有価証券報告書-第72期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな景気回復基調で推移したものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にあります。感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクも高く、先行きも極めて厳しい状況が続くと見込まれます。
当業界におきましては、慢性的な人手不足や物流費等のコスト上昇に加え、消費者の低価格志向から企業間競争はますます激しさを増し、足もとでは新型コロナウイルス感染症の影響から外食産業向けの販売が減少しております。また、食肉相場におきましては、国産牛肉は外出自粛の影響もあり大きく下落する一方で、輸入牛肉は前年を上回って推移するなか一時的に大きな変動が見られます。豚肉は国内外の疫病の影響から不安定な相場となるなど、食肉相場は先行き不透明な展開となっております。
このような状況のなか、当社グループは、お客様に、より安全でより安心して召し上がっていただける食品を提供する総合食品メーカーとして、真に社会的存在価値が認められる企業を目指し、企業活動を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
A 財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ7億72百万円減少し、1,318億54百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ2億66百万円増加し、567億98百万円となりました。 純資産は、前連結会計年度末に比べ10億38百万円減少し、750億56百万円となりました。
B 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は前連結会計年度比1.1%増の2,458億20百万円、営業利益は同16.1%増の26億17百万円、経常利益は同14.5%増の31億18百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同13.0%増の16億53百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(加工食品事業)
ハム・ソーセージ部門では、東京2020オリンピック・パラリンピックオフィシャルサポーターとして、各種キャンペーンを実施し、東京2020応援特別デザインをパッケージとした「燻製屋熟成あらびきポークウインナー」などの主力商品を中心に、販売促進に努めました。また、ボリュームパックタイプの「ロースハム」や、人気キャラクターを使用した「フィッシュソーセージ(チコちゃん)」などを拡販したほか、燻製屋シリーズからホワイトタイプのウインナー「燻製屋熟成あらびきポークウインナー ホワイト」などの新商品を投入し売上拡大を図りました。これらの施策を行いましたが、低価格志向から企業間競争が激しくなるなど厳しい環境が続き、当部門の売上高は前連結会計年度比2.6%の減収となりました。
調理加工食品部門では、「シェフの匠」シリーズなどのレトルトカレー商品の売上高が好調に推移したほか、「チキンナゲット」や「サラダチキン」シリーズなどの売上高が拡大しました。また、大豆ミートを使用した「大豆ライフ」シリーズなどの新商品を投入しました。デザート・飲料類につきましては、「TAPIOCA TIME」シリーズなどのブラックタピオカ入り飲料は、競合他社が参入するなかで、通期で売上高を伸ばしました。以上のことから、当部門の売上高は前連結会計年度比3.8%の増収となりました。
以上の結果、加工食品事業の売上高は前連結会計年度比0.7%増の1,706億48百万円となりました。セグメント利益は、主力のハム・ソーセージ部門が減収となりましたが、調理加工食品部門の増収が寄与したほか、コンビニエンスストア向け新工場の本格稼働により収益力が改善したことなどから、前連結会計年度比113.5%増の16億68百万円となりました。
(食肉事業)
牛肉につきましては、輸入牛肉はブランド牛肉の販売に注力し販売数量を拡大したほか、国産牛肉の売上高も増加し、牛肉全体の売上高は前年を上回りました。豚肉につきましては、アウトパック商品を拡大しましたが、相場が不安定に推移し、国産・輸入豚肉ともに販売数量が減少したことなどから、豚肉全体の売上高は前年を若干下回りました。
以上の結果、食肉事業の売上高は前連結会計年度比2.1%増の750億24百万円となりました。セグメント利益は、豚肉の仕入価格上昇による収益性低下や物流費等の増加などから、前連結会計年度比35.2%減の9億円となりました。
(その他事業)
その他事業の売上高は前連結会計年度比8.8%減の1億47百万円、セグメント利益は前連結会計年度比41.2%減の48百万円となりました。
(新型コロナウイルス感染症の影響)
当連結会計年度の第4四半期、特に3月に入り、新型コロナウイルス感染症拡大防止による全国の小中学校と高校、特別支援学校に対する臨時休校要請や、地方自治体からの外出やイベント、他都道府県間往来などの自粛要請、個人・企業などの自主的な自粛の取り組みなどにより、自宅で過ごす時間が多くなったことから、外食産業や都市部のコンビニエンスストア向け商品や一部の業務用食材の売上高は減少しました。半面、いわゆる「巣ごもり需要(消費)」による自宅での内食や中食需要が高まった結果、3月のハム・ソーセージ商品やレトルト商品の売上高は増加しました。また、食肉事業では、アウトパック商品の売上高が増加しました。
外食産業需要の低迷は国産牛肉の価格下落にも影響を与えたほか、海外調達先の生産停滞はハム・ソーセージの主原料である豚肉相場を不安定にさせるなど、コスト面にも影響が見られます。
