四半期報告書-第37期第1四半期(令和3年1月1日-令和3年3月31日)
経営者の視点による経営成績等の状況に関する主な注記は以下のとおりです。
なお、以下、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において判断したものです。
(非GAAP指標について)
当社グループは、当社が適用する会計基準であるIFRSにおいて定義されていない非GAAP指標を追加的に開示しております。非GAAP指標は、当社グループが中長期的に持続的な成長を目指す上で、各事業運営の業績を把握するために経営管理にも利用している指標であり、財務諸表の利用者が当社グループの業績を評価する上でも、有用な情報であると考えております。
調整後営業利益
営業利益(損失)から買収に伴い生じた無形資産に係る償却費、調整項目(収益及び費用)を除いた調整後営業利益を開示しております。調整項目(収益及び費用)はのれんの減損損失、リストラクチャリング収益及び費用等です。
また、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率も追加的に開示しております。当社グループは、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率における、中長期に亘る年平均mid to high single digit成長を全社利益目標としており、その達成を目指してまいります。為替一定ベースとは、海外たばこ事業における当期の自社たばこ製品売上収益又は調整後営業利益から、前年同期の為替レートを用いて換算・算出した為替影響及び一定の方法を用いて算出した一部市場のインフレに伴う売上又は利益の増加分を除いたものです。
なお、当社グループは、超インフレ経済下にある子会社の財務諸表について、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」(以下、IAS第29号)に定められる要件に従い、会計上の調整を加えておりますが、為替一定ベースの自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益にはIAS第29号の影響は含めておりません。
(自社たばこ製品売上収益について)
たばこ事業においては、自社たばこ製品に係る売上収益を開示しております。具体的には、国内たばこ事業においては、国内免税市場及び当社の中国事業部管轄の中国・香港・マカオ市場における売上収益並びにRRP・リトルシガー等に係る売上収益が含まれていますが、輸入たばこ配送手数料等に係る売上収益は含まれておりません。また、海外たばこ事業においては、水たばこ製品及びRRPに係る売上収益が含まれていますが、物流事業及び製造受託等に係る売上収益は含まれておりません。また、為替一定ベースのドルベースの自社たばこ製品売上収益の成長率も追加的に開示しております。
(RRPについて)
RRPは、E-Vapor製品及び加熱式たばこ等、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品(Reduced- Risk Products)を指しております。
E-Vapor製品は、たばこ葉を使用せず、装置内もしくは専用カートリッジ内のリキッド(液体)を電気加熱させ、発生するベイパー(蒸気)を愉しむ製品です。
一方、加熱式たばこは、たばこ葉を使用し、たばこ葉を燃焼させずに、加熱等によって発生するたばこベイパー(たばこ葉由来の成分を含む蒸気)を愉しむ製品です。
当社グループは、たばこ事業の将来に亘る持続的な成長のため、イノベーティブな製品の開発等に取組んでおります。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。
(1)経営成績の状況
① 全社実績
(単位:億円)
<売上収益>売上収益は、国内たばこ事業、医薬事業及び加工食品事業で減収となったものの、海外たばこ事業での増収により、前年同期比5.3%増の5,474億円となりました。なお、新型コロナウイルス感染拡大による影響は、たばこ事業において渡航者数の回復の遅延による免税販売の減少、加工食品事業において外出自粛等による冷食・常温事業の外食向け製品の販売減少等がある一方、海外たばこ事業において渡航制限に伴う一部高単価市場での総需要の増加もあります。
<調整後営業利益>為替一定ベースの調整後営業利益は、医薬事業及び加工食品事業で減少したものの、国内たばこ事業及び海外たばこ事業での増加により、前年同期比27.2%増となりました。為替影響を含めた調整後営業利益は、海外たばこ事業においてネガティブな為替影響を受けたものの、前年同期比21.3%増の1,781億円となりました。
<営業利益>営業利益は、調整後営業利益の増益等により、前年同期比24.2%増の1,601億円となりました。
