補者の選定、法定3委員会の各委員候補および各委員長候補者の選定、取締役のスキルマトリックス等
決議事項 12件代表執行役社長の再任、CEOサクセッションプラン、CEOおよび社内取締役の評価、委員会活動レビュー等
報告事項 5件執行役候補者案、執行役候補者の職務分掌案等

・報酬委員会
報酬委員会は、取締役および執行役の報酬について公正かつ適正に決定するため、取締役および執行役の報酬に関する事項を審議・決議します。
同委員会は、3名以上の委員により構成され、過半数は社外取締役で構成されます。委員は取締役会の決議をもって取締役の中から選定されます。
同委員会は原則として3名以上の社外取締役を含むものとし、委員長も社外取締役の委員の中から取締役会の決議をもって選定されます。委員会での決議または審議内容については、委員会に選定された報酬委員が適宜・適切に取締役会に報告します。
2025年度の主な活動状況は次のとおりです。
審議事項 29件報酬委員会審議計画、2026年度以降の役員報酬制度の検討、報酬委員会の実効性評価中間レビュー、2025年度報酬委員会活動レビュー等
決議事項 9件2026年度の役員報酬内容、選定報酬委員の選定等
報告事項 0件

・監査委員会
監査委員会は、執行役および取締役の業務執行の適法性・妥当性の監査を行うことにより、取締役会による「業務執行に対する監督」機能の重要な一翼を担う役割を担っています。
同委員会は、3名以上の委員により構成され、過半数は社外取締役で構成されます。委員は取締役会の決議をもって取締役の中から選定されます。
同委員会は原則として3名以上の社外取締役を含むものとし、財務・会計に関する相当知識を有する取締役を最低1名含むものとします。委員長も社外取締役の委員の中から取締役会の決議をもって選定されます。委員会での決議または審議内容については、委員会で選定された監査委員が適宜・適切に取締役会に報告します。
2025年度の活動状況は「(3)監査の状況 ①監査委員会監査の状況 2.監査委員会の活動状況」のとおりです。
・サステナビリティ諮問会議
当社は、サステナビリティの観点で味の素グループの企業価値向上を追求するため、サステナビリティに係る当社の在り方を提言することを目的として、取締役会の下部機構としてサステナビリティ諮問会議を設置しました。2023年4月から開始した第二期サステナビリティ諮問会議では、取締役会の諮問事項である「マテリアリティの実装(Implementation)、実装化の情報開示と対話(Communication)、ステークホルダーとの関係構築(Partnership)」について執行の取組みを評価し、2025年3月に取締役会への最終答申を行いました。最終答申では、一企業を超えた大きな価値提供のために「ステークホルダーとの関係構築(Partnership)」の強化が期待されました。それを受け2025年度は国際機関および金融機関との連携も視野にいれ「サステナビリティに関するルールメイキング」と「サステナブルファイナンス」の2つのテーマを設定し、取締役と外部有識者との意見交換会を2回実施しました。議論の内容は執行にも共有しています。
・社外取締役連絡会
当社は、社外取締役間での情報交換および専門分野の相互補完を通じた取締役会の実効性向上を目的として、社外取締役連絡会を設置します。
2026年6月12日(有価証券報告書提出日)現在の取締役会、法定の委員会および任意の会議体等の構成員および委員長等は、次のとおりです。
氏名役位取締役会指名
委員会
報酬
委員会
監査
委員会
サステナ
ビリティ
諮問会議
社外取締役
連絡会
1岩田 喜美枝社外取締役○議長○議長
2中山 讓治社外取締役
3引頭 麻実社外取締役
4八田 陽子社外取締役
5デイヴィス・
スコット
社外取締役
6我妻 由佳子社外取締役
7中村 茂雄取締役
8白神 浩取締役
9佐々木 達哉取締役
10斉藤 剛取締役
11松澤 巧取締役○*

(注)1. 〇は構成員を、◎は委員長を、*は常勤監査委員である社内取締役を、それぞれ示しています。
(注)2. 第二期サステナビリティ諮問会議の提言を受け、取締役会が社外有識者との対話を継続しながら、適切な時期に次期サステナビリティ諮問会議を開催予定です。
なお、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役10名選任の件」を上程しており、当該議案が可決されますと、当社の取締役の状況は、以下のとおりとなる予定であり、同定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会においての決議事項の内容(役職等)を含めて記載しています。
氏名役位取締役会指名
委員会
報酬
委員会
監査
委員会
サステナ
ビリティ
諮問会議
社外取締役
連絡会
1岩田 喜美枝社外取締役○議長○議長
2中山 讓治社外取締役
3引頭 麻実社外取締役
4八田 陽子社外取締役
5デイヴィス・
スコット
社外取締役
6我妻 由佳子社外取締役
7中村 茂雄取締役
8下保 寛取締役
9斉藤 剛取締役
10松澤 巧取締役○*

(注)1. 〇は構成員を、◎は委員長を、*は常勤監査委員である社内取締役を、それぞれ示しています。
(注)2. 第二期サステナビリティ諮問会議の提言を受け、取締役会が社外有識者との対話を継続しながら、適切な時期に次期サステナビリティ諮問会議を開催予定です。
当事業年度における取締役会および法定の委員会への出席状況は次のとおりです。
氏名取締役会指名委員会報酬委員会監査委員会
1岩田 喜美枝19回/19回
(100%)
13回/13回
(100%)
14回/14回
(100%)
2中山 讓治19回/19回
(100%)
13回/13回
(100%)
14回/14回
(100%)
16回/16回
(100%)
3引頭 麻実19回/19回
(100%)
13回/13回
(100%)
16回/16回
(100%)
4八田 陽子19回/19回
(100%)
14回/14回
(100%)
16回/16回
(100%)
5デイヴィス・
スコット
18回/19回
(95%)
13回/13回
(100%)
14回/14回
(100%)
6我妻 由佳子19回/19回
(100%)
13回/13回
(100%)
16回/16回
(100%)
7藤江 太郎5回/5回
(100%)
8中村 茂雄14回/14回
(100%)
9白神 浩19回/19回
(100%)
10佐々木 達哉19回/19回
(100%)
11斉藤 剛19回/19回
(100%)
12松澤 巧19回/19回
(100%)
16回/16回
(100%)

