有価証券報告書-第160期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、世界経済において、米国では雇用拡大に伴い景気は堅調に推移し、ユーロ圏では企業業況が好調で景気は拡大しましたが、中国では緩やかな景気減速が続きました。また、国内では、堅調な外需や設備投資を背景に、景気は回復基調が続きました。しかし、一方では、原燃料価格、荷造材料費や物流費の高騰などに留意すべき状況が続きました。
このような環境のもと、当社グループは、「環境、ヘルスケア、高機能で、社会に貢献する価値を、創りつづけるカテゴリー・リーダー」をめざし、特長のある製品を、国内外の市場へ展開しています。当連結会計年度においても、中期経営計画で掲げた「海外展開の加速」、「新製品の拡大・新事業の創出」、「国内事業の競争力強化」、「資産効率の改善」、「グローバル経営機能の強化」の5つのアクションプランに沿って、事業活動を進めました。
「海外展開の加速」においては、エアバッグ用基布事業では、原糸から基布まで一貫生産するグローバルメーカーとして、海外拠点での生産を本格化し、海外顧客向けの販売を拡大しました。また、透明蒸着フィルム“エコシアール”の拡販に向けて、インドネシアにパッケージングフィルム生産の合弁会社を設立しました。
「新製品の拡大・新事業の創出」においては、液晶偏光子保護フィルムとして展開する“コスモシャイン SRF”の販売を大幅に伸ばし、今後のさらなる拡大を視野に、製造設備の新設を決定しました。また、電子ペーパーディスプレイなどに使われる高耐熱性ポリイミドフィルム“ゼノマックス”の事業化に向けて、合弁会社の設立を決定しました。
「国内事業の競争力強化」においては、セラミックコンデンサー市場の拡大に伴い、離型フィルム生産設備の増設を決定しました。
「資産効率の改善」としては、経営資源の有効活用による資産の効率化と働き方改革の推進等を目的として、当社が所有していた本社ビルの信託受益権を譲渡しました。
なお、当連結会計年度においては、本社ビルの信託受益権譲渡による固定資産売却益として104億円を特別利益に計上しました。また、米国の防弾ベストメーカーが製造、販売した防弾ベストに関連して、米国政府から提起されていた訴訟については、原告との間で和解が成立し、和解金等74億円を特別損失として計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は前年度比17億円(0.5%)増の3,311億円となり、営業利益は同6億円(2.5%)増の239億円、経常利益は同2億円(1.1%)減の204億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同36億円(38.1%)増の130億円となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更し、以下の前年度比較については、前年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しています。
(フィルム・機能樹脂事業)
当事業は、想定以上の原燃料価格高騰の影響を受けましたが、フィルム事業と機能樹脂事業の両事業において拡販が進み、前年度に比べ、増収増益となりました。
フィルム事業では、包装用フィルムは、原燃料価格高騰の影響を受け苦戦しました。一方、工業用フィルムは“コスモシャイン SRF”が大手偏光板メーカー向けの出荷を軸に販売を伸ばし、セラミックコンデンサー用離型フィルムも好調に推移しました。
機能樹脂事業では、エンジニアリングプラスチックは、自動車用途の拡販が国内・海外ともに進みました。工業用接着剤“バイロン”は電子材料用途を中心に、ポリオレフィン用接着性付与剤“ハードレン”は自動車・建設用途を中心に、それぞれ堅調に推移しました。また、水現像型感光性印刷版である光機能材料は、海外での拡販が進みました。
この結果、当事業の売上高は前年度比101億円(7.3%)増の1,487億円、営業利益は同10億円(7.6%)増の137億円となりました。
(産業マテリアル事業)
当事業は、原燃料価格高騰の影響を受けましたが、生活・産業資材が回復し、前年度に比べ、増収増益となりました。
スーパー繊維は、“ザイロン”は販売が伸び悩みましたが、“ツヌーガ”は手袋用途を中心に堅調に推移しました。生活・産業資材は、バグフィルター用PPS繊維“プロコン”の販売が回復しました。エアバッグ用基布は、原燃料価格高騰の影響を受けましたが、海外拠点での本格的生産により販売を伸ばしました。
この結果、当事業の売上高は前年度比35億円(5.9%)増の635億円、営業利益は同4億円(10.0%)増の43億円となりました。
(ヘルスケア事業)
当事業は、バイオ・メディカル事業では、海外への拡販が進みましたが、医薬品製造受託事業が苦戦し、前年度に比べ、減収減益となりました。
バイオ・メディカル事業では、診断薬酵素、ライフサイエンス用試薬は海外への販売を伸ばしましたが、医薬品製造受託事業は、GMP(医薬品等の製造および品質管理基準)対応費用の一括計上の影響を受けました。神経再生誘導チューブ“ナーブリッジ”は、国内での適用症例数を着実に伸ばしました。