操業面では、内食・中食需要向け商品の生産を強化、生産工場用のマスクや消毒液不足への対応、臨時休校に対する従業員の特別有給休暇や、外国人技能実習生に対する対応を行うなど、円滑な工場運営に努めてまいりました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払いがありましたが、減価償却費や税金等調整前当期純利益の計上などから、86億8百万円増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の売却による収入がありましたが、生産設備の増強・合理化や品質向上のための固定資産の取得による支出などから、82億71百万円減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の増加がありましたが、配当金の支払いや自己株式の取得などから、2億19百万円減少しました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末から1億17百万円増加し、82億44百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
A 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
B 受注実績
当社グループは、主として消費動向の予測に基づく見込み生産によっております。
C 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A 経営成績
(売上高)
売上高は、ハム・ソーセージ部門が前年を下回る結果となりましたが、調理加工食品部門や食肉事業が堅調に推移しましたことから、前連結会計年度比1.1%増の2,458億20百万円となりました。各セグメント別の売上高は、加工食品事業が前連結会計年度比0.7%増の1,706億48百万円、食肉事業が同2.1%増の750億24百万円、その他事業が同8.8%減の1億47百万円となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、売上高の増加に伴う商品や原材料仕入の増加などから、前連結会計年度比0.7%増の1,903億40百万円となりました。また、売上原価率は77.4%となり、前連結会計年度比0.4%低下しました。
売上総利益は、調理加工食品部門の増収が寄与したほか、コンビニエンスストア向け新工場の本格稼働により収益力が改善したことなどから、前連結会計年度比2.6%増の554億80百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、合理化によるコスト削減に努めましたが、売上高の増加による影響や物流コストの上昇などから、前連結会計年度比2.0%増の528億62百万円となりました。
営業利益は、前連結会計年度比16.1%増の26億17百万円、営業利益率は1.1%となり、前連結会計年度比0.2%上昇しました。
各セグメント別のセグメント利益につきましては、加工食品事業が前連結会計年度比113.5%増の16億68百万円、食肉事業が同35.2%減の9億円、その他の事業が同41.2%減の48百万円となりました。なお、各セグメント別の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 B 経営成績」に記載のとおりであります。
(経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益は、営業利益の増益などから、前連結会計年度比14.5%増の31億18百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益などの特別利益の計上額の減少がありましたが、特別退職金などの特別損失の計上額が減少したことなどから、前連結会計年度比13.0%増の16億53百万円となりました。
(中期経営計画の達成状況)
当社グループは、2017年4月を起点とした中期経営計画(2017年4月1日~2020年3月31日)において、2020年3月期の連結業績を、売上高2,600億円、営業利益率(売上高比率)2.5%、営業利益65億円に成長させることを目標として掲げておりましたが、最終年度にあたる当連結会計年度の業績につきましては、売上高2,458億20百万円、営業利益率1.1%、営業利益26憶17百万円となり、目標を下回る結果となりました。
(単位:百万円)
この三ヵ年で連結売上高は5.8%、133億83百万円拡大しましたが、当初計画2,600億円に対しましては、141億79百万円の未達となりました。ハム・ソーセージ部門は売上高が9.4%、81億43百万円減少する一方で、調理加工食品部門は20.7%、157億35百万円増加し、加工食品事業の売上高は4.7%、75億91百万円の増加、食肉事業の売上高は8.4%、58億4百万円増加しました。
主力のハム・ソーセージ部門は、売上高減少による固定費率の上昇、競争激化による販売価格下落、原材料費、人件費、物流費等のコスト上昇を生産合理化、営業拠点の統合等では補いきれず収益力が低下しました。
一方、調理加工食品部門は、売上高が157億35百万円増加したことから、ハム・ソーセージ部門を上回る売上高となりました。グループ会社で展開するベンダー事業が売上高を伸ばし、デザート・飲料類が売上高・利益の両面で貢献しましたが、利益面ではハム・ソーセージ部門の落ち込みをカバーするにはいたりませんでした。
食肉事業は、アウトパック商品や外食向けの販売が好調に推移したものの、国内外の疫病による不安定な相場や競争の激化、物流費等のコスト上昇により、利益を伸ばすことは出来ませんでした。
以上のことから、グループ会社は一定の成長を図ることが出来ましたが、ハム・ソーセージ部門を中心とする基幹事業の拡大に課題を残したと考えております。
B 財政状態
(単位:百万円)
当連結会計年度末における総資産は、商品及び製品が18億15百万円増加、有形固定資産が12億28百万円増加しましたが、受取手形及び売掛金が31億97百万円減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ7億72百万円減少し、1,318億54百万円となりました。