<親会社の所有者に帰属する四半期利益>親会社の所有者に帰属する四半期利益は、営業利益の増益及び金融損益の改善等により、前年同期比31.7%増の1,138億円となりました。
② セグメント別実績
[国内たばこ事業]
(単位:億本、億円)
<紙巻販売数量及びRRP販売数量>紙巻総需要は、趨勢減に加え、RRP市場の拡大、定価改定の影響及び新型コロナウイルス感染拡大の影響により、前年同期比13.0%減の250億本となりました。当社の紙巻販売数量は、紙巻総需要減少に加え、紙巻シェアの減少により前年同期比13.3%減の149億本となりました。紙巻シェアは、RRPへの移行及びダウントレードによる低価格帯での競争激化により、前年同期比0.2%ポイント減の59.5%となりました。
RRP総需要は、前年同期比13.5%増の106億本となり、市場占有率は29.7%となりました。当社のRRP販売数量は、RRP総需要の増加に加え、前年度7月のPloom S 2.0の上市及び当年度2月のPloom TECH+ withの全国拡販により、前年同期比19.3%増の10億本となり、RRPカテゴリーに占める当社のシェアは9.8%となりました。
紙巻たばこ及びRRPを合わせた総需要、当社の販売数量及び当社のシェアは、それぞれ前年同期比6.5%減の356億本、11.7%減の159億本、2.6%ポイント減の44.8%となりました。
<自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益>自社たばこ製品売上収益は、紙巻単価上昇効果及びRRP関連売上収益(注4)の増加があったものの、紙巻販売数量の減少影響、国内免税及び中国事業の販売減少影響により、前年同期比1.4%減となりました。RRP関連売上収益は、RRP販売数量の増加及びデバイスの販売増加等により、前年同期比18億円増の147億円となっています。
調整後営業利益は、自社たばこ製品売上収益の減少があったものの、紙巻単価上昇効果、RRP販売数量の増加及び販促費の減少等により、前年同期比11.1%増となりました。
(注1)紙巻総需要は、日本市場全体における紙巻たばこの販売数量を指しております。なお、当該数値にはリトルシガーを含み、RRPは含まれておりません。
(注2)当該数値の他に、国内免税市場及び当社の中国事業部管轄の中国・香港・マカオ市場の当第1四半期連結累計期間における販売数量4億本(前年同期の当該数量は6億本)があります。なお、当該数値にはリトルシガーを含み、RRPは含まれておりません。
(注3)RRP総需要は、日本市場全体におけるRRPの販売数量(1パック当たり紙巻たばこ20本として換算)を指しております。なお、当該数値にはデバイス/関連アクセサリー等は含まれておりません。
(注4)RRP販売数量には国内免税市場における販売数量は含まれておりません。なお、RRP関連売上収益には国内免税市場における売上収益及びデバイス・関連アクセサリー等に係る売上収益が含まれております。
(注5)総需要及びシェアは当社推計値です。
[海外たばこ事業]
(単位:億本、億円)
(単位:百万ドル)
※()内は、為替一定ドルベース 前年同期比増減率
<販売数量及び市場シェア>総販売数量は、複数市場におけるシェアの伸長、ロシアにおけるポジティブな流通在庫調整影響及び新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航制限による一部高単価市場での総需要の増加等により、前年同期比5.8%増の1,102億本となりました。ポジティブに作用した流通在庫調整影響を除いた総販売数量は、前年同期比5.2%増となりました。市場シェアは主要市場である、イタリア・スペイン・台湾・トルコ・フランス等の様々な市場で継続的に伸長しました。
GFB販売数量は、ウィンストン(+9.4%)・キャメル(+11.4%)・メビウス(+1.2%)・LD(+7.9%)と全てのGFBの力強い成長により、前年同期比9.1%増の737億本となりました。
<自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益>自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益は、ネガティブな為替影響があったものの、ポジティブな単価上昇効果及び数量効果により、それぞれ前年同期比11.8%増、28.4%増となりました。
為替影響を含めたドルベースの自社たばこ製品売上収益は、複数市場における単価上昇効果及び英国・台湾等における数量効果により、前年同期比14.6%増となりました。為替一定ベースでは、前年同期比14.0%増となりました。
為替影響を含めたドルベースの調整後営業利益は、IRR及びRUB等の下落によるネガティブな為替影響及びRRPの販促強化があったものの、単価上昇効果及び数量効果等により、前年同期比31.6%増となりました。為替一定ベースでは、前年同期比36.9%増となりました。
[海外たばこ事業 地域別内訳](注8)
