有価証券報告書-第161期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く世界経済は、当連結会計年度の前半は米・中・欧において底堅い成長が続きました。しかし、後半には、米中貿易摩擦、中国経済の減速、英国のEU離脱問題に伴う経済混乱の不安などが要因となり、景気は減速しました。国内においても、当連結会計年度の前半は、景気はゆるやかに回復しましたが、後半は、輸出が低迷するとともに、設備投資の伸びも鈍化し、力強さを欠きました。
このような環境のもと、当社グループは、「フィルム&コーティング」、「モビリティ」、「ヘルスケア&ウェルネス」を成長分野と位置づけた「2018年中期経営計画」をスタートさせました。初年度となる当連結会計年度は、特に「フィルム&コーティング」において、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”やセラミックコンデンサ用離型フィルムの販売を大幅に拡大しましたが、一方で、原燃料価格変動や物流コスト増の影響を大きく受けました。
また、火災事故により、エアバッグ用原糸の製造設備などが焼失したため、当該原糸の代替品調達に関連する費用など138億円を特別損失として計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は前年度比55億円(1.7%)増の3,367億円となり、営業利益は22億円(9.2%)減の217億円、経常利益は同26億円(12.9%)減の178億円、親会社株主に帰属する当期純損失は6億円(前年度は親会社株主に帰属する当期純利益130億円)となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりです。
(フィルム・機能樹脂事業)
当事業は、フィルム事業、機能樹脂事業ともに、原料価格変動の影響を受けましたが、工業用フィルムが売上を伸ばし、前年度に比べ、増収増益となりました。
フィルム事業では、包装用フィルムは、原料価格変動や物流コスト増の影響を受け苦戦しました。一方、工業用フィルムは、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”が、液晶テレビ用途で販売を大きく伸ばし、セラミックコンデンサ用離型フィルムは車載用で販売を拡大しました。
機能樹脂事業では、エンジニアリングプラスチックは、国内外ともに自動車用途の販売を伸ばしましたが、原料価格変動の影響を受けました。工業用接着剤“バイロン”は、電子材料を中心とした接着用途の販売が伸び悩みました。
この結果、当事業の売上高は前年度比76億円(5.1%)増の1,562億円、営業利益は同0億円(0.1%)増の137億円となりました。
(産業マテリアル事業)
当事業は、原料価格変動と火災の影響を受け、前年度に比べ、増収減益となりました。
エアバッグ用基布は、海外顧客向けの販売を伸ばしましたが、火災と原料価格変動の影響を受け苦戦しました。スーパー繊維事業では、“ツヌーガ”は手袋用途を中心に販売を伸ばしましたが、“ザイロン”の販売が低調でした。生活・産業資材事業では、衛材用途のポリエステル短繊維は、海外向けに販売を拡大しましたが、原料価格変動の影響を受けました。機能性クッション材“ブレスエアー”は、火災の影響を受け販売が減少しました。
この結果、当事業の売上高は前年度比31億円(4.9%)増の665億円、営業利益は同16億円(38.5%)減の26億円となりました。
(ヘルスケア事業)
当事業は、医薬品製造受託事業が苦戦し、前年度に比べ、減収減益となりました。
バイオ・メディカル事業では、診断薬用酵素は、海外への販売が好調に推移しましたが、医薬品製造受託事業は、案件獲得に苦戦し、GMP(医薬品等の製造および品質管理基準)対応にかかる費用がかさみました。
機能膜・環境事業では、海水淡水化用逆浸透膜は受注が足踏みしました。機能フィルターは、事務機器向けなどが減少しましたが、溶剤を回収するVOC処理装置・エレメントは中国などでの環境関連投資の拡大で好調に推移しました。
この結果、当事業の売上高は前年度比10億円(2.9%)減の347億円、営業利益は同0億円(0.2%)減の52億円となりました。
(繊維・商事事業)
当事業は、前年度に比べ、減収増益となりました。
ユニフォーム用途は販売が伸び悩み、中東向け特化生地は市況の悪化により販売数量が減少しました。一方、スポーツ衣料製品は回復しました。
この結果、当事業の売上高は前年度比37億円(5.5%)減の646億円となり、営業利益は同3億円(41.6%)増の9億円となりました。
(不動産事業、その他事業)
当事業では、不動産、エンジニアリング、情報処理サービス、物流サービス等のインフラ事業は、それぞれ概ね計画どおりに推移しました。
この結果、当事業の売上高は、前年度比3億円(2.2%)減の147億円となり、営業利益は同6億円(20.8%)減の22億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度比145億円(64.9%)収入が減少し、78億円の収入となりました。主な内容は、減価償却費158億円による資金の増加と火災による損失の支払額80億円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度比231億円支出が増加し、243億円の支出となりました。主な内容は、有形及び無形固定資産の取得による支出242億円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度比404億円収入が増加し、126億円の収入となりました。主な内容は、長期借入れによる収入233億円、社債の発行による収入100億円および長期借入金の返済による支出241億円です。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前年度末比37億円減の222億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.外注生産を含んでいます。