機能膜・環境事業では、溶剤を回収するVOC処理装置の販売は、中国市場を中心に拡大しました。
この結果、当事業の売上高は前年度比7億円(1.9%)減の357億円、営業利益は同1億円(1.2%)減の52億円となりました。
(繊維・商事事業)
当事業は、前年度に比べ、減収減益となりました。
ユニフォーム用途は、堅調に推移しましたが、スポーツ衣料製品は、在庫処理と販売数量減少により苦戦しました。中東向け特化生地は、市況の悪化に伴い販売数量が減少しました。
また、前年度に実施したブラジルにおける繊維事業の休止の影響により、大幅な減収となりました。
この結果、当事業の売上高は前年度比92億円(11.9%)減の683億円、営業利益は同4億円(39.5%)減の6億円となりました。
(不動産事業、その他事業)
当事業では、不動産、エンジニアリング、情報処理サービス、物流サービス等のインフラ事業は、それぞれ概ね計画どおりに推移しました。
この結果、当事業の売上高は、前年度比20億円(11.9%)減の150億円となり、営業利益は同5億円(15.7%)減の28億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度比45億円(16.8%)収入が減少し、224億円の収入となりました。主な内容は、税金等調整前当期純利益182億円および減価償却費157億円による資金の増加と訴訟関連損失の支払額77億円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度比130億円(91.7%)支出が減少し、12億円の支出となりました。主な内容は、有形及び無形固定資産の取得による支出207億円、関係会社株式の取得による支出20億円および有形及び無形固定資産の売却による収入213億円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度比275億円支出が増加し、278億円の支出となりました。主な内容は、長期借入金の返済による支出381億円、社債の償還による支出100億円および長期借入れによる収入318億円です。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前年度末比63億円減の259億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.外注生産を含んでいます。
3.消費税等の処理は税抜方式によっています。
4.不動産事業の生産実績はありません。
5.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しています。
(ロ)受注実績
当社グループの製品は一部の受注生産を除き見込生産を行っています。
(ハ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上となる販売先はありません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しています。
3.消費税等の処理は税抜方式によっています。
4.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりです。
連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要な場合があり、これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前年度末比46億円(1.0%)減の4,462億円となりました。主な内容は、現金及び預金の減少63億円、当社が所有していた本社ビルの信託受益権譲渡等による有形固定資産の減少45億円および投資有価証券の増加51億円です。
当連結会計年度末の負債は、前年度末比182億円(6.5%)減の2,616億円となりました。主な内容は、社債の償還100億円および1年内返済予定の長期借入金を含む長期借入金の減少62億円です。
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金やその他有価証券評価差額金が増加したことなどから、前年度末比136億円(8.0%)増の1,845億円となりました。
また、財政状態に関する各種指標(連結ベース)は次のとおりです。
自己資本比率:非支配株主持分を含まない期末純資産/期末総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額[期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数]/期末総資産
自己資本当期純利益率:親会社株主に帰属する当期純利益/非支配株主持分を含まない期末純資産の期首・期末
平均
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:期末有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/(連結キャッシュ・フロー計算書)利息の支払 額