海外たばこ事業における各地域の実績は以下のとおりです。
(単位:億本、億円、百万ドル)
※()内は、為替一定ドルベース 前年同期比増減率
(注6)製造受託、水たばこ製品及びE-Vapor製品を除き、Fine cut tobacco、シガー、パイプ、スヌース、クレテック及び加熱式たばこを含めております。
(注7)当社グループのブランドポートフォリオの中核を担う「ウィンストン」「キャメル」「メビウス」「LD」の4ブランドをGFB(グローバル・フラッグシップ・ブランド)としております。
(注8)当社グループの海外たばこ事業をより深く理解していただくために、当該セグメントを4地域(South and West Europe、North and Central Europe、CIS+、Rest-of-the-World)に区分けしております。
South and West Europeにはフランス、イタリア、スペイン等、North and Central Europeにはドイツ、英国等、CIS+にはルーマニア、ロシア等、Rest-of-the-Worldにはイラン、台湾、トルコ等を含んでおります。
※ 米国ドルに対する為替レートは、以下のとおりです。(注9)
(注9)IAS第29号に従い、超インフレ経済下にある子会社の財務諸表をUSDへ換算する際には、2021年3月末時点のレートを適用しております。また、USDから日本円へ換算する際も、2021年3月末時点のレートを適用しております。(USD/IRR:229,510、USD/円:110.71)
[医薬事業]
(単位:億円)
<売上収益及び調整後営業利益>売上収益は、海外ロイヤリティ収入の減少等により、前年同期比5.2%減となりました。
調整後営業利益は、売上収益の減少及び当社の連結子会社である鳥居薬品株式会社の減益等により、前年同期比35.7%減となりました。
[加工食品事業]
(単位:億円)
<売上収益及び調整後営業利益>売上収益は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛等の影響を引き続き受け、冷食・常温事業における外食向け製品の販売減少に加え、前年同期に一時的に増加した同事業の家庭用製品の需要が相対的に減少したこと等により、前年同期比8.0%減となりました。
調整後営業利益は、コスト低減等があったものの、売上収益の減少等により、前年同期比22.2%減となりました。
(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況
① 財政状態の状況
[資産]
当第1四半期連結会計期間末現在の資産合計は、前年度末に比べ168億円増加し、5兆3,982億円となりました。これは、配当金やたばこ税の支払いに伴う現金の減少があったものの、為替影響による増加があったこと等によるものです。
[負債]
当第1四半期連結会計期間末現在の負債合計は、前年度末に比べ890億円減少し、2兆6,929億円となりました。これは、短期借入金の増加があったものの、営業債務及びその他の債務の減少並びに未払たばこ税の減少があったこと等によるものです。
[資本]
当第1四半期連結会計期間末現在の資本合計は、前年度末に比べ1,058億円増加し、2兆7,053億円となりました。これは、在外営業活動体の換算差額の増加があったこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末現在の現金及び現金同等物は、前年度末に比べ1,145億円減少し、4,243億円となりました(前年同期末残高3,011億円)。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、124億円の収入(前年同期は19億円の支出)となりました。これは、主にたばこ事業による安定したキャッシュ・フローの創出があったものの、国内外におけるたばこ税及び法人税の支払い、営業債務及びその他の債務の支払いがあったこと等によるものです。
なお、当第1四半期連結累計期間における国内のたばこ税の支払額については、前年度末が金融機関の休日であった影響から4ヶ月分となっております。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、224億円の支出(前年同期は75億円の支出)となりました。これは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出があったこと等によるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、1,274億円の支出(前年同期は311億円の支出)となりました。これは、短期借入金による収入があった一方で、配当金の支払いがあったこと等によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、147億円です。
