有価証券報告書-第74期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 15:25
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
<連結経営成績>(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度前年増減前年増減率
売 上 高77,78393,06715,28319.6%
営 業 利 益4861,077590121.3%
経 常 利 益6361,318682107.2%
親会社株主に帰属する
当期純利益
214988774361.3%

(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)におけるわが国経済は、景気が緩やかに回復したものの、中東情勢を巡る不透明感に加え、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響や金融資本市場の動向について、引き続き注視が必要な状況となっています。
コーヒー業界は、国内でのコーヒーの生豆輸入量及び消費量が、前年並みで推移しました。コーヒー生豆相場の指標となる国際コーヒー機関(ICO)が公表するICO複合指標価格は、2025年1月に1ポンド当たり300セントを突破して以降、歴史的な高値圏での激しい値動きが長期化しています。また、為替相場は、年度末にかけて再び1ドル150円台後半まで円安が進行しました。これらコーヒー生豆相場の高騰と円安の進行という2つの要因により、コーヒーの製造に必要な原材料の価格は、次のグラフが示す通り、過去5年間において最も高い水準で推移していることから、当社グループを取り巻く事業環境は極めて厳しいものとなりました。

(コーヒー相場:ICO複合指標価格)
このような状況のなか、当社は「コーヒーを究めよう。お客様を見つめよう。そして、心にゆたかさをもたらすコーヒー文化を築いていこう。」という企業理念を実現するため、長年にわたり培った「品質第一主義」のもと、「収益力強化」、「経営基盤強化」及び「グループ総合力強化」を3つの柱とし、独自技術を活用した新市場の創出と、利益拡大を重視した企画提案型の営業活動を展開することで、ブランド価値の向上とお取引先の業績拡大を両立する取り組みを推進しました。
「収益力強化」については、営業利益額を最大化するため、営業部門において従来の売上規模の追求から収益性を主眼とした営業活動への転換を図り、適正な価格改定を実施しました。加えて、主力ブランドにおける「KEY DOORS+ JET BREW(キードアーズプラス ジェットブリュー)」の配荷拡大など、独自性の高い戦略商品の販売促進により、コーヒーの魅力や価値を訴求しました。製造・物流部門においては、サプライヤーとの強固な連携を通じて高品質な商材を確保する体制を強化し、バリューチェーン全体で収益力の改善に努めました。
「経営基盤強化」については、業務効率を大きく改善し収益力強化に寄与するため、業務プロセスの見直しや、業務アプリを活用したDXを推進しました。製造部門においては、製造管理システムの刷新や、老朽化設備の計画的更新による省人化を進めました。営業部門においては、業務用オンラインショップの立ち上げ等により新規顧客の獲得を図りました。
「グループ総合力強化」については、グループ全体の価値最大化に向け、グループ会社の経営基盤を支えるサポート体制を強化し、グループ各社が一体となって持続的な成長を追求する仕組みの構築に努めました。また、当社を中心にサステナビリティを実現するため、環境負荷の低減やダイバーシティの推進など、引き続きグループ全体におけるサステナビリティ関連方針に基づいた活動を推進しました。
当社は、2030年までに目指す姿として制定したメッセージ「珈琲とKISSAのサステナブルカンパニー」を掲げ、喫茶文化の継承と持続可能なコーヒー生産を実現する事業活動を行っています。コーヒーの生産に関するサステナブル活動を推進する専門部署「コーヒーの未来部」では、引き続き産学官の連携強化により、コーヒーの2050年問題への対応や小規模コーヒー生産者の支援に取り組んでいます。また、喫茶文化の継承及びコーヒーの持つさまざまな魅力の発信を強化すべく、当社は2025年7月30日付で株式会社イノダコーヒの株式を取得しました。1940年に京都市で創業した同社は、現在、同市を中心に喫茶店等を9店舗運営するほか、コーヒー豆の製造・販売を行っており、グループ内でのシナジー創出を推進しています。情報発信におきましても、2025年8月に個人投資家向けのIR情報ページを開設して業績報告や株主還元に関する情報開示を強化したほか、同年9月には「キーコーヒー サステナビリティレポート 2025」を公表し、サステナビリティに関する方針や具体的な取り組みを紹介しました。当社は、コーヒーの未来を守るための取り組みや情報発信力をより強化し、コーヒーの魅力を次世代へ伝える活動を推進しています。
当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高930億67百万円(前連結会計年度比19.6%増)、営業利益10億77百万円(前連結会計年度比121.3%増)、経常利益13億18百万円(前連結会計年度比107.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9億88百万円(前連結会計年度比361.3%増)となりました。
<セグメント別経営成績>(単位:百万円)
事業区分売上高営業利益
前連結
会計年度
当連結
会計年度
前年
増減
前年
増減率
前連結
会計年度
当連結
会計年度
前年
増減
前年
増減率
コーヒー
関連事業
69,88383,60213,71819.6%8831,57469178.3%
飲食関連事業4,1715,5941,42334.1%265933124.0%
その他3,7293,8701413.8%259256△3△1.2%
調整額----△682△813△131-
合 計77,78393,06715,28319.6%4861,077590121.3%