(注)1.中村茂雄氏は、2025年6月20日の就任後に開催された取締役会への出席状況を記載しております。
(注)2.藤江太郎氏は、2025年6月20日開催の第147回定時株主総会終結の時までに開催された取締役会への出席
状況を記載しております。
当社は、取締役会の機能向上を図るため、毎年、取締役会の実効性評価を行っております。
2025年度の評価結果は以下のとおりです。
2026年5月14日
味の素株式会社 取締役会
第11回 取締役会の実効性評価の結果について
1.当社における取締役会の実効性評価
味の素グループは、事業を通じて社会価値と経済価値を共創する取組みにより成長してきました。この取組みをASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)と称し、経営の基本方針(以下「ASV経営」)としています。
当社の取締役会は、ASV経営を通じて、ステークホルダー等と共に社会的課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献するとともに持続的な企業価値の向上に責任をおっています。この責任を果たすべく、次のとおり当社における取締役会の「実効性」を定義し、実効性の高い取締役会を目指す各種取組みを行ってきています。
当社における取締役会の「実効性」:
取締役会が、企業価値を大きく左右する重要な経営事項を議論・検討することで大きな方向性を示し、執行のリスクテイクを支えるとともに、執行のプロセスと成果の妥当性を検証し執行を適切に監督するという目的を、どれだけ適切に果たせているか。
※「実効性」を構成する3要素
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第11回となる2025年度は、次の「2.2025年度の評価プロセス」記載のとおり評価を実施いたしました。今回の評価においては、評価すべき軸を明確化するために、「取締役会議長、法定3委員会委員長の役割」および「法定3委員会の実効性」の定義を設定のうえ、評価いたしました(その内容は後述)。また、当社では、取締役会の実効性評価に併せて法定3委員会においても実効性評価を実施しておりますが、今回、当該委員会における実効性評価結果についても初めて開示をさせていただきます。詳細は「4.委員会の実効性評価の結果」を参照ください。
2.2025年度の評価プロセス
アンケート対象者:取締役全員
回答方式:記名方式
主な質問項目:
(a)当社取締役会の実効性の3要素について
(b)法定3委員会について
(c)取締役会議長、法定3委員会委員長について
質問形式:大きなテーマ設定で厳選した個別意見方式の質問にてプレインタビュー的位置づけで実施
インタビュー聞き手:取締役会事務局
対象者:取締役全員
インタビュー内容:アンケートでの意見・示唆の深掘りを目的とした内容
検証結果取締役会においてアンケートおよびインタビューの結果を検証し、見出された課題に対する対応策を審議しました。
※詳細は、以下の「取締役会の実効性評価の結果」を参照。
<2025年度評価におけるトピックス>以下の事項について、取締役会・各委員会で議論のうえ定義を設定し、評価すべき軸を明確化することで評価の解像度を向上させました。
・取締役会議長の役割:
「取締役会議長は、取締役会がその役割を最大限に発揮すべく、多様な取締役による活発な議論がなされるよう、議題設定と議事進行その他取締役会の企画・運営を中心となって適切に行うこと、および必要に応じて IR 等ステークホルダーとのコミュニケーションを行うことをその主な役割とする。」
・各法定3委員会の実効性、および委員会委員長の役割:
「4.委員会の実効性評価の結果」を参照ください。
3.取締役会の実効性評価の結果
(1)総論
当社取締役会は、当社が掲げる「実効性」を概ね適切に発揮できているものと評価しました。今後も当社が掲げる「実効性」の向上に向けた取組みに努めていきます。
(2)前回の取締役会実効性評価の結果を踏まえた取組み
2024年度、取締役会が審議すべき「7つの重要な経営事項」を、次のとおり大きく見直しています。
枠組み新・7つの重要な経営事項
ありたい姿の定義・将来外部環境分析と長期のありたい姿
中長期での成長実現と
将来価値創造
・ポートフォリオと資源配分および無形資産
・財務・資本政策
・サステナビリティ
・組織の実行力(スピード up & スケール up)
・ステークホルダー・エンゲージメント
企業活動基盤構築・ガバナンス