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金需要
設備投資、運転資金、外部資源の獲得、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式の取得並びに法人税の支払い等に資金を充当しております。
② 資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債及びコマーシャル・ペーパーの発行により、必要とする資金を調達しております。
<キャッシュ・フロー>「(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
<有利子負債>(長期負債)
社債(1年内償還予定を含む)は、前年度末現在7,023億円、当第1四半期連結会計期間末現在7,308億円、金融機関からの長期借入金(1年内返済予定を含む)は、前年度末現在2,050億円、当第1四半期連結会計期間末現在2,058億円です。
(短期負債)
金融機関からの短期借入金は、前年度末現在516億円、当第1四半期連結会計期間末現在627億円です。コマーシャル・ペーパーの発行残高は、それぞれありません。
③ 流動性
当社グループは、従来から営業活動により多額のキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでおります。営業活動によるキャッシュ・フローは今後も安定的で、通常の事業活動における必要資金はまかなえると予想しております。また、当第1四半期連結会計期間末現在、国内・海外の主要な金融機関からのコミットメント融資枠があります。更に、コマーシャル・ペーパープログラム、アンコミットメントベースの融資枠、国内社債発行登録枠及びユーロMTNプログラム等があります。
なお、以下、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において判断したものです。
(非GAAP指標について)
当社グループは、当社が適用する会計基準であるIFRSにおいて定義されていない非GAAP指標を追加的に開示しております。非GAAP指標は、当社グループが中長期的に持続的な成長を目指す上で、各事業運営の業績を把握するために経営管理にも利用している指標であり、財務諸表の利用者が当社グループの業績を評価する上でも、有用な情報であると考えております。
調整後営業利益
営業利益(損失)から買収に伴い生じた無形資産に係る償却費、調整項目(収益及び費用)を除いた調整後営業利益を開示しております。調整項目(収益及び費用)はのれんの減損損失、リストラクチャリング収益及び費用等です。
また、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率も追加的に開示しております。当社グループは、為替一定ベースの調整後営業利益の成長率における、中長期に亘る年平均mid to high single digit成長を全社利益目標としており、その達成を目指してまいります。為替一定ベースとは、海外たばこ事業における当期の自社たばこ製品売上収益又は調整後営業利益から、前年同期の為替レートを用いて換算・算出した為替影響及び一定の方法を用いて算出した一部市場のインフレに伴う売上又は利益の増加分を除いたものです。
なお、当社グループは、超インフレ経済下にある子会社の財務諸表について、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」(以下、IAS第29号)に定められる要件に従い、会計上の調整を加えておりますが、為替一定ベースの自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益にはIAS第29号の影響は含めておりません。
(自社たばこ製品売上収益について)
たばこ事業においては、自社たばこ製品に係る売上収益を開示しております。具体的には、国内たばこ事業においては、国内免税市場及び当社の中国事業部管轄の中国・香港・マカオ市場における売上収益並びにRRP・リトルシガー等に係る売上収益が含まれていますが、輸入たばこ配送手数料等に係る売上収益は含まれておりません。また、海外たばこ事業においては、水たばこ製品及びRRPに係る売上収益が含まれていますが、物流事業及び製造受託等に係る売上収益は含まれておりません。また、為替一定ベースのドルベースの自社たばこ製品売上収益の成長率も追加的に開示しております。
(RRPについて)
RRPは、E-Vapor製品及び加熱式たばこ等、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品(Reduced- Risk Products)を指しております。
E-Vapor製品は、たばこ葉を使用せず、装置内もしくは専用カートリッジ内のリキッド(液体)を電気加熱させ、発生するベイパー(蒸気)を愉しむ製品です。
