有価証券報告書-第145期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府、日銀による各種政策効果により緩やかな回復傾向がみられる一方で、地政学的リスクの高まりなどによる世界経済の減退が国内経済に大きな影響を与える可能性を内在しております。当社グループが営むホテル業界におきましては、政府の観光推進政策などにより引き続き訪日外国人旅行客の宿泊需要が主要都市を中心に堅調に推移しております。一方で社会的に深刻な人材不足による人材関連コストの上昇や国内ホテルの開発の過熱がホテル間の競争を激化させております。また、自然災害などの影響により一時的な訪日外国人旅行客の減少も起りました。
このような経済状況のもとで当社グループは、ホテルマネジメン卜を柱とする安定収入を基礎とした堅実な利益体質を獲得し、公開企業の公共性を自覚した社会に貢献できる企業へ飛躍する、という当社グループの当面の最重要課題の達成に向け、新規ホテルの開発と既存ホテルの稼働率及び客室単価の向上を行っております。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、運営ホテル数の増減、運営ホテルの稼働率及び客室単価の高低等であります。
ホテル事業につきましては、都市型ビジネスホテル『ベストウェスタン』と中長期滞在型ホテル『バリュー・ザ・ホテル』の2ブランドの運営を事業の中核に据えております。『ベストウェスタン』については、既存ホテルにおいて安定して高稼働率を確保していることから客単価の上昇による収益増加を図りつつ、新規ホテルを出店しブランドの拡大を進めております。『バリュー・ザ・ホテル』については、震災復興関連宿泊需要が大きく低迷しているため、これまでの震災復興関連宿泊需要のみならず、1泊2食付きのメリットを活かし、一般企業等の大型宿泊需要など顧客層の拡大に取り組むとともに、支払家賃などの固定費の削減に取り組んでおります。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの経営成績は、次のとおりとなりました。
売上高は5,084百万円(前年同期比9.1%増)、営業損失は358百万円(前年同期営業損失321百万円)、経常損失は704百万円(前年同期経常損失466百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,960百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純損失413百万円)となりました。
売上高は、『バリュー・ザ・ホテル』において震災復興関連宿泊需要の低迷などにより稼働率が低下した影響がありましたが、『ベストウェスタン』において2018年6月に『ベストウェスタンプラスホテルフィーノ千歳』、2018年8月に『新大阪ホテル(2018年12月『シュアステイプラスホテル by ベストウェスタン新大阪』にリブランド)』、2018年10月に『ベストウェスタンホテルフィーノ東京秋葉原』、2019年2月に『ベストウェスタンプラスホテルフィーノ大阪北浜』がオープンし増収となりました。
営業損失は、増収の影響はあったものの、新規ホテルのオープンに伴う経費を計上したことや運営する既存ホテルの人件費、清掃費、旅行代理店等手数料、水道光熱費などの運営費用が全体として増加したことなどにより減益となりました。
経常損失は、営業外費用として第三者割当増資に係る株式交付費115百万円などを計上しております。
親会社株主に帰属する当期純損失は、特別損失としてホテル事業における収益性の低下がみられる固定資産及び不動産事業における売却予定の収益物件等について「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき減損損失2,252百万円などを計上しております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
ホテル事業は、セグメント間の取引を消去した外部顧客との取引結果は、売上高4,968百万円(前年同期比9.8%増)、営業損失48百万円(前年同期営業利益108百万円)となりました。主な売上は、ホテルマネジメント売上などであります。
不動産事業は、セグメント間の取引を消去した外部顧客との取引結果は、売上高116百万円(前年同期比13.3%減)、営業利益12百万円(前年同期営業損失135百万円)となりました。主な売上は、賃料売上などであります。
不動産事業につきましては、保有する収益物件等の売却を進めていく方針であります。
当連結会計年度の当社グループの財政状態は、次のとおりとなりました。
総資産は、5,335百万円となりました。これは、前連結会計年度末より27百万円の減少であります。主な要因は、第三者割当増資などに伴う現金及び預金の増加1,236百万円、減損損失の計上などに伴う固定資産の減少1,150百万円などによるものであります。
負債合計は、4,492百万円となりました。これは、前連結会計年度末より381百万円の増加であります。主な要因は、資金の借換えなどに伴う短期借入金の増加711百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)の減少765百万円や資産除去債務163百万円の計上などによるものであります。