有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ):期末有利子負債/非支配株主持分を含まない期末純資産
当社グループは、財務の健全性の指標として特に有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ)を重視しており、目標を1.0倍未満としています。当連結会計年度末で当該指標は0.81倍となり、目標を達成いたしました。今後も同指標にて、1.0倍未満を維持することを目標に設定しています。
(ロ)経営成績の分析
当社グループは、2014年中期経営計画において、営業利益目標300億円を掲げ、「海外展開の加速」、「新製品の拡大・新事業の創出」、「国内事業の競争力強化」、「資産効率の改善」、「グローバル経営機能の強化」の5つのアクションプランに沿って事業活動を進めてきました。
「海外展開の加速」においては、エンジニアリングプラスチック事業で海外の販売拠点を広げました。エアバッグ用基布事業では、海外での生産設備を増強し、販売拡大に向け準備を整えました。「新製品の拡大・新事業の創出」においては、液晶偏光子保護フィルムとして展開する“コスモシャイン SRF”の販売が拡大しつつあります。「国内事業の競争力強化」においては、ペットボトル用樹脂事業やポリエステル原料事業から撤退し、ポリエステルチェーン改革を実行しました。「資産効率の改善」においては、当社が所有していた本社ビルの信託受益権の譲渡やブラジルにおける繊維事業の休止などの不採算事業からの撤退、海外子会社の統廃合などを行いました。「グローバル経営機能の強化」においては、当社グループの標準システムの整備を進めています。
一方で、アクリル繊維事業の中国向け輸出におけるアンチダンピング政策の影響やブラジルの繊維事業の撤退、想定以上の原燃料価格高騰などの環境変化に加え、“コスモシャイン SRF”やエアバッグ用基布生産設備の立ち上げ費用の増加などにより、当連結会計年度の営業利益は239億円に留まり、営業利益の拡大には至りませんでした。しかしながら、売上高営業利益率は向上してきており、ポートフォリオ改革は着実に進んでいるものと判断しています。
また、成長への布石として、“コスモシャイン SRF”およびセラミックコンデンサー用離型フィルムの生産設備増設の決定、さらに高耐熱ポリイミドフィルム“ゼノマックス”の合弁会社設立を決定しています。
また、このような環境変化を踏まえ、当連結会計年度の期初において当連結会計年度の計画を売上高3,400億円、営業利益250億円、親会社株主に帰属する当期純利益135億円に見直し、事業活動を進めました。計画に対する概況は次のとおりです。
売上高は計画比89億円(2.6%)減の3,311億円となりました。これは主として、繊維・商事事業における中東向け特化生地の市況悪化の影響やスポーツ衣料製品の販売減少、ヘルスケア事業における医薬品製造受託事業の苦戦および包装用フィルム等における価格改定難航によるものです。営業利益は計画比11億円(4.3%)減の239億円となりました。これは主として、フィルム・機能樹脂事業での原燃料価格高騰の影響や物流費の増加、さらに“コスモシャイン SRF”やエアバッグ用基布の海外での設備立ち上げ費用が増加したこともあり計画未達となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は計画比5億円(3.8%)減の130億円となりました。これは主として、本社ビルの信託受益権譲渡による固定資産売却益104億円を特別利益に計上したものの、防弾ベストに関連した訴訟の和解金等の支払いによる特別損失の増加等によるものです。
(単位:億円)
当社グループでは、以下の商品等を成長ドライバーとして位置付けています。
・フィルム・機能樹脂事業…“コスモシャイン SRF”やセラミックコンデンサー用離型フィルムなどの工業用フィルム、包装用フィルムの海外展開、エンジニアリングプラスチック
・産業マテリアル事業 …エアバッグ用基布
・ヘルスケア事業 …機能フィルター
これらの商品等に対し、積極的に成長への投資を進めながらポートフォリオ改革に取り組み、2018年中期経営計画の営業利益目標300億円以上を目指します。
(ハ)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりですが、特に、原燃料などの価格動向や為替変動について引き続き留意していく必要があると考えています。
(ニ)当社グループの資本の財源および資金の流動性について
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.契約債務
2018年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりです。
上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めています。
当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間内に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2018年3月31日現在の債務保証額は、2,118百万円です。
