有価証券報告書-第69期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/23 12:33
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大により、経済活動が大きく制限され、企業収益や個人消費などが低迷し景気は著しく悪化しました。秋口には政府による各種経済対策などにより持ち直しの動きがみられましたが、感染症の再拡大により、1月には11都府県にて緊急事態宣言が再発出されるなど、感染症収束時期の見通しは立っておらず、先行きは不透明な状況が続いております。
コーヒー業界は、家庭用市場の消費量が巣ごもり需要の高まりによって伸長する一方、業務用市場の消費量は、感染症拡大防止対策にかかわる様々な自粛要請やインバウンド需要の消滅などにより外食需要が落ち込み、大きく減少しました。
また、業績に大きな影響を及ぼすコーヒー生豆相場は、11月中旬以降、中米を襲ったハリケーンの影響や、天候不順によるブラジルの生産量の減少懸念、世界的なコンテナの不足による輸送上の懸念などにより上昇基調となり、年度を通じては前年に対し約10%高い水準の推移となりました。
このような状況の下、当社グループは「コーヒーを究めよう、お客様を見つめよう、そして心にゆたかさをもたらすコーヒー文化を築いていこう。」という企業理念を果たすため、長年にわたり培われた「品質第一主義」のもと、新たな需要の創出や生活者のニーズにお応えする魅力ある商品開発、お取引先の業績に寄与する企画提案型の営業活動を推進してまいりました。
業績におきましては主力のコーヒー関連事業の業務用市場において、外食需要の減退によって売上高が前年に比べ大きく減少した結果、営業利益は大幅な損失となりました。
当社はこのような状況に鑑み、業務用市場における営業利益の確保に向けた事業展開を踏まえ、現在の営業網を維持しながら合理的かつ効率的な組織体制の再構築を図るべく、営業拠点の再配置や希望退職者の募集による人員構成の見直しなどの事業構造改革を推進しました。
当社グループの当連結会計年度の売上高は、526億2百万円(前連結会計年度比16.1%減)、営業損失は24億70百万円(前連結会計年度は5億31百万円の営業利益)、経常損失は31億59百万円(前連結会計年度は7億34百万円の経常利益)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損失は、40億84百万円(前連結会計年度は7億25百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
<連結経営成績>(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度前年増減前年増減率
売 上 高62,66452,602△10,062△16.1%
営業利益又は営業損失(△)531△2,470△3,001
経常利益又は経常損失(△)734△3,159△3,893
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)725△4,084△4,809

セグメントの営業概況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
事業区分売上高営業利益又は営業損失(△)
当連結会計年度前年増減前年増減率当連結会計年度前年増減前年増減率
コーヒー関連事業45,775△8,403△15.5%△834△1,839
飲食関連事業3,363△1,592△32.1%△863△692
その他3,463△66△1.9%30△250△89.1%
調整額△803△218
合 計52,602△10,062△16.1%△2,470△3,001