純資産合計は、842百万円となりました。これは、前連結会計年度末より408百万円の減少であります。主な要因は、第三者割当増資に伴う資本金の増加1,276百万円及び資本剰余金の増加1,276百万円、親会社株主に帰属する当期純損失の計上などによる利益剰余金の減少2,922百万円などによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ1,236百万円増加し、1,436百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、348百万円のマイナス(前年同期は600百万円のマイナス)となりました。主な増加要因は、減損損失2,252百万円、減価償却費235百万円などによるものであります。主な減少要因は、税金等調整前当期純損失2,902百万円、投資事業組合運用損益187百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、839百万円のマイナス(前年同期は1,051百万円のマイナス)となりました。その主な要因は、合同会社バリュー・ザ・ホテルファンドへの追加出資などに伴う投資有価証券の取得による支出505百万円、ホテルの開業に伴う敷金及び保証金の差入による支出215百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,423百万円のプラス(前年同期は1,433百万円のプラス)となりました。その主な要因は、短期借入れによる収入2,025百万円、第三者割当増資に伴う株式の発行による収入1,587百万円、長期借入れによる収入1,305百万円、長期借入金の返済による支出2,069百万円などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産業務を行っていないため、生産実績の記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは、売上高に占める受注販売割合の重要性が低いため、受注実績の記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は増収、営業利益は減収となりました。要因は、「① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また、親会社株主に帰属する当期純損失は、減損損失を計上したことにより大きな損失となりました。
当社グループは、当連結会計年度にスターアジアグループにより運用されるファンドであるStar Asia Opportunity III LPへの第三者割当増資を実施し、スターアジアグループに属するStar Asia Management Ltd.と業務提携を行いました。今後は、スターアジアグループとともに当社グループの事業を展開してまいります。
当社グループが営むホテル業界におきましては、2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、引き続き訪日外国人旅行客数が堅調に推移する見込みであり、全国の主要都市を中心に宿泊需要は、安定しているものと考えております。一方で国内ホテルの開発も進んでおり、他のホテルとの競争は激化しております。当社グループにおきましては、都市型ビジネスホテル『ベストウェスタン』の新規開業による運営ホテル数の増加により売上高と利益は、増加する見込みであります。一方で『バリュー・ザ・ホテル』の稼働率の状況、新規ホテルの開業準備に係る先行投資や借入れの増加、社会的に深刻な人材不足の影響などによる人員確保のための採用コスト、人件費等の増加などにより業績が変動する可能性があります。
新規開業につきましては、2020年5月に『ベストウェスタンホテルフィーノ新横浜(仮称)』、2020年春季に『ベストウェスタンホテルフィーノ東京赤坂(仮称)』、2020年6月に『ベストウェスタンプラスホテルフィーノ福岡天神(仮称)』、2020年7月に『ベストウェスタンホテルフィーノ札幌(仮称)』を直営新規ホテルとしてオープンすることを予定しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、経営環境や事業の状況を勘案の上、将来キャッシュ・フローの状況を把握して、資金の管理を行っており、資金需要が生じた場合には、主として金融機関等からの借入れを行っております。上記のとおり、当社グループでは、新規ホテルの開業を積極的に行っており、新規ホテルの開業に伴う資金需要が今後も生じる見込みですが、金融機関等からの借入れにより調達する予定であります。
当社グループは、前連結会計年度において営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上し、当連結会計年度において営業損失358百万円、経常損失704百万円、親会社株主に帰属する当期純損失2,960百万円及び営業キャッシュ・フローのマイナス348百万円を計上しており、当社は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。
しかし、当社は、当連結会計年度においてスターアジアグループにより運用されているファンドであるStar Asia Opportunity III LPと資本提携を行い、同社に対し2018年11月12日及び2019年3月29日に第三者割当増資を実施し、スターアジアグループを当社の新たなスポンサーとしております。また、2019年3月22日には同社との間でコミットメントライン契約を締結しております。このようなことから、資金面に支障はないと考えております。当社は、当連結会計年度においてスターアジアグループに属するStar Asia Management Ltd.と業務提携を行い、今後の新規ホテルの開業を含む当社グループ事業について協力関係を築き、宿泊施設の賃借料の削減交渉、経費の削減、営業の強化に取り組んでおります。そのため今後、当社グループの財務体質及び業績は改善するものと見込んでおります。