c.財務政策
当社グループは、運転資金および設備資金については、内部資金または借入により資金調達することとしています。このうち、借入による資金調達に関しては、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金および社債は主に設備投資と投融資に係る資金調達です。
2018年3月31日現在、長期借入金の残高は82,149百万円です。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計17,500百万円のコミットメントライン契約を締結しています(借入未実行残高17,500百万円)。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、世界経済において、米国では雇用拡大に伴い景気は堅調に推移し、ユーロ圏では企業業況が好調で景気は拡大しましたが、中国では緩やかな景気減速が続きました。また、国内では、堅調な外需や設備投資を背景に、景気は回復基調が続きました。しかし、一方では、原燃料価格、荷造材料費や物流費の高騰などに留意すべき状況が続きました。
このような環境のもと、当社グループは、「環境、ヘルスケア、高機能で、社会に貢献する価値を、創りつづけるカテゴリー・リーダー」をめざし、特長のある製品を、国内外の市場へ展開しています。当連結会計年度においても、中期経営計画で掲げた「海外展開の加速」、「新製品の拡大・新事業の創出」、「国内事業の競争力強化」、「資産効率の改善」、「グローバル経営機能の強化」の5つのアクションプランに沿って、事業活動を進めました。
「海外展開の加速」においては、エアバッグ用基布事業では、原糸から基布まで一貫生産するグローバルメーカーとして、海外拠点での生産を本格化し、海外顧客向けの販売を拡大しました。また、透明蒸着フィルム“エコシアール”の拡販に向けて、インドネシアにパッケージングフィルム生産の合弁会社を設立しました。
「新製品の拡大・新事業の創出」においては、液晶偏光子保護フィルムとして展開する“コスモシャイン SRF”の販売を大幅に伸ばし、今後のさらなる拡大を視野に、製造設備の新設を決定しました。また、電子ペーパーディスプレイなどに使われる高耐熱性ポリイミドフィルム“ゼノマックス”の事業化に向けて、合弁会社の設立を決定しました。
「国内事業の競争力強化」においては、セラミックコンデンサー市場の拡大に伴い、離型フィルム生産設備の増設を決定しました。
「資産効率の改善」としては、経営資源の有効活用による資産の効率化と働き方改革の推進等を目的として、当社が所有していた本社ビルの信託受益権を譲渡しました。
なお、当連結会計年度においては、本社ビルの信託受益権譲渡による固定資産売却益として104億円を特別利益に計上しました。また、米国の防弾ベストメーカーが製造、販売した防弾ベストに関連して、米国政府から提起されていた訴訟については、原告との間で和解が成立し、和解金等74億円を特別損失として計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は前年度比17億円(0.5%)増の3,311億円となり、営業利益は同6億円(2.5%)増の239億円、経常利益は同2億円(1.1%)減の204億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同36億円(38.1%)増の130億円となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更し、以下の前年度比較については、前年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しています。
(フィルム・機能樹脂事業)
当事業は、想定以上の原燃料価格高騰の影響を受けましたが、フィルム事業と機能樹脂事業の両事業において拡販が進み、前年度に比べ、増収増益となりました。
フィルム事業では、包装用フィルムは、原燃料価格高騰の影響を受け苦戦しました。一方、工業用フィルムは“コスモシャイン SRF”が大手偏光板メーカー向けの出荷を軸に販売を伸ばし、セラミックコンデンサー用離型フィルムも好調に推移しました。
機能樹脂事業では、エンジニアリングプラスチックは、自動車用途の拡販が国内・海外ともに進みました。工業用接着剤“バイロン”は電子材料用途を中心に、ポリオレフィン用接着性付与剤“ハードレン”は自動車・建設用途を中心に、それぞれ堅調に推移しました。また、水現像型感光性印刷版である光機能材料は、海外での拡販が進みました。
この結果、当事業の売上高は前年度比101億円(7.3%)増の1,487億円、営業利益は同10億円(7.6%)増の137億円となりました。
(産業マテリアル事業)
当事業は、原燃料価格高騰の影響を受けましたが、生活・産業資材が回復し、前年度に比べ、増収増益となりました。