3.消費税等の処理は税抜方式によっています。
4.不動産事業の生産実績はありません。
(ロ)受注実績
当社グループの製品は一部の受注生産を除き見込生産を行っています。
(ハ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上となる販売先はありません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しています。
3.消費税等の処理は税抜方式によっています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりです。
連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要な場合があり、これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前年度末比156億円(3.5%)増の4,610億円となりました。主な内容は、設備投資の増加による有形固定資産の増加50億円、商品及び製品の増加28億円および繰延税金資産の増加21億円です。
当連結会計年度末の負債は、前年度末比188億円(7.2%)増の2,798億円となりました。主な内容は、社債の増加100億円および短期借入金の増加92億円です。
当連結会計年度末の純資産は、その他有価証券評価差額金が増加したものの利益剰余金が減少したことなどから、前年度末比33億円(1.8%)減の1,812億円となりました。
また、財政状態に関する各種指標(連結ベース)は次のとおりです。
自己資本比率:非支配株主持分を含まない期末純資産/期末総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額[期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数]/期末総資産
自己資本当期純利益率:親会社株主に帰属する当期純利益/非支配株主持分を含まない期末純資産の期首・期末
平均
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:期末有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/(連結キャッシュ・フロー計算書)利息の支払
額
有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ):期末有利子負債/非支配株主持分を含まない期末純資産
当社グループは、財務の健全性の指標として特に有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ)を重視しており、目標を1.0倍未満としています。当連結会計年度は、原燃料価格の上昇に伴うたな卸資産の増加や売上高の増加に伴う売上債権の増加により運転資金が増加しました。また、“ゼノマックス”製造設備の新設や“コスモシャインSRF”製造設備の増設工事を開始するなど、設備投資も増加しました。このため、有利子負債は増加しましたが、D/Eレシオは当連結会計年度末で0.93倍と目標の1.0倍未満を維持しました。
(ロ)経営成績の分析
2018年中期経営計画の初年度にあたる当連結会計年度は、期初において売上高3,400億円、営業利益250億円を計画し、事業活動を進めてきました。しかしながら、当連結会計年度の売上高は3,367億円、営業利益は217億円となり、計画に対して未達となりました。成長ドライバーである“コスモシャインSRF”やセラミックコンデンサ用離型フィルムは好調に推移しました。一方、原料価格は2018年10月をピークにその後下落したため、包装用フィルム等は値上げ交渉に苦戦し、原料価格上昇分をカバーするまでには至りませんでした。また、2018年9月の当社敦賀事業所で発生した火災によりエアバッグ用原糸、機能性クッション材“ブレスエアー”および衣料用ナイロンなどの製造設備が被災しました。その結果、内製から外部調達品に切り替えたことによる市況価格とのコスト差や“ブレスエアー”などの販売量が減少したことなどから特に産業マテリアル事業の営業利益は計画を大きく下回る結果となりました。これにより、「使用総資本営業利益率(ROA)」は4.7%となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、期初の計画を130億円としていましたが、火災による損失138億円を特別損失に計上したことなどから、当連結会計年度は赤字となりました。
(単位:億円)
当社グループは、2018年中期経営計画において、成長への積極的な投資を推進し、「不断のポートフォリオ改革」に取り組んでいます。当連結会計年度に実施した、主な成長への取組みは次のとおりです。
フィルム・機能樹脂事業
・高耐熱性ポリイミドフィルム“ゼノマックス”の事業拡大に向けて、生産・販売会社「ゼノマックスジャパン株式会社」を設立し、新工場を立上げ
・透明蒸着フィルム“エコシアール”の海外展開に向けて、米州のTerphane社と販売契約を締結
・重金属フリーの触媒を使用した、包装用PETフィルム“東洋紡エステルGS”を開発
ヘルスケア事業
・中空糸型正浸透膜(FO膜)の実用化に向け、欧州にて浸透圧発電プラントの実証テストを開始
全社共通
・「オープンイノベーション」を積極的に推進しており、欧州独立系運用会社Capricorn Venture Partners n.v.が運用する、欧州基盤のベンチャーファンドに参加することを決定
これらの先行投資を着実に実らせ、2018年中期経営計画の目標達成に努めます。
(ハ)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりですが、特に、2018年9月の当社敦賀事業所において発生した大規模火災を教訓として防災機能の強化を進めます。また、原燃料などの価格動向や為替変動について引き続き留意していく必要があると考えています。
(ニ)当社グループの資本の財源および資金の流動性について