(注)調整額は主に、セグメント間取引消去、棚卸資産の調整額、報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(コーヒー関連事業)
コーヒー関連事業は、業務用市場、家庭用市場、原料用市場から構成されています。当連結会計年度は、歴史的な生豆相場の高騰と円安による大幅なコスト上昇のなか、業務用市場及び家庭用市場において価格改定を実施し、各市場において収益性の改善に努めました。各市場における販売促進策は、次のとおりです。
業務用市場では、喫茶店・ホテル・レストランなど飲食店等への営業を行い、コーヒーを軸に食材・ドリンク等の幅広い商品をお客様のニーズに沿って提案しています。
商品販売では、お取引先のメニューの差別化に寄与するトアルコ トラジャや氷温熟成珈琲などの高付加価値商品の拡販と、環境配慮型コーヒーの提案を強化しました。また、飲食業界の人手不足や技術継承の課題に対し、開講70周年を迎えた「コーヒー教室」のノウハウを活かした技術指導やメニュー開発支援を実施しました。さらに、2025年9月と11月に業務用商材の提案会を開催し、お取引先へのトータルサポートを深めました。顧客接点拡大の施策としては、2025年8月に業務用オンラインショップ「KEY'S TABLE」を開設しました。店舗運営に必要な商材の一括調達や動画レシピの提供により、利便性向上とBtoB販路の拡大を図りました。カフェ開業支援施策であるパッケージカフェ「KEY'S CAFÉ」は、多様な立地環境に柔軟に対応できる強みを活かし9店舗を新規出店した一方で、3店舗の閉店があり導入店舗数は69店舗となりました。キーコーヒーブランドの認知拡大を目的とした施策として、認知訴求効果が高いと見込まれる飲食店を対象にスチールサインボードやLEDパネル、回転看板などの設置を推進しました。
家庭用市場では、食品卸売業や小売業等へコーヒーや紅茶など家庭用向けの商品の販売を行っています。
商品販売では、タイムパフォーマンス(タイパ)を重視する生活者のニーズに応えるため、本格的なレギュラーコーヒーでありながら最短10秒で抽出可能な簡易抽出型コーヒー「KEY DOORS+ JET BREW(キードアーズプラス ジェットブリュー)」シリーズを新発売しました。商品の特徴である「10秒」にちなみ、100メートル走でおなじみの陸上競技選手・桐生祥秀さんを起用したTVCMを展開し、圧倒的な手軽さと本格的な味わいを両立した本商品の認知拡大を図りました。あわせて、新商品の投入や既存商品の刷新に注力するとともに、ギフト市場におきましても中元期及び歳暮期に多彩なラインナップを展開し、需要喚起に努めました。
原料用市場では、飲料メーカー等へ原料用コーヒーの販売を行っています。コーヒー生豆相場に連動した取引を行っており、販売単価の上昇や、新規顧客の獲得により増収に寄与しました。
この結果、当連結会計年度におけるコーヒー関連事業の業績は、売上高836億2百万円(前連結会計年度比19.6%増)、営業利益15億74百万円(前連結会計年度比78.3%増)となりました。
(飲食関連事業)
飲食関連事業は連結子会社が営んでいます。2025年7月の株式会社イノダコーヒの株式取得に伴い、同社を連結子会社にしています。
新たに連結子会社となった株式会社イノダコーヒでは、京都発祥の老舗喫茶店としての伝統を活かした魅力ある店舗運営に注力しました。お客様に愛され続ける店づくりを徹底し、こだわりのブレンドコーヒーや長年親しまれているメニューを通じ、質の高い喫茶空間の提供に努めました。
株式会社イタリアントマトでは、食材価格や人件費の高騰による厳しいコスト環境が続くなか、売上拡大と適正な収益確保に努めました。季節限定メニューや高付加価値商品を投入し顧客単価の向上を図りました。同社店舗数は122店舗(直営店46店舗、FC店76店舗)となりました。
この結果、上記以外の連結子会社も含めた当連結会計年度における飲食関連事業の業績は、売上高55億94百万円(前連結会計年度比34.1%増)、営業利益59百万円(前連結会計年度比124.0%増)となりました。
(その他)
その他の区分は、コーヒー関連事業及び飲食関連事業に含まれていない事業セグメントであり、連結子会社が営んでいる飲料製品製造事業、通販事業等を含んでおります。
主に飲料製品製造事業を営むニック食品株式会社では、お取引先の多様なニーズに対応し、商品企画やレシピづくりといった開発設計が奏功し、受注量拡大につながりました。
通販事業を営むhonu加藤珈琲店株式会社では、コーヒー生豆の調達環境が年々厳しさを増すなか、販売価格を改定し、適正な収益確保に努めました。一方で、すべてのステークホルダーから支持、信頼されるようサステナブル活動を強化するという経営方針のもと、より品質の高いコーヒー豆の提供に注力した結果、多くのリピーターから変わらぬ支持を得ることができました。
この結果、上記以外の連結子会社も含めた当連結会計年度におけるその他事業の業績は、売上高38億70百万円(前連結会計年度比3.8%増)、営業利益2億56百万円(前連結会計年度比1.2%減)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産及び仕入実績
当連結会計年度の生産及び仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a. 生産実績
<コーヒー関連事業>
品目当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
数量(トン)前年同期比(%)
レギュラーコーヒー35,20098.2
合計35,20098.2

