四半期報告書-第86期第3四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

【提出】
2015/11/11 10:00
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31項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判
断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間の連結業績は、物件の竣工、取得による不動産賃貸収入の増加があったものの、前年は平成26年2月7日付で上場したヒューリックリート投資法人への多額の販売用不動産の売却があったことから、営業収益は118,049百万円(前年同期比△38,490百万円、24.5%減)となりましたが、上記不動産賃貸収入の増加等により、営業利益は29,572百万円(前年同期比5,006百万円、20.3%増)、経常利益は30,465百万円(前年同期比7,971百万円、35.4%増)、四半期純利益は23,082百万円(前年同期比8,118百万円、54.2%増)となりました。
各セグメントの業績は、次の通りであります。
なお、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載の通り、第1四半期連結会計期間から「人材関連事業」を報告セグメントとして追加しております。
(各セグメントの営業収益は、セグメント間の内部営業収益、振替高を含みます。)
(不動産事業)
当社グループの中核事業は、東京23区を中心に、約190件(販売用不動産除く)の賃貸物件・賃貸可能面積約89万㎡を活用した不動産賃貸業務であります。賃貸事業収益の更なる拡大の観点から、築年数の古い物件を中心に立地の特性に適した建替の着実な推進によるポートフォリオの質的改善に取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間におきましては、ヒューリックレジデンス新宿戸山(平成27年3月竣工)、チャームスイート新宿戸山(平成27年7月竣工)及びヒューリック浅草橋江戸通(平成27年9月竣工)が竣工いたしました。
そのほか、志村家庭寮(商業施設棟 平成27年11月竣工予定、有料老人ホーム棟 平成28年3月竣工予定)の建替計画も順調に進行しております。
なお、当第3四半期連結累計期間におきまして、新たに調布富士ビル(平成29年2月竣工予定)、蒲田富士ビル(平成29年4月竣工予定)及び板橋富士ビル(平成29年9月竣工予定)等の建替を決定しております。
また、当社は、立地重視の投資の強化によるポートフォリオ拡充に取り組んでおり、当第3四半期連結累計期間におきましては、ヒューリック銀座一丁目ビル(東京都中央区)、ヒューリック日本橋本町一丁目ビル(東京都中央区)(一部は販売用として取得)、G10(東京都港区)、池袋東急ハンズ(東京都豊島区)、池袋GIGO(東京都豊島区)、宇田川町シグマ第五ビル(東京都渋谷区)、箱根翠松園(神奈川県足柄下郡箱根町)、熱海ふふ(静岡県熱海市)、KSK Eastビル(東京都中央区)、白銅第一ビル(東京都中央区)、ウインズ浅草ビル(東京都台東区)、浅草パークホールビル(東京都台東区)、銀座ウォールビル(東京都中央区)、パシフィックコート浅草(東京都台東区)、大和代々木第二ビル(東京都渋谷区)及びPrimegate飯田橋(東京都新宿区)等を取得いたしました。そのほか、(仮称)銀座7丁目相鉄ホテル(東京都中央区)の土地についても取得しております。また、連結子会社であるHulic UK Limitedを通じて保有しておりました103 Mount Street(英国ロンドン)の持分を売却いたしました。
開発業務につきましては、大森駅前商業開発(東京都品川区)、(仮称)有楽町二丁目開発計画(東京都千代田区)(一部は販売用として取得)、(仮称)新橋二丁目開発計画(東京都港区)及び(仮称)六本木三丁目相鉄ホテル開発計画(東京都港区)の開発用地を取得し、大森駅前商業開発(東京都品川区)及び(仮称)有楽町二丁目開発計画(東京都千代田区)について、開発に着手しております。また、京都四条開発計画(京都市下京区)についても、開発に着手いたしました。そのほか、開発中の(仮称)渋谷東4丁目開発計画(東京都渋谷区)、(仮称)ヒューリック渋谷井の頭通りビル(東京都渋谷区)及び(仮称)日本橋二丁目再開発PJ(東京都中央区)についても順調に進行しております。
PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業におきましては、東京都下水道局主催の「芝浦水再生センター再構築に伴う上部利用事業」として取り組んでおりました品川シーズンテラス(東京都港区)が平成27年2月に竣工いたしました。