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.契約債務
2019年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりです。
上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めています。
当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間内に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2019年3月31日現在の債務保証額は、3,349百万円です。
c.財務政策
当社グループは、運転資金および設備資金については、内部資金または借入により資金調達することとしています。このうち、借入による資金調達に関しては、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金および社債は主に設備投資と投融資に係る資金調達です。
2019年3月31日現在、長期借入金の残高は81,442百万円です。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計17,500百万円のコミットメントライン契約を締結しています(借入未実行残高17,500百万円)。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く世界経済は、当連結会計年度の前半は米・中・欧において底堅い成長が続きました。しかし、後半には、米中貿易摩擦、中国経済の減速、英国のEU離脱問題に伴う経済混乱の不安などが要因となり、景気は減速しました。国内においても、当連結会計年度の前半は、景気はゆるやかに回復しましたが、後半は、輸出が低迷するとともに、設備投資の伸びも鈍化し、力強さを欠きました。
このような環境のもと、当社グループは、「フィルム&コーティング」、「モビリティ」、「ヘルスケア&ウェルネス」を成長分野と位置づけた「2018年中期経営計画」をスタートさせました。初年度となる当連結会計年度は、特に「フィルム&コーティング」において、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”やセラミックコンデンサ用離型フィルムの販売を大幅に拡大しましたが、一方で、原燃料価格変動や物流コスト増の影響を大きく受けました。
また、火災事故により、エアバッグ用原糸の製造設備などが焼失したため、当該原糸の代替品調達に関連する費用など138億円を特別損失として計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は前年度比55億円(1.7%)増の3,367億円となり、営業利益は22億円(9.2%)減の217億円、経常利益は同26億円(12.9%)減の178億円、親会社株主に帰属する当期純損失は6億円(前年度は親会社株主に帰属する当期純利益130億円)となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりです。
(フィルム・機能樹脂事業)
当事業は、フィルム事業、機能樹脂事業ともに、原料価格変動の影響を受けましたが、工業用フィルムが売上を伸ばし、前年度に比べ、増収増益となりました。
フィルム事業では、包装用フィルムは、原料価格変動や物流コスト増の影響を受け苦戦しました。一方、工業用フィルムは、液晶偏光子保護フィルム“コスモシャインSRF”が、液晶テレビ用途で販売を大きく伸ばし、セラミックコンデンサ用離型フィルムは車載用で販売を拡大しました。
機能樹脂事業では、エンジニアリングプラスチックは、国内外ともに自動車用途の販売を伸ばしましたが、原料価格変動の影響を受けました。工業用接着剤“バイロン”は、電子材料を中心とした接着用途の販売が伸び悩みました。
この結果、当事業の売上高は前年度比76億円(5.1%)増の1,562億円、営業利益は同0億円(0.1%)増の137億円となりました。
(産業マテリアル事業)
当事業は、原料価格変動と火災の影響を受け、前年度に比べ、増収減益となりました。
エアバッグ用基布は、海外顧客向けの販売を伸ばしましたが、火災と原料価格変動の影響を受け苦戦しました。スーパー繊維事業では、“ツヌーガ”は手袋用途を中心に販売を伸ばしましたが、“ザイロン”の販売が低調でした。生活・産業資材事業では、衛材用途のポリエステル短繊維は、海外向けに販売を拡大しましたが、原料価格変動の影響を受けました。機能性クッション材“ブレスエアー”は、火災の影響を受け販売が減少しました。
この結果、当事業の売上高は前年度比31億円(4.9%)増の665億円、営業利益は同16億円(38.5%)減の26億円となりました。
(ヘルスケア事業)
当事業は、医薬品製造受託事業が苦戦し、前年度に比べ、減収減益となりました。
バイオ・メディカル事業では、診断薬用酵素は、海外への販売が好調に推移しましたが、医薬品製造受託事業は、案件獲得に苦戦し、GMP(医薬品等の製造および品質管理基準)対応にかかる費用がかさみました。
機能膜・環境事業では、海水淡水化用逆浸透膜は受注が足踏みしました。機能フィルターは、事務機器向けなどが減少しましたが、溶剤を回収するVOC処理装置・エレメントは中国などでの環境関連投資の拡大で好調に推移しました。
この結果、当事業の売上高は前年度比10億円(2.9%)減の347億円、営業利益は同0億円(0.2%)減の52億円となりました。
(繊維・商事事業)
当事業は、前年度に比べ、減収増益となりました。
ユニフォーム用途は販売が伸び悩み、中東向け特化生地は市況の悪化により販売数量が減少しました。一方、スポーツ衣料製品は回復しました。
この結果、当事業の売上高は前年度比37億円(5.5%)減の646億円となり、営業利益は同3億円(41.6%)増の9億円となりました。
(不動産事業、その他事業)
当事業では、不動産、エンジニアリング、情報処理サービス、物流サービス等のインフラ事業は、それぞれ概ね計画どおりに推移しました。