*「コーポレート・ガバナンスに関する基本方針」参照
これを受けて、前回(2024年度)の実効性評価においては、2025年度から開始する「新・7つの重要な経営事項」に基づく審議を効果的に進めていくために、取締役会が考える「大きな方向性を示す」のあり方について、議論のうえ確認をいたしました。
上記を踏まえ、2025年度は、「新・7つの重要な経営事項」に基づく審議を進めて参りました。
(a)特に大きな進展があったのは、「ガバナンス」です。グループ・ガバナンスの強化が当社にとって重要なテーマの1つですが、そのうち、グループ・コンプライアンス体制の整備を優先すべきであるという課題認識が執行側と合致し、執行側での綿密な議論と、取締役会での複数回の議論を経て、経営会議下部機構である「グループ・コンプライアンス委員会」の設立(2026年4月1日付)に至りました。取締役会と執行側とが、密な議論を行うことで、共に企業活動基盤を強化できた事例であるといえると考えます。グループ・コンプライアンス体制以外のテーマについても、今後、さらに検討を進めて参ります。
(b)上記のほか、「将来外部環境分析と長期のありたい姿」、「ポートフォリオと資源配分および無形資産」、「財務・資本政策」等についても、取締役会での審議を経て、一定の進捗が得られたものと評価しています。
(3)取締役会における審議の概要と、課題への対応
今回のアンケートおよびインタビューの結果を踏まえて、実効性の向上のために取締役会で審議しました。その主な内容は次に記載のとおりです。
実効性の3要素の一つである「大きな方向性を示す」のあり方について:
アンケートおよびインタビューにおいては、2025年度の「新・7つの重要な経営事項」に基づく各種審議の進展状況を踏まえ、取締役会における「大きな方向性を示す」のあり方について、今年度もその理解を深めることの必要性を指摘する意見がありました。これを踏まえて、「大きな方向性を示す」について審議いたしました。
「大きな方向性を示す」については、取締役会自らが案を策定するのではなく、執行側が提示した案を基に、取締役会と執行側との対話を通じて議論を広げ、深めることにより、執行側の検討の質を高めていくプロセスに意義があるとの認識を確認しました。そのプロセスにおいて、取締役会が、多様な視点から論点やリスク、選択肢を提示することで、当社の強みを最大限に発揮するための議論を行うことの重要性についても共通認識としました。
当社取締役会としては、こうした議論を踏まえ、「新・7つの重要な経営事項」に関する審議を含め、今後も充実した議論を行い、実効性を向上させていきます。
4.委員会の実効性評価の結果
今回の実効性評価に併せて、各委員会に置いて実効性評価を実施いたしました。実効性評価の実施に当たっては、各委員会において委員会の実効性および委員会委員長の役割の定義が設定され、それに基づき評価を実施しています。その評価結果については、各委員会の委員長から以下のとおり取締役会において報告がなされました。
実効性評価結果
指名
委員会
指名委員会における審議の結果、指名委員会は実効性を適切に発揮できていると評価しました。
まず実効性評価の深化に向けて、委員会の実効性および委員長の役割を定義しました。またCEOサクセッションプランおよび取締役選任案検討において、様々な機会による候補者との面談の実施や、他の委員会を兼務する委員からの当該兼務を通じて得られた情報を反映した活発な議論、ステークホルダーとのコミュニケーション等により公平性・透明性・客観性を確保することで、コーポレート・ガバナンスの充実と持続的な企業価値向上に貢献いたしました。
一方、将来の取締役候補者の適切な選出のために、社内外の人財プールの把握を進めることで、指名委員会の実効性を一層強化する余地があることを確認しました。全員が社外取締役で構成される指名委員会としての判断の独自性を維持しつつ、取締役会の構成の在り方を検討する際の一助とするためにも社内取締役とのコミュニケーションの充実化を図ることを検討します。
<指名委員会の実効性の定義>取締役および代表執行役社長の選解任案(評価・再任妥当性を含む)・後継者育成計画等の審議および決議における公正性・透明性・客観性を確保することで、コーポレート・ガバナンスの充実と持続的な企業価値向上に貢献すること。
<指名委員会委員長の役割の定義>指名委員会委員長は、指名委員会が実効性を最大限に発揮すべく、公正性・透明性・客観性をもって、取締役および代表執行役社長候補者の選任および解任等に関する活発な議論がなされるよう、議題設定と議事進行その他指名委員会の企画および運営を中心となって適切に行うこと、および必要に応じて IR等ステークホルダーとのコミュニケーションを行うことをその主な役割とする。
監査
委員会
監査委員会は、委員会が掲げる実効性を適切に発揮できていると評価しました。
社内、社外取締役からのアンケート調査から、実地の国内外法人監査、監査委員会ホットラインへの対応、これらを踏まえた代表執行役社長等との定期的な意見交換、個別事案についての社長への文書意見の提出とそのフォローアップの実施、定期的な取締役会報告の実践を通じ
て、監査委員会の提言が、執行側の業務執行に反映されていることから、実効性が果たされていると判断しています。
急を要する改善課題はありませんが、以下の点を留意して監査委員会活動を進めます。
・激変する社外環境に対して、機動的な監査委員会活動の実践を行います。
・生成AIを活用しデータ分析、報告書作成のさらなる効率化を図ります。
<監査委員会の実効性の定義>「取締役および執行役の職務執行をステークホルダーの代表として監査し、当社グループにおける適法かつ社会的信頼に応えうる業務執行を促すことで、不祥事の未然防止と再発防止を図ると共に、良質なコーポレート・ガバナンスと企業価値向上に貢献する」ことを基本方針として、様々な監査活動結果を適時取締役会に報告し、監査委員会の実効性を果たすこと。
<監査委員会委員長の役割の定義>監査委員会委員長は、監査委員会が取締役・執行役の業務の監査(監査委員会ホットライン対応を含む)および会計監査人の選解任等の役割を最大限発揮すべく、委員会を構成する多様なメンバーの能力を引き出し、課題設定と議事進行など監査委員会の企画・運営を中心となって適切に行うこと、および必要に応じて IR 等ステークホルダーとのコミュニケーションを行うことを主な役割とする。
報酬
委員会
報酬委員会は、委員会が掲げる実効性を適切に発揮できていると評価しました。
まず、実効性評価の深化に向けて、委員会の実効性および委員長の役割を定義しました。企業価値の中長期的な拡大につながる報酬とすべく、役員報酬に関する外部市場情報を活用し議論を深める事で客観性と公平性の向上を図りました。その取組みにあたり、取締役を兼ねる執行役へのインタビューを行い、報酬制度への期待と課題に関する認識を深めました。また、ステークホルダーとのコミュニケーションを通じて必要な情報の取得と発信を行い、透明性の向上につなげました。体制面では、社外取締役のみの構成により独立性を担保すると共に、委員の他委員会の兼任により委員会として更に参考となる情報を適切に確認し、全体像を踏まえた審議・決定を致しました。
改善の余地としては、報酬制度による企業価値の向上の実質的な検証および取締役会との関係性の進化に向けた報告のあり方が上げられます。実質的な検証についてはその評価方法を含めて中長期視点で検討を進めます。
<報酬委員会の実効性の定義>取締役および執行役の報酬に関わる職務の執行を通じて、「企業価値の中長期的な拡大につながる報酬」、「十分な競争力がある水準」および「透明なプロセスを経た決定」との目的を適切に果たすことで、コーポレート・ガバナンスの充実と持続的な企業価値向上に貢献すること。
<報酬委員会委員長の役割の定義>報酬委員会委員長は、報酬委員会が実効性を最大限に発揮すべく、公正性・透明性・客観性を踏まえた活発な議論がなされるよう、課題設定と議事進行その他報酬委員会の企画・運営を中心となって適切に行うこと、および必要に応じて IR 等ステークホルダーとのコミュニケーションを行うこと、それらを主な役割とする。
以上