一方、加熱式たばこは、たばこ葉を使用し、たばこ葉を燃焼させずに、加熱等によって発生するたばこベイパー(たばこ葉由来の成分を含む蒸気)を愉しむ製品です。
当社グループは、たばこ事業の将来に亘る持続的な成長のため、イノベーティブな製品の開発等に取組んでおります。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。
(1)経営成績の状況
① 全社実績
(単位:億円)
2020年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 2021年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 増減率 | ||||
売上収益 | 5,196 | 5,474 | 5.3% | |||
調整後営業利益 | 1,469 | 1,781 | 21.3% | |||
営業利益 | 1,290 | 1,601 | 24.2% | |||
四半期利益(親会社所有者帰属) | 864 | 1,138 | 31.7% |
<売上収益>売上収益は、国内たばこ事業、医薬事業及び加工食品事業で減収となったものの、海外たばこ事業での増収により、前年同期比5.3%増の5,474億円となりました。なお、新型コロナウイルス感染拡大による影響は、たばこ事業において渡航者数の回復の遅延による免税販売の減少、加工食品事業において外出自粛等による冷食・常温事業の外食向け製品の販売減少等がある一方、海外たばこ事業において渡航制限に伴う一部高単価市場での総需要の増加もあります。
<調整後営業利益>為替一定ベースの調整後営業利益は、医薬事業及び加工食品事業で減少したものの、国内たばこ事業及び海外たばこ事業での増加により、前年同期比27.2%増となりました。為替影響を含めた調整後営業利益は、海外たばこ事業においてネガティブな為替影響を受けたものの、前年同期比21.3%増の1,781億円となりました。
<営業利益>営業利益は、調整後営業利益の増益等により、前年同期比24.2%増の1,601億円となりました。
<親会社の所有者に帰属する四半期利益>親会社の所有者に帰属する四半期利益は、営業利益の増益及び金融損益の改善等により、前年同期比31.7%増の1,138億円となりました。
② セグメント別実績
[国内たばこ事業]
(単位:億本、億円)
国内たばこ事業 | 2020年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 2021年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 増減率 | |
紙巻総需要(注1) | 288 | 250 | △13.0% | |
紙巻販売数量(注2) | 172 | 149 | △13.3% | |
RRP総需要(注3) | 93 | 106 | 13.5% | |
RRP販売数量(注4) | 9 | 10 | 19.3% | |
自社たばこ製品売上収益 | 1,258 | 1,241 | △1.4% | |
調整後営業利益 | 432 | 480 | 11.1% |
<紙巻販売数量及びRRP販売数量>紙巻総需要は、趨勢減に加え、RRP市場の拡大、定価改定の影響及び新型コロナウイルス感染拡大の影響により、前年同期比13.0%減の250億本となりました。当社の紙巻販売数量は、紙巻総需要減少に加え、紙巻シェアの減少により前年同期比13.3%減の149億本となりました。紙巻シェアは、RRPへの移行及びダウントレードによる低価格帯での競争激化により、前年同期比0.2%ポイント減の59.5%となりました。
RRP総需要は、前年同期比13.5%増の106億本となり、市場占有率は29.7%となりました。当社のRRP販売数量は、RRP総需要の増加に加え、前年度7月のPloom S 2.0の上市及び当年度2月のPloom TECH+ withの全国拡販により、前年同期比19.3%増の10億本となり、RRPカテゴリーに占める当社のシェアは9.8%となりました。
紙巻たばこ及びRRPを合わせた総需要、当社の販売数量及び当社のシェアは、それぞれ前年同期比6.5%減の356億本、11.7%減の159億本、2.6%ポイント減の44.8%となりました。
<自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益>自社たばこ製品売上収益は、紙巻単価上昇効果及びRRP関連売上収益(注4)の増加があったものの、紙巻販売数量の減少影響、国内免税及び中国事業の販売減少影響により、前年同期比1.4%減となりました。RRP関連売上収益は、RRP販売数量の増加及びデバイスの販売増加等により、前年同期比18億円増の147億円となっています。
調整後営業利益は、自社たばこ製品売上収益の減少があったものの、紙巻単価上昇効果、RRP販売数量の増加及び販促費の減少等により、前年同期比11.1%増となりました。