スーパー繊維は、“ザイロン”は販売が伸び悩みましたが、“ツヌーガ”は手袋用途を中心に堅調に推移しました。生活・産業資材は、バグフィルター用PPS繊維“プロコン”の販売が回復しました。エアバッグ用基布は、原燃料価格高騰の影響を受けましたが、海外拠点での本格的生産により販売を伸ばしました。
この結果、当事業の売上高は前年度比35億円(5.9%)増の635億円、営業利益は同4億円(10.0%)増の43億円となりました。
(ヘルスケア事業)
当事業は、バイオ・メディカル事業では、海外への拡販が進みましたが、医薬品製造受託事業が苦戦し、前年度に比べ、減収減益となりました。
バイオ・メディカル事業では、診断薬酵素、ライフサイエンス用試薬は海外への販売を伸ばしましたが、医薬品製造受託事業は、GMP(医薬品等の製造および品質管理基準)対応費用の一括計上の影響を受けました。神経再生誘導チューブ“ナーブリッジ”は、国内での適用症例数を着実に伸ばしました。
機能膜・環境事業では、溶剤を回収するVOC処理装置の販売は、中国市場を中心に拡大しました。
この結果、当事業の売上高は前年度比7億円(1.9%)減の357億円、営業利益は同1億円(1.2%)減の52億円となりました。
(繊維・商事事業)
当事業は、前年度に比べ、減収減益となりました。
ユニフォーム用途は、堅調に推移しましたが、スポーツ衣料製品は、在庫処理と販売数量減少により苦戦しました。中東向け特化生地は、市況の悪化に伴い販売数量が減少しました。
また、前年度に実施したブラジルにおける繊維事業の休止の影響により、大幅な減収となりました。
この結果、当事業の売上高は前年度比92億円(11.9%)減の683億円、営業利益は同4億円(39.5%)減の6億円となりました。
(不動産事業、その他事業)
当事業では、不動産、エンジニアリング、情報処理サービス、物流サービス等のインフラ事業は、それぞれ概ね計画どおりに推移しました。
この結果、当事業の売上高は、前年度比20億円(11.9%)減の150億円となり、営業利益は同5億円(15.7%)減の28億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度比45億円(16.8%)収入が減少し、224億円の収入となりました。主な内容は、税金等調整前当期純利益182億円および減価償却費157億円による資金の増加と訴訟関連損失の支払額77億円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度比130億円(91.7%)支出が減少し、12億円の支出となりました。主な内容は、有形及び無形固定資産の取得による支出207億円、関係会社株式の取得による支出20億円および有形及び無形固定資産の売却による収入213億円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度比275億円支出が増加し、278億円の支出となりました。主な内容は、長期借入金の返済による支出381億円、社債の償還による支出100億円および長期借入れによる収入318億円です。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前年度末比63億円減の259億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| フィルム・機能樹脂事業 | 148,685 | 6.8 |
| 産業マテリアル事業 | 64,008 | 9.1 |
| ヘルスケア事業 | 36,874 | △2.8 |
| 繊維・商事事業 | 66,969 | △13.8 |
| 不動産事業 | - | - |
| その他事業(うち製造事業) | 23,250 | 20.8 |
| 合計 | 339,786 | 2.1 |
(注)1.金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.外注生産を含んでいます。
3.消費税等の処理は税抜方式によっています。
4.不動産事業の生産実績はありません。
5.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しています。
(ロ)受注実績
当社グループの製品は一部の受注生産を除き見込生産を行っています。
(ハ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| フィルム・機能樹脂事業 | 148,667 | 7.3 |
| 産業マテリアル事業 | 63,454 | 5.9 |
| ヘルスケア事業 | 35,723 | △1.9 |
| 繊維・商事事業 | 68,317 | △11.9 |
| 不動産事業 | 4,284 | △3.6 |
| その他事業 | 10,703 | △14.8 |
| 合計 | 331,148 | 0.5 |
(注)1.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上となる販売先はありません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しています。
3.消費税等の処理は税抜方式によっています。