負債は、繰延税金負債が7億31百万円減少しましたが、有利子負債が13億98百万円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ2億66百万円増加し、567億98百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益16億53百万円の計上がありましたが、その他有価証券評価差額金14億41百万円の減少や、剰余金8億90百万円の配当などから、前連結会計年度末に比べ10億38百万円減少し、750億56百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は56.5%となり、前連結会計年度末から0.5%低下しましたが、ほぼ同水準を維持しており、当社グループの財務体質は一定の健全性を保っていると判断しております。
また、セグメントごとの総資産は、加工食品事業が897億77百万円(前年同期は892億56百万円)、食肉事業が189億3百万円(前年同期は184億34百万円)、その他及び全社資産が231億73百万円(前年同期は249億35百万円)であります。加工食品事業における主な総資産の増加要因は、商品及び製品の増加や生産ラインの合理化及び生産能力拡大などのための生産設備を中心とした有形固定資産の取得によるものであります。
C キャッシュ・フロー並びに資本の財源及び資金の流動性
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー
を使用しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対
象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使
用しております。
※ 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を前連
結会計年度の期首から適用しており、2018年3月期の自己資本比率及び時価ベースの自己資本比率
については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値により算出しております。
当社グループは事業活動のための適切な資金を確保し、資金の流動性を維持するとともに、健全な財政状態を目指すための安定的な営業キャッシュ・フローの創出が資本財源の最優先事項の一つであると考えております。
また、株主価値をさらに高めていくためにも、強固な財務体質を維持しながら、継続的な成長経営を基盤とする資金調達が出来る環境を作っておきたいと考えております。
2016年3月期以降、減価償却を上回る設備投資を続けておりますが、自己資本比率やキャッシュ・フロー対有利子負債、インタレスト・カバレッジ・レシオなどが問題ない水準を維持していることから、当社グループは一定の健全性と成長戦略に向けての資金調達が可能な財務体質を保っていると判断しております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、営業活動によるキャッシュ・フローは86億8百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローは82億71百万円減少した結果、フリー・キャッシュ・フローを3億36百万円確保しました。有利子負債は6億97百万円増加し、配当金を8億90百万円支払い、自己株式を21百万円取得、現金及び現金同等物は1億17百万円増加しました。
配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりでありますが、当社グループは、株主の皆様への利益還元を経営上の最重要課題の1つとして位置付けており、連結業績や財務状況等を総合的に勘案しつつ、安定配当を継続するという基本方針に基づき、当事業年度の配当につきましては、前事業年度と同額の1株当たり普通配当35円とすることを決定いたしました。
当社グループは、中期経営計画を策定する上での参考や政策保有株式保有の合理性検証のため、資本コストを試算しております。しかしながら、資本コストは計算の基礎となる数値の採用において多様な考え方がありますので具体的な数値については公表しておりません。資本コストは投資家が期待するリターンでありますので、機関投資家等との対話を通じて適切な資本コストの認識に努め、事業計画や株主還元に活かしてまいりたいと考えております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要の主なものは、生産設備の増強・合理化や品質向上のための設備投資によるものであります。これらの必要資金は、主に営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金により調達しております。なお、当連結会計年度において増資や社債発行等の重要な資金調達は実施しておりません。2021年3月期の設備投資予定総額(資産ベース)は、87億30百万円であり、これらの大半は自己資金及びリースによる調達を予定しております。
また、当社グループは連結資金の効率的な調達を行うため取引銀行と当座貸越契約を締結しており、その契約に基づく当連結会計年度末の借入未実行残高は142億70百万円であります。当連結会計年度末の現金及び預金82億44百万円との合計は225億14百万円であり、当連結会計年度売上高の1か月分を超えていることから、緊急の資金需要に対しては一定の水準を保っていると判断しております。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大に備え、当連結会計年度末以降に当座貸越契約を100億円増額いたしております。また、当連結会計年度末において、新規発行未定ながら発行予定額を200億円として社債の発行登録をしており、設備資金、投融資資金、借入金返済資金及び運転資金の資金需要に備えております。
② 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りにつきましては、合理的な基準をもとに算定を行っております。
これらの見積りについて、過去の実績やその時点で入手可能な情報などから、妥当と考えられる様々な要素をもとに判断をしておりますが、見積りの前提となる条件や事業環境が変化した場合など、見積りと将来の実績が異なることがあります。