(注1)紙巻総需要は、日本市場全体における紙巻たばこの販売数量を指しております。なお、当該数値にはリトルシガーを含み、RRPは含まれておりません。
(注2)当該数値の他に、国内免税市場及び当社の中国事業部管轄の中国・香港・マカオ市場の当第1四半期連結累計期間における販売数量4億本(前年同期の当該数量は6億本)があります。なお、当該数値にはリトルシガーを含み、RRPは含まれておりません。
(注3)RRP総需要は、日本市場全体におけるRRPの販売数量(1パック当たり紙巻たばこ20本として換算)を指しております。なお、当該数値にはデバイス/関連アクセサリー等は含まれておりません。
(注4)RRP販売数量には国内免税市場における販売数量は含まれておりません。なお、RRP関連売上収益には国内免税市場における売上収益及びデバイス・関連アクセサリー等に係る売上収益が含まれております。
(注5)総需要及びシェアは当社推計値です。
[海外たばこ事業]
(単位:億本、億円)
海外たばこ事業 | 2020年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 2021年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 増減率 | ||
総販売数量(注6) | 1,041 | 1,102 | 5.8% | ||
GFB販売数量(注7) | 675 | 737 | 9.1% | ||
自社たばこ製品売上収益 | 3,120 | 3,490 | 11.8% | ||
調整後営業利益 | 1,041 | 1,336 | 28.4% |
(単位:百万ドル)
海外たばこ事業 (参考:ドルベース) | 2020年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 2021年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 増減率 | ||
自社たばこ製品売上収益 | 2,866 | 3,284 | 14.6% (14.0%) | ||
調整後営業利益 | 956 | 1,258 | 31.6% (36.9%) |
※()内は、為替一定ドルベース 前年同期比増減率
<販売数量及び市場シェア>総販売数量は、複数市場におけるシェアの伸長、ロシアにおけるポジティブな流通在庫調整影響及び新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航制限による一部高単価市場での総需要の増加等により、前年同期比5.8%増の1,102億本となりました。ポジティブに作用した流通在庫調整影響を除いた総販売数量は、前年同期比5.2%増となりました。市場シェアは主要市場である、イタリア・スペイン・台湾・トルコ・フランス等の様々な市場で継続的に伸長しました。
GFB販売数量は、ウィンストン(+9.4%)・キャメル(+11.4%)・メビウス(+1.2%)・LD(+7.9%)と全てのGFBの力強い成長により、前年同期比9.1%増の737億本となりました。
<自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益>自社たばこ製品売上収益及び調整後営業利益は、ネガティブな為替影響があったものの、ポジティブな単価上昇効果及び数量効果により、それぞれ前年同期比11.8%増、28.4%増となりました。
為替影響を含めたドルベースの自社たばこ製品売上収益は、複数市場における単価上昇効果及び英国・台湾等における数量効果により、前年同期比14.6%増となりました。為替一定ベースでは、前年同期比14.0%増となりました。
為替影響を含めたドルベースの調整後営業利益は、IRR及びRUB等の下落によるネガティブな為替影響及びRRPの販促強化があったものの、単価上昇効果及び数量効果等により、前年同期比31.6%増となりました。為替一定ベースでは、前年同期比36.9%増となりました。
[海外たばこ事業 地域別内訳](注8)
海外たばこ事業における各地域の実績は以下のとおりです。
(単位:億本、億円、百万ドル)
2020年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 2021年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 増減率 | |||||
South and West Europe | |||||||
総販売数量(注6) | 177 | 181 | 2.0% | ||||
GFB販売数量(注7) | 147 | 154 | 4.8% | ||||
自社たばこ製品売上収益 | 594 | 629 | 5.9% | ||||
自社たばこ製品売上収益 (参考:ドルベース) | 546 | 593 | 8.6% (△0.5%) | ||||