4.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりです。
連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要な場合があり、これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前年度末比46億円(1.0%)減の4,462億円となりました。主な内容は、現金及び預金の減少63億円、当社が所有していた本社ビルの信託受益権譲渡等による有形固定資産の減少45億円および投資有価証券の増加51億円です。
当連結会計年度末の負債は、前年度末比182億円(6.5%)減の2,616億円となりました。主な内容は、社債の償還100億円および1年内返済予定の長期借入金を含む長期借入金の減少62億円です。
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金やその他有価証券評価差額金が増加したことなどから、前年度末比136億円(8.0%)増の1,845億円となりました。
また、財政状態に関する各種指標(連結ベース)は次のとおりです。
| 回次 | 第156期 | 第157期 | 第158期 | 第159期 | 第160期 | |
| 決算年月 | 2014年3月 | 2015年3月 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | |
| 自己資本比率 | (%) | 31.2 | 33.9 | 35.3 | 37.2 | 40.5 |
| 時価ベースの自己資本比率 | (%) | 31.5 | 30.9 | 33.7 | 38.0 | 41.8 |
| 自己資本当期純利益率 | (%) | 5.8 | 5.4 | 6.4 | 5.8 | 7.5 |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率 | (年) | 7.1 | 8.8 | 5.1 | 6.3 | 6.5 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | (倍) | 13.3 | 11.3 | 19.4 | 19.3 | 16.9 |
| 有利子負債自己資本比率 (D/Eレシオ) | (倍) | 1.20 | 1.12 | 1.05 | 1.01 | 0.81 |
自己資本比率:非支配株主持分を含まない期末純資産/期末総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額[期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数]/期末総資産
自己資本当期純利益率:親会社株主に帰属する当期純利益/非支配株主持分を含まない期末純資産の期首・期末
平均
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:期末有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/(連結キャッシュ・フロー計算書)利息の支払 額
有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ):期末有利子負債/非支配株主持分を含まない期末純資産
当社グループは、財務の健全性の指標として特に有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ)を重視しており、目標を1.0倍未満としています。当連結会計年度末で当該指標は0.81倍となり、目標を達成いたしました。今後も同指標にて、1.0倍未満を維持することを目標に設定しています。
(ロ)経営成績の分析
当社グループは、2014年中期経営計画において、営業利益目標300億円を掲げ、「海外展開の加速」、「新製品の拡大・新事業の創出」、「国内事業の競争力強化」、「資産効率の改善」、「グローバル経営機能の強化」の5つのアクションプランに沿って事業活動を進めてきました。
「海外展開の加速」においては、エンジニアリングプラスチック事業で海外の販売拠点を広げました。エアバッグ用基布事業では、海外での生産設備を増強し、販売拡大に向け準備を整えました。「新製品の拡大・新事業の創出」においては、液晶偏光子保護フィルムとして展開する“コスモシャイン SRF”の販売が拡大しつつあります。「国内事業の競争力強化」においては、ペットボトル用樹脂事業やポリエステル原料事業から撤退し、ポリエステルチェーン改革を実行しました。「資産効率の改善」においては、当社が所有していた本社ビルの信託受益権の譲渡やブラジルにおける繊維事業の休止などの不採算事業からの撤退、海外子会社の統廃合などを行いました。「グローバル経営機能の強化」においては、当社グループの標準システムの整備を進めています。
一方で、アクリル繊維事業の中国向け輸出におけるアンチダンピング政策の影響やブラジルの繊維事業の撤退、想定以上の原燃料価格高騰などの環境変化に加え、“コスモシャイン SRF”やエアバッグ用基布生産設備の立ち上げ費用の増加などにより、当連結会計年度の営業利益は239億円に留まり、営業利益の拡大には至りませんでした。しかしながら、売上高営業利益率は向上してきており、ポートフォリオ改革は着実に進んでいるものと判断しています。