新型コロナウイルス感染症の影響について、当社グループは、感染防止に厳重な対策を実施したうえで事業活動を継続しており、現時点においては、平常時とほぼ同水準の稼働を維持しております。
会計上の見積りの前提は、新型コロナウイルス感染症の影響が上半期まで続き、その後下半期から回復すると仮定した業績見通しや足もとの状況などを踏まえ見積りを行っていますが、新型コロナウイルス感染症による影響は不確定要素が多く、今後、これらの見積りと将来の実績が異なる可能性があります。
なお、重要な会計方針のうち、見積りや仮定等により連結財務諸表に重要な影響を与えると考えている項目は次のとおりであります。
・固定資産の減損処理
当社グループは、事業用資産、賃貸用資産、遊休資産、美術品の区分にて資産のグループ化を行い、事業用資産については、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の事業区分を一つの資産グループとし、賃貸用資産及び遊休資産、美術品については、個別資産をグルーピングの最小単位としております。
事業用資産は、減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。事業用資産の割引前将来キャッシュ・フローの総額は、事業計画をもとに策定した収益計画をベースに見積りを行っております。
賃貸用資産及び遊休資産は、時価の下落や収益性の低下により回収可能価額が帳簿価額を下回るものについて、また、美術品は、時価が著しく下落しているものについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。賃貸用資産の回収可能価額は、正味売却価額または使用価値により、遊休資産、美術品の回収可能価額は、鑑定評価等により、正味売却価額の見積りを行っております。
これらの資産グループや個別資産の減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定については、将来の経営環境や市場環境の変化により、回収可能価額を著しく低下させる事象が見込まれる場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当連結会計年度における事業用資産の割引前将来キャッシュ・フローは、新型コロナウイルス感染症の影響が上半期まで続き、その後下半期から回復すると仮定した業績見通しや足もとの状況などをもとに見積りを行っております。
・繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、将来の利益計画をもとに合理的に算出した課税所得額の見積りの範囲内で回収可能な将来減算一時差異等に対して繰延税金資産を計上しております。
将来における当社グループを取り巻く環境変化などによる業績への影響や、税制改正による法定実効税率などの変化により、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
当連結会計年度の課税所得額は、新型コロナウイルス感染症の影響が上半期まで続き、その後下半期から回復すると仮定した業績見通しや足もとの状況などをもとに見積りを行っております。
・貸倒引当金
貸倒引当金の計上につきましては、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。取引先の信用不安や回収遅延などの増加により、引当金の追加計上が発生する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響が今後の貸倒引当金の計上に影響を及ぼす可能性はありますが、足もとでは倒産等による貸倒リスクに著しい変動は見られないため、現時点での影響は軽微であります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな景気回復基調で推移したものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にあります。感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクも高く、先行きも極めて厳しい状況が続くと見込まれます。
当業界におきましては、慢性的な人手不足や物流費等のコスト上昇に加え、消費者の低価格志向から企業間競争はますます激しさを増し、足もとでは新型コロナウイルス感染症の影響から外食産業向けの販売が減少しております。また、食肉相場におきましては、国産牛肉は外出自粛の影響もあり大きく下落する一方で、輸入牛肉は前年を上回って推移するなか一時的に大きな変動が見られます。豚肉は国内外の疫病の影響から不安定な相場となるなど、食肉相場は先行き不透明な展開となっております。
このような状況のなか、当社グループは、お客様に、より安全でより安心して召し上がっていただける食品を提供する総合食品メーカーとして、真に社会的存在価値が認められる企業を目指し、企業活動を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
A 財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ7億72百万円減少し、1,318億54百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ2億66百万円増加し、567億98百万円となりました。 純資産は、前連結会計年度末に比べ10億38百万円減少し、750億56百万円となりました。
B 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は前連結会計年度比1.1%増の2,458億20百万円、営業利益は同16.1%増の26億17百万円、経常利益は同14.5%増の31億18百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同13.0%増の16億53百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(加工食品事業)