<業務執行・経営会議>当社は、取締役会から大幅に権限委譲された最高経営責任者が中心となって、経営会議において重要な業務執行の意思決定を行い、ワンチームで持続的な企業価値向上を実現します。
経営会議は、取締役会から示された大きな方向性および委任事項に基づき、最高経営責任者を中心としたワンチームで迅速かつ適切な業務執行を実現します。業務執行に関する基本計画、方針、その他重要な事項に関する審議・決議については、経営会議構成員の賛否とともに審議内容を議事録に記載します。また、取締役会への付議・報告については取締役会規程・細則に基づき実施するとともに、計画的かつ実効的に取締役会の議題を設定できるように密接な意思疎通を図ります。
経営会議構成員は、代表執行役社長および代表執行役社長の指名するその他の執行役をもって構成されます。
<内部統制・リスク管理・サステナビリティ>・グループ・コンプライアンス委員会
当社は、不正による企業価値の毀損を防ぐとともに味の素グループの経営基盤の強化および持続的な企業価値の向上に資するため、経営会議の下部機構として、グループ・コンプライアンス委員会(以下「GCC」という。)を設置します。
GCCは、味の素グループのグローバルでのコンプライアンスに関わる体制整備と戦略立案、AGPの総括管理と「味の素グループホットライン」の運営、重大なコンプライアンス事案への対処等を担うことを主な任務とします。
GCCは、四半期ごとの委員会開催の都度、経営会議および取締役会に対しGCCにおける審議の内容および活動状況を取りまとめ報告します。
・サステナビリティ委員会
当社は、サステナビリティ経営を推進するため、経営会議の下部機構として、サスティナビリティ委員会を設置します。
同委員会は、経営リスク委員会と連携して味の素グループへの影響評価とともに重要事項(マテリアリティ)に基づくリスクと機会の選定、抽出を行い、経営会議に提案します。そして、サステナビリティに関するリスクと機会に対して対策を検討・立案し、進捗管理を行います。また、味の素グループ全体のサステナビリティ戦略策定、戦略に基づく取組テーマ(栄養、環境、社会)の推進、事業計画へのサステナビリティ視点での提言と支援、ESGに関する社内情報の取りまとめを行います。
・経営リスク委員会
当社は、中期ASV経営のロードマップ実現の妨げとなるリスクを特定し、リスクマネジメントのための諸方策を立案・運用するため、経営会議の下部機構として、経営リスク委員会を設置します。
同委員会は、サステナビリティ委員会と連携して味の素グループへの影響評価とともに重要事項(マテリアリティ)に基づくリスクと機会の選定、抽出を行い、経営会議に提案します。そして、特に経営がイニシアチブを持って対処すべきリスク(地政学リスク、情報セキュリティリスク等)について、リスクマネジメントのための諸方策を検討・立案し、進捗管理を行うことで、リスクおよび危機に迅速かつ的確に対応できる強固な企業体質を目指します。
・投融資・事業審査委員会
経営会議の審議に先立ち、投融資の内容について多面的な検討を実施します。
・企業提携等審議会
経営会議の審議に先立ち、M&Aの実施について多面的な検討を実施します。
2026年6月12日(有価証券報告書提出日)現在の執行役、経営会議およびその下部機構の委員会等の構成員および委員長等は、次のとおりです。
氏名役位経営会議グループ・コンプライアンス
委員会
サステナ
ビリティ
委員会
経営
リスク
委員会
投融資・
事業審査
委員会
企業提携等
審議会
1中村 茂雄代表執行役社長※
最高経営責任者
〇議長
2下保 寛代表執行役副社長
3坂倉 一郎代表執行役専務
4斉藤 剛執行役常務※
5嵐田 高彰執行役常務
6水谷 英一執行役常務○副
7スムリガ・
ミロスラブ
執行役常務
8髙柳 大執行役常務
9栢原 紫野執行役
10橘高 幸志執行役○副
11田原 貴之執行役常務
12リッシュ・
マイケル
執行役常務
13神谷 歩執行役常務
14寺本 博之執行役常務
15森 妹子執行役
16小野 郁執行役○副
17川瀬 博士執行役
18山本 直子執行役
19泉井 裕執行役
20臼井 文執行役
21垣原 陽介執行役
22梶 昌隆執行役
23幸村 太郎執行役
24ニシタニ・
イワオ
執行役