また、成長への布石として、“コスモシャイン SRF”およびセラミックコンデンサー用離型フィルムの生産設備増設の決定、さらに高耐熱ポリイミドフィルム“ゼノマックス”の合弁会社設立を決定しています。
| 2017年度 (2014年中期経営計画) | 2017年度 (実績) | 増減 (中計-実績) | |
| 営業利益(億円) | 300 | 239 | △61 |
| 売上高営業利益率(%) | 7.1 | 7.2 | 0.1 |
また、このような環境変化を踏まえ、当連結会計年度の期初において当連結会計年度の計画を売上高3,400億円、営業利益250億円、親会社株主に帰属する当期純利益135億円に見直し、事業活動を進めました。計画に対する概況は次のとおりです。
売上高は計画比89億円(2.6%)減の3,311億円となりました。これは主として、繊維・商事事業における中東向け特化生地の市況悪化の影響やスポーツ衣料製品の販売減少、ヘルスケア事業における医薬品製造受託事業の苦戦および包装用フィルム等における価格改定難航によるものです。営業利益は計画比11億円(4.3%)減の239億円となりました。これは主として、フィルム・機能樹脂事業での原燃料価格高騰の影響や物流費の増加、さらに“コスモシャイン SRF”やエアバッグ用基布の海外での設備立ち上げ費用が増加したこともあり計画未達となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は計画比5億円(3.8%)減の130億円となりました。これは主として、本社ビルの信託受益権譲渡による固定資産売却益104億円を特別利益に計上したものの、防弾ベストに関連した訴訟の和解金等の支払いによる特別損失の増加等によるものです。
(単位:億円)
| 2017年度 (計画) | 2017年度 (実績) | 増減 (実績-計画) | |
| 売上高 | 3,400 | 3,311 | △89 |
| 営業利益 | 250 | 239 | △11 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 135 | 130 | △5 |
当社グループでは、以下の商品等を成長ドライバーとして位置付けています。
・フィルム・機能樹脂事業…“コスモシャイン SRF”やセラミックコンデンサー用離型フィルムなどの工業用フィルム、包装用フィルムの海外展開、エンジニアリングプラスチック
・産業マテリアル事業 …エアバッグ用基布
・ヘルスケア事業 …機能フィルター
これらの商品等に対し、積極的に成長への投資を進めながらポートフォリオ改革に取り組み、2018年中期経営計画の営業利益目標300億円以上を目指します。
(ハ)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりですが、特に、原燃料などの価格動向や為替変動について引き続き留意していく必要があると考えています。
(ニ)当社グループの資本の財源および資金の流動性について
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.契約債務
2018年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりです。
| 年度別要支払額(百万円) | |||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
| 短期借入金 | 32,682 | 32,682 | - | - | - |
| 長期借入金 | 82,149 | 23,962 | 19,274 | 17,182 | 21,732 |
| リース債務 | 763 | 304 | 285 | 121 | 53 |
上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めています。
当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間内に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、2018年3月31日現在の債務保証額は、2,118百万円です。
c.財務政策
当社グループは、運転資金および設備資金については、内部資金または借入により資金調達することとしています。このうち、借入による資金調達に関しては、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金および社債は主に設備投資と投融資に係る資金調達です。
2018年3月31日現在、長期借入金の残高は82,149百万円です。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計17,500百万円のコミットメントライン契約を締結しています(借入未実行残高17,500百万円)。