ハム・ソーセージ部門では、東京2020オリンピック・パラリンピックオフィシャルサポーターとして、各種キャンペーンを実施し、東京2020応援特別デザインをパッケージとした「燻製屋熟成あらびきポークウインナー」などの主力商品を中心に、販売促進に努めました。また、ボリュームパックタイプの「ロースハム」や、人気キャラクターを使用した「フィッシュソーセージ(チコちゃん)」などを拡販したほか、燻製屋シリーズからホワイトタイプのウインナー「燻製屋熟成あらびきポークウインナー ホワイト」などの新商品を投入し売上拡大を図りました。これらの施策を行いましたが、低価格志向から企業間競争が激しくなるなど厳しい環境が続き、当部門の売上高は前連結会計年度比2.6%の減収となりました。
調理加工食品部門では、「シェフの匠」シリーズなどのレトルトカレー商品の売上高が好調に推移したほか、「チキンナゲット」や「サラダチキン」シリーズなどの売上高が拡大しました。また、大豆ミートを使用した「大豆ライフ」シリーズなどの新商品を投入しました。デザート・飲料類につきましては、「TAPIOCA TIME」シリーズなどのブラックタピオカ入り飲料は、競合他社が参入するなかで、通期で売上高を伸ばしました。以上のことから、当部門の売上高は前連結会計年度比3.8%の増収となりました。
以上の結果、加工食品事業の売上高は前連結会計年度比0.7%増の1,706億48百万円となりました。セグメント利益は、主力のハム・ソーセージ部門が減収となりましたが、調理加工食品部門の増収が寄与したほか、コンビニエンスストア向け新工場の本格稼働により収益力が改善したことなどから、前連結会計年度比113.5%増の16億68百万円となりました。
(食肉事業)
牛肉につきましては、輸入牛肉はブランド牛肉の販売に注力し販売数量を拡大したほか、国産牛肉の売上高も増加し、牛肉全体の売上高は前年を上回りました。豚肉につきましては、アウトパック商品を拡大しましたが、相場が不安定に推移し、国産・輸入豚肉ともに販売数量が減少したことなどから、豚肉全体の売上高は前年を若干下回りました。
以上の結果、食肉事業の売上高は前連結会計年度比2.1%増の750億24百万円となりました。セグメント利益は、豚肉の仕入価格上昇による収益性低下や物流費等の増加などから、前連結会計年度比35.2%減の9億円となりました。
(その他事業)
その他事業の売上高は前連結会計年度比8.8%減の1億47百万円、セグメント利益は前連結会計年度比41.2%減の48百万円となりました。
(新型コロナウイルス感染症の影響)
当連結会計年度の第4四半期、特に3月に入り、新型コロナウイルス感染症拡大防止による全国の小中学校と高校、特別支援学校に対する臨時休校要請や、地方自治体からの外出やイベント、他都道府県間往来などの自粛要請、個人・企業などの自主的な自粛の取り組みなどにより、自宅で過ごす時間が多くなったことから、外食産業や都市部のコンビニエンスストア向け商品や一部の業務用食材の売上高は減少しました。半面、いわゆる「巣ごもり需要(消費)」による自宅での内食や中食需要が高まった結果、3月のハム・ソーセージ商品やレトルト商品の売上高は増加しました。また、食肉事業では、アウトパック商品の売上高が増加しました。
外食産業需要の低迷は国産牛肉の価格下落にも影響を与えたほか、海外調達先の生産停滞はハム・ソーセージの主原料である豚肉相場を不安定にさせるなど、コスト面にも影響が見られます。
操業面では、内食・中食需要向け商品の生産を強化、生産工場用のマスクや消毒液不足への対応、臨時休校に対する従業員の特別有給休暇や、外国人技能実習生に対する対応を行うなど、円滑な工場運営に努めてまいりました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増 減 額 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 6,695 | 8,608 | 1,912 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △7,534 | △8,271 | △737 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 255 | △219 | △475 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | △582 | 117 | 699 |
| 現金及び現金同等物期末残高 | 8,127 | 8,244 | 117 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払いがありましたが、減価償却費や税金等調整前当期純利益の計上などから、86億8百万円増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の売却による収入がありましたが、生産設備の増強・合理化や品質向上のための固定資産の取得による支出などから、82億71百万円減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の増加がありましたが、配当金の支払いや自己株式の取得などから、2億19百万円減少しました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末から1億17百万円増加し、82億44百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
A 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(屯) | 前年同期比(%) |
| 加工食品事業 | 224,724 | 1.5 |
| 食肉事業 | 13,118 | 5.2 |
| その他 | - | - |
| 合計 | 237,843 | 1.7 |
B 受注実績
当社グループは、主として消費動向の予測に基づく見込み生産によっております。
C 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 加工食品事業 | 170,648 | 0.7 |
| 食肉事業 | 75,024 | 2.1 |