(注) 生産数量には外注支給を含んでおります。
<飲食関連事業>
品目当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
生菓子及び焼菓子 (百万円)66097.9
合計 (百万円)66097.9

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b. 仕入実績
イ.商品仕入実績
品目当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
コーヒー関連事業
飲料・食品等 (百万円)15,95493.6
飲食関連事業
食材等 (百万円)1,26195.8
合計 (百万円)17,21593.8

(注) 金額は、仕入価格によっております。
ロ.主要原材料の入手量、使用量及び在庫量
原材料名当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
入手量前年同期比使用量前年同期比期末在庫量前年同期比
(トン)(%)(トン)(%)(トン)(%)
コーヒー生豆48,567100.549,74397.314,49191.5

(注) 数量には外注製造委託分の生豆が含まれております。
② 受注状況
当社グループは販売計画に基づく見込生産を行っているため、受注生産はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
コーヒー関連事業 (百万円)83,602119.6
飲食関連事業 (百万円)5,594134.1
その他 (百万円)3,870103.8
合計 (百万円)93,067119.6

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去致しております。
2.主な相手先別の販売実績金額及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
日本コカ・コーラ株式会社23,88430.728,91331.1
三井物産株式会社12,16815.613,84714.9


(2) 財政状態の分析
<連結財政状態>(単位:百万円)
2025年3月31日2026年3月31日増減額
流動資産39,46752,25512,788
固定資産18,76826,2697,500
資産合計58,23578,52420,288
流動負債24,92541,52016,595
固定負債2,3524,7472,395
負債合計27,27746,26718,990
純資産30,95832,2561,297
負債純資産合計58,23578,52420,288

当連結会計年度末の資産の部は前連結会計年度末に比べ202億88百万円増加し、785億24百万円となりました。負債の部は189億90百万円増加し、462億67百万円となりました。純資産の部は12億97百万円増加し、322億56百万円となりました。
これらの主な要因は次のとおりです。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は522億55百万円となり、前連結会計年度末より127億88百万円増加となりました。これは主に、売掛金の増加(64億53百万円増)、原材料及び貯蔵品の増加(47億77百万円増)、商品及び製品の増加(6億97百万円増)などによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は262億69百万円となり、前連結会計年度末より75億円増加となりました。有形固定資産の増加(55億41百万円増)、無形固定資産の増加(5億7百万円増)、主に投資有価証券の増加(8億74百万円増)による投資その他の資産の増加(14億51百万円増)などによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は415億20百万円となり、前連結会計年度末より165億95百万円増加となりました。これは主に、短期借入金の増加(90億96百万円増)、支払手形及び買掛金の増加(65億96百万円増)などによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は47億47百万円となり、前連結会計年度末より23億95百万円増加となりました。これは主に、繰延税金負債の増加(12億62百万円増)、その他の増加(3億83百万円増)などによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は322億56百万円となり、前連結会計年度末より12億97百万円増加となりました。これは主に、利益剰余金の増加(7億28百万円増)などによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー△1,353△3,380△2,027
投資活動によるキャッシュ・フロー△1,070△5,258△4,187
財務活動によるキャッシュ・フロー2,8278,8346,006
現金及び現金同等物に係る換算差額84△4
現金及び現金同等物の増減額412199△212
現金及び現金同等物の期末残高5,0805,279199

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益13億8百万円、減価償却費11億16百万円、仕入債務の増加65億25百万円、売上債権の増加65億16百万円、棚卸資産の増加55億13百万円などにより、33億80百万円の支出となりました。(前連結会計年度は13億53百万円の支出)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出16億65百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出35億49百万円などにより、52億58百万円の支出となりました。(前連結会計年度は10億70百万円の支出)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の借入れ89億96百万円などにより、88億34百万円の収入となりました。(前連結会計年度は28億27百万円の収入)
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は52億79百万円となり、前連結会計年度末より1億99百万円の増加となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主要な運転資金需要は、原材料費、労務費、商品仕入、販売費及び一般管理費等であり、設備投資資金需要は、機械設備新設及び改修、店舗出店等に係る投資資金であります。
また今後、当社グループの新たな収益の源泉となり、企業価値向上に貢献する新規事業や業務提携等への投資の検討を行ってまいります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応していきます。
資金の流動性については、当連結会計年度末現在において当社グループの現金及び預金残高は、52億79百万円であり、今後の営業活動によって確保されるキャッシュ・フローに加え、金融機関の当座貸越契約による融資枠を設けており、十分な流動性を確保しているものと考えております。
(5) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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