この結果、当事業の売上高は、前年度比3億円(2.2%)減の147億円となり、営業利益は同6億円(20.8%)減の22億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度比145億円(64.9%)収入が減少し、78億円の収入となりました。主な内容は、減価償却費158億円による資金の増加と火災による損失の支払額80億円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度比231億円支出が増加し、243億円の支出となりました。主な内容は、有形及び無形固定資産の取得による支出242億円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度比404億円収入が増加し、126億円の収入となりました。主な内容は、長期借入れによる収入233億円、社債の発行による収入100億円および長期借入金の返済による支出241億円です。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前年度末比37億円減の222億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| フィルム・機能樹脂事業 | 159,422 | 7.2 |
| 産業マテリアル事業 | 67,582 | 5.6 |
| ヘルスケア事業 | 38,412 | 4.2 |
| 繊維・商事事業 | 64,907 | △3.1 |
| 不動産事業 | - | - |
| その他事業(うち製造事業) | 22,588 | △2.8 |
| 合計 | 352,912 | 3.9 |
(注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.外注生産を含んでいます。
3.消費税等の処理は税抜方式によっています。
4.不動産事業の生産実績はありません。
(ロ)受注実績
当社グループの製品は一部の受注生産を除き見込生産を行っています。
(ハ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| フィルム・機能樹脂事業 | 156,241 | 5.1 |
| 産業マテリアル事業 | 66,540 | 4.9 |
| ヘルスケア事業 | 34,675 | △2.9 |
| 繊維・商事事業 | 64,585 | △5.5 |
| 不動産事業 | 4,197 | △2.0 |
| その他事業 | 10,460 | △2.3 |
| 合計 | 336,698 | 1.7 |
(注)1.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上となる販売先はありません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しています。
3.消費税等の処理は税抜方式によっています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりです。
連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要な場合があり、これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前年度末比156億円(3.5%)増の4,610億円となりました。主な内容は、設備投資の増加による有形固定資産の増加50億円、商品及び製品の増加28億円および繰延税金資産の増加21億円です。
当連結会計年度末の負債は、前年度末比188億円(7.2%)増の2,798億円となりました。主な内容は、社債の増加100億円および短期借入金の増加92億円です。
当連結会計年度末の純資産は、その他有価証券評価差額金が増加したものの利益剰余金が減少したことなどから、前年度末比33億円(1.8%)減の1,812億円となりました。
また、財政状態に関する各種指標(連結ベース)は次のとおりです。
| 回次 | 第157期 | 第158期 | 第159期 | 第160期 | 第161期 | |
| 決算年月 | 2015年3月 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | |
| 自己資本比率 | (%) | 33.9 | 35.3 | 37.2 | 40.5 | 38.3 |
| 時価ベースの自己資本比率 | (%) | 30.9 | 33.7 | 38.0 | 41.8 | 27.2 |
| 自己資本当期純利益率 | (%) | 5.4 | 6.4 | 5.8 | 7.5 | △0.3 |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率 | (年) | 8.8 | 5.1 | 6.3 | 6.5 | 21.0 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | (倍) | 11.3 | 19.4 | 19.3 | 16.9 | 6.0 |
| 有利子負債自己資本比率 (D/Eレシオ) | (倍) | 1.12 | 1.05 | 1.01 | 0.81 | 0.93 |
自己資本比率:非支配株主持分を含まない期末純資産/期末総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額[期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数]/期末総資産
自己資本当期純利益率:親会社株主に帰属する当期純利益/非支配株主持分を含まない期末純資産の期首・期末
平均
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:期末有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/(連結キャッシュ・フロー計算書)利息の支払
額