| その他 | 147 | △8.8 |
| 合計 | 245,820 | 1.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A 経営成績
(売上高)
売上高は、ハム・ソーセージ部門が前年を下回る結果となりましたが、調理加工食品部門や食肉事業が堅調に推移しましたことから、前連結会計年度比1.1%増の2,458億20百万円となりました。各セグメント別の売上高は、加工食品事業が前連結会計年度比0.7%増の1,706億48百万円、食肉事業が同2.1%増の750億24百万円、その他事業が同8.8%減の1億47百万円となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、売上高の増加に伴う商品や原材料仕入の増加などから、前連結会計年度比0.7%増の1,903億40百万円となりました。また、売上原価率は77.4%となり、前連結会計年度比0.4%低下しました。
売上総利益は、調理加工食品部門の増収が寄与したほか、コンビニエンスストア向け新工場の本格稼働により収益力が改善したことなどから、前連結会計年度比2.6%増の554億80百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、合理化によるコスト削減に努めましたが、売上高の増加による影響や物流コストの上昇などから、前連結会計年度比2.0%増の528億62百万円となりました。
営業利益は、前連結会計年度比16.1%増の26億17百万円、営業利益率は1.1%となり、前連結会計年度比0.2%上昇しました。
各セグメント別のセグメント利益につきましては、加工食品事業が前連結会計年度比113.5%増の16億68百万円、食肉事業が同35.2%減の9億円、その他の事業が同41.2%減の48百万円となりました。なお、各セグメント別の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 B 経営成績」に記載のとおりであります。
(経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益は、営業利益の増益などから、前連結会計年度比14.5%増の31億18百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益などの特別利益の計上額の減少がありましたが、特別退職金などの特別損失の計上額が減少したことなどから、前連結会計年度比13.0%増の16億53百万円となりました。
(中期経営計画の達成状況)
当社グループは、2017年4月を起点とした中期経営計画(2017年4月1日~2020年3月31日)において、2020年3月期の連結業績を、売上高2,600億円、営業利益率(売上高比率)2.5%、営業利益65億円に成長させることを目標として掲げておりましたが、最終年度にあたる当連結会計年度の業績につきましては、売上高2,458億20百万円、営業利益率1.1%、営業利益26憶17百万円となり、目標を下回る結果となりました。
(単位:百万円)
| 2017年3月期 | 2020年3月期 | |||||||
| 実績 | 計画 | 実績 | ||||||
| 2017年3月期比増減額 | 2017年3月期比増減率 | 計画比 増減額 | ||||||
| 売上高 | 232,436 | 260,000 | 245,820 | 13,383 | 5.8% | △14,179 | ||
| 加工食品事業 | 163,057 | 187,000 | 170,648 | 7,591 | 4.7% | △16,351 | ||
| ハム・ソーセージ部門 | 86,997 | - | 78,854 | △8,143 | △9.4% | - | ||
| 調理加工食品部門 | 76,059 | - | 91,794 | 15,735 | 20.7% | - | ||
| 食肉事業 | 69,219 | 72,800 | 75,024 | 5,804 | 8.4% | 2,224 | ||
| その他 | 160 | 200 | 147 | △13 | △8.2% | △52 | ||
| 営業利益 | 4,710 | 6,500 | 2,617 | △2,093 | △44.4% | △3,882 | ||
| (売上高比率) | (2.0%) | (2.5%) | (1.1%) | (△0.9%) | - | (△1.4%) | ||
| 経常利益 | 5,378 | 6,700 | 3,118 | △2,259 | △42.0% | △3,581 | ||
| (売上高比率) | (2.3%) | (2.6%) | (1.3%) | (△1.0%) | - | (△1.3%) | ||
| 親会社に帰属する当期純利益 | 3,284 | 4,200 | 1,653 | △1,630 | △49.6% | △2,546 | ||
| (売上高比率) | (1.4%) | (1.6%) | (0.7%) | (△0.7%) | - | (△0.9%) | ||
この三ヵ年で連結売上高は5.8%、133億83百万円拡大しましたが、当初計画2,600億円に対しましては、141億79百万円の未達となりました。ハム・ソーセージ部門は売上高が9.4%、81億43百万円減少する一方で、調理加工食品部門は20.7%、157億35百万円増加し、加工食品事業の売上高は4.7%、75億91百万円の増加、食肉事業の売上高は8.4%、58億4百万円増加しました。
主力のハム・ソーセージ部門は、売上高減少による固定費率の上昇、競争激化による販売価格下落、原材料費、人件費、物流費等のコスト上昇を生産合理化、営業拠点の統合等では補いきれず収益力が低下しました。
一方、調理加工食品部門は、売上高が157億35百万円増加したことから、ハム・ソーセージ部門を上回る売上高となりました。グループ会社で展開するベンダー事業が売上高を伸ばし、デザート・飲料類が売上高・利益の両面で貢献しましたが、利益面ではハム・ソーセージ部門の落ち込みをカバーするにはいたりませんでした。