North and Central Europe | |||||||
総販売数量(注6) | 142 | 158 | 11.6% | ||||
GFB販売数量(注7) | 74 | 87 | 18.1% | ||||
自社たばこ製品売上収益 | 596 | 712 | 19.5% | ||||
自社たばこ製品売上収益 (参考:ドルベース) | 547 | 671 | 22.6% (13.3%) | ||||
CIS+ | |||||||
総販売数量(注6) | 268 | 291 | 8.8% | ||||
GFB販売数量(注7) | 182 | 208 | 14.1% | ||||
自社たばこ製品売上収益 | 693 | 761 | 9.7% | ||||
自社たばこ製品売上収益 (参考:ドルベース) | 637 | 717 | 12.6% (21.5%) | ||||
Rest-of-the-World | |||||||
総販売数量(注6) | 455 | 472 | 3.7% | ||||
GFB販売数量(注7) | 273 | 288 | 5.6% | ||||
自社たばこ製品売上収益 | 1,237 | 1,388 | 12.2% | ||||
自社たばこ製品売上収益 (参考:ドルベース) | 1,136 | 1,303 | 14.6% (17.1%) |
※()内は、為替一定ドルベース 前年同期比増減率
(注6)製造受託、水たばこ製品及びE-Vapor製品を除き、Fine cut tobacco、シガー、パイプ、スヌース、クレテック及び加熱式たばこを含めております。
(注7)当社グループのブランドポートフォリオの中核を担う「ウィンストン」「キャメル」「メビウス」「LD」の4ブランドをGFB(グローバル・フラッグシップ・ブランド)としております。
(注8)当社グループの海外たばこ事業をより深く理解していただくために、当該セグメントを4地域(South and West Europe、North and Central Europe、CIS+、Rest-of-the-World)に区分けしております。
South and West Europeにはフランス、イタリア、スペイン等、North and Central Europeにはドイツ、英国等、CIS+にはルーマニア、ロシア等、Rest-of-the-Worldにはイラン、台湾、トルコ等を含んでおります。
※ 米国ドルに対する為替レートは、以下のとおりです。(注9)
為替レート | 2020年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 2021年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 増減 | 増減率 |
USD/円 | 108.86 | 106.09 | △2.77 | 2.5%高 |
USD/RUB | 66.33 | 74.34 | 8.01 | 10.8%安 |
USD/GBP | 0.78 | 0.73 | △0.06 | 7.8%高 |
USD/EUR | 0.91 | 0.83 | △0.08 | 9.4%高 |
USD/CHF | 0.97 | 0.90 | △0.06 | 7.1%高 |
USD/TWD | 30.11 | 28.07 | △2.04 | 7.3%高 |
USD/TRY | 6.10 | 7.37 | 1.27 | 17.2%安 |
USD/IRR | 128,673 |
(注9)IAS第29号に従い、超インフレ経済下にある子会社の財務諸表をUSDへ換算する際には、2021年3月末時点のレートを適用しております。また、USDから日本円へ換算する際も、2021年3月末時点のレートを適用しております。(USD/IRR:229,510、USD/円:110.71)
[医薬事業]
(単位:億円)
医薬事業 | 2020年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 2021年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 増減率 | |
売上収益 | 207 | 197 | △5.2% | |
調整後営業利益 | 66 | 42 | △35.7% |
<売上収益及び調整後営業利益>売上収益は、海外ロイヤリティ収入の減少等により、前年同期比5.2%減となりました。
調整後営業利益は、売上収益の減少及び当社の連結子会社である鳥居薬品株式会社の減益等により、前年同期比35.7%減となりました。
[加工食品事業]
(単位:億円)
加工食品事業 | 2020年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 2021年12月期 第1四半期 連結累計期間 | 増減率 | |
売上収益 | 367 | 338 | △8.0% | |