(注)調整額は主に、セグメント間取引消去、棚卸資産の調整額、報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(コーヒー関連事業)
業務用市場では、飲食業や宿泊業を中心としたお取引先へのコーヒー及び業務用食材の販売量が減少し、大幅な減収、減益となりました。緊急事態宣言の解除後は回復の兆しがみられたものの、在宅勤務の普及により人の動きが停滞し、特に大都市圏での回復の遅れが顕著となっていたところ、1月には緊急事態宣言の再発出もあり厳しい状況が続きました。
このような状況の下、損失を最小限に留めるべく、人件費の抑制や商品在庫の適正化、配送の効率化、事業所賃料の引き下げなど、コスト全般の削減に取組みました。
また、カフェ開業支援の施策として、さまざまな立地環境に出店可能なパッケージカフェ「KEY'S CAFÉ」は8店新規出店となりましたが、10店の既存店舗の閉店があり導入店舗数は73店舗となりました。
家庭用市場では、内食需要の高まりにより、自社商品の大容量のレギュラーコーヒー「グランドテイスト」、簡易抽出の「ドリップ オン」などや、独占販売契約を結ぶ「リプトン」ブランドの紅茶商品などの売上が好調に推移しました。また、自宅で過ごす時間が増えたことで、豆から挽いて楽しみたいという需要が高まり、豆商品の売上が大きく伸長するなど新たな動きがありました。
春夏商品では創業100周年を記念したレギュラーコーヒー「SINCE」シリーズの第二弾として、「SINCE2020 BLEND No.200」などを発売しました。秋冬商品では「プレミアムステージ」、「ドリップ オン」シリーズのパッケージデザインをリニューアルするとともに、粉商品として「グランドテイスト季節限定ブレンド」や「有機栽培ブレンドコーヒー」などを発売しました。
また、EC市場の拡大を踏まえ、通販限定の粉商品として「プレミアムステージ スペシャルブレンド30g」、「トラジャブレンド100g」、スティック型レギュラーコーヒー「トアルコ トラジャ12g」、新型簡易抽出コーヒー「Jet Brew」などを発売しました。
ギフト商品では、ドリップ オンやレギュラーコーヒーをはじめ、中元期には「氷温熟成珈琲アイスコーヒー」や「天然水プリズマ飲料」など人気の飲料ギフトを中心に全31アイテム、歳暮期には「有機栽培 アロマフラッシュ缶とドリップ オン」の詰め合わせや「インスタントミックス バラエティ」など多様な飲用シーンに応える全20アイテムをラインアップしました。
原料用市場では外出制限の長期化や在宅勤務の普及などの影響により、お取引先への販売数量が大きく減少し前年に比べ大幅な減収となりました。
営業利益は、業務用市場における大幅な売上減少に加え、ルートセールスを中心に商品配送を含めたきめ細かい提案やサービスを提供する営業体制で全国に拠点展開していることから、人件費や固定費などの重いコストが販売利益を上回る結果となり、大幅な損失となりました。
この結果、当連結会計年度におけるコーヒー関連事業の売上高は457億75百万円(前連結会計年度比15.5%減)、営業損失は8億34百万円(前連結会計年度は10億5百万円の営業利益)となりました。
(飲食関連事業)
株式会社イタリアントマトでは、緊急事態宣言下において店舗休業や営業時間の短縮を余儀なくされる事態となり、業績は大きく悪化しました。その後は政府の各種施策などもあり、回復の兆しがみられたものの、1月の緊急事態宣言の再発出により来店客数が再度減少に転じる厳しい流れとなりました。
このような状況の下、店舗運営におきましてはお客様と従業員の安全・安心を最優先として徹底した感染症防止策を講じながら、ドリンクやフードの季節限定メニューの投入頻度を高めて集客力向上に努めました。また、テイクアウト需要の高まりに対しては、パスタメニューのテイクアウトを開始するとともに、ケーキをはじめ、焼き菓子詰合せセットや年始の福袋の商品化など、物品販売の強化にも注力しました。
管理面におきましては、売上状況の変化に応じた人件費、原材料費等のコントロールをより厳しく推進するとともに、物流や購買の見直しによる業務効率化や店舗賃料の減額交渉など、コスト全般の削減に取り組みました。
店舗展開におきましては、11月に主力の「イタリアン・トマト カフェジュニア」に代わる新ブランド店舗「カッフェ イタリアン・トマト」をイオンタウンふじみ野(埼玉県)に新規出店し、今後、全国への展開を進めていきます。その他、直営店1店、FC店5店を新規に出店、FC店4店を直営化する一方、売上回復が見込めない不採算店を中心に整理を行い、店舗数は165店(直営店57店、FC店108店)となりました。
この結果、当連結会計年度における飲食関連事業の売上高は33億63百万円(前連結会計年度比32.1%減)、営業損失は8億63百万円(前連結会計年度は1億71百万円の営業損失)となりました。
(その他)
通販事業を営むhonu加藤珈琲店株式会社では、巣ごもり需要の高まりにより競争が激化する中、売れ筋商品の少量サイズの商品化、コーヒーをより楽しむためのお菓子の品揃え強化や様々な抽出器具の提案、時間限定のクーポンセール販促企画などが奏功し、リピート顧客からの受注増加と新規顧客の獲得により前年に比べ増収、増益となりました。
ニック食品株式会社は、主力の業務用市場向け商品の販売不振と製造受託飲料商品の大幅な減少による稼働率の低下により、人件費、固定費を中心とした販管費を賄うことが出来ず営業損失となりました。
この結果、その他事業の当連結会計年度における売上高は34億63百万円(前連結会計年度比1.9%減)、営業利益は30百万円(同89.1%減)となりました。