(注)1. ※は取締役を、〇は構成員を、議長は経営会議議長を、◎は委員長を、副は副委員長を、それぞれ示
しています。
(注)2. 経営会議の下部機構の委員会等の委員は、関係する業務運営組織の長等となります。
なお、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役10名選任の件」を上程しており、当該議案が可決されますと、当社の取締役の状況は、以下のとおりとなる予定であり、同定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会における決議事項の内容(役職等)を含めて記載しています。
また、同取締役会において、執行役の選任について付議され、これが承認可決された場合の執行役の状況は以下のとおりとなる予定であり、同取締役会における決議事項の内容(役職等)を含めて記載しています。
氏名役位経営会議グループ・コンプライアンス
委員会
サステナ
ビリティ
委員会
経営
リスク
委員会
投融資・
事業審査
委員会
企業提携等
審議会
1中村 茂雄代表執行役社長※
最高経営責任者
〇議長
2下保 寛代表執行役副社長※
3坂倉 一郎代表執行役専務
4斉藤 剛執行役常務※
5嵐田 高彰執行役常務
6水谷 英一執行役常務○副
7スムリガ・
ミロスラブ
執行役常務
8髙柳 大執行役常務
9栢原 紫野執行役
10橘高 幸志執行役○副
11田原 貴之執行役常務
12リッシュ・
マイケル
執行役常務
13神谷 歩執行役常務
14寺本 博之執行役常務
15森 妹子執行役
16小野 郁執行役○副
17川瀬 博士執行役
18山本 直子執行役
19泉井 裕執行役
20臼井 文執行役
21垣原 陽介執行役
22梶 昌隆執行役
23幸村 太郎執行役
24ニシタニ・
イワオ
執行役

(注)1. ※は取締役を、〇は構成員を、議長は経営会議議長を、◎は委員長を、副は副委員長を、それぞれ示
しています。
(注)2. 経営会議の下部機構の委員会等の委員は、関係する業務運営組織の長等となります。
2)現状のコーポレート・ガバナンス体制を選択している理由
味の素グループは、コーポレート・ガバナンスを、ASV経営を強化し、2030年のありたい姿を実現するための重要な経営基盤の一つと位置づけています。2030年に向け、フードシステムで繋がる健康栄養課題の解決とサステナビリティの推進にセットで取り組み、「10億人の健康寿命の延伸」と「環境負荷50%削減」を実現していくために、ASV経営を加速させます。さらにASV経営の実効性を高めるため、「ステークホルダーの意見を反映させる適切な執行の監督」と「スピード感のある業務執行」を両立し、監督と執行が明確に分離している会社機関設計の指名委員会等設置会社を選択します。
3)取締役会の全体としての構成・多様性の考え方
当社は、構成員数、社内出身者と社外出身者の割合、執行役兼任者の割合、個々の経験、能力、識見、国際性、ジェンダー、人種、民族、国籍、出身国、文化的背景等の多様性を考慮して、独立の立場から客観的に業務執行を監督することができる独立社外取締役、最高経営責任者を含む執行役を兼任する社内取締役、および常勤監査委員である社内取締役により取締役会を構成することを基本方針とします。
また、監督と執行の分離をすすめ取締役会による経営監督機能の実効性をさらに高めるため、社外取締役が過半数を占める体制とし、取締役会の議長は、社外取締役が務めます。
(ご参考)スキルマトリックス
2026年6月12日(有価証券報告書提出日)現在の取締役のスキルマトリックスは以下のとおりです。
経営戦略グローバルサステナビリティデジタル研究開発
・生産
セールス
・マーケティング
財務・
会計
人事・
人財開発
法務・リスクマネジメント
岩田 喜美枝
中山 讓治
引頭 麻実
八田 陽子
デイヴィス・
スコット
我妻 由佳子
中村 茂雄
白神 浩
佐々木 達哉
斉藤 剛
松澤 巧

なお、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役10名選任の件」を上程しており、当該議案が可決されますと、当社の取締役の状況は、以下のとおりとなる予定です。
経営戦略グローバルサステナビリティデジタル研究開発
・生産
セールス
・マーケティング
財務・
会計
人事・
人財開発
法務・リスクマネジメント
岩田 喜美枝
中山 讓治
引頭 麻実
八田 陽子
デイヴィス・
スコット
我妻 由佳子
中村 茂雄
下保 寛
斉藤 剛
松澤 巧