したがって、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府、日銀による各種政策効果により緩やかな回復傾向がみられる一方で、地政学的リスクの高まりなどによる世界経済の減退が国内経済に大きな影響を与える可能性を内在しております。当社グループが営むホテル業界におきましては、政府の観光推進政策などにより引き続き訪日外国人旅行客の宿泊需要が主要都市を中心に堅調に推移しております。一方で社会的に深刻な人材不足による人材関連コストの上昇や国内ホテルの開発の過熱がホテル間の競争を激化させております。また、自然災害などの影響により一時的な訪日外国人旅行客の減少も起りました。
このような経済状況のもとで当社グループは、ホテルマネジメン卜を柱とする安定収入を基礎とした堅実な利益体質を獲得し、公開企業の公共性を自覚した社会に貢献できる企業へ飛躍する、という当社グループの当面の最重要課題の達成に向け、新規ホテルの開発と既存ホテルの稼働率及び客室単価の向上を行っております。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、運営ホテル数の増減、運営ホテルの稼働率及び客室単価の高低等であります。
ホテル事業につきましては、都市型ビジネスホテル『ベストウェスタン』と中長期滞在型ホテル『バリュー・ザ・ホテル』の2ブランドの運営を事業の中核に据えております。『ベストウェスタン』については、既存ホテルにおいて安定して高稼働率を確保していることから客単価の上昇による収益増加を図りつつ、新規ホテルを出店しブランドの拡大を進めております。『バリュー・ザ・ホテル』については、震災復興関連宿泊需要が大きく低迷しているため、これまでの震災復興関連宿泊需要のみならず、1泊2食付きのメリットを活かし、一般企業等の大型宿泊需要など顧客層の拡大に取り組むとともに、支払家賃などの固定費の削減に取り組んでおります。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの経営成績は、次のとおりとなりました。
売上高は5,084百万円(前年同期比9.1%増)、営業損失は358百万円(前年同期営業損失321百万円)、経常損失は704百万円(前年同期経常損失466百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,960百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純損失413百万円)となりました。
売上高は、『バリュー・ザ・ホテル』において震災復興関連宿泊需要の低迷などにより稼働率が低下した影響がありましたが、『ベストウェスタン』において2018年6月に『ベストウェスタンプラスホテルフィーノ千歳』、2018年8月に『新大阪ホテル(2018年12月『シュアステイプラスホテル by ベストウェスタン新大阪』にリブランド)』、2018年10月に『ベストウェスタンホテルフィーノ東京秋葉原』、2019年2月に『ベストウェスタンプラスホテルフィーノ大阪北浜』がオープンし増収となりました。
営業損失は、増収の影響はあったものの、新規ホテルのオープンに伴う経費を計上したことや運営する既存ホテルの人件費、清掃費、旅行代理店等手数料、水道光熱費などの運営費用が全体として増加したことなどにより減益となりました。
経常損失は、営業外費用として第三者割当増資に係る株式交付費115百万円などを計上しております。
親会社株主に帰属する当期純損失は、特別損失としてホテル事業における収益性の低下がみられる固定資産及び不動産事業における売却予定の収益物件等について「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき減損損失2,252百万円などを計上しております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
ホテル事業は、セグメント間の取引を消去した外部顧客との取引結果は、売上高4,968百万円(前年同期比9.8%増)、営業損失48百万円(前年同期営業利益108百万円)となりました。主な売上は、ホテルマネジメント売上などであります。
不動産事業は、セグメント間の取引を消去した外部顧客との取引結果は、売上高116百万円(前年同期比13.3%減)、営業利益12百万円(前年同期営業損失135百万円)となりました。主な売上は、賃料売上などであります。
不動産事業につきましては、保有する収益物件等の売却を進めていく方針であります。
当連結会計年度の当社グループの財政状態は、次のとおりとなりました。
総資産は、5,335百万円となりました。これは、前連結会計年度末より27百万円の減少であります。主な要因は、第三者割当増資などに伴う現金及び預金の増加1,236百万円、減損損失の計上などに伴う固定資産の減少1,150百万円などによるものであります。
負債合計は、4,492百万円となりました。これは、前連結会計年度末より381百万円の増加であります。主な要因は、資金の借換えなどに伴う短期借入金の増加711百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)の減少765百万円や資産除去債務163百万円の計上などによるものであります。