販売用不動産につきましては、グラスシティ元代々木(東京都渋谷区)、Primegate目黒三田(東京都目黒区)等を取得し、中野セントラルパーク サウス棟(東京都中野区)、御茶ノ水ソラシティ(東京都千代田区)、上記グラスシティ元代々木(東京都渋谷区)他4物件を売却いたしました。販売用不動産に係る開発業務につきましては、新札幌豊和会病院(札幌市厚別区)、ヒューリック虎ノ門ビル(東京都港区)が竣工しております。また、上記の通り(仮称)有楽町二丁目開発計画(東京都千代田区)の開発用地を取得し、開発に着手しております。
このように、当セグメントにおける事業は順調に進行しており、物件の竣工、取得による不動産賃貸収入の増加があったものの、前年はヒューリックリート投資法人への多額の販売用不動産の売却があったことから、当第3四半期連結累計期間の営業収益は94,155百万円(前年同期比△53,274百万円、36.1%減)となりましたが、上記不動産賃貸収入の増加等により、営業利益は31,127百万円(前年同期比4,682百万円、17.7%増)となりました。
(保険事業)
保険事業におきましては、連結子会社であるヒューリック保険サービス株式会社が、国内・外資系の保険会社と代理店契約を結んでおり、法人から個人まで多彩な保険商品を販売しております。保険業界の事業環境は引き続き厳しい環境にありますが、既存損保代理店の営業権取得を重点業務として、法人取引を中心に拡充しております。
この結果、当セグメントにおける営業収益は2,500百万円(前年同期比315百万円、14.4%増)、営業利益は867百万円(前年同期比260百万円、43.0%増)となりました。
(人材関連事業)
人材関連事業におきましては、連結子会社である株式会社アヴァンティスタッフが、人材派遣・人材紹介事業等をおこなっております。同社では、主力ビジネスである人材派遣事業の増強をはかるとともに、企業及び求職者の多様化するニーズに対応するべく、総合人材サービス企業としてのノウハウを活用し、様々な人材サービスの提案、提供をおこなっております。
この結果、当セグメントにおける営業収益は14,398百万円、営業利益は411百万円となりました。
(その他)
その他におきましては、連結子会社であるヒューリックビルド株式会社による当社保有ビル等の営繕工事、テナント退去時の原状回復工事、新規入居時の内装工事を中心に受注実績を積み上げておりますほか、連結子会社であるヒューリックオフィスサービス株式会社による給食業務の受託事業等が寄与した結果、営業収益は8,722百万円(前年同期比546百万円、6.6%増)、営業利益は572百万円(前年同期比115百万円、25.2%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、911,561百万円となり、対前期末比で138,160百万円増加いたしました。当社グループにおいては、賃貸事業収益の更なる拡大の観点から、築年数の古い物件を中心に立地の特性に適した建替の着実な推進、立地重視の投資の強化によるポートフォリオ拡充等に取り組んでおります。
また、ヒューリックリート投資法人の中長期的な収益維持・向上と運用資産の着実な成長を実現するために、スポンサーとしてのサポートやバックアップに努めてまいります。
主な項目の増減は以下の通りであります。
①現金及び預金9,339百万円増加
②仕掛販売用不動産3,159百万円減少(開発用地の取得、開発計画の進行及び物件の竣工)
③建物及び構築物24,037百万円増加(物件の取得及び物件の竣工等)
④土地116,440百万円増加(物件の取得、開発用地の取得等)
⑤建設仮勘定9,409百万円減少(建替、開発計画の進行及び物件の竣工等)
⑥借地権9,246百万円増加(物件の取得等)
⑦投資有価証券10,373百万円減少(投資有価証券の売却及び有価証券の含み益の減少等)

(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、611,607百万円となり、対前期末比で43,627百万円増加いたしました。これは、主に、設備投資等に伴う資金調達によるものであります。
当社グループの借入金残高は466,909百万円となっておりますが、このうち特別目的会社(SPC)のノンリコースローンが3,900百万円含まれております。金融機関からの資金調達については、高い収益力を背景として安定的に低コストで調達をおこなっております。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、299,954百万円となり、対前期末比で94,532百万円増加いたしました。このうち株主資本合計は、270,803百万円となり、対前期末比で96,035百万円増加いたしました。これは、主に、公募増資及び第三者割当増資等による資本金及び資本剰余金の増加、四半期純利益による利益剰余金の増加及び配当金の支払による利益剰余金の減少によるものであります。
また、その他の包括利益累計額合計は、25,013百万円となり、対前期末比で2,556百万円減少いたしました。これは、主に、有価証券の含み益が3,375百万円減少したことによるその他有価証券評価差額金の減少及び連結子会社であるHulic UK Limitedの減資等を起因とした為替換算調整勘定の減少によるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。