(ご参考)スキル項目の定義と選定理由
スキル項目定義選定理由
経営戦略事業に精通し、資本市場を意識した的確な戦略を監督・推進することで、持続的な成長を通じて企業価値の向上を実現するスキルアミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する企業として、Ajinomoto Group Creating
Shared Value(ASV)経営の推進を通じて味の素グループの企業価値を飛躍的に高めることに必要なため
グローバル多様な価値観や文化を踏まえて、グローバルに事業を展開するための的確な戦略を監督・推進するスキル事業領域のグローバルな持続的拡大に向けた、多様な価値観や文化への理解に基づく業務執行の適切な監督・推進に必要なため
サステナビリティ持続可能な社会の実現に向けて、事業を通じて社会的課題を解決するための的確な戦略を監督・推進するスキル社会価値と経済価値を両立させるASV経営を通じて、「10億人の健康寿命の延伸」および「環境負荷の50%削減」を実現することに必要なため
デジタルIT・デジタル技術を駆使した、イノベーション、生産性の向上等に向けた的確な戦略を監督・推進するスキルDXを通じて市場競争力・効率性・生産性を高め、企業価値を向上させながら、アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する企業に変革するために必要なため
研究開発・生産イノベーティブな研究開発と安全・安心な製品・サービスを絶えず追求していくための的確な戦略を監督・推進するスキルアミノサイエンス®によるイノベーションによって、「10億人の健康寿命の延伸」および「環境負荷の50%削減」を実現することに必要なため
セールス・
マーケティング
重点事業の成長を加速させるためのブランド価値向上に向けた的確な戦略を監督・推進するスキル市場・生活者の価値観に合致したブランドマネジメントと、「スピードアップ×スケールアップ」による成長に必要なため
財務・会計財務・会計・税務の高度な専門性に基づき、的確な戦略を監督・推進するスキルASV経営による企業価値の最大化、成長投資と株主還元の両立を実現する戦略の立案・推進、および業務執行の適切な監督に必要なため
人事・人財開発多様な人財一人ひとりが能力を開発し、最大限に発揮するための的確な戦略を監督・推進するスキル全ての無形資産の価値を高める原動力となる人財資産を、個人と組織の共成長により強化し、ASV経営を進化させることに必要なため
法務・
リスクマネジメント
法令順守・コーポレートガバナンス・リスク管理を通じた持続的な企業価値の向上を実現するための的確な戦略を監督・推進するスキルAjinomoto Group Policies(AGP)※の浸透・実践を通じた持続的な企業価値の向上を実現し、ASV経営を安定的かつ着実に推進することに必要なため

※AGPは、味の素グループ各社およびそこに働く一人ひとりが順守すべき考え方と行動のあり方を示すと同時に、誠実に順守することをすべてのステークホルダーに約束するものです。
4)業務の適正を確保するための体制の整備の状況
当社取締役会において決議した「内部統制システムに関する基本方針」は、次のとおりです。
1.当社の執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
(1)独立な立場から客観的に当社の業務執行を監督することができる独立社外取締役を選任し、取締役会の過半数を社外取締役で構成するとともに、取締役会議長を社外取締役にすることにより、取締役会の執行役および使用人による職務執行に対する監督機能を高め、業務執行の適正を確保する。
(2)委員長を社外取締役とし、委員の過半数を社外取締役で構成する指名委員会および報酬委員会を設置し、取締役候補者の指名および取締役・執行役の報酬の決定に係る透明性と客観性を高める。
(3)委員長および委員の過半数を社外取締役とし、社外取締役と当社事業の深い理解に基づき業務執行を監督する社内取締役で構成する監査委員会を設置し、執行役による当社の業務執行の適法性・妥当性の監査を行うことにより、「業務執行に対する監督」機能の重要な一翼を担うとともに、取締役による職務の執行も監査する。監査委員会は、指名委員会および報酬委員会の議事録を閲覧する。
(4)味の素グループ各社およびそこに働く一人ひとりが順守すべき考え方と行動のあり方をしめすと同時に、誠実に順守することをすべてのステークホルダーに約束するものとして「味の素グループポリシー」(以下「AGP」という)を整備する。
(5)不正による企業価値の毀損を防ぐとともに味の素グループの経営基盤の強化および持続的な企業価値の向上に資するため、経営会議の下部機構として、グループ・コンプライアンス委員会(以下「GCC」という)を設置し、味の素グループのグローバルでのコンプライアンスに関わる体制整備と戦略立案、AGPの総括管理と「味の素グループホットライン」の運営、重大なコンプライアンス事案への対処等を行う。
(6)不正行為の未然防止、早期発見および是正を図るため、内部通報の仕組みを整備し、内部通報窓口として「味の素グループホットライン」を設置する。法務・コンプライアンス部長は受け付けた内部通報・相談の事実関係の調査を関係先に指示し、是正措置等の対策を策定し、必要に応じてGCCの審議を経て、これを実施し、その結果をGCCに報告する。
(7)監査部は、業務運営組織およびグループ会社に対して業務監査を実施し、その結果を代表執行役社長および監査委員会に報告(ダブルレポート)するとともに、監査対象組織に対して指摘事項への是正を求め、実施状況を点検する。ただし、監査の独立性を確保し効果的・効率的な監査体制を維持するために、監査機能上の指揮において代表執行役社長の指示と監査委員会の指示が齟齬する場合は後者を優先させる。
また、財務報告の信頼性を確保するため、財務報告に係る内部統制の評価を実施し、その結果を代表執行役社長および監査委員会に報告するとともに、評価対象組織等に通知し、不備がある場合はその是正を指示する。ただし、監査機能上の指揮において代表執行役社長の指示と監査委員会の指示が齟齬する場合は後者を優先させる。
監査部は、監査委員会の指示があった場合、調査および監査を実施する。
2.当社の執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
執行役および取締役の職務の執行に係る情報を記録する取締役会議事録、経営会議議事録、意思決定書類、各種会議の議事録等の文書および電磁的記録は、法令および社内規則に従い保存し、管理する。
3.当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1)経営リスク委員会は、サステナビリティ委員会と連携して味の素グループへの影響評価とともに重要事項(マテリアリティ)に基づくリスクと機会の選定、抽出を行い、経営会議へ提案する。そして、特に経営がイニシアチブをもって対処すべきリスク(地政学リスク、情報セキュリティリスク等)について、リスクマネジメントのための諸方策を検討・立案し、進捗管理を行うことで、リスクおよび危機に迅速かつ的確に対応できる強固な企業体質を目指す。
(2)サステナビリティ委員会は、経営リスク委員会と連携して味の素グループへの影響評価とともに重要事項(マテリアリティ)に基づくリスクと機会の選定、抽出を行い、経営会議へ提案する。そして、サステナビリティに関するリスクと機会に対して対策を検討・立案し、進捗管理を行う。また、味の素グループ全体のサステナビリティ戦略策定、戦略に基づく取組テーマ(栄養、環境、社会)の推進、事業計画へのサステナビリティ視点での提言と支援、ESGに関する社内情報の取りまとめを行う。
(3)危機が発生した場合は、関係組織に対策本部等を設置し、人命を最優先して、味の素グループの損失を極小化するよう努める。
4.当社の執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1)取締役会は、原則として月1回開催し、法令および定款ならびに「取締役会規程」等に定める重要な事項を審議、決定し、執行役および取締役の職務の執行を監督する。
(2)代表執行役社長および同人の指名するその他の執行役を構成員とする経営会議は、原則として月3回開催し、「グローバルガバナンスに関する規程」に定める当社および当社グループに関する重要事項を審議し、決定する。
(3)社内規則の整備、運用および見直しにより、取締役会、経営会議、執行役および特定のグループ会社の意思決定範囲を明確にし、権限委譲をすすめる。
(4) 取締役会および経営会議の効率的な運営を図るため、取締役会および経営会議に提出する資料は、電子ファイルとする。
5.グループ会社における業務の適正を確保するための体制
(1)グループ会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
業務運営組織は、「グローバルガバナンスに関する規程」に従い担当するグループ会社を監督する責任を負い、グループ会社の取締役等の業務の執行に関して報告を求め、重要事項について当社の執行役、経営会議または取締役会の意思決定を受ける。
(2)グループ会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
①グループ会社に対して、その事業内容、経営環境等に応じて、グループ共通社内規則と同旨の社内規則を施行させる。
②グループ会社に危機が発生した場合は、必要に応じて対策本部等を設置し、味の素グループの損失を極小化するよう支援を行う。
(3)グループ会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
①グループ会社の監督に係る基本方針を明確にし、グループ会社に対して、グループ共通社内規則と同旨の社内規則を施行させ、当該社内規則が実効性あるものとして運用されるよう、必要な指導および支援を行う。
②特定のグループ会社に対しては、「グローバルガバナンスに関する規程」に従い適切な権限委譲を行う。
(4)グループ会社の取締役等および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
①AGPを施行させ、グループ会社の役員・使用人等に対して、法令およびAGPの遵守を徹底させる。
②社内外に設置する通報窓口をグループ会社の役員・使用人等も利用できることを周知徹底する。
③当社の監査部は、グループ会社に対して経営監査・業務監査を実施し、財務報告に係る内部統制の評価を実施する。
④重要なグループ会社については、監査機能を強化するため、会社法上の大会社に該当しない場合でも常勤の監査役を設置する。