調整後営業利益 | 4 | 3 | △22.2% |
<売上収益及び調整後営業利益>売上収益は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛等の影響を引き続き受け、冷食・常温事業における外食向け製品の販売減少に加え、前年同期に一時的に増加した同事業の家庭用製品の需要が相対的に減少したこと等により、前年同期比8.0%減となりました。
調整後営業利益は、コスト低減等があったものの、売上収益の減少等により、前年同期比22.2%減となりました。
(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況
① 財政状態の状況
[資産]
当第1四半期連結会計期間末現在の資産合計は、前年度末に比べ168億円増加し、5兆3,982億円となりました。これは、配当金やたばこ税の支払いに伴う現金の減少があったものの、為替影響による増加があったこと等によるものです。
[負債]
当第1四半期連結会計期間末現在の負債合計は、前年度末に比べ890億円減少し、2兆6,929億円となりました。これは、短期借入金の増加があったものの、営業債務及びその他の債務の減少並びに未払たばこ税の減少があったこと等によるものです。
[資本]
当第1四半期連結会計期間末現在の資本合計は、前年度末に比べ1,058億円増加し、2兆7,053億円となりました。これは、在外営業活動体の換算差額の増加があったこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末現在の現金及び現金同等物は、前年度末に比べ1,145億円減少し、4,243億円となりました(前年同期末残高3,011億円)。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、124億円の収入(前年同期は19億円の支出)となりました。これは、主にたばこ事業による安定したキャッシュ・フローの創出があったものの、国内外におけるたばこ税及び法人税の支払い、営業債務及びその他の債務の支払いがあったこと等によるものです。
なお、当第1四半期連結累計期間における国内のたばこ税の支払額については、前年度末が金融機関の休日であった影響から4ヶ月分となっております。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、224億円の支出(前年同期は75億円の支出)となりました。これは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出があったこと等によるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、1,274億円の支出(前年同期は311億円の支出)となりました。これは、短期借入金による収入があった一方で、配当金の支払いがあったこと等によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、147億円です。
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金需要
設備投資、運転資金、外部資源の獲得、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式の取得並びに法人税の支払い等に資金を充当しております。
② 資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債及びコマーシャル・ペーパーの発行により、必要とする資金を調達しております。
<キャッシュ・フロー>「(2)財政状態及びキャッシュ・フローの状況 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
<有利子負債>(長期負債)
社債(1年内償還予定を含む)は、前年度末現在7,023億円、当第1四半期連結会計期間末現在7,308億円、金融機関からの長期借入金(1年内返済予定を含む)は、前年度末現在2,050億円、当第1四半期連結会計期間末現在2,058億円です。
(短期負債)
金融機関からの短期借入金は、前年度末現在516億円、当第1四半期連結会計期間末現在627億円です。コマーシャル・ペーパーの発行残高は、それぞれありません。
③ 流動性
当社グループは、従来から営業活動により多額のキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでおります。営業活動によるキャッシュ・フローは今後も安定的で、通常の事業活動における必要資金はまかなえると予想しております。また、当第1四半期連結会計期間末現在、国内・海外の主要な金融機関からのコミットメント融資枠があります。更に、コマーシャル・ペーパープログラム、アンコミットメントベースの融資枠、国内社債発行登録枠及びユーロMTNプログラム等があります。