当社グループ主力ユーザーの水産業界におきましては、海洋環境や気象状況の変動による漁獲量の減少やALPS処理水放出により海産物の輸出に影響がでており、人件費、資材、物流コストの上昇により、事業収益は圧迫されております。しかし、一部の魚種では漁獲量や魚価の回復も見られ、外食産業向けの水産物の需要も増加しております。能登半島地域では、多くの漁業者が被害を受け、先行きが見通せない状況ですが、漁業資材等への設備投資意欲が戻ってきております。
このような状況のもと、当社グループの売上高は、漁業者の投資意欲回復に伴い、定置網部門や旋網部門を中心に増加しました。また、陸上関連事業でも獣害防止ネットや陸上ネットの施工工事の受注が堅調であったこと等から前年同期と比べて売上高は増加しました。営業利益は、海外の生産拠点を含め、原材料費が上昇したことに加え、人件費や新事業所関連の減価償却費等のコストも増加し収益圧迫要因になりましたが、漁業関連事業の売上高が増加したことや適正な在庫を確保し、お客様のニーズに合った製商品の短納期化を推進したこと等により、前年同期と比べて増加しました。また、営業外収益として、円安による為替差益及び生命保険や漁獲共済等の受取保険金が発生しました。一方、特別損失として、ランサムウェア感染被害に対処したシステム復旧費用が発生しました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は14,056百万円(前年同期比9.9%増)、営業利益は10百万円(前年同期は105百万円の営業損失)、経常利益は337百万円(前年同期比182.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は170百万円(前年同期比180.7%増)となりました。
2024/04/10 16:04