6.当社の監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)監査委員会の職務を補助すべき使用人等に関する事項
①監査委員会は、その職務を補助すべき監査部長の選解任および評価に主体的に関与する。
②監査部内に、監査委員会の職務を補助するのに必要な監査委員会スタッフを配置する。監査委員会は、当該監査委員会スタッフの人事評価、人事異動および懲戒処分に主体的に関与することで、執行役からの独立性を高め、監査委員会の監査委員会スタッフに対する指示の実効性を確保する。
(2)監査委員会への報告に関する体制
①執行役は、当社またはグループ会社に著しい損失を与えるおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに監査委員に報告する。
②使用人ならびにグループ会社の取締役、監査役および使用人は、監査委員または監査委員会からの定期・不定期の報告聴取に応じるほか、当社またはグループ会社に著しい損失を与えるおそれのある事実を発見し、かつ緊急の場合には、直接監査委員または監査委員会に当該事実を報告することができる。
③味の素グループ各社の役員の不正の行為等への直接関与が疑われる場合の専用窓口として、「監査委員会ホットライン」を設置する。
④ ①、②の報告または③の通報をした者は、当該報告・通報をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けないものとし、グループ会社においてもこれを徹底させる。
(3)監査費用の処理に係る方針
①当社は、監査委員会の職務の執行に必要な費用(必要な弁護士等外部専門家への意見聴取に係る費用等も含む)を負担する。
②上記①の費用は、年度予算を設けこれに基づき発生した費用を支払うことを原則とするが、予算外で緊急または追加で必要となった費用についても当該支払いの処理を行うものとする。
(4)その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
①執行役は、監査委員が業務運営組織で行われる重要な会議への出席が可能となるよう配慮し、議事録を提出する等、監査委員会の職務執行に必要な協力をする。
②代表執行役社長その他の執行役と監査委員または監査委員会は、定期・不定期を問わず、当社およびグループ会社における遵法およびリスク管理への取組状況その他経営上の課題についての情報交換を行い、執行役・監査委員会間の意思疎通を図る。
7.反社会的勢力排除に向けた体制
当社は、市民生活の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは関係を持たず、反社会的勢力に対して毅然とした態度で臨み、あらゆる不当要求を拒否することをAGPに明記するとともに、GCCが味の素グループ各社におけるAGPの浸透活動に対する支援と総括を含め、関係部門と連携してAGPの周知徹底を図る。
以上