食肉事業は、アウトパック商品や外食向けの販売が好調に推移したものの、国内外の疫病による不安定な相場や競争の激化、物流費等のコスト上昇により、利益を伸ばすことは出来ませんでした。
以上のことから、グループ会社は一定の成長を図ることが出来ましたが、ハム・ソーセージ部門を中心とする基幹事業の拡大に課題を残したと考えております。
B 財政状態
(単位:百万円)
| 前連結会計年度末 | 当連結会計年度末 | 増 減 額 | |
| 総資産 | 132,626 | 131,854 | △772 |
| 負債 | 56,531 | 56,798 | 266 |
| 純資産 | 76,094 | 75,056 | △1,038 |
| 自己資本比率 | 57.0% | 56.5% | △0.5% |
| 1株当たり純資産 | 2,971円34銭 | 2,930円66銭 | △40円68銭 |
当連結会計年度末における総資産は、商品及び製品が18億15百万円増加、有形固定資産が12億28百万円増加しましたが、受取手形及び売掛金が31億97百万円減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ7億72百万円減少し、1,318億54百万円となりました。
負債は、繰延税金負債が7億31百万円減少しましたが、有利子負債が13億98百万円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ2億66百万円増加し、567億98百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益16億53百万円の計上がありましたが、その他有価証券評価差額金14億41百万円の減少や、剰余金8億90百万円の配当などから、前連結会計年度末に比べ10億38百万円減少し、750億56百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は56.5%となり、前連結会計年度末から0.5%低下しましたが、ほぼ同水準を維持しており、当社グループの財務体質は一定の健全性を保っていると判断しております。
また、セグメントごとの総資産は、加工食品事業が897億77百万円(前年同期は892億56百万円)、食肉事業が189億3百万円(前年同期は184億34百万円)、その他及び全社資産が231億73百万円(前年同期は249億35百万円)であります。加工食品事業における主な総資産の増加要因は、商品及び製品の増加や生産ラインの合理化及び生産能力拡大などのための生産設備を中心とした有形固定資産の取得によるものであります。
C キャッシュ・フロー並びに資本の財源及び資金の流動性
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 自己資本比率 | 57.8% | 58.6% | 58.3% | 57.0% | 56.5% |
| 時価ベースの 自己資本比率 | 46.1% | 49.5% | 49.9% | 36.1% | 37.7% |
| キャッシュ・フロー 対有利子負債比率 | 1.3年 | 1.6年 | 4.7年 | 2.7年 | 2.3年 |
| インタレスト・ カバレッジ・レシオ | 54.4倍 | 42.5倍 | 17.3倍 | 31.3倍 | 39.7倍 |
| 設備投資(百万円) | 5,716 | 9,880 | 10,850 | 9,589 | 9,167 |
| 減価償却費(百万円) | 5,206 | 5,442 | 5,688 | 6,433 | 6,801 |
| 研究開発費(百万円) | 742 | 848 | 963 | 852 | 732 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フロー
を使用しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対
象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使
用しております。
※ 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を前連
結会計年度の期首から適用しており、2018年3月期の自己資本比率及び時価ベースの自己資本比率
については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値により算出しております。
当社グループは事業活動のための適切な資金を確保し、資金の流動性を維持するとともに、健全な財政状態を目指すための安定的な営業キャッシュ・フローの創出が資本財源の最優先事項の一つであると考えております。
また、株主価値をさらに高めていくためにも、強固な財務体質を維持しながら、継続的な成長経営を基盤とする資金調達が出来る環境を作っておきたいと考えております。
2016年3月期以降、減価償却を上回る設備投資を続けておりますが、自己資本比率やキャッシュ・フロー対有利子負債、インタレスト・カバレッジ・レシオなどが問題ない水準を維持していることから、当社グループは一定の健全性と成長戦略に向けての資金調達が可能な財務体質を保っていると判断しております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、営業活動によるキャッシュ・フローは86億8百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローは82億71百万円減少した結果、フリー・キャッシュ・フローを3億36百万円確保しました。有利子負債は6億97百万円増加し、配当金を8億90百万円支払い、自己株式を21百万円取得、現金及び現金同等物は1億17百万円増加しました。
配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりでありますが、当社グループは、株主の皆様への利益還元を経営上の最重要課題の1つとして位置付けており、連結業績や財務状況等を総合的に勘案しつつ、安定配当を継続するという基本方針に基づき、当事業年度の配当につきましては、前事業年度と同額の1株当たり普通配当35円とすることを決定いたしました。