有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ):期末有利子負債/非支配株主持分を含まない期末純資産
当社グループは、財務の健全性の指標として特に有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ)を重視しており、目標を1.0倍未満としています。当連結会計年度は、原燃料価格の上昇に伴うたな卸資産の増加や売上高の増加に伴う売上債権の増加により運転資金が増加しました。また、“ゼノマックス”製造設備の新設や“コスモシャインSRF”製造設備の増設工事を開始するなど、設備投資も増加しました。このため、有利子負債は増加しましたが、D/Eレシオは当連結会計年度末で0.93倍と目標の1.0倍未満を維持しました。
(ロ)経営成績の分析
2018年中期経営計画の初年度にあたる当連結会計年度は、期初において売上高3,400億円、営業利益250億円を計画し、事業活動を進めてきました。しかしながら、当連結会計年度の売上高は3,367億円、営業利益は217億円となり、計画に対して未達となりました。成長ドライバーである“コスモシャインSRF”やセラミックコンデンサ用離型フィルムは好調に推移しました。一方、原料価格は2018年10月をピークにその後下落したため、包装用フィルム等は値上げ交渉に苦戦し、原料価格上昇分をカバーするまでには至りませんでした。また、2018年9月の当社敦賀事業所で発生した火災によりエアバッグ用原糸、機能性クッション材“ブレスエアー”および衣料用ナイロンなどの製造設備が被災しました。その結果、内製から外部調達品に切り替えたことによる市況価格とのコスト差や“ブレスエアー”などの販売量が減少したことなどから特に産業マテリアル事業の営業利益は計画を大きく下回る結果となりました。これにより、「使用総資本営業利益率(ROA)」は4.7%となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、期初の計画を130億円としていましたが、火災による損失138億円を特別損失に計上したことなどから、当連結会計年度は赤字となりました。
(単位:億円)
| 2018年度 (計画) | 2018年度 (実績) | 増 減 (実績-計画) | |
| 売上高 | 3,400 | 3,367 | △33 |
| 営業利益 | 250 | 217 | △33 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 または 親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 130 | △6 | △136 |
当社グループは、2018年中期経営計画において、成長への積極的な投資を推進し、「不断のポートフォリオ改革」に取り組んでいます。当連結会計年度に実施した、主な成長への取組みは次のとおりです。
フィルム・機能樹脂事業
・高耐熱性ポリイミドフィルム“ゼノマックス”の事業拡大に向けて、生産・販売会社「ゼノマックスジャパン株式会社」を設立し、新工場を立上げ
・透明蒸着フィルム“エコシアール”の海外展開に向けて、米州のTerphane社と販売契約を締結
・重金属フリーの触媒を使用した、包装用PETフィルム“東洋紡エステルGS”を開発
ヘルスケア事業
・中空糸型正浸透膜(FO膜)の実用化に向け、欧州にて浸透圧発電プラントの実証テストを開始
全社共通
・「オープンイノベーション」を積極的に推進しており、欧州独立系運用会社Capricorn Venture Partners n.v.が運用する、欧州基盤のベンチャーファンドに参加することを決定
これらの先行投資を着実に実らせ、2018年中期経営計画の目標達成に努めます。
(ハ)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりですが、特に、2018年9月の当社敦賀事業所において発生した大規模火災を教訓として防災機能の強化を進めます。また、原燃料などの価格動向や為替変動について引き続き留意していく必要があると考えています。
(ニ)当社グループの資本の財源および資金の流動性について
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.契約債務
2019年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりです。
| 年度別要支払額(百万円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 41,882 | 41,882 | - | - | - |
| 長期借入金 | 81,442 | 12,433 | 13,111 | 38,812 | 17,086 |
| リース債務 | 1,476 | 290 | 432 | 235 | 520 |
上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めています。
当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間内に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2019年3月31日現在の債務保証額は、3,349百万円です。
c.財務政策
当社グループは、運転資金および設備資金については、内部資金または借入により資金調達することとしています。このうち、借入による資金調達に関しては、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金および社債は主に設備投資と投融資に係る資金調達です。
2019年3月31日現在、長期借入金の残高は81,442百万円です。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計17,500百万円のコミットメントライン契約を締結しています(借入未実行残高17,500百万円)。