5)業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要
当社は、「内部統制システムに関する基本方針」に基づき、内部統制システムの整備とその適切な運用に取り組んでいます。当期に実施した主要な取り組みは、次のとおりです。
1.コンプライアンスに関する取組み
(1)企業行動委員会が主体となり、「味の素グループポリシー(AGP)」の順守徹底に継続して取り組みました。当期も全国の職場で「AGPを考える会」を、「お互いの個性・価値観を尊重できる職場風土」をテーマとして開催し(当社では33回)、AGPの理解促進および職場のコンプライアンスリスクを点検する契機とし、職場におけるコンプライアンス課題とともに全社の取組みに対する意見を掘り起こしました。また、AGPの基本原則について、外部環境の変化に伴う社会的要請に応えるとともに、味の素グループにおけるコンプライアンス重視の姿勢をより明確にする等の目的で改定を行いました。さらに、「味の素グループホットライン」の周知と利用促進のため、グループ全体に対し、ホットラインに関するポスター掲示の指示および説明動画の発信をしました。これらの活動は、企業行動委員会から経営会議および取締役会に報告されました。
なお、2026年4月1日付で企業行動委員会をグローバルに再編し、グループ・コンプライアンス委員会(以下「GCC」という。)を設置しております。GCCは、味の素グループのグローバルでのコンプライアンスに関わる体制整備と戦略立案を担うことを主な任務とします。GCCにおける審議の内容および活動状況は、経営会議および取締役会に対し報告されます。
(2)当期は、当社の業務運営組織およびグループ会社(合計30箇所)に対して、監査部による業務監査を実施しました。
2.リスクマネジメントに関する取組み
(1)経営リスク委員会を4回開催し、重要な事項(マテリアリティ)に基づくリスクと機会の選定、抽出を行い、経営がイニシアチブを持って対処すべきリスクとして、外部からのサイバー攻撃、グローバル規模の貿易戦争、台湾海峡問題のエスカレーション、首都圏での甚大な地震や風水害の発生を特定し、その対策を講じました。これらの活動は、経営リスク委員会から経営会議および取締役会に報告されました。
(2)サステナビリティ委員会を3回開催し、重要な事項(マテリアリティ)に基づくリスクと機会の選定、抽出、それに対する対策の立案と目標・KPIの確認を行いました。各取組みの推進と進捗管理については、事業、地域本部、コーポレート部門関係者と連携し実施しました。
(3)投融資・事業審査委員会を12回開催し、企業提携等審議会はM&A案件検討のため9回開催しました。また、品質保証会議および労働安全衛生会議を各2回開催し、グループ全体の活動レビューを行い、重要課題への取組みについて確認しました。
3.グローバルガバナンスに関する取組み
(1)取締役会を19回開催しました。取締役会運営の効率化に継続的に取り組むとともに「中期ASV経営 2030ロードマップ」において設定した当社のありたい姿を実現するために、取締役会が審議すべき対象である、中長期的に企業価値に大きく影響を及ぼす「新・7つの重要な経営事項」に基づき年間議題計画を設定し、各議題において活発な議論を行いました。
(2)経営会議を33回開催しました。「グローバルガバナンスに関する規程」に基づき、当社およびグループ会社の重要事項について報告および審議を行い、業務執行に係る意思決定を適切に行いました。
(3)「グローバルガバナンスに関する規程」を計画的に改定し、権限委譲および責任の所在の明確化を進めるとともに、現場オペレーションの効率化・高度化を図ることにより、グループ全体の統制を確保しつつ、グローバルガバナンスの実効性を一層高めました。
4.監査委員会による監査に関する取組み
(1)監査委員会の職務を補助するスタッフとして2026年3月末日時点で9名(専任7名、兼任2名)を配置し、必要な会社情報へのアクセス権限を持つことにより、適時に包括的なモニタリングを実施し、監査部との連携推進により、監査委員会による監査の実効性を確保しました。また、当期は16回の監査委員会を開催しました。
(2)監査部長は、実施した内部監査の結果を監査委員会にて報告するとともに、3か月ごとに内部監査活動および財務報告に係る内部統制評価を監査委員会に対して報告し、適時の報告依頼や聴取に対応しました。また、当社およびグループ会社に著しい損失を与えるおそれのある事実を発見した場合は、当該事実を逐次監査委員に報告していますが、当期に当該事実はありませんでした。
以上

6)責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役との間で、会社法第427条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項各号に定める金額の合計額としています。
7)役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、役員等賠償責任保険契約(会社法第430条の3第1項に規定する内容の保険契約)を保険会社との間で締結し、株主や第三者等から損害賠償請求を提起された場合において、被保険者が負担することになる損害賠償金・争訟費用等の損害を当該保険契約により填補することとしています。当該保険契約の被保険者は当社の取締役および執行役ならびに当社の日本国内における子会社の取締役、監査役および執行役員です。当該契約の保険料は全額当社が負担しています。当該保険契約は、契約期間の満了時に更新される予定です。
8)取締役に関する定款の定め
・取締役の定数
当社の取締役は12名以内とする旨を定款で定めています。
・取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、株主総会において、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもってこれを行う旨を定款で定めています。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨を定款で定めています。
9)株主総会決議事項を取締役会で決議することができる場合
・自己株式の取得
当社は、株主還元水準の向上および資本効率の改善、単元未満株式の買増制度における不足自己株式の補充のため、機動的に自己株式の買受けを行えるよう、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めています。
・剰余金の配当等
当社は、株主への利益還元や資本政策を機動的に実施することができるよう、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項を取締役会の決議により定めることができる旨、および毎年3月31日または9月30日における最終の株主名簿に記録されている株主または登録株式質権者に対し、剰余金の配当をすることができる旨を定款で定めています。なお、感染症および天災地変等により株主総会の開催および運営に影響を及ぼす場合を除き、期末の剰余金配当は、株主総会による決議を原則とする考えです。
10)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項の規定による株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う旨を定款で定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。

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