純資産合計は、842百万円となりました。これは、前連結会計年度末より408百万円の減少であります。主な要因は、第三者割当増資に伴う資本金の増加1,276百万円及び資本剰余金の増加1,276百万円、親会社株主に帰属する当期純損失の計上などによる利益剰余金の減少2,922百万円などによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ1,236百万円増加し、1,436百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、348百万円のマイナス(前年同期は600百万円のマイナス)となりました。主な増加要因は、減損損失2,252百万円、減価償却費235百万円などによるものであります。主な減少要因は、税金等調整前当期純損失2,902百万円、投資事業組合運用損益187百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、839百万円のマイナス(前年同期は1,051百万円のマイナス)となりました。その主な要因は、合同会社バリュー・ザ・ホテルファンドへの追加出資などに伴う投資有価証券の取得による支出505百万円、ホテルの開業に伴う敷金及び保証金の差入による支出215百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,423百万円のプラス(前年同期は1,433百万円のプラス)となりました。その主な要因は、短期借入れによる収入2,025百万円、第三者割当増資に伴う株式の発行による収入1,587百万円、長期借入れによる収入1,305百万円、長期借入金の返済による支出2,069百万円などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産業務を行っていないため、生産実績の記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは、売上高に占める受注販売割合の重要性が低いため、受注実績の記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
金額(千円) | 前年同期比(%) | |
ホテル事業 | 4,967,884 | 109.8 |
不動産事業 | 116,167 | 86.7 |
合計 | 5,084,051 | 109.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は増収、営業利益は減収となりました。要因は、「① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また、親会社株主に帰属する当期純損失は、減損損失を計上したことにより大きな損失となりました。
当社グループは、当連結会計年度にスターアジアグループにより運用されるファンドであるStar Asia Opportunity III LPへの第三者割当増資を実施し、スターアジアグループに属するStar Asia Management Ltd.と業務提携を行いました。今後は、スターアジアグループとともに当社グループの事業を展開してまいります。
当社グループが営むホテル業界におきましては、2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、引き続き訪日外国人旅行客数が堅調に推移する見込みであり、全国の主要都市を中心に宿泊需要は、安定しているものと考えております。一方で国内ホテルの開発も進んでおり、他のホテルとの競争は激化しております。当社グループにおきましては、都市型ビジネスホテル『ベストウェスタン』の新規開業による運営ホテル数の増加により売上高と利益は、増加する見込みであります。一方で『バリュー・ザ・ホテル』の稼働率の状況、新規ホテルの開業準備に係る先行投資や借入れの増加、社会的に深刻な人材不足の影響などによる人員確保のための採用コスト、人件費等の増加などにより業績が変動する可能性があります。
新規開業につきましては、2020年5月に『ベストウェスタンホテルフィーノ新横浜(仮称)』、2020年春季に『ベストウェスタンホテルフィーノ東京赤坂(仮称)』、2020年6月に『ベストウェスタンプラスホテルフィーノ福岡天神(仮称)』、2020年7月に『ベストウェスタンホテルフィーノ札幌(仮称)』を直営新規ホテルとしてオープンすることを予定しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、経営環境や事業の状況を勘案の上、将来キャッシュ・フローの状況を把握して、資金の管理を行っており、資金需要が生じた場合には、主として金融機関等からの借入れを行っております。上記のとおり、当社グループでは、新規ホテルの開業を積極的に行っており、新規ホテルの開業に伴う資金需要が今後も生じる見込みですが、金融機関等からの借入れにより調達する予定であります。
当社グループは、前連結会計年度において営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上し、当連結会計年度において営業損失358百万円、経常損失704百万円、親会社株主に帰属する当期純損失2,960百万円及び営業キャッシュ・フローのマイナス348百万円を計上しており、当社は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。
しかし、当社は、当連結会計年度においてスターアジアグループにより運用されているファンドであるStar Asia Opportunity III LPと資本提携を行い、同社に対し2018年11月12日及び2019年3月29日に第三者割当増資を実施し、スターアジアグループを当社の新たなスポンサーとしております。また、2019年3月22日には同社との間でコミットメントライン契約を締結しております。このようなことから、資金面に支障はないと考えております。当社は、当連結会計年度においてスターアジアグループに属するStar Asia Management Ltd.と業務提携を行い、今後の新規ホテルの開業を含む当社グループ事業について協力関係を築き、宿泊施設の賃借料の削減交渉、経費の削減、営業の強化に取り組んでおります。そのため今後、当社グループの財務体質及び業績は改善するものと見込んでおります。
したがって、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。