(コーヒー相場:ニューヨークコーヒー先物相場)
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産及び仕入実績
当連結会計年度の生産及び仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a. 生産実績
<コーヒー関連事業>
品目当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
数量(トン)前年同期比(%)
レギュラーコーヒー38,33391.2
合計38,33391.2

(注) 生産数量には外注支給を含んでおります。
<飲食関連事業>
品目当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
生菓子及び焼菓子 (百万円)79084.7
合計 (百万円)79084.7

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりせん。
b. 仕入実績
イ.商品仕入実績
品目当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
コーヒー関連事業
飲料・食品等 (百万円)11,67187.0
飲食関連事業
食材等 (百万円)49281.5
合計 (百万円)12,16486.7

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりせん。
ロ.主要原材料の入手量、使用量及び在庫量
原材料名当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
入手量前年同期比使用量前年同期比期末在庫量前年同期比
(トン)(%)(トン)(%)(トン)(%)
コーヒー生豆56,24293.852,88591.819,289121.1

(注) 数量には外注製造委託分の生豆が含まれております。
② 受注状況
当社グループは販売計画に基づく見込生産を行っているため、受注生産はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
コーヒー関連事業 (百万円)45,77584.5
飲食関連事業 (百万円)3,36367.9
その他 (百万円)3,46398.1
合計 (百万円)52,60283.9

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去致しております。
2.主な相手先別の販売実績金額及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
三井物産株式会社11,03817.611,79822.4
日本コカ・コーラ株式会社13,38321.411,29721.5
三菱商事株式会社6,76310.86,95413.2

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産の部は前連結会計年度末に比べ44億72百万円減少し、437億94百万円となりました。負債の部は5億60百万円減少し、138億67百万円となりました。純資産の部は39億11百万円減少し、299億26百万円となりました。
これらの主な要因は次のとおりです。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は265億8百万円となり、前連結会計年度末より25億84百万円減少となりました。これは主に、現金及び預金の減少(25億4百万円減)などによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は172億86百万円となり、前連結会計年度末より18億87百万円減少となりました。有形固定資産は主に減価償却が進んだことによる建物及び構築物の減少(1億72百万円減)及び機械装置及び運搬具の減少(1億55百万円減)などにより4億68百万円減少しました。投資その他の資産は投資有価証券の減少(7億48百万円減)、差入保証金の減少(2億37百万円減)、繰延税金資産の減少(2億34百万円減)などにより、12億31百万円減少しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は115億12百万円となり、前連結会計年度末より21百万円増加しました。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は23億54百万円となり、前連結会計年度末より5億82百万円減少となりました。これは主に退職給付に係る負債の減少(5億35百万円減)などによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は299億26百万円となり、前連結会計年度末より39億11百万円減少しました。これは主に利益剰余金の減少(43億22百万円減)などによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失(△)38億95百万円、減価償却費12億11百万円、たな卸資産の増加4億82百万円、法人税等の支払2億22百万円などにより、11億93百万円の支出となりました。(前連結会計年度は5億10百万円の収入)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出4億48百万円などにより、3億96百万円の支出となりました。(前連結会計年度は11億98百万円の収入)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い2億38百万円、リース債務の返済による支出2億7百万円などにより、9億8百万円の支出となりました。(前連結会計年度は6億74百万円の支出)
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は57億56百万円となり、前連結会計年度末より25億4百万円の減少となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主要な運転資金需要は、原材料費、労務費、商品仕入、販売費及び一般管理費等であり、設備投資資金需要は、機械設備新設及び改修、店舗出店等に係る投資資金であります。
また今後、当社グループの新たな収益の源泉となり、企業価値向上に貢献する新規事業や業務提携等への投資の検討を行ってまいります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応していきます。
資金の流動性については、当連結会計年度末現在において当社グループの現金及び預金残高は、5,756百万円であり、今後の営業活動によって確保されるキャッシュ・フローに加え、金融機関の当座貸越契約による融資枠を設けており、十分な流動性を確保しているものと考えております。
(5) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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