当社グループは、中期経営計画を策定する上での参考や政策保有株式保有の合理性検証のため、資本コストを試算しております。しかしながら、資本コストは計算の基礎となる数値の採用において多様な考え方がありますので具体的な数値については公表しておりません。資本コストは投資家が期待するリターンでありますので、機関投資家等との対話を通じて適切な資本コストの認識に努め、事業計画や株主還元に活かしてまいりたいと考えております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要の主なものは、生産設備の増強・合理化や品質向上のための設備投資によるものであります。これらの必要資金は、主に営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金により調達しております。なお、当連結会計年度において増資や社債発行等の重要な資金調達は実施しておりません。2021年3月期の設備投資予定総額(資産ベース)は、87億30百万円であり、これらの大半は自己資金及びリースによる調達を予定しております。
また、当社グループは連結資金の効率的な調達を行うため取引銀行と当座貸越契約を締結しており、その契約に基づく当連結会計年度末の借入未実行残高は142億70百万円であります。当連結会計年度末の現金及び預金82億44百万円との合計は225億14百万円であり、当連結会計年度売上高の1か月分を超えていることから、緊急の資金需要に対しては一定の水準を保っていると判断しております。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大に備え、当連結会計年度末以降に当座貸越契約を100億円増額いたしております。また、当連結会計年度末において、新規発行未定ながら発行予定額を200億円として社債の発行登録をしており、設備資金、投融資資金、借入金返済資金及び運転資金の資金需要に備えております。
② 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りにつきましては、合理的な基準をもとに算定を行っております。
これらの見積りについて、過去の実績やその時点で入手可能な情報などから、妥当と考えられる様々な要素をもとに判断をしておりますが、見積りの前提となる条件や事業環境が変化した場合など、見積りと将来の実績が異なることがあります。
新型コロナウイルス感染症の影響について、当社グループは、感染防止に厳重な対策を実施したうえで事業活動を継続しており、現時点においては、平常時とほぼ同水準の稼働を維持しております。
会計上の見積りの前提は、新型コロナウイルス感染症の影響が上半期まで続き、その後下半期から回復すると仮定した業績見通しや足もとの状況などを踏まえ見積りを行っていますが、新型コロナウイルス感染症による影響は不確定要素が多く、今後、これらの見積りと将来の実績が異なる可能性があります。
なお、重要な会計方針のうち、見積りや仮定等により連結財務諸表に重要な影響を与えると考えている項目は次のとおりであります。
・固定資産の減損処理
当社グループは、事業用資産、賃貸用資産、遊休資産、美術品の区分にて資産のグループ化を行い、事業用資産については、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の事業区分を一つの資産グループとし、賃貸用資産及び遊休資産、美術品については、個別資産をグルーピングの最小単位としております。
事業用資産は、減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。事業用資産の割引前将来キャッシュ・フローの総額は、事業計画をもとに策定した収益計画をベースに見積りを行っております。
賃貸用資産及び遊休資産は、時価の下落や収益性の低下により回収可能価額が帳簿価額を下回るものについて、また、美術品は、時価が著しく下落しているものについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。賃貸用資産の回収可能価額は、正味売却価額または使用価値により、遊休資産、美術品の回収可能価額は、鑑定評価等により、正味売却価額の見積りを行っております。
これらの資産グループや個別資産の減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定については、将来の経営環境や市場環境の変化により、回収可能価額を著しく低下させる事象が見込まれる場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当連結会計年度における事業用資産の割引前将来キャッシュ・フローは、新型コロナウイルス感染症の影響が上半期まで続き、その後下半期から回復すると仮定した業績見通しや足もとの状況などをもとに見積りを行っております。
・繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、将来の利益計画をもとに合理的に算出した課税所得額の見積りの範囲内で回収可能な将来減算一時差異等に対して繰延税金資産を計上しております。
将来における当社グループを取り巻く環境変化などによる業績への影響や、税制改正による法定実効税率などの変化により、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
当連結会計年度の課税所得額は、新型コロナウイルス感染症の影響が上半期まで続き、その後下半期から回復すると仮定した業績見通しや足もとの状況などをもとに見積りを行っております。
・貸倒引当金
貸倒引当金の計上につきましては、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。取引先の信用不安や回収遅延などの増加により、引当金の追加計上が発生する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響が今後の貸倒引当金の計上に影響を及ぼす可能性はありますが、足もとでは倒産等による貸倒リスクに著しい変動は見られないため、現時点での影